サイエンスジャーナル

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2008年10月

火星に「オパール」を発見!宝石でわかる「水」の存在

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宝石オパールの主成分
宝石「オパール」の主成分はケイ酸と水。化学式はSiO2・nH2O。成分中に10%ぐらいまでの水分を含む。そんなどこにでもある物質が、こんなに美しい宝石をつくるのだから自然は不思議である。

オパールのでき方は、主に火成岩または堆積岩のすき間に、ケイ酸分を含んだ熱水が充填することでできる。そのほかにも、埋没した貝の貝殻や樹木などがケイ酸分と交代することで生成されたり、温泉の沈殿物として生成されるなどもある。オーストラリアでは恐竜の骨とケイ酸分が置き換わり、オパール化した化石が発見されている。

今回、宝石オパールが火星表面に発見された。いったいどうやって?

火星にオパール発見
米航空宇宙局(NASA)は10月28日、火星を周回中の探査機「マーズ・リコネサンス・オービター(MRO)」が火星の赤道付近を横切るマリネリス峡谷などから、反射されてくる太陽光の色を分析し、鉱物の種類を特定した。

その結果、火星の表面にオパールが露出しているのを発見した。この結果何が分かるのだろう?

オパールは、鉱物が液体の水に接触してできる水和物と呼ばれる物質の一種で、液体の水の存在の証拠とされる。見つかったオパールは20億年ほど前のものとみられ、火星には昔、液体の水があったことがわかる。

これまで火星の表面に水が存在することは、7月31日火星探査機「フェニックス」によって直接確認されている。オパールの発見は水の存在を再確認したことになる。

オパール化したプリオサウルス
1987年、オーストラリアのオパール産地・クーパー・ピディで、世界でも稀なオパール化した恐竜の化石がほぼ完全な形で発見された。1億1000万年前の地層から出土したその化石は、白亜紀に生息していたプリオサウルスであり、ほぼ完全な形で残っていた。しかも各所がオパール化していた。

プリオサウルスは首長竜のなかま。この化石は、一時国外流出の恐れにさらされることになったが、オーストラリア国内で「貴重な私達の財産を守ろう」という反対運動が起こり、国内に留められることとなった。

オパールとは何か?


オパール(opal)は、鉱物の一種。和名は蛋白石(たんぱくせき)。色の美しいものは宝石として扱われ、10月の誕生石とされている。石言葉は希望、無邪気、潔白。特に日本で好まれている宝石で、乳白色の地に虹色の輝き(遊色効果)をもつものは中でも人気が高い。主な産地はオーストラリア、メキシコなど。

化学組成はSiO2・nH2Oで、成分中に10%ぐらいまでの水分を含む。モース硬度は、5 - 6。比重1.9 - 2.2。劈開性:なし。

潜晶質(隠微晶質)であり肉眼では非晶質のようにみえる。ブドウ状または鐘乳状の集合体や小球状のものとして産出される。

透明なものから、半透明・不透明なものまである。ガラス光沢・樹脂光沢をもつものは宝石として扱われ、無色のものから乳白色、褐色、黄色、緑色、青色と様々な色のものが存在す。まれに遊色効果を持つものも存在する。

オパールは宝石の中で唯一水分を含むため、宝石店などでは保湿のため、水を入れた瓶やグラスを置くところもある。水分がなくなると濁ってヒビが入ることがあるためである。オパールの原石はカットされる前に充分天日で乾燥させなければならない。乾燥に耐えられたオパールだけをカットし指輪などの宝飾品に加工される。このようなオパールは普通に取り扱っている限りは特に問題がない。(出典:Wikipedia)

関連するニュース
火星でオパール発見、液体の水存在の新証拠 NASA


米航空宇宙局(NASA)は28日、火星を周回中の探査機マーズ・リコネサンス・オービター(MRO)が火星の赤道付近を横切るマリネリス峡谷のへりなどでオパールが地表に露出しているのを見つけた、と発表した。

火星表面で反射されてくる太陽光の色を分析し、鉱物の種類を特定した。オパールは、鉱物が液体の水に接触してできる水和物と呼ばれる物質の一種で、液体の水の存在の証拠とされる。見つかったオパールは20億年ほど前のものとみられ、火星にはそのころまで液体の水があったことになる。 (asahi.com 2008年10月29日)
 

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食の安全確保 全化学物質を監視!「化学物質審査規制法」改正

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ついに全化学物質を監視下へ
環境省が「化学物質審査規制法(化審法)」を改正する。「化審法」で、現在監視対象となっている約1100種から、工業製品などに含まれるすべての化学物質約20000種について大幅に拡大する。改正案は次の通常国会に提出される。

この背景には現在進行形で起きている、さまざまな食品への汚染物質混入問題がある。

最近話題になった食品汚染物質をあげてみるとシアン化合物、トルエン、キシレン、ナフタレン、ベンゼン、パラジクロロベンゼン、メタミドホスやジクロルボス、メラミン、パラチオン、パラチオンメチル、アフラトキシンなどなど多数あるが、このうち「化審法」の対象となっているのは約半分しかない。

現行の法律では、安全基準をカバーできていないことが明らかになった。それにしても約20000種もある化学物質、いったいどのように規制していくのだろうか?

