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最近テレビや新聞で、よく目にするES細胞。それだけES細胞は、難病治療や再生医療に期待されている可能性をもった細胞です。
 
今回アメリカ合衆国の大統領がES細胞の研究に受精卵を使う法案に拒否権を発動しました。なぜ役に立つ研究に反対したのでしょう?
 
私たちはまだ、ふつうの細胞から人工的にES細胞を造れません。ところが、私たちは生まれながらにして、自然にES細胞をつくっています。その場所が受精卵です。
 
キリスト教、カトリック派は古くからの教えを重んじる派です。その教えでは、「生命は神から与えられた、崇高なもの」となっています。大統領自身もカトリックだったと思います。
 
したがって生命の根元である受精卵を人が細工してはならないと考えているようです。これが大統領の拒否権発動の理由です。過半数は賛成している法案を拒否したのは、キリスト教カトリック派の支持を得るねらいもあるようです。
 
今日はES細胞とその可能性について調べます。(参考HP福井県教育研究所)
 
 
 
ES細胞 研究資金の支出拡大 米大統領が初の拒否権

ブッシュ米大統領は19日、難病治療などへの応用が期待されるヒト胚(はい)性幹細胞(ES細胞)研究への連邦資金支出を拡大する法案への署名を拒否、米下院に差し戻した。法案の承認拒否権行使は大統領就任以来初めて。ブッシュ大統領は同法案を「医療上の恩恵を求めて無辜(むこ)の人命を奪うものだ」と強く批判した。

同法案は、不妊治療で使われなかった受精卵から作られたES細胞を使った研究にも連邦資金の支出を拡大する内容で、18日に連邦議会を通過、成立署名のため大統領に送付されていた。拒否の無効化には上下両院で3分の2以上の賛成による再可決が必要になる。

ブッシュ大統領は01年、保守層の反発が強いヒトES細胞を使った研究への連邦資金支出を認めたが、対象を既存の細胞株に制限している。大統領は19日、自らの政策は「科学上の必要と良心の要請を調和させたものだ」と主張した。一方、ヒトES細胞研究推進派の議員らは拒否権発動を「治療を求める何百万人もの難病患者の希望を否定する行為」と非難した。 (毎日新聞 2006年7月20日)

 

ES細胞とは? 

胚幹細胞または胚性幹細胞ともいう。多細胞動物の初期胚からとりだされた細胞で、あらゆる種類の体細胞になる能力、すなわち万能性をもったまま無限に増殖できる培養細胞株。

成体内にある他の幹細胞が分化できる細胞の種類に制限があるのに対して、ES細胞はあらゆる種類の細胞に分化できるのが特徴である。

 

ES細胞はどこでどうやってつくられるの?

哺乳類の受精卵は32細胞まで分割すると、胚盤胞(はいばんほう)をつくり、胚になる内層と外層の栄養細胞にわかれる。この内層細胞をとりだし、ばらばらにわけて培養して、ES細胞がつくられる。

ES細胞の万能性をうしなわせないためには、マウス胎児の初代培養線維芽細胞を培地にするなど、特殊な条件が必要である。また、培養中に細胞分化がおこらないようにするために、抑制因子をくわえることも必要である。

こうして維持されたES細胞は、胎内にもどされると正常な胎児になることができ、生育条件をかえればさまざまな細胞や臓器をつくらせることができる。

卵割
 

 

                                                                 人の場合ここからES細胞を取り出す↑


ES細胞はなぜ問題なの?

本来人間になるはずのヒトの胚をばらばらにすることが前提になるので、キリスト教などの宗教の教義や倫理的な議論の対象になる。

さらに、本人の細胞クローンからES細胞をつくれば、移植における免疫問題が解決され、臓器移植を不要のものにする可能性があるが、これもまた、ヒトのクローンをみとめるかどうかという宗教的、倫理的問題がたちはだかる。

 

ES細胞は何の役に立つの?

ヒトES細胞は再生医療の分野において多様な用途がみこめるため、医学界だけでなく産業界からも注目をあつめている。

生まれながらにして身体の臓器、器官に欠陥のある難病患者も再生医療により正常な臓器を手に入れる可能性がある。

 

 

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