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 温室効果ガスに偏るCOP16
 2010年国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP16)は今月29日から12月10日まで、メキシコのカンクンで開かれる。議題はもちろん、地球温暖化の原因とされる、CO2の削減目標をどうするかである。 

 現在、地球の気温はCO2などの温室効果ガスの増減で、変動しているように思われているが、あたりまえのようで意外と知られていない事実がある。

 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、国際的な専門家でつくる、地球温暖化についての科学的な研究の収集、整理のための政府間機構である。本来は、世界気象機関(WMO)の一機関であり、国際連合の気候変動枠組条約とは直接関係のない組織であったが、条約の交渉に同組織がまとめた報告書が活用されている。

Milankovitch cycle
 
 「IPCC第4次評価報告書」では、人類の活動が地球温暖化を進行させていることと、それにより深刻な被害が生じる危険性が指摘されている。また人類が有効で経済的に実行可能な対策手段を有しており、20〜30年以内に実効性のある対策を行うことで被害を大きく減らせるであろうこと、それには現状よりも早急かつ大規模な取り組みが必須であることも指摘された。

 IPCCの報告書やCOP16などの会議によって、地球温暖化はCO2の増加により、今後も地球温暖化は続く...というように考えている人が多いが、実は地球の温暖化は決まったわけではない。地球の表面温度はどうやって決まるのか、冷静に考えてみよう。

 地球の表面温度の決まり方
 確かに今年の夏の気温は高かった。だから地球温暖化は起きているのは確かだ。しかし、その原因は、なにも温室効果ガスとは限らない。気象庁は、エルニーニョ現象により、偏西風が蛇行したことが主な原因としている。

 例えば、夏は1年の中でもっとも温暖化の進む時期だ。しかし、冬には寒冷化が進む。この原因はもちろん、1年間の太陽輻射量の変化である。この気候変動は地球の公転によって起きる。

 しかし、気候変動のサイクルは何も 1年と決まったわけではない。過去の氷河期のサイクルでは、ミランコビッチサイクルという、数万年、数十万年にわたるサイクルで、太陽輻射量が変化することがわかっている。また、太陽表面の活動によって気候変動が起きることもわかってきた。

 地球表面の温度を規定している要因は、次の3点である。

1.地表が受ける太陽輻射量(太陽活動の高低とか、地球の雲量とか、地球軌道のブレとかによって上下変動する)
2.地球内部活動(マグマの熱排出とか、火山灰の噴出)
3.地球の大気組成(地表温の保温効果や、熱の放散に影響)

 現代、しきりに言われているのが3の要因である。主としてCO2の大気内濃度の上昇によって地球からの熱が宇宙空間に放出され難くなったために地球温暖化が起こっているという説である。

 太陽活動の低下による寒冷化
 だが、21世紀になってからの地球平均気温は低下傾向(若しくは最大限譲っても横ばい推移)にあるので、CO2量増大という温暖化要因を上まわる寒冷化要因が作動していると考えられる。

 最も有力な寒冷化要因が「地表が受ける太陽輻射量」が減少したから…? というのが現在の主流。

 太陽活動は複数のサイクルの複合によって上下変動するが、ここ数年間に太陽活動は稀に見る低活動期に入っており、これによって太陽風の減少が起き、地球に降り注ぐ宇宙線が増加した。すると、地球上層では発生するイオン粒子の量が増大する。イオン粒子は雲発生の核となるので、雲の発生量が増え、よって日光が遮られ、地球は寒冷化する。

 その寒冷化要因がCO2増大による温暖化要因を上まわったために、地球はここ数年間寒冷化の方向へと向っていた。太陽活動の程度は、太陽黒点数によって指標化判断されるが、ここ数年間は黒点数の稀に見る少ない時期が継続し、ようやく今年になってから少々復活している。

 太陽黒点が増えれば、地球寒冷化現象が少しずつ収まっていくはずである。地球表面気温は今のところ、CO2大気内濃度よりは太陽活動のアップダウンによってより大きく影響されていると判断できる。(サイエンスポータル科学のQ&A)

 ミランコビッチサイクルとは?
 ミランコビッチサイクルとは、地球の ①公転軌道の離心率、②地軸の傾きの周期的変化、さらに ③地軸の歳差運動と、3つの周期のことをいう。理論計算では、周期は約2万年、約4万年、約10万年に大別できる。ミランコビッチ・サイクルで表される日射量の変化は、北極や南極の氷床の規模の変化や氷河期や間氷期がおとずれたりする年代を求めるのに有効である。

 1920~30年代に、セルビアの地球物理学者M.ミランコビッチは、地球に入射する日射量の緯度分布と季節変化について、当時得られる最高精度の公転軌道変化の理論を用いて計算した。この数値は、1960年代まで地質学者たちの間で用いられてきたが、放射性炭素年代測定法などが普及するに伴い廃れかかった。しかし、70年代に海洋底のボーリング調査から採取された微生物化石の酸素同位体比の変化から、中生代~古生代の地層からもミランコビッチサイクルと思われる周期的変化が確認され,一躍注目されることになった。

 ただ、本来の意味でのミランコビッチ・サイクルの日射量は2万~4万年で増減をくりかえすのだが、70万年前から2万~4万年単位で氷床の規模がおおきく変化しなくなった理由については未だによくわかっていない。(Wikipedia)

 

 参考HP Wikipedia「COP」「IPCC」「ミランコビッチサイクル」・サイエンスポータル科学のQ&A「地球温暖化は人為的なもの?」 

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