企業に報告義務・国はリスク評価
改正案では、一定量以上の化学物質を製造・輸入する企業に対し、物質の使用量や用途を国に届け出る義務を課す。その中から国はリスクが高いものを「優先評価化学物質」に指定して公表し、リスク評価することになる。

欧州連合(EU)が2007年から運用を始めた化学物質管理規則「REACH」では、年間1トン以上の化学物質を製造・輸入する企業は自社でリスク評価することが義務づけられている。市場に出回るすべての化学物質を対象に確実にリスク評価ができるというメリットがある。

リスク評価まで企業に課す欧州型では、企業のコストが増える割には国民のメリットは変わらないとし、日本では国がリスク評価する予定。いずれにしても化学物質のリスク評価はこれまで1600種しか終わっていないという。20000種というとさらに大変な時間と労力がかかる。

今回の法改正で正体不明だった化学物質の危険性がハッキリ分かるのはよいことだが、単に危険性を評価し、管理を呼びかけるだけで、食品に混入される危険性がなくなるわけではない。

「化学物質審査規制法」とは?
化学物質審査規制法(化審法)とは新たに製造・輸入される化学物質について難分解性、生物濃縮性(蓄積性)、人や動植物への有害性を事前審査するとともに、環境を経由して人の健康または動植物の生息・生育に影響を及ぼすおそれがある化学物質の製造、輸入及び使用を規制する仕組みが定められている。

この法律は1973年に制定され、その後1986年と2003年に大幅な法改正が行われた。これまでに、約1600種の化学物質が調べられ、そのうち約1100種類の化学物質が規制の対象となっている。

参考HP 化審法データベース(J-Check)
 →
  http://www.safe.nite.go.jp/jcheck/Top.do

「化学審査規制法」の歴史


この法律ができたきっかけは、1968年に起こったカネミ油症事件のポリ塩化ビフェニル(PCB)による健康被害事件である。カネミ油症事件が起こるまで、人への健康被害の防止は、直接、化学物質と接触して被害を及ぼすような毒劇物の製造・使用等の規制や排出ガス・排出水等の規制によっておこなわれてきた。

ところが、この事件は、従来規制対象になっていなかった安定で分解しにくい物質が、長期間にわたって人体に残留してじわじわと健康に被害を及ぼしたことで、これまでの化学物質の安全性に関する考え方を根本的に覆すものだった。

その後、1986年に従来の特定化学物質を第一種特定化学物質に改編するとともに、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンによる地下水汚染問題を契機に、高濃縮性ではないが難分解性、長期毒性のある化学物質を第二種特定化学物質に新たに指定し、規制をおこなうことになった。また、高濃縮性ではないが難分解性、長期毒性のおそれの疑いのある化学物質も指定化学物質(現:第二種監視化学物質)に指定し、必要な措置が講じられることになった。

1999年には、中央省庁再編がおこなわれ、厚生省が厚生労働省へ、通産省が経済産業省へ再編されるとともに、業務の見直しがおこなわれ、環境省も共同で業務をおこなうこととなった。

しかし、ここまでの化審法は、環境を経由した人の健康被害の防止のみを目的としており、一般環境中の動植物への影響を考えていなかった。また、OECDからも、日本の化学物質管理政策に対して「生態系保全」の考え方を導入するように勧告がなされた。

2003年に法律を改正し、動植物への影響に着目した制度の導入(第三種監視化学物質の指定・措置)や環境中の放出可能性に着目した制度(中間物等の申出・確認)の見直しなどが行われ、現在に至っている。

国際的な規制強化の潮流にあわせ、2010年には企業に対して、すべての化学物質の製造・輸入量、用途を年1回報告するよう義務づけする方向で見直しが進められている。EUのREACH制度の日本版といえる規制になる見通しである。(出典:Wikipedia)

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環境省:化学物質全2万種を監視 法改正へ


環境省は、工業製品などに含まれるすべての化学物質について、製造や輸入、使用などの届け出義務を課し、監視の対象とする方針を固めた。化学物質は約2万種あるとされ、現在監視対象としている約1000種から大幅に拡大する。23日にある経済産業、厚生労働との3省合同委員会の合意を得て、「化学物質審査規制法(化審法)」改正案を次の通常国会に提出する。

現在の化審法は、指定した化学物質延べ1120種について、製造、輸入、使用に関する国への届け出を義務付け、企業が被害情報を得た場合も報告するよう定めている。新たな化学物質を作り出す場合には、安全性についての試験を企業自ら実施することも求めている。

しかし、化学物質は国内でも約2万種あるとされ、幅広く監視する動きが各国で進んでいる。今回の法改正はその流れに対応したもので、改正後は新規、既存問わず、すべての化学物質を対象とする。

改正案では、一定量以上の化学物質を製造・輸入する企業に対しては、その量や使用目的などを定期的に国に報告するよう義務付ける。国は報告を通じて実態を把握し、環境中に一定量以上排出されながら安全性が確認できていない物質を「優先評価化学物質」に指定し公表。安全性を優先的に調べる。

一方、現行法では、PCB(ポリ塩化ビフェニール)のように人や生態系に対して長期間の悪影響があり毒性も高い16種類を指定して使用を認めていないが、改正法では、同等の毒性を持つ新しい化学物質が出てきた場合、「代替品がないなどの理由で使用が許容される用途」に限って使用・流通を容認する代わりに、関係業者に厳しい管理を義務付ける。(asahi.com 2008年10月24日)
 

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月に「水」は存在するか?「かぐや」南極点クレーターを観測

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火星探査機「フェニックス」と月探査機「かぐや」の発見

2008年7月31日火星探査機「フェニックス」は初めて火星の「水」を直接確認した。今までは電磁波などを地表に当てはね返る波長で「水」があることはわかっていた。今回は化学的分析装置を使って、初めて直接確認した。

2008年10月24日、地球にもっとも近い天体である月に、「水」が存在するかどうかの最新調査結果が、JAXA(宇宙航空研究開発機構)より報告された。日本の月探査機「かぐや」が、月の南極点近くにあり、氷があると有望視されていた「シャックルトン・クレーター」内部の撮影に昨年11月、世界で初めて成功。その後、JAXAなどの画像分析の結果、クレーターの表面には氷になった「水」の層を確認できなかった

人類の宇宙計画では、将来火星や月に基地を建設することを考えており、そのときに宇宙で利用できる、「水」や資源の存在が重要になってくる。地球から生活に必要な「水」や資源をすべて持っていくとなると、大変なエネルギーが必要になるからである。

