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 奄美豪雨で小中学生83人孤立
 秋雨前線の影響で記録的豪雨に見舞われた鹿児島県奄美地方では10月21日朝、県警や海保の職員らが相次いで奄美大島に入り、地元消防などによる被災者の救助も始まった。

 しかし、現地では道路が各地で寸断され、電話が通じない地域も多いため、被害状況の把握や住民の安否確認は難航している。鹿児島県の伊藤祐一郎知事は21日午前、自衛隊に災害派遣を要請した。前線は22日ごろまで奄美地方周辺に停滞する見通しで、鹿児島地方気象台は引き続き厳重な警戒を呼びかけている。

Typhoon_tip

 奄美市内では、公立の小中学校6校で児童・生徒138人が校内に取り残されており、県教委が安否確認を急いでいる。このうち、東城小・中学校の55人は21日早朝までに奄美体験交流館に避難した。残り83人の学校と連絡が取れない状況が続いている。 

 鹿児島地方気象台によると、18日午後9時の降りはじめから21日正午までの降水量は奄美市名瀬で736ミリ、瀬戸内町古仁屋で375.5ミリに達した。奄美市名瀬では、10月の平年降水量の約3倍となっている。

 災害派遣要請を受け、海上自衛隊鹿屋航空基地(同県鹿屋市)のヘリが出動した。被害が大きい奄美市住用町などへの救援物資の補給などにあたる予定で、ヘリが着陸できる場所を検討している。(毎日新聞 2010年10月21日)

 秋雨前線とは何か?
 今回、この記録的豪雨の原因は、秋雨前線と台風である。秋雨前線とは何だろう?

 秋雨とは、日本において9月中旬から10月上旬にかけて降る長雨のこと。夏から秋に季節が移り変わる際、真夏の間本州一帯に猛暑をもたらした太平洋高気圧が南へ退き、大陸の冷たい高気圧が日本海や北日本方面に張り出す。この性質の違う2つの空気がぶつかる所は大気の状態が不安定になり、秋雨前線が発生する。梅雨前線と同じく、前線を挟んで夏の空気と秋の空気とが押し合いをしているため、前線は日本上空を南下したり北上したりする、こうして長雨が続く。

 秋雨の原因となる高気圧は主に3つある。1つ目はシベリア高気圧と呼ばれる高気圧である。シベリア高気圧は冷たく乾燥したシベリア気団から構成されていて、高気圧から吹き出される風も冷たく乾燥している。2つ目は秋特有の移動性高気圧と呼ばれる高気圧である。移動性高気圧はやや温かく乾燥した揚子江気団から構成される。3つ目は太平洋高気圧で、温かく湿った小笠原気団から構成される。

 梅雨とは反対に、末期よりも初期の方が雨が強い。基本的に、秋雨前線は梅雨前線よりも弱く、前線が停滞前線ではなく寒冷前線や温暖前線になったり、前線として現れない気圧の谷となったりすることも多い。そのため、曇りの天気が続いたり、しとしとという弱い雨が降ることが多い。しかし、大気が極度に不安定となって大雨の条件がそろうと、梅雨をもしのぐ大雨となることがある。

 特に秋雨の時期は秋の台風シーズンと重なっているため、台風から秋雨前線に向かって湿暖気流が流れ込み、積乱雲が発達して大雨となり、大規模な水害を引き起こす場合がある。今回の大雨はこのケースだ。また、上空に寒気が流れ込んだり、収束線が通過したり、低気圧が発達して前線が発達したりしても、大雨になることがある。(Wikipedia)

 不気味!スーパー台風13号
 そして、今回の大雨のもう一つの原因である台風13号、フィリピンルソン東の北にあって、こちらのほうも記録的な大きさだ。何と発生当初には、最低気圧が885hPaまで発達した。900hPaを下回ったのは、19年ぶりだ。しかし、上には上がある。世界最大の台風は1979年の台風20号で、870 hPaが最低気圧だ。

 日本の本州がすっぽり入るほどの規模のスーパー台風13号号は、10月18日午後、フィリピンのルソン島に上陸し、18日夜遅くにかけて島を横断した。台風13号の最大瞬間風速は、90メートル。フィリピン・ルソン島直撃し、19日までに少なくとも14人が死亡、数千人が避難を余儀なくされている。救援隊がたどりつけない地域もあり、被害や死者の拡大が懸念される。

 今回の台風について、名古屋大学地球水循環研究センターの坪木和久准教授は「すでに温暖化は始まっていますので、その一端が表れた」と語った。坪木准教授は、地球シミュレーターで温暖化のシミュレーションを行っていて、今後、スーパー台風の発生が増えるという。

 坪木准教授は「2081年10月の計算で出てきた。日本に接近するスーパー台風の1つ。中心付近の風速は70メートル以上ですね」と語った。スーパー台風が発生する原因は海水温の上昇。坪木准教授は「これは、(フィリピン沖の)1985年6月と2087年6月の海水温。フィリピン東方海上は28度から29度。それが100年たつと、31度から32度ぐらいざっと2度程度高くなる」と語った。

 海水温が高いと、より強い台風が生まれ、しかも日本付近の海水温が高くなると、スーパー台風が強い勢力を保ったまま、日本に接近するおそれがあるという。坪木准教授は「温暖化すると、今世紀の末には、台風の数そのものが減って、強い台風が増えると予想されています。対策を今のままで何もしないでスーパー台風が来ると、非常に大きな被害が出る」と語った。 (FNNニュース 10/19)

 世界最大の台風は?
 昭和54年台風第20号(チップ〔Tip〕)は、1979年(昭和54年)10月に発生し、海上において観測史上世界で最も低い中心気圧を記録した台風である。この台風は、日本全国を縦断し、日本全国に影響を及ぼした。

 1979年10月4日、トラック島の南東海上で熱帯低気圧が発生し、10月6日には台風20号となった。その後台風は猛烈に発達し、10月12日、観測史上世界で最も低い中心気圧870ヘクトパスカルを記録した。最大風速は85m/s、25m/s以上の暴風半径は300kmとなった。

 10月19日、和歌山県白浜町付近に上陸した。上陸時の勢力は中心気圧965ヘクトパスカル、最大風速35m/sであった。その後本州を縦断し、北海道釧路市付近に再上陸した。台風は、温帯低気圧に変わった後に再発達し、10月20日15時には950ヘクトパスカルとなった。温帯低気圧はアリューシャン沿いに東進後、22日には西経域へ出た。

この台風は、大型で暴風域が広かったため、ほぼ全国を暴風域に巻き込んだ。首都圏では暴風雨に見舞われ、鉄道や高速道路などの交通機関が麻痺状態となった。千葉県館山市で最大瞬間風速50.0m/s、東京で38.2m/sを記録した。北海道網走市で最大瞬間風速37.4m/sを記録した。北海道東部では漁船の遭難が相次いだ。釧路市では、死者・行方不明者67名となった。また、紀伊半島では、900mmを超える大雨となった。総死者数110名、行方不明者5名、負傷者543名であった。(Wikipedia)

 

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日経サイエンス編集部
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