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 孟宗竹に伝染病
 人の手入れが行き届かない竹林が全国的に拡大する中、富士山周辺の静岡県御殿場市や裾野市で、孟宗竹が、竹を枯らす伝染病「天狗巣病」に感染する被害が広がっている。

 天狗巣病は植物(多くは樹木)の茎・枝が異常に密生する奇形症状を示すものの総称である。高い木の上に巣のような形ができるためこの名がある。英語ではwitch's broom(魔女のほうき)という。

 直接の原因としては、植物ホルモンの異常が考えられる。通常は、頂芽から出るオーキシンがその下の腋芽の生長を抑えている(頂芽優勢)。しかしオーキシンに拮抗するサイトカイニンの量が多くなると、多くの芽が一度に生長することとなり、天狗巣症状が現れる。

HazardMap
 
 これを起こす原因は様々で、菌類、昆虫、線虫、ファイトプラズマ、ウイルスなどがある。ただ、孟宗竹は同病にかかりにくい種類と指摘されており、識者は「富士山の火山灰土が影響しているのでは」と指摘したうえで、「病気が拡大して枯死する竹林が増え、土砂災害の危険性が高まる」と警鐘を鳴らしている。

 日本の竹は主に「真竹(まだけ)」「淡竹(はちく)」「孟宗竹」の3種類あり、真竹と淡竹は日本に古くから存在する。一方、孟宗竹は中国原産で、タケノコのえぐ味が少なく消費者に好まれ、繁殖力が強いことから1970年代以降、急速に増えてきた。

 真竹で天狗巣病が発症するのは珍しくないが、竹の生態学に詳しい、京都大学農学部付属演習林の渡辺政俊・元文部技官(77)は、「孟宗竹の天狗巣病はかつては聞いたことがない」と驚く。(2010年9月20日  読売新聞)

 予想を超えた富士山火砕流
 富士山といえば活火山である。現在は静かだが、近い将来、噴火が起こるのではないかと予想されている。過去にたびたび、大きな噴火が起きたことが、地形にも記録にも残っている。

 約8300年前の富士山の噴火で発生した火砕流が災害予測地図(ハザードマップ)の想定範囲を超え、山頂から17キロ・メートル南の静岡県富士市郊外まで到達していたことを、嶋野岳人(たけと)・富士常葉大准教授らのグループが突き止めた。

 10月9日から京都市で開かれる日本火山学会で発表する。

 過去に見つかった火砕流の跡は山頂から10キロ以内。政府の検討委員会が過去3000年程度の噴火の記録や地質調査を基に作ったハザードマップでも、火砕流の到達範囲を山頂から10キロ以内と予測している。

 グループは昨年2月、同市内の工事現場で、のり面に幅約100メートル、厚さ約0.5メートルの赤色の堆積(たいせき)層を発見。粒の大きさが異なる軽石で構成されることから、山の斜面を下ってきた火砕流が堆積したと判断した。火山灰と一緒に空から降ってきた石なら、大きさはほぼ均一になる。(2010年10月8日17時50分  読売新聞)

 それにしても、普段は静かで美しい富士山。過去にそんなに激しい活動があったとは想像しにくい。いったい、いつごろから火山活動をしていたのだろうか?

 富士山の噴火
 最終氷期が終了した約1万1千年前、古富士の山頂の西側で噴火が始まり、溶岩を大量に噴出した。この溶岩によって、現在の富士山の山体である新富士が形成された。その後、古富士の山頂が新富士の山頂の東側に顔を出しているような状態となっていたと見られるが、約2,500–2,800年前、風化が進んだ古富士の山頂部が大規模な山体崩壊(「御殿場岩なだれ」)を起こして崩壊してしまった。

 新富士の山頂から溶岩が噴出していたのは、約1万1千年前–約8,000年前の3,000年間と、約4,500年前–約3,200年前の1,300年間と考えられている。これ以降、山頂部からの噴火は無いが、長尾山や宝永山などの側火山からの噴火が断続的に発生している。

 延暦19年 - 21年(800年 - 802年)に延暦噴火、貞観6年(864年)に貞観噴火。最後に富士山が噴火したのは宝永4年(1707年)の宝永大噴火で、噴煙は成層圏まで到達し、江戸では約4cmの火山灰が降り積もった。また、宝永大噴火によって富士山の山体に宝永山が形成された。その後も火山性の地震や噴気が観測されており、今後も噴火の可能性が残されている。

 宝永大噴火以来300年にわたって噴火を起こしていないこともあり、1990年代まで小学校などでは富士山は休火山と教えられていた。しかし先述のとおり富士山にはいまだ活発な活動が観測されており、また気象庁が休火山という区分を廃止したことも重なり、現在は活火山としている。(Wikipedia)

 地震との関連性
 宝永大噴火は宝永地震の49日後に発生している。南海トラフや相模トラフを震源とする地震や、近隣地域の地震の前後25年以内に富士山を変化させる何らかの活動が発生しており、活動とは関連性があると考えられる。

 また、噴火活動と連動した活動ではないが、1331年の元弘地震(M7)や1792年、1891年美濃地震では地震の震動で山体崩壊や大規模な斜面の崩落が発生した事が記録されている。 

 2009年10月に、GPSによる富士山の観測で地殻変動が確認された。これは1996年4月の観測開始以来初めてのことである。この地殻変動により最大2センチの変化が現れ、富士宮市-富士吉田市間で約2cm伸びた。これはマグマが蓄積している(活火山である)現れとされている。 

 

参考HP Wikipedia「富士山」「天狗巣病」・富士五湖.TV「富士山ハザードマップ 

富士山の謎をさぐる―富士火山の地球科学と防災学

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