月に水はあるのか?探査の歴史
これまで月の氷については、衛星クレメンタインによる1996年の観測から、月の南極にあるクレーターの壁に氷が存在する可能性が示された。次いで、1998年に打ち上げられた探査機ルナ・プロスペクターの観測からは水素の存在が示され、そのことから「水」の存在を示唆されていた。

一方、国立科学基金(NSF)の研究グループの調査結果によると、アレシボ天文台の望遠鏡を使って70cm波長での電波観測を行った結果、地表浅いところに氷が存在する可能性はないとの結果が得られていた。「月の極にあるとされる厚い氷」の証拠は見つからなかった。

なぜ月の極に水があるのか?
月大気圧は、地球大気圧の約1千億分の1。ほとんど「真空」である。この状態では水は固体か気体でしか存在できない。昼間の温度は120度まで上昇する月では、水や氷はたちまち蒸発し宇宙空間へと逃げていく。日の当たる月面に水や氷が存在する余地はないのだ。

ところが、月面では、ほとんど空気がないので、日なたと日陰の温度差が大きい。日なたで120度まで上昇する一方で、日陰はマイナス90度になる。このような月面上で、永久に日陰になっている場所があるとすると、温度は永久にマイナスになる。ここにもし「水」があれば。氷となって存在する可能性がある。

月面上にそのような都合のいい場所があるのだろうか?それが極地にあった。極地では、太陽光線がほぼ水平に照射する。このため、深いクレーターの底部には、まったく日光が当たらない部分がある。月面に「水」があるとすれば、この部分にしかないと考えられている。

「シャックルトンクレータ」とは何か?
今回「かぐや」が注目したのは「シャックルトンクレーター」。このクレーターは、月の南極近くに存在する直径21kmのクレーター。南極点近くに存在するため、ほとんど日光が当たらず、内部には永久影が存在する。永久影は、極低温となるため、水氷の存在の可能性が示唆されていた。

「シャックルトンクレーター」の縁は、水平面に対して約1.5°ほど傾いている。このため、太陽が、クレーターの縁が傾いた方向にくるとき、クレーター斜面にあたった光が反射し、内部を照らす散乱光が発生。「シャックルトンクレーター」の傾いた方向に太陽があるのは年に数日あり、今回この稀な機会に「かぐや」の地形カメラがクレーター内部の撮影に成功し、今回の「水」の分析が可能になった。

関連するニュース
月の南極点クレーター、表面には氷なし 「かぐや」撮影


月の南極点近くにあり、氷があると有望視されていた「シャックルトン・クレーター」内部の撮影に、日本の月探査機「かぐや」が世界で初めて成功した。だが、宇宙航空研究開発機構(宇宙機構)などの画像分析では、氷になった水の層を確認できなかった。米科学誌サイエンス(電子版)に論文が掲載された。

シャックルトン・クレーターは月の南極点に近接し、内部は太陽光がほとんど当たらず、極低温とされる。米国が過去に打ち上げた衛星によるレーダーを使った実験では、このクレーターに水氷があるかもしれない、とされた。存在が確認できれば、人が生活するのに欠かせない水を現地調達できるため、月面基地を建設する場合の有力候補地と目されている。

昨年11月、太陽光が散乱してクレーターの内部をかすかに照らす数少ない機会に、かぐやは高さ100キロから高感度の二つの地形カメラ(解像度10メートル)でとらえた。このクレーターが直径21キロ、深さ4.2キロで、底に直径6.6キロの平底があるなど詳しい地形の状況がわかった。

さらに、宇宙機構などの研究チームが分析した結果、クレーターの底は、夏季でも絶対温度90度(零下約183度)前後と極めて低温で、水氷が存在しやすい環境だとわかった。だが、氷の層の存在をうかがわせるような光の反射は確認できなかった。

宇宙機構の春山純一・助教は「このクレーター内に水氷はあっても非常に少なく、土に隠れている可能性もある。今後は北極側のデータ解析も進め、氷の層の存在を調べたい」と話す。(asahi.com 2008年10月26日) 

参考HP JAXA「月周回衛星「かぐや(SELENE)」搭載の地形カメラによる
南極シャックルトンクレータ内の永久影領域の水氷存在に関する論文」
 →
 http://www.jaxa.jp/press/2008/10/20081024_kaguya_j.html
 

月面ウォッチング―エリア別ガイドマップ
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世界で唯一?「不老不死」の遺伝子を持つ「ベニクラゲ」

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「オワンクラゲ」の緑色蛍光遺伝子
今年のノーベル化学賞を受賞した下村脩氏の研究は興味深いものであった。受賞理由は「緑色蛍光タンパク質(GFP)の発見とその応用」であり、光るクラゲに興味を持ちそのしくみを解明した成果だった。まだまだ光る生物は多く存在し、その謎の多くは解明されていない。これからも楽しみな研究分野である。

この研究がノーベル賞に選ばれたのは、このクラゲの持つ「緑色蛍光タンパク質(GFP)」をつくる遺伝子が解明され、さまざまな生物の細胞の遺伝子に組込み、応用されて、遺伝子組換え技術を発展させる基礎となったからである。

世界で唯一死なない生物?
クラゲというとさまざまな種類があるが、1994年ごろ、イタリアのレッチェ大学でクラゲの研究をしていたボエロ博士は、驚くべき発見をした。学生が水槽に入れておいたクラゲの世話を忘れ、長時間ほったらかしにしたことがあり、全滅してしまったと思って中をのぞいてみると、クラゲの死体は見あたらず、生まれたばかりの姿になってよみがえっていたのだ。

クラゲの名は「ベニクラゲ」その後、国立海洋研究所のピライノ博士が研究を受け継ぎ、5年間で4000体ものベニクラゲの観察を繰り返し、そのすべてが若返ることを確認した。ベニクラゲは成長しても体長が1センチにも満たないため観察が非常に困難で、ポリプから離れた後、海の中でどのように生きているかほとんどわかっていなかった。
 
