科学大好き!アイラブサイエンス!最近気になる科学情報を、くわしく調べやさしく解説!毎日5分!読むだけで、みるみる科学がわかる!
就職祝い・転職祝い、入社祝い 空いた時間を有効活用してみませんか? CPI 仮想専用サーバー

 ほうき星(彗星)の姿ハッキリ!
 NASA(アメリカ航空宇宙局)の探査衛星が、尾をひいて輝くほうき星を近距離から撮影することに成功し、これまでで最も詳細にほうき星をとらえたものとして注目を集めている。

 NASAの探査衛星「ディープ・インパクト」は、地球から2000万キロ以上離れた太陽系を移動している「ハートレイ第2彗星」に700キロの近距離まで近づいて撮影に成功し、このほど地球にその画像を送ってきた。

 ピーナツのような形をした「ハートレイ第2すい星」は、全長がおよそ2キロあって、太陽の周りを6年半かけて1周している。探査衛星がとらえた映像からは、ほうき星のごつごつした表面がはっきりとわかり、氷やちりなどの物質が太陽の熱で蒸発して吹き出し光り輝いている様子がみごとにとらえられている。

DeepImpact
 
 今回の撮影について、NASAは「ほうき星をこれほど詳細に観測できたのは、史上初めてのことだ」としており、専門家の間でも、ほうき星の成り立ちを解明するうえで貴重な資料になるものとして注目を集めている。(NHK 2010年11月6日)

 生きていた「ディープ・インパクト」
 ディープ・インパクトは、だいぶ前に彗星にぶつかったはずでは...?

 実はぶつかったのは、衝突体(インパクター)だけで、本体は生き残っており、「エポキシ」ミッションの観測を続けていた。

 ディープインパクトは、テンペル彗星(9P)への衝突実験を終えたあと、同探査機は「太陽系外惑星の観測と解析ミッション(EPOCh)」を実施して、2008年に終了。続いてハートレー彗星(103P)への接近通過ミッション「ディープインパクト延長探査(DIXI)」を実施している。

 エポキシ(EPOXI)とは、「ディープ・インパクト計画」後に行われた2つのミッション「EPOCh」と「DIXI」を合体させたミッションの略称。探査機名「ディープ・インパクト」はそのまま引き継がれている。

 ハートレイ第2彗星
 ハートレー第2彗星(103P/Hartley 2)はオーストラリアの天文学者マルコム・ハートレー氏によって発見された彗星で、6年半で太陽を回っており、現在、地球に接近している。10月末に最も近づき、11月中旬まで地球と並走しながら徐々に離れていく。地上から見ると6等星ほどの明るさ。暗い場所に行って、双眼鏡を使えばよく見える。

 ハートレー第2彗星が発見されたのは1986年。それまで発見されなかったのは、地球に近い軌道を通ることがなかったためだ。1947年、1971年、1982年と木星に3度接近したことで軌道が変化し、ようやく地球から観測できるようになった。

 2007年、ハートレー第2彗星はNASAの探査機ディープインパクトの主要探査対象となった。ディープインパクトの当初のミッションは、2005年にテンペル第1彗星に衝突体(インパクター)を衝突させ、その衝撃で飛び散る氷やちりを分析してテンペル第1彗星の組成を調査することだった。

 このミッションが終了した後、“母船”であるディープインパクトはほかの実験を行うだけの燃料が残っていたため、NASAは進路をハートレー第2彗星に向けて変更していた。

 その後、ミッションの名称は太陽系外惑星の観測とディープインパクトの延長調査を意味するEPOXI(Extrasolar Planet Observation and Deep Impact Extended Investigation)に変更され、ハートレー第2彗星に接近した。彗星から965キロの距離まで接近し、表面のクレーターのほか、ちりとガスの噴出源のクローズアップ画像を撮影した。

 これまで、ハレー彗星、ビルト第2彗星、ボレリー彗星、テンペル第1彗星などのロボット探査機による調査が行われ、これらの彗星がそれぞれ大きく異なることがわかったことから、ハートレー第2彗星の観測結果にも期待が高まっている。(2010年 9月17日 National Geographic News)

 ディープ・インパクトとは何か?
 ディープ・インパクト (Deep Impact) は、アメリカ航空宇宙局(NASA)のディスカバリー計画の一環として行われていた彗星探査計画、または探査機の名前である。

 ディープ・インパクトは、2005年1月12日の打ち上げ以降、173日をかけて約4億3100万kmを旅したのち、テンペル第1彗星に向けて、重さ約370キログラムの衝突体(インパクター)を発射した。衝突体は、米東部夏時間の7月4日午前1時52分に彗星に衝突した。衝突時のスピードは時速約3万7000kmだった。

 この計画は、テンペル第1彗星に重さ370kgの銅・アルミニウム合金製のインパクターを撃ち込み、その衝突によってできるクレーターや飛び散る塵から彗星の内部構造を調査するというものである。彗星の内部構造の解明、またその観測データからの太陽系や惑星誕生のメカニズムの解明が期待された。

 観測は、探査機に搭載されたカメラ、赤外線スペクトロメータで行われた。また、ハッブル宇宙望遠鏡、スピッツァー宇宙望遠鏡、その他数々の地上の望遠鏡からも可視光線や赤外線などによる観測が行われた。

 インパクターには、人工知能が与えられ、搭載されているカメラで目標である彗星核の画像を撮影、自ら解析し、もっとも効果的な観測が可能だと思われる地点(太陽光が当たる“昼”の部分で出来るだけ平坦な箇所)に衝突するように姿勢制御を行うように設計された。 

 NASAは、「彗星に名前を届けよう」というキャンペーンを企画した。これは、世界中から有志の名前を募集し、集まった名前をコンパクトディスクに書き込んで彗星に届けるものである。名前を書き込まれたCDは、インパクターに搭載されて彗星に衝突した。(Wikipedia)

 

彗星―その本性と起源

朝倉書店

このアイテムの詳細を見る
軌道決定の原理―彗星・小惑星の観測方向から距離を決めるには
長沢 工
地人書館

このアイテムの詳細を見る

ブログランキング・にほんブログ村へ 人気ブログランキングへ   ←One Click please