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 レアアースに放射性物質
 ハイブリッド車や携帯電話などのハイテク機器に欠かせないレアアース。中国の輸出停止で確保が課題として浮かび上がっているが、知られざる大きな課題がある。トリウムと呼ばれる放射性物質が含まれているのだ。

 採掘の際に出て来るトリウムをどうするか、各国にとって悩みとなっている。ところが欧米を中心に、トリウムの積極利用が検討されはじめている。ウランに加えて原子力発電所の燃料として使う動きや、核廃絶にも寄与するとの期待すら高まっている。発想の転換から一石二鳥の効果を生み出す物質として注目が集まり始めているトリウム。

 レアアース(希土類元素)は中国が世界の生産量の97%を占めているが、中国政府が輸出枠制限をかけたことで世界中が揺れている。11月10日放送の、NHK「クローズアップ現代」はレアアース採掘伴う副産物として出てくる、放射性物質「トリウム」に注目した。

Thorium

  番組では、欧米のトリウム開発の最前線を取材。自動車と原子力を結ぶ新たな潮流を伝える。レアアースの鉱山開発にとって、トリウムは放射性廃棄物として管理や処理にコストがかかり悩みの種。しかし、世界各国で研究が進められている原発燃料への活用に成功すれば、「レアアースと原発燃料」という一石二鳥になる。(NHKクローズアップ現代)

 トリウムをどうするか?
 日本メタル経済研究所の西山有司さんは、米国アイダホ州にあるレアアース鉱山を訪問した。もちろん、将来需給が逼迫する、レアアースを輸入できないかどうか調べるためである。レアアース鉱山に近づくと、「放射線物質が存在るす」と警告する標識があった。

 いったいなんだろう?そう思いながら鉱山に着くと、レアアースが十分な量そこにあった。放射線測定検知器で現場を調べると、すごい放射線量、人体に影響はないというが本当だろうか?放射線の発生源は、レアアース鉱石に含まれるトリウムという物質。何とレアアースのうち半分がトリウムだという。

 トリウムはウランと同様、すべての同位体が放射線を出す。レアアースはハイテク機器には重要だが、精製する過程で多量の酸を使うこと、放射性物質トリウムが出ることが問題になっている。トリウムをどうしたらよいのだろうか?

 トリウムを有効利用せよ!
 ドイツの超ウラン元素研究所では、10年かけてトリウムの利用を考えてきた。利用するとしたら核燃料だが、ウランやプルトニウムは核分裂するが、トリウムはそのままでは核分裂しない。そこで、ドイツではプルトニウムに混ぜて、燃料にすることを考えている。その結果、ウランと遜色ないエネルギーが取り出せるという。

 一方、米国バージニアにあるライトブリッジ社は、ウランにトリウムを混ぜた核燃料をつくっている。ウランだけを燃やすと、プルトニウムができるが、ウランにトリウムを混ぜて燃やすとプルトニウムの生成量が半分になった。

 インドでは長年トリウムの研究が盛んだ。インドにはトリウムがたくさん産出されるので、トリウムそのものを核燃料として利用することを考えている。米国のブルックへブン国立研究所、ホーラック博士は5年以内にトリウムを利用できる可能性があるという。

 しかし、トリウム利用の研究はまだ始まったばかり、大切なのはレアアースである。我が国はどのようにレアアースを確保したらよいのだろうか?

 まだ未知数
 これに関して、NHKクローズアップ現代に出演した東京財団研究員、平沼光さんは次のように述べている。

 これははっきり言って、トリウムに関しては、まだまったく未知だといっていいと思う。今はまさにいろんな研究を進められているが、既存のウラン・プルトニウムのやり方よりも、メリットがあるのか、またさらにはビジネス的に見て、コストが合うのか、また実際に、技術的なものもまだいろいろ課題があるので、そういったものがクリアできるのか、まったくまだ未知なものだと言っていい。

 このトリウムに関して、原子力に使うということは、アメリカのエネルギー省が主導して、第4世代の原子炉の開発、次世代の原子炉の開発というものを、考えている。その中の候補が、大体6つあるのだが、その中の一つにしか過ぎない。それも大体2030年ぐらいの実用化を目指しているというもので、まだ候補にあがっているにすぎない。まだ未知なものだというふうにとらえたほうがいい。

 こうして見ると、あたかも、このトリウムがすぐ使えれば、便利じゃないかと考えがちだが、そんなに単純なものではない、もうちょっと現実をしっかり、見据えていくべきものだといえる。ちゃんと技術的にそれができるのかどうか、さらにちゃんとコストが合うのかどうか、そういったところをきちんと見ていかなければいけない。さらに、それをやるには、ちゃんと時間というものも考えていかなければいけない、そういった意味で言うと、本当にまだ未知である。

 核燃料としてのトリウム
 トリウムはインド・米国・ロシア・豪州に大量の埋蔵があり、ブラジルも有望視されている。インドでは原子力燃料にウランではなく国内で豊富に産出するトリウムを原子力燃料にする計画がなされている。

 近年、下記の事情でトリウムが見直されている。

 地球温暖化問題の絡みで原子力が見直されており、懸案の超長半減期高レベル放射性廃棄物問題も加速器駆動未臨界炉で、保管期間の大幅縮減が可能になりそうなこと。

 中国・インドの膨大なエネルギー需要をまかなう必要がある一方で、旧ソ連核兵器解体プルトニウムの供給が終了に近づきウラン需給がタイトになる見込みであることそれらに伴い、簡易/安価な乾式再処理などの技術開発へ研究予算が投入されるようになったこと。

 世界的な原発建設ラッシュで、新規にトリウム再処理施設に設備投資しても、再処理需要が確保できそうになったこと。

 トリウム鉱石であるモナズ石から電気自動車、ハイブリッド・カー、船舶の統合電気推進に必要な同期電動機のためのネオジムや、船舶機関や家庭用燃料電池として有望視される固体電解質燃料電池に必要なランタン、新世代の原子炉・高温ガス炉の冷却材に不可欠のヘリウム、そして肥料・洗剤材料の燐が採れるために、副産物を含めた精錬の採算性向上が見込まれていること。

 発展途上国での原発計画の林立と核不拡散問題でトリウム炉を援助したほうが望ましいことなどが理由にあげられる。 
 

参考HP Wikipedia「レアアース」「トリウム」・NHKクローズアップ現代「放射性物質“トリウム”最前線」 

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