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 COP16開幕
 温暖化対策を話し合う国連の会議、COP16が、日本時間の30日未明、メキシコで開幕し、先進国が、新興国なども温室効果ガスの削減の義務を負うよう求める一方、新興国などは、先進国が引き続き義務を果たすべきだと主張し、議論は初日から対立する展開となっている。

 温暖化対策を話し合う国連の会議、COP16は、およそ190の国と地域が参加して、メキシコの都市、カンクンで、30日未明、開幕した。会議では、国連のフィゲレス事務局長が「課題が困難な時こそ、妥協することが、各国の主張の違いをまとめる知恵となる」と述べ、各国に歩み寄りを呼びかけた。

COP16

 初日の議論では、EUなど先進国が、急激な経済発展を続ける新興国も温室効果ガスの削減義務を負うべきで、各国が納得できるバランスがとれた合意がまとまるよう求めた。一方、新興国や途上国は、今の温暖化を招いた先進国が引き続き削減義務を負うべきだと主張し、京都議定書の延長を求めており、会議は初日から双方が対立する形となっている。

 また、アメリカは、代表団が記者会見し、世界で1番目と2番目に二酸化炭素の排出量が多い中国とアメリカとの交渉が会議の鍵を握るとして、断続的に両国で交渉を進めていく意向を示した。COP16は2週間の日程で開かれ、2012年に期限が切れる京都議定書に代わる新たな国際ルール作りをめぐり、今後、各国間の協議が進められることになる。(NHK 11月30日)

 ポスト京都議定書
 京都議定書以降(ポスト京都)の枠組み作りができず、期待はずれに終わったCOP15から1年。国際交渉は進まず、今回で決着がつく見通しは立たない。

 しかし、議定書の第1約束期間は2012年で期限切れを迎える。気候変動を抑えるための合意に向け、一歩でも前進させる努力は欠かせない。一方で、国際交渉の行方にかかわらず、日本は国としての対策を着実に進めていくことが肝心だ。

 京都議定書の最大の問題点は、大量排出国である中国に削減義務がなく、米国も離脱していることだ。2大排出国が削減に責任を負わない合意には実質的な意味がない。昨年、米国はオバマ政権が誕生し方向転換が図られるはずだった。しかし、議会の反対でポスト京都の削減目標は決められず、中間選挙の民主党敗北で目標設定は遠のいた。このままでは中国の関与も望めない。

 京都議定書の単純延長?
 議論が停滞する中で、空白期間を避けるために取りざたされているのが、現行の枠組みの下に先進国の削減目標を設定する「京都議定書の単純延長」だ。欧州連合(EU)も、米国や中国が入った包括的枠組みができることを条件に、これを検討する方針を決定している。

 だが、今は包括的枠組みができる見通しはない。日本が議定書の単純延長に反対するのは当然だ。日本のこだわりが交渉の前進を妨げるという見方もあるが、緻密な戦略がないまま押し切られることは避けたい。

 ただし、交渉の場では「単純延長」の定義ははっきりさせておきたい。京都議定書には、先進国の数値目標以外にも、削減のためのさまざまな仕組みが含まれている。これらを改良しながら、ポスト京都に応用していく手はある。

 低炭素社会をつくる取り組み
 国際交渉とは別に、化石燃料に依存しない低炭素社会をめざした仕組み作りは進めなくてはいけない。

 たとえば、途上国の発電所建設にあたり日本の技術で二酸化炭素を削減する。削減は2国間で分配し国際クレジットとして認定する。京都議定書にも似た仕組みはあるが、使いにくく日本の技術が生かせない。ポスト京都をにらみ、新しい仕組みを育てていくことはできるはずだ。

 国内の排出削減のため、地球温暖化対策基本法案に盛り込まれた環境税や国内排出量取引制度、再生可能エネルギーの全量買い取り制度についても早急に検討を進めたい。国内での削減努力を示すことは国際交渉で日本の立場を理解してもらう後ろ盾にもなるだろう。(毎日新聞「社説」2010年11月28日)

 京都議定書とは?
 1997年12月京都で開催されたCOP3で採択された気候変動枠組条約の議定書。ロシアの締結を受けて発効要件を満たし、2005年2月に発効。2005年8月現在の締約国数は、152カ国と欧州共同体。なお、日本は1998年4月28日に署名、2002年6月4日に批准。

 先進締約国に対し、2008~12年の第一約束期間における温室効果ガスの排出を1990年比で、5.2%(日本6%、アメリカ7%、EU8%など)削減することを義務付けている。また、削減数値目標を達成するために、京都メカニズム(柔軟性措置)を導入。京都議定書の発効要件として、55カ国以上の批准、及び締結した附属書I国(先進国等)の1990年における温室効果ガスの排出量(二酸化炭素換算)の合計が全附属書I国の1990年の温室効果ガス総排出量(二酸化炭素換算)の55%以上を占めることを定めた。

 2000年に、当時、最大排出国である米国が経済への悪影響と途上国の不参加などを理由に離脱。また、途上国であるが、現在、最大排出国になった中国、第4位のインドに温室効果ガス削減義務のないことが問題になっている。結局、京都議定書は2005年2月16日に米、豪、中国、インドなどの参加なしで発効している。

 コペンハーゲン合意
 前回の「COP15」のおさらいしておこう。コペンハーゲン政治合意案の要旨は次の通りである。
1.産業革命以前からの地球の気温上昇を2度以内に抑えるべきだとの科学的見解を確認する。
2.地球全体と国ごとの温室効果ガス排出量が可能な限り早くピークを迎えるよう、各国は協力する。途上国で社会・経済発展と貧困解消が最優先されることも認める。
3.継続的で十分な資金、技術、能力開発を、先進国が途上国に支援する。
4.先進国は、個別または共同で、20年の温室効果ガス排出量を(数値は空欄の)別表のとおり設定する。
5.途上国は持続的な開発に向けた温暖化対策を取る。対策の内容は2年ごとに報告する。対策は各国内で監査や査定を受ける。先進国資金による対策は国際的に監査・検証を受ける。
6.途上国は、森林伐採や森林破壊による温室効果ガスの排出を減らす。
7.先進国は、費用対効果を高めつつ温暖化対策を図るため、市場の活用を含む多様な手法を追求する。
8.森林減少・劣化対策や技術開発など途上国の温暖化対策を支援するため十分な資金を途上国に提供する。300億ドルを10〜12年までに提供すると確約した。また20年時点で年間1000億ドルを支援する目標を支持する。
9.ハイレベル委員会をつくり、(温暖化対策のための)財源の見積もりを行う。
10.途上国の温暖化対策を支援するため「コペンハーゲン気候基金」を設立する。
11.温暖化対策の技術開発や途上国への技術移転を強化する「技術機構」を設立する。
12.合意内容とその履行状況について16年に見直しをする。
(毎日新聞 2009年12月19日)  

 

参考HP COP16ホームページ 「COP16 Cancun Mexico

地球温暖化スキャンダル-2009年秋クライメートゲート事件の激震
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