「ベニクラゲ」の不老不死遺伝子
ベニクラゲは年老いて寿命になると、体がゆっくり変化する。まず触手が縮みはじめ、口の部分がすぼんで全身の筋肉が収縮し、やがて丸いさなぎのような状態になる。さなぎの中では新しい細胞がつくられ、そこからストロン『走根(そうこん)』と呼ばれる細い根のようなものがすごい勢いで伸びる。ストロンは岩にへばりつき、そこから幹が立ち上がり枝が生えて、再びポリプとなってよみがえったという。

人で考えると老人がいきなり、赤ちゃんにもどったかのようなものだ。「ベニクラゲ」の遺伝子が不老不死という能力を獲得したのなら、人間の遺伝子にもその可能性がある。

若返りとか不老不死とかは決して魔法や夢物語ではなく、現実にありうることかもしれない。たかがクラゲの事じゃないかというかもしれないが、生命は共通のDNAという物質の中に「遺伝子」を持っており、オワンクラゲの発光「遺伝子」が他の生物のDNAに組込まれたように、不老不死の遺伝子が解明されれば、他の生物にも応用可能である。

もし、人が永遠の生命を手に入れたら?
神でもないのにそんなことが許されるのだろうか?これには倫理的な問題がある。ところで、脳の神経細胞は一度つくられたら分裂しない。たとえ細胞を若返らせる遺伝子であっても神経細胞は再生しないので、体の細胞だけが若返ることになる。そうなると体は元気なまま、脳が寿命を迎え脳死する可能性がある。これは理想的な「ピンピンコロリ」ではないだろうか?

不老不死」が今の時点で、実現するかどうか何ともいえないが、とてもおもしろいし、研究する価値は十分ある。現在、「ベニクラゲ」は長崎ペンギン水族館などで見ることができる。京都大の久保田信准教授(無脊椎動物学)は、「ベニクラゲ」の不思議を宣伝するために歌をつくり、CDを出したそうだ。

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「不老不死」若返るクラゲ 水族館で人気者


若返りを繰り返す不思議な生き物が、人気者になりつつある。温帯から亜熱帯の海にいるベニクラゲ。多くの中高年が水族館でうらやましそうにながめる。魅力を広めようと自作の歌をCDにした研究者もいる。下村脩さんのノーベル化学賞で注目されたオワンクラゲに続いてブレークするか。

長崎ペンギン水族館(長崎市)で今月、ベニクラゲが初めて登場した。9月末に北海道の漁師が捕獲。透明の釣り鐘に赤い球が包まれているような形だ。1センチ弱の20匹が上下にゆらゆら動いている。

紹介文は「不老不死のクラゲ」とある。子どもはピンと来ないようだが、大人たちは足を止め、感慨深げに見つめる。長崎県佐世保市の女性(75)は「いいわね。うらやましい」と話した。初老の女性は「何度も人生を繰り返すって、大変そう」。

日本では全域の沿岸や浅い海に生息する。京都大の久保田信准教授(無脊椎(せきつい)動物学)によると、他のクラゲは死ぬと溶けるが、ベニクラゲは口や胃、生殖器官のある赤い部分が残る。その後、海中の栄養分を吸収して細い枝状の「ポリプ」を伸ばし、半透明の若い体を再び作り上げる。

驚異の特徴はこの十数年で明らかになった。通常の生物は細胞分裂のたびに染色体が少しずつ短くなる。これが「老化」とされる。しかし、ベニクラゲは染色体の長さを戻す能力があるのだという。

長崎ペンギン水族館の飼育員、幸塚久典さんは「永久に展示するつもりです」。

世界最多の約40種のクラゲを飼育する山形県鶴岡市立加茂水族館はいま、オワンクラゲ人気にわいている。でも、村上龍男館長は「ベニクラゲにも固定ファンは少なくない」。若返る様子を観察しようと、自宅で飼う人もいるという。

山口県下関市の海響館でも今月上旬から、ベニクラゲの展示を始めた。「不老不死と言うけれど、環境やえさなど条件を整えて飼育するのは難しい」と担当者は話す。

久保田准教授は「人類の夢である不老不死のメカニズムが隠されているかも。永遠の命を望んだ秦の始皇帝が生きていたら大喜びして研究に注目したはず」。魅力を歌で紹介したくて5曲を作詞し、教室や講演先で歌う。「生命(いのち)…永遠に」はバラード、「ぼくの名前は、ベニクラゲ」はテレビヒーローの主題歌風だ。CDも出し、インターネット(http://www.benikurage.com/)で聞ける。 (asahi.com 2008年10月26日)

参考HP ベニクラゲ研究室 → http://www2u.biglobe.ne.jp/~moozoo41/index.html 

 

神秘のベニクラゲと海洋生物の歌―“不老不死の夢”を歌う
久保田 信
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ゆらぐ食の安全 今度は地下水から「シアン化合物」 伊藤ハム

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今度は日本「シアン化化合物」
中国産の食品問題では、メタミドホスやジクロルボス、メラミン、パラチオン、パラチオンメチル、ホレートなどさまざまな化学物質が問題になった。

日本も負けてはいない、クロロピクリン、メタミドホス、アフラトキシン、硫化水素、ベンゼンなど、やはりさまざまな化学物質が最近問題になっている。

そして今回、伊藤ハムの工場の地下水から、環境基準値を超えるシアン化合物が検出され、食品が汚染されたことが発覚。製品を回収する事件が起きた。

回収される商品は幅広い。自社製品だけでなく、日本生協連や、ユーコープ事業連合のほか、東急ストア、バリューローソン、サミット、オーケー、CGCグループを全国展開するシジシージャパン(以上東京)、コストコホールセールジャパン(川崎市)、とりせん(群馬県館林市)、ベイシア(前橋市)のスーパー各社に委託され製品をつくっている。

