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 ビデオ流出事件の功罪
 沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突を巡るビデオ映像流出事件、テレビをつけると毎日のように放映されている。ビデオ映像がいけないというなら、なぜこんなにニュースで流すのだろうか?  

 それにしても、最前線で国の安全を守る、海上保安庁の人達は大変である。これが漁船?と思われるほど、船首の丈夫な船が、あきらかに体当たりしてくるのだからたまったものではない。命がけで働いている事実を、遊んでいる国民に知ってもらえたことは、よかったと思う。

 あまりにも日本人は、国の安全保障に対する意識が低すぎるので、この映像は多くの人に危機感を持たせたることになった。ドイツはベルリンの壁を、疾うの昔に崩壊させたが、日本人は憲法の壁を戦後65年崩壊させられずにいる。

Monazite

 自分の国を自分で守れない国は、過去の歴史上では姿を消している。国を守りきった国だけが、歴史を書き残せるのだから、あたりまえのことだ。多くの国は平和を望みながらも否応なく、軍備しているのが現状である。

 核兵器廃絶までには、どう考えても、あと数百年必要だ。日本だけが軍備を放棄して世界が変わるわけがない。そして現在、核兵器を持った、中国、北朝鮮などの独裁国家が隣にあるのに、軍備を持たない日本は正気の沙汰とは思えない。果たして日本は、憲法を改正して、自主防衛できるのだろうか?世界が注目している。

 ところでこの尖閣諸島問題で、中国政府が対抗処置として出した、レアアースの輸出禁止問題は、その後どうなっただろうか? 
 
 レアアースの生産量減少
 中国では、レアアースの生産量を減らすことも表明している。これには、世界中のハイテク企業が困った。レアアースは、電気自動車などのエコカーやパソコン、携帯電話、風力発電の製造などハイテク機器に使われているからだ。

 世界の需要の半分を占める日本は、大半を世界最大の産出国であり価格の安い中国からの輸入に頼ってきた。その中国が輸出枠を削減、日本への輸出量は2004年には6万トンを超えていたが、2010年は3万トンと半分になっている。

 これに対し日本政府は、来春にもモンゴルと経済連携協定(EPA)締結交渉を開始する方針を決めた。菅直人首相は、来日するエルベグドルジ大統領と会談し、モンゴルとの経済協力強化でレアアース(希土類)やウラン、石炭など鉱物資源開発に日本企業参入を図るのが狙いだ。

 日本には少ないが、世界中にレアアースは存在する。現在、モンゴルや米国などのレアアースを採掘、利用する計画が進められている。

 ところで、中国はなぜレアアースの生産量を減らし、尖閣諸島問題の切り札のように「勿体」を付けて輸出禁止などといってきたのだろう?

 レアアースに隠れた問題点
 日本は、レアアースを輸出禁止にされ困惑しているが、その背景に、環境問題があることは知られていない。レアアースを採掘するときには、鉱山に酸性の薬品をかけて、溶かして、抽出する。残った薬品は、きちんと処理をしなければいけない。そのためにはコストがかかる。

 また、副産物として出る放射性物質の「トリウム」、これもきちっと管理をして、処理をしなければならない。これにもコストがかかる。中国がこれまで、安い値段で輸出してきたということは、環境問題に関して、お金をかけてこなかったことが原因だと考えられる。

 そもそも中国は、鄧小平氏の時代から、中東に石油があるように、中国には希土・レアアースがあるというふうに考えていて、レアアースを希少な戦略物質としてとらえていた傾向がある。

 自然界にあるトリウムは、放射線を出すが人体に影響を与えるほどではない。しかし、レアアースを取り出す時に、これを分離し、ためておくとなると、放射線量は増加していき処分の方法が問題になってくる。 

 11月10日放送のNHK「クローズアップ現代「放射性物質“トリウム”最前線」では、中国と世界のレアアースに含まれる「トリウム」の問題について、くわしく知ることができた。

 「トリウム」とは何か?
 レアアースと一緒に出てくる、放射性物質「トリウム」とは何だろう?

 トリウム (Thorium)は、原子番号 90 の元素。元素記号は Th。アクチノイド元素の一つ。銀白色の金属で、常温、常圧で安定な結晶構造は、面心立方構造(FCC)。1450℃以上で体心立方構造(BCC)が安定となる。比重は、11.72で、融点は 1750℃、沸点は 4780℃。

 トリウムは岩石の中や土の中に微量に見つかる。ウランの3倍豊富で、鉛と同じくらい一般的な金属である。土の中に12ppm含まれている。モナズ石(モナザイト、CePO4)、方トリウム石(ThO2)からとられる。

 トリウムには27種類の同位体が発見されていて、安定同位体は存在しない。99%以上がトリウム232であり、これは140億年の半減期(地球の年齢の約3倍)をもっていて、放射線の放出もごく微量なため一般に安定同位体でない事を無視してよい。しかし、他のトリウムの同位体は強力な放射能を持っている(特にトリウム228)。

 粉末状態のトリウムは自然発火性で、注意して扱うべき金属である。さらにトリウムには毒性があり、体内に入り肺、すい臓、血液につくと発癌する危険性がある。現在では世界保健機関(WHO)の下部機関である国際がん研究機関(IARC)により、トリウム232と崩壊生成物はヒトに対して発癌性があるGroup 1として分類されている。

 

参考HP Wikipedia「レアアース」「トリウム」・NHKクローズアップ現代「放射性物質“トリウム”最前線」 

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