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 湘南に黒い粉が降る
 ここ神奈川県、湘南地方で12月15日、黒い粉が積もっているのが見つかった。発見されたのは、神奈川県の18市町で、横浜、逗子、鎌倉、藤沢、茅ケ崎、平塚、小田原、伊勢原、秦野市、葉山、寒川、大磯、二宮、中井、大井、松田、開成、山北町など。

 神奈川県が、調査に乗り出したところ、粉はケイ素が主成分で、人体に影響はないという発表だったが、呼吸器系が弱い我が家族はみな喉、鼻の調子が悪い。いったい何の粉なんだろう?

Fujisuna

 この黒い粉の正体を巡っては、物質の分析や、天文・気象・災害・公害の観点からさまざまな憶測が流た。神奈川県環境科学センターは「物質は0.1ミリほどの角張った形状。地球に多く存在するケイ素が主成分で自然物の可能性が高い」。炭素含有量は極めて低いため工場や飛行機の排煙の可能性は低いという。

 天文現象としては12月13日~15日にかけて、ピークを迎えるふたご座流星群の塵ではないかという意見が出た。たしかに塵が落ちることはあるが、普通はごく少量で、空気のきれいな山の上でもなければ、空気中の塵と紛れてそれとはわからないほど。顕微鏡で見れば熱で溶けて丸い粒に見える。

 次に気象現象としては、中国大陸からよく飛来する黄砂ではないかとも考えられる。しかし字の通り、黄砂の色は白~黄色であり当てはまらない。また、この時期は地面が凍結するので、あまり飛来してこない。黄砂の時期は3月~6月だといわれる。

 さらに災害・公害の点では近くで火山の噴火があったということもなく、工場や飛行機の排煙であれば炭素含有量が多いはずなので排煙でもない。まさに、謎であった。

 しかし、15日の早朝に、「富士山の東側・山中湖畔から撮った3合目付近の映像では、黒い粉じんのようなものが舞い上がっていた」という報告や、神奈川県の「生命の星地球博物館」が調べたところ、「火山灰の成分と似ている」という報道があり、どうやら原因は、気象現象により、富士山の火山灰が舞い上がったことが原因のようだ。

 12月16日FNNニュース
 12月16日17時30分のFNNニュースで「神奈川県の18市町で黒い粉が積もっているのが見つかる 人体に影響はないもよう」という内容で報道している。

  鎌倉市の女性が異変に気づいたのは、15日の朝だった。住民は「朝、娘が学校に行く時にジジとわたしと(手を)振っていたら、あまりにもジャリジャリするので、手をこうやったら黒くて」、「それ(黒い粉)が一面なので、有害物質だったら嫌だなとか」と話した。あたりには、今も粉の残骸(ざんがい)が残っていた。実際に触ってみると、1粒1粒が大きく、ざらざらしたような感触で、鉄のようなにおいがした。

 粉に見舞われた鎌倉市の中古車販売店は、「商品なので、傷がついたらまずいので、(洗車は)慎重にやっていこうと思っています」と話した。
この「怪現象」は海に近い平塚市でも観測された。住民は「最初は黄砂かなと思ったけど、今は黄砂が飛んでくる時期ではないし、色が違うし、全然」と話した。

 そして、山に囲まれた大井町の役場でも、「『なんだろうね?』ってみんなで言ってたんですけど。今もわからないです」といった声が聞かれた。

 黒い粉の正体は?
 神奈川県によると、この粉は、県内33市町村のうち、18の市町で確認された。粉は、磁石を近づけると反応した。分析した県の施設によると、広範囲に降った粉はどれもケイ素が主成分だという。

 神奈川県環境科学センターは「(ケイ素は)地球上の中で酸素の次に多いもので、非常に鉱物として見かける一般的なもの」と語った。
また、人体に影響があるものではないという。粉の正体について、横浜国立大学の浦野鉱平特任教授は「成分からみますと、土砂とか、何か燃やしたあとの灰という感じの成分なんですね」と語った。

 しかし、神奈川県によると、工場などで異変があったとの連絡はなく、通常ではこのような粉が出ることはないという。また、自然現象の可能性については、横浜地方気象台によると、付近で火山活動などの兆候はないという。そして、ふたご座流星群など、宇宙からの飛来物の可能性については、専門家は成分的には近いとしながらも、国立天文台は「量からみましても、そんなにたくさんのものは流れ星から降ってきませんから、流れ星とはまったく関係ない」」と話した。

 まさに謎。そんな中、スーパーニュース取材班は、最初に粉が目撃された15日早朝、神奈川県で西からの強い風が吹いていたことに注目した。西の方角では、ある異変が起きていた。15日午前6時45分ごろ、富士山の東側・山中湖畔から撮った3合目付近の映像では、黒い粉じんのようなものが舞い上がっていた。

 毎日のように富士山を撮影しているという遠山喜一郎さんは、「今までに見たことのない規模の砂嵐で、大変なことになっているなと」と話した。
1時間余り、断続的に見られたという砂嵐。神奈川県は、黒い粉の正体を突き止めるべく対応中との発表文を出している。(FNN 12/16 19:34)

 富士山の火山灰か
 12月15日から16日にかけて神奈川県の広い地域で飛散しているのが見つかった黒い粉について、県の博物館が調べたところ、成分などから火山灰の可能性が高いことが分かり、当時の気象状況などから富士山のものではないかとみて調べている。

 神奈川県の鎌倉市など、相模湾沿いの湘南地域を中心とした9市9町では、15日から16日にかけて黒い粉が降り積もっているのが見つかった。黒い粉は大きさは10分の1ミリ程度で、成分はガラスの原料になるケイ素を主体に鉄やアルミニウムが含まれ、神奈川県の「生命の星地球博物館」が調べたところ、火山灰の成分と似ていた。

 さらに、表面に火山性ガスが抜けたことに伴うとみられる多数のごく小さな穴があり、角張った形をしているという火山灰特有の特徴も見られたということだ。生命の星地球博物館は、当時の気象状況では黒い粉が飛散してきた地域に向けて西風が吹いていたことから、富士山の火山灰ではないかとみて、今後、伊豆大島や浅間山などの火山灰と成分を比較するなど調べを進めることにしている。(12月17日 20時4分  NHK)

 

参考HP FNNニュース「神奈川県の18市町で黒い粉がつもっているのが見つかる 人体に影響はない模様」・プランティーションイワモト「富士砂

お天気なんでも小事典―雨・雲・虹から地球規模の気象現象まで、まるごとわかる! (@サイエンスシリーズ)
三浦 郁夫,川崎 宣昭
技術評論社
新編 火山灰アトラス―日本列島とその周辺
町田 洋,新井 房夫
東京大学出版会

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