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 やはり難航COP10
 COP10、最大の焦点になっている生物資源をもとに作られた医薬品などの利益を、発展途上国と先進国とでどう分け合うかについて、このテーマを専門に話し合う会合が開かれ、先進国の企業などに生物が許可なく利用されるのをどう防ぐかなどについて、集中的な議論が行われている。
 
 生物資源は再生可能資源ではあるが、近年の過度な利用により、絶滅の危機(再生不可能)に瀕しているものも多い。このため、生物多様性条約などで、持続可能な利用が求められている。

 バイオテクノロジーによる生物資源の開発を推進する立場の先進国の企業と、これを、生物資源の盗賊行為(バイオパイラシー)と非難し、これらの利益の還元を主張する生物資源原産国としての発展途上国とは、生物多様性条約制定・運用などをめぐって対立している。

South Africa_Peru
 
 例えば、発展途上国の中には、コロンブスの時代にさかのぼって、利益を支払うべきだとする国もある。これに対し、日本やEUなどの先進国は、過去にさかのぼるのは無理だと主張しているため、会議は遅々として進まない状況だ。

 バイオパイラシー
 インドの女性科学者バンダナ・シバなどは、この問題を先進国による発展途上国(生物資源の原産国)に対する新たな侵略行為だとして、生物資源の盗賊行為「バイオパイラシー」と名付けている。

 つまり、先進国の多国籍企業などは、途上国住民の永年の伝統的生活により保全・利用されてきた豊かな生物資源(生物多様性)を利用し、バイオテクノロジーにより食料や医薬品など商品開発をして莫大な利益を上げている。それにもかかわらず、途上国にはその利益の公平な配分・還元や技術移転などがなく、生物資源の盗賊行為に等しいというもの。このような先進国などの姿勢を生物帝国主義と呼ぶこともある。

 生物多様性条約策定の段階でも、南北対立問題の一つとなり、成立した条約では、遺伝子資源へのアクセスとその利用から生じる利益の公正・衡平な配分(ABS)が条約の目的の一つとして位置づけられた。また条文にも途上国など「原産国」の権利や先進国から途上国への資金援助、技術移転などの項目が盛り込まれた。

 なお、アメリカ合衆国はこれらの資金援助や技術移転が、無制限になる可能性があり、その歯止めとしての知的所有権の保護も十分ではないとして、生物多様性条約を未だに(2010年10月現在)批准していない。(EICネット)

 生物資源「ベラルゴニウム・シドイデス」
 実際の現場をのぞいてみよう。ドイツで人気の風邪薬「ウンカロアボ」は、南アフリカ原産の植物「ベラルゴニウム・シドイデス」という植物の成分からつくられる。よく効く風邪薬だ。とくに東ケープ州にこの植物は多かったが、現在乱獲が進み「絶滅危惧種」となっている。

 「ベラルゴニウム・シドイデス」は地元に伝わる薬草で、ごく普通に野山に見られた。子どもたちが風邪をひいたときには、この煮出し汁を決まって飲ます。すると、体の免疫力を活性化するはたらきがあり、すぐによくなった。

 南アフリカに住むロイ・ゴワー氏は、この植物の仲買人だ。地元の人が採ってきた「ベラルゴニウム」を買い取り、ドイツの製薬会社に売る。貧しかった地元の人はこぞって、この植物を採取した。当初、ロイ・ゴワー氏は各地で歓迎された。しかし、しだいに原地では「ベラルゴニウム」は激減。そこで南アフリカ政府は、採取しすぎないように、許可を得た者が採取することになった。

 しかし、不正採取は跡を絶たなかった。南アフリカ政府は「バイオパイラシーだ」と企業を非難。生物資源の減少には、企業が責任をとるべきだと主張した。これに対し企業側は不正採取は国内の問題であり、国で管理するべきだと主張。ここでも議論はかみ合わない。

 生物資源「竜の血」
 南米ペルーのアマゾン川流域には、血のような色の樹液を出す「竜の血」という植物がある。米国製薬会社の副社長スティーブンキング氏は世界を旅しながら、薬になる生物資源を探している。この地で治療師として生活している人に、この「竜の血」のことを聞き、この樹液から下痢止め「クロフェレマー」をつくった。毎年、世界で何百万の子どもたちが下痢で命を落とす。この薬があれば、子どもたちを救えるかもしれない。現在この薬は臨床試験中だ。

 しかし「竜の血」の木、1本の樹液から200錠分の薬しかできない。スティーブン氏は取り尽くすことのないよう、植樹もちゃんと行っている。植樹は、原地の人の仕事にもなっている。そればかりか、利益の2%を原地の人に還元しようと考えている。

 一方、ペルー政府は法律で、もし「伝統的知識」にあたる生物資源で企業が利益を得たときには、その10%を政府にそして5%を原地の人に還元する旨を決定した。これに対し、スティーブン氏の企業は「竜の血」は、誰でも薬効を知っている公知の木であり、「伝統的知識」にあたらないと主張し対立している。

 

参考HP NHKスペシャル「夢の新薬がつくれない~生物資源をめぐる闘い~」 

生物遺伝資源のゆくえ―知的財産制度からみた生物多様性条約
森岡 一
三和書籍

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