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COP10(第10回生物多様性条約締約国会議)
いよいよ10月18日からは、COP10の本題に入る。次の2点が話し合われる。
1.2010年目標の評価とポスト2010年目標の策定
COP6で設定された「2010年目標」の達成に向け、これまで様々な努力が行われてきましたが、2010年目標は達成できないと言われている。COP10では、2010年目標の達成状況の評価が行われ、2010年以降の目標(ポスト2010年目標)が決定される予定である。
2.遺伝資源のアクセスと利益配分(ABS)
資源提供国(途上国)の遺伝資源を利用して資源利用国(先進国)が利益を上げる場合に、その利益の一部を資源提供国に配分するための国際体制の検討作業が、COP10までの完了を目指して行われている。
2010年目標とは何か?
生物多様性条約の締約国は、2010年までに生物多様性の損失速度を顕著に減少させるという目標。2002年にハーグで開催された生物多様性条約COP6で採択されたもの。生物多様性条約戦略計画の中で明示されている。また、同年に開催されたヨハネスブルグ・サミットの実施計画にも盛り込まれた。
内容は、「構成要素の生物多様性の保護」「持続可能な利用の振興」「生物多様性に対する脅威への取組」「人類の福祉の確保のための生物多様性由来の産物とサービスの維持」「伝統的知識、発明及び慣行の保護」「遺伝子資源の利用による利益の平等で衡平な利益の共有の確保」「資源移転の状況」という7つの目標分野で、11の最終目標が設定されている。また、これらの目標分野ごとに、2010年目標の進捗状況を評価するための指標案が整理・提示されている。(EICネット)
生物資源に2つの意味
COP10では、多くの国が集まって、このようなさまざまなことを話し合うので、わかりずらい。その中でキーワードとなっているのが「生物資源」である。ここでは「生物資源」に焦点を当ててみよう。「生物資源」には2つの意味がある。
1つは生物をエネルギーの一つとしてみるバイオマスとしての資源、もう1つは、生物独自の性質を利用する遺伝子に着目した資源である。
エネルギーとしての生物資源は、COP15(第15回気候変動枠組み条約締約国会議)でよく話題になる、新エネルギーの1つである。一方、遺伝子に着目した資源はCOP10(第10回生物多様性条約締約国会議)で話題になる、希少生物についての資源である。
現在、この2つの生物資源が、いっしょになって議論されているので、COP10をわかりにくくしている一因となっている。例えば、現在「Wikipedia」では、「生物資源」を「エネルギー」としての意味として掲載。EICネットでは「生物資源」をエネルギーより「遺伝資源」としてとらえて掲載してある。
発展途上国と企業の闘い
COP10では希少な生物が持つ遺伝子で、希少な物質が合成されるので「生物資源である、希少生物や生物多様性をみんなで守っていこう」という趣旨がある。
ところが、2010年10月11日放送のNHK「夢の新薬が作れない~生物資源をめぐる闘い~」では、本来、生物資源であった新薬の原料を、化学的に合成することに成功した企業が出現、さらに問題が複雑化している。
発展途上国は、その新薬の原料は我が国の生物由来だから、新薬の販売で利益を得るなら、「一部を還元せよ」という。一方、企業はその生物は、もはや利用する必要がないので、「還元する必要はない」という。
一方で、乱獲や密猟により、希少生物はますます少なくなっている。ここでも、発展途上国は「乱獲は企業に責任がある」と非難。企業は「乱獲は政府の管理責任」と主張、両者は平行線をたどっている。希少生物の管理にはお金がかかるので、両者ともに責任を取りたくない。
COP10で、国際ルールはできるか?
これだけでも混乱するのに、世界には新薬になる、希少生物が多種多様に存在し、個々の事情も違う。こうやって発展途上国と企業が争っている間にも、希少生物は激減している。
ガンやエイズなどに効果のある「生物資源」も発見されており、そこから生まれる「新薬」を、世界中の患者たちが待っている。彼らにとって残された時間はなく、一刻も速いルールづくりが必要だ。
10月18日からの「COP10」では、こういした複雑な問題を話し合う。果たして合意形成に至るのであろうか?
参考HP 生物多様性条約COP10「日本公式ウェブサイト」・バイオサプリ「マカの種類」・エキサイトニュース「いよいよ来月開催COP10何をするイベント?」
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