環境基準値を超えるとはいえ、検出されたシアンは微量で、食べたとしても健康への心配はないようだが、食の安心がゆらいでいる。今日はシアン化合物について学ぼう。

遅れた報告 発覚は1ヶ月前
問題になったのは報告が遅れたことだ。伊藤ハムによると、9月24日に最初の検査の結果が分かり、異常値だったことを把握しながら、公表までに約1カ月を要した。迅速な対応をしていれば、問題のある商品が大量に出回ることはなかったはず。

工場内の3カ所の井戸のうち1カ所に最初の検査が行われたのは9月18日。3カ月に1回行われる定期検査だった。その結果が出たのは9月24日で、基準値を超えるシアン化物イオンなどが検出されていた。

ところが、10月7日に1年に1度の定期検査が行われることから、水質検査をする機械のメンテナンスの担当者は「本社への報告はその結果を待ってから」と判断。同工場の中川修工場長へ報告が行われたのは、7日の検査結果として基準値を超えるシアン化物イオンなどが再度検出された10月15日だった。

今回問題になったシアン化合物とは何だろう?

シアン化合物とは何か?
シアン化合物とは化合物のうち、シアン化物イオン (−CN) をアニオンとして持つ塩を指す呼称。代表例としてはシアン化ナトリウム (NaCN)、シアン化カリウム (KCN) など。シアン化合物は、一般に人体に有毒であり、致死量が、極めて少ない。

シアン化合物はある種のバクテリア、菌類、藻類によりつくられ、食物や植物の中にはシアン化物を含むものがある。例えばリンゴの種やアーモンドに微量ではあるが含まれている。アジサイや青梅にも含まれていて食中毒などで問題になった。

例えば青梅に含まれるシアン化合物はシアン化水素である。シアン化水素は殺虫剤のほか、化学兵器(毒ガス)として使用された。その毒性の発揮は、シトクロムをはじめとする生体内のヘム鉄の Fe3+ に配位し、細胞内呼吸を阻害することによる。

つまりヒトがこの物質を摂取すると、呼吸によって肺から血液中に入り、シアンがヘモグロビンと結びつく。このことにより酸素不足になり、窒息させる。また、体内の重要臓器を細胞内低酸素により壊死させることで個体死に至る。

火災によりアクリル製品等が熱分解し、シアン化水素が発生して中毒することがある。一酸化炭素とともに火災時の中毒原因となっている。 デパート等の火災に際し、落ち着いて避難中の人が突然倒れた事例がある。(長崎屋火災)

どうして今回地下水に混入したのだろう?

シアン化合物がなぜ地下水に?
青酸化合物、特にそのアルカリ塩は電気メッキ、冶金、写真、金属製品加工、化学工業上広く用いられる。また過去に殺虫剤のほか、化学兵器(毒ガス)として使用されたこともある。

かつてはホロコーストの際にガス室で使用された。この時にはツィクロンBという殺虫剤が流用された。中毒死には270ppm〜5000ppm(0.5%)で十分である。なお日本でも同時期にサイロームという同種の製品が存在し、ミカン農家などで使われた。人に対する毒性が強いため、殺虫用途での使用はかつてより減っているが、現在でも、輸入食品の薫蒸に使用されている。

日本軍が対戦車兵器として液化青酸270g入りのビン「一式手投丸缶」(ちゃ剤、ちび弾とも呼ばれた)を製造した。戦車にぶつけて割ると、装甲の隙間から中に入り込み、乗員を中毒させるのが目的であった。日本で時々、遺棄されたこの兵器が地中から発見されている。この毒性に着目したオウム真理教がテロ未遂事件を起こしている。(新宿駅青酸ガス事件)

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自主回収が13品目61万個に拡大 伊藤ハム地下水汚染


伊藤ハムは26日、地下水からシアン化合物が検出された東京工場(千葉県柏市)で、日本生活協同組合連合会(日本生協連)など九業者から委託を受けて製造した他社ブランドのウインナー13品目、計61万袋が新たに自主回収の対象になると発表した。

伊藤ハムが25日に回収を発表した自社製品と同時期(9月18日〜10月15日)に製造したもので、回収は生協連など販売側の責任で行われるという。伊藤ハム製品と他社ブランドを合わせ、回収対象は26品目の計約328万袋になった。

9都県に流通していた日本生協連のほか、生協系のユーコープ事業連合(横浜市)もホームページ上で「コープあらびきポークウインナー」「コープ細挽きポークウインナー」など3製品を回収すると発表した。伊藤ハムは「得意先の専用商品なので」と残る7業者の名前を明らかにしていない。(産経ニュース 2008.10.26 )

 

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「腰痛」は二本足の宿命?心因性?対策はとにかく歩くこと!

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原因の多様化する腰痛
腰痛は80%の人が経験するという。しかし、腰痛の85%は原因が分かっていない。私も例外ではなかった。数年前謎の痛みが腰から下腹部にあり、内科、泌尿器科、外科と見てもらったが原因が分からなかった。最後に整形外科の先生に見てもらってやっとわかった。

「これは坐骨神経痛ですね」「椎間板が年齢とともに減ってくるんですよ」それからは先生にいわれて、腹筋や背筋を毎日続けるようになった。それで痛みは一応おさまった。しかし最近、また腰まわりが不安である。血流が悪くなるとすぐ下腹部や腰のあたりに鈍い痛みや違和感を感じる。その原因は?よくわからない。

2008年10月5日にNHKで放映された「病の起源 第3集 腰痛 〜それは二足歩行の宿命か?〜」という番組は腰痛についてわかりやすく説明してくれた。わかったことは4つ。それは腰痛は二本足の宿命ではないということ、無理な姿勢が腰痛を引き起こすこと、ストレスでも腰痛が起きること、心因性腰痛というのがあること...である。このうち“心因性”というのが初め理解できなかったが、何回も見返すうちにしだいにわかるようになった。

腰痛の85%は原因がわからない?
腰痛というと物理的なものだと思っていた。だから、はじめに腰痛は無理な姿勢が原因という説明はよく分かった。シリアのユーフラテス川というと古代文明が栄えたことで有名である。ここのアブ・フレイラという遺跡から、13000年前の162体の人骨が発見された。そのほとんどの背骨の一部が変形していた。なぜか?

それまで狩猟を行っていた人類は、この時期農耕を始めた。人々は家族のために、穀物を石でひいて、粉にしパンを焼いた。最近の研究で、この時の前かがみの姿勢は腰に強い負荷をかけることが分かった。これが背骨に変形をもたらしたのだ。

実験してみた。姿勢が変わると、腰(椎間板)にはどのくらい力が加わるものなのか?
実験者の腰(椎間板)に圧力センサーを取り付け測定した。72kgの人がまっすぐに立っているとセンサーは66kgの負荷が腰にかかった。つぎに前かがみの姿勢で測定してみた。その結果は何と235kgに達した。なぜだろう?

体重72kgの人の背中に235kgの力?はじめ測定値が間違っていると思った。しかしそれは間違えではなかった。その力の元は何と筋肉だった。私たちの体は無理な姿勢をすると背筋が働き、その力で椎間板には想像以上の負荷がかかっていたのだ。

ところが「腰痛の原因が無理な姿勢による、腰への負荷である」とハッキリ分かるものは腰痛のわずか15%に過ぎないという。これにはコメンテーターの「柄本明」さんも驚いていた。

ストレス性腰痛
その他の腰痛とは一体なんだろう?それがストレスによるものや心因性による腰痛である。

そこで番組では実験を行った。流れてくる荷物を単に左右に分けるだけの作業と、荷札の住所を見て左右を判断する作業を比較してみた。すると何も考えずに左右に分けるよりも、見て判断するというストレスを加えた方が、+70kgも多くの負荷が腰にかかることをセンサーは示したのだ。これにも驚かされた。

実験が示したことは、ストレスが体に緊張を起こし、それにより背筋が腰にはたらくという模式図が描けるのでなんとか理解はできた。ところが“心因性”の腰痛となると、すぐに理解できなかった。心の負担だけで腰が痛くなるなんて、それはあまりにも弱すぎるのではないのか?そんなに人はもろくはないだろう。多分多くの人がそう思ったのではないだろうか?

心因性腰痛
「Wの悲劇」などで有名なミステリー作家の夏樹静子さん。腰にミシミシとした原因不明の腰痛に悩まされていた。私と同じように内科・外科・気功・整体...さまざまな先生の所を訪問したが原因が分からない。最後に友人によい先生がいるといわれて訪問したのが心療内科の先生だった。それによる診断は「心因性腰痛」「まさか、どうして心の負担が腰に影響するのですか」夏樹さんもそう聞いた。

聞くと夏樹さんは、この時ミステリー以外の作品(純文学・伝記)に挑戦していたそうだ。医師はすぐに書くのをやめるよう指示。夏木さんは1年間筆を断つことを決意した。すると不思議なことに痛みはウソのように引いていくのであった。まさか作家が、いくらミステリーが本業とは言え、純文学の文章を書くのを負担に思っていたとは!われわれ凡人にはわからない。

それにしても、ストレスや心因の増える現代社会。こうした目に見えない要因で体の筋肉に過度の緊張が起き、背筋の力が椎間板に働き腰痛を引き起こすことがあるというのはショックであった。この正体不明の腰痛から逃れる方法はないのだろうか?

腰痛の対策はとにかく歩くこと
ニューヨーク大学の整形外科では、腰痛患者に歩くことを勧めていた。歩くことは血行を促進し、椎間板を刺激し強くする。歩くことは脳の全体を活性化させ、ストレスや心因から解放してくれる。私も適度な運動が必要だと改めて認識した。

タンザニアで狩猟採集を続けているハザ族がいる。彼らは獲物を求めて1日に平均25km歩く。二足歩行を毎日続ける彼らに「腰痛のある人はいませんか?」と聞くと“0”であった。「何もしないのに腰が痛くなる、あなた達は病気じゃないか」そう言ったタンザニアの人の言葉が忘れられない。

「腰痛」の原因は「二本足歩行の宿命」ではなかった。私たちはストレスや心の問題により、自ら「腰痛」を引き起こすことを知った。歩くことが「腰痛」には良いそうだ。私たちが「腰痛」から解放される日は来るのだろうか?

参考HP NHK「病の起源 第3集 腰痛 〜それは二足歩行の宿命か?〜」  
 → 
  http://www.nhk.or.jp/special/onair/081005.html


腰痛とは何か?


腰痛とは、腰に痛みを感じる状態を指す一般的な語句。 その原因は様々である。 多くは急性腰痛症にまとめられる疾患であり、対症療法以外治療法はない。

腰痛の種類
腰痛には筋肉由来の緊張性腰痛と、鈍い痛みを伴う慢性腰痛がある。

筋肉を原因とした緊張性腰痛(筋筋膜性腰痛)は長時間同じ姿勢を続けるなど、過度なストレスを強いられ筋肉が緊張することで引き起こされる腰痛である。筋肉などにストレスが掛けられることで、常に交感神経が優勢になり活発化し緊張を強いられた結果、余計な他の筋肉などに力が入る。すると崩れたバランスを調節しようと腰の筋肉に負担が大きくなり、腰痛が発生する。

慢性型腰痛は、腰に日常的に継続した鈍い痛みのあるものである。尿路結石による痛みを腰痛と勘違いすることがある。(出典:Wikipedia)
 

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温泉は鉱山だ!草津温泉から希少金属「スカンジウム」を精製

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温泉から希少金属「スカンジウム」を回収
日本原子力研究開発機構では、放射線技術を活用して開発した特殊な布を使って、草津温泉(草津町)の温泉水に含まれる希少金属のスカンジウムを取り出すことに成功した。これは地下資源に乏しい日本で、有用な素晴らしい精製技術である。

酸性溶液中の低濃度スカンジウムに対し、親和性の高いリン酸基を付着させた金属捕集布を用いた装置を、民間企業などと共同開発。1トンあたり約17ミリグラムのスカンジウムが含まれている草津温泉の万代源泉が流れる湯川に、1分あたり40リットル処理できる装置を設置し、95%以上の回収率でスカンジウムを捕集した。

今後は金属捕集布の耐久性を高めるなどして実用化に向けた研究を進めるほか、金属捕集布の化学構造を変えることにより、ウランなどの希少金属の回収にも応用可能であり、日本ではとれない鉱物資源の回収技術として大きく期待される。

なぜ温泉に希少金属が?
金属は一般に酸に溶ける性質がある。草津温泉は約pH2の強い酸性温泉であり、鉄クギを温泉につけておくと一週間ほどでボロボロになる。このような温泉水には鉄や銅、アルミニウムをはじめ、スカンジウムやバナジウムなど多くの金属が溶けている。おまけに硫化水素、フッ化水素などの他の物質も混ざっている。

このように酸性が強く、様々なものを溶かしている温泉から、スカンジウムだけ取り出すにはどうしたらよいのだろう?

このためには、高温かつ強酸の温泉水に耐え、スカンジウムだけをターゲットにする高性能の「金属捕集布」が必要であった。

原子力機構「金属捕集布」を開発
原子力機構では、酸やアルカリに対して耐性の高いポリエチレンを選定し、その中でも耐熱性の高いものを基材として選んだ。また、酸性溶液中の低濃度のスカンジウムに対して、リン酸基が高い親和性を有することを文献調査で見出した。

そこで、ポリエチレンでできた不織布(繊維を熱で接着したもの)基材に原子力機構が開発した放射線グラフト重合で、ポリエチレンに接ぎ木のようなリン酸基の分子の枝を多数導入(図参照)。温泉水からのスカンジウムの回収できる金属捕集布を開発した。

将来は温泉鉱山(supamine)から多種類の希少金属を回収期待
希少金属は地下深くに微量に広範囲に存在していることが多い。これを鉄のように鉱石を掘り、多くのエネルギーを用いて精製したりするのは大変だ。液体である温泉を使えば、金属捕集布に温泉を通して待てばよいだけなので、まさに源泉掛け流しのすばらしい省エネ精製技術である。

携帯電話などの電子基盤に含まれる希少金属を都市鉱山・アーバンマイン(urbanmine)というが、温泉に含まれる希少金属を温泉鉱山・スパマイン(supamine)というのはどうだろうか?

金属捕集布の化学構造を変えることにより、ウランなどの他の希少金属の回収にも応用可能であり、日本ではとれない鉱物資源の回収技術として大きく期待される。

希少金属とは?


希少金属とはレアメタルともいう。様々な理由から産業界での流通量・使用量が少なく希少な金属のこと。

レアメタルは非鉄金属(鉄以外の金属)全体を呼ぶ場合もあるが、狭義では、鉄、銅、亜鉛、アルミニウム等のベースメタルや金、銀等の貴金属以外で、産業に利用されている非鉄金属を指す。

例をあげると、リチウム ベリリウム ホウ素  チタン バナジウム クロム マンガン コバルト ニッケル ガリウム ゲルマニウム セレン ルビジウム ストロンチウム ジルコニウム ニオブ モリブデン パラジウム インジウム アンチモン テルル セシウム バリウム ハフニウム タンタル タングステン レニウム 白金 タリウム ビスマス ウランなど
希土類元素(レアアース)17種類:スカンジウム イットリウム ランタン セリウム プラセオジム ネオジム プロメチウム サマリウム ユーロピウム ガドリニウム テルビウム ジスプロシウム ホルミウム エルビウム ツリウム イッテルビウム ルテチウム をいう。(参考:Wikipedia)

スカンジウム(Sc)とは?


銀白色の金属で、比重は、2.99、融点は摂氏 1541℃、沸点は摂氏 2831℃(融点、沸点とも異なる実験値あり)。常温、常圧で安定な結晶構造は、六方最密充填構造。水にはゆっくり溶ける。熱水や酸には易溶。常温において空気中で酸化され、ハロゲン元素と反応する。安定な原子価は 3価。比較的希少な金属である。

希少金属のスカンジウムは、利用方法の拡大も注目される希少金属。照明での利用では、ヨウ化スカンジウム(ScI3)を水銀灯の一種のメタルハライドランプとして使用することでより強い光を得ることができる。

ほかの用途としては、アルミニウム合金への添加、ニッケル・アルカリ蓄電池の陽極にスカンジウムを加えることで電圧を安定させて寿命を延ばすことや、ジルコニア磁器に酸化スカンジウムを添加することで、ひび割れを防ぐ効果があるなどの用途がある。現在では1キロ約200万円で取引されている。(参考:Wikipedia)

関連するニュース
希少金属スカンジウム 草津温泉から回収 群馬


「日本原子力研究開発機構」などは7日、希少金属(レアメタル)がとけ込む草津温泉(草津町)から、スカンジウムを回収することに成功したと発表した。同機構では「液体からスカンジウムだけを採取する技術は恐らく世界初。平成25年には、スカンジウムの販売先などビジネスプランを整えたい」としている。

スカンジウムは、アルミニウムに混ぜると耐熱性や硬度が上がり、燃料電池にも使用されるなど、利用方法の拡大も注目される希少金属。現在では1キロ約200万円で取引されているという。

同機構では、酸性溶液中の低濃度スカンジウムに対し、親和性の高いリン酸基を付着させた金属捕集布を用いた装置を、民間企業などと共同開発。1トンあたり約17ミリグラムのスカンジウムが含まれている万代(ばんだい)源泉が流れる湯川に、1分あたり40リットル処理できる装置を設置し、95%以上の回収率でスカンジウムを捕集したとしている。

今後は金属捕集布の耐久性を高めるなどして実用化に向けた研究を進めるほか、他の希少金属の回収にも応用していく方針。(2008.10.8 02:45産経ニュース)

参考HP Wikipedia「希少金属・スカンジウム」・日本原子力研究開発機構
  →
 http://www.jaea.go.jp/02/press2008/p08100703/index.html

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米国、EUの「バイオ燃料」は本当に地球温暖化を止められるか?

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バイオ燃料は本当にカーボンニュートラル?
古舘伊知郎氏は怒っていた。「洞爺湖サミットの場で、まず先進国の政治家は謝罪するべきです。それを見て発展途上国の人たちも本当に温暖化に協力しようという気持ちになるのではないでしょうか?」「特にあやまってほしいのが米国とEU諸国です!」

2008年7月5日に放映されたテレビ朝日「地球危機2008」で古舘伊知郎氏が一番言いたかったことはこのことではないだろうか?先進国の勝手な国策発展途上国をこんなにも苦しめているとは...私は知らなかった。米国とEU諸国のとった策は「新エネルギーの開発」。しかしその中にゆがんだエネルギーの開発があった。それは「バイオ燃料」である。

私たちは「バイオ燃料」というと、CO2を吸収する「植物」を燃料にする「カーボンニュートラル」であり、CO2を増やさない良きものであると考えていたが、番組では矛盾の多いことを指摘していた。

米国「トウモロコシ」をバイオ燃料に選択
例えば米国では2007年12月、バイオ燃料のバイオエタノールの原料にトウモロコシを選んだ。その結果どうなっただろう?

トウモロコシ農家は潤った。それは良かったかもしれない。しかし、トウモロコシの価格は高騰し、トウモロコシ農家よりもはるかに多くの、世界中の貧困者を直撃した。おまけにトウモロコシはバイオ燃料工場でエタノールになるときに、化石燃料を消費し、CO2を発生している。トウモロコシをつくるときにも耕作機、トラクターがCO2を排出する。「カーボンニュートラル」に疑問がある。

アフリカ、スワジランドは四国ぐらいの大きさの中に人口100万人が住む小さな国である。人口の7割が貧困、4割が失業。エイズの感染率が34%という。現在、温暖化のために干ばつが起きており、農地が半分になった。ここに住む、両親をエイズで亡くした4人兄弟。一番上の兄は15才程度。仕事はなく、月1度のトウモロコシの配給だけが頼りだ。兄弟は何もない畑を耕し続けている。いつか種が買えることを信じて...。スワジランドでもトウモロコシの価格は2倍に高騰している。

EU「ジャトロファ」をバイオ燃料に採用
例えばEU諸国はバイオ燃料としてバイオディーゼルを採用、CO2排出量の少ないディーゼル車の普及が進んでいる。その結果どうなっただろう?

EUの企業は、インドネシアのスマトラ島で熱帯雨林を伐採し、油ヤシの畑をつくらせた。アマゾンの熱帯雨林伐採して、大豆畑がつくられた。CO2を減らすために、大量のCO2を固定していた森林を伐採しては何の意味もない。これで「カーボンニュートラル」といえるのだろうか

アフリカのスワジランドにある、イギリス・オイルメジャー「D1」のデモンストレーション農場。ここで栽培されているのは「ジャトロファ」という植物。「ジャトロファ」の種からは30%油が取れる。これを、バイオディーゼルの原料にするのだ。「D1」はこの国で「ジャトロファ」を栽培する農家を増やそうとしている。

問題なのは、貧しい人々に何の補償もせず、勧誘していること。農民には「苗木は無料。手間がかからないし、日本車だって買える…」と勧誘し、契約を増やし続けている。だが、このジャトロファが金を生むのは、2年後に実をつけてから。それまで農家に収入はない。しかも、読めない英語の契約書にサインさせて農民を縛り付けている。枯れてしまっても何の補償もされていないことに後で知る。こうして、植民地でないはずのアフリカが、また収奪されていく...。

参考HP Wikipedia「カーボンニュートラル・ジャトロファ」・地球危機2008「アメリカのバイオ燃料・スワジランドのバイオ燃料〜アフリカの収奪」 → http://www.tv-asahi.co.jp/chikyu-kiki/corner.html

カーボンニュートラルとは?


例えば、植物のからだ(茎・葉・根など)は全て有機化合物(炭素原子を構造の基本骨格に持つ化合物)で出来ている。その植物が種から成長するとき、光合成により大気中の二酸化炭素の炭素原子を取り込んで有機化合物を作り、植物のからだを作る。そのため植物を燃やして二酸化炭素を発生させても、空気中に排出される二酸化炭素の中の炭素原子はもともと空気中に存在した炭素原子を植物が取り込んだものであるため、大気中の二酸化炭素総量の増減には影響を与えない。そのため、カーボンニュートラル(二酸化炭素=炭素循環量に対して中立である)と呼ばれる。

カーボンニュートラル (Carbon Neutral) は環境化学の用語で、直訳すればカーボンは炭素、ニュートラルは中立なので「環境中の炭素循環量に対して中立」となる。何かを生産したり、一連の人為的活動を行った際に、排出される二酸化炭素と吸収される二酸化炭素が同じ量である、という概念。

近年、カーボンニュートラルなエネルギー源として、バイオエタノールの需要が急速に高まっている。これが、穀物市場における食料とエネルギーの資源争奪を生み出し、穀物価格の高騰とそれによる貧困層に飢餓危機という新たな地球規模の課題が登場している。(出典:Wikipedia) 

ジャトロファとは?


ジャトロファとはナンヨウアブラギリ(Jatropha curcas)のこと。トウダイグサ科の中南米原産の落葉低木。別名はタイワンアブラギリなど。16世紀以降、スペイン商人などの手により世界中に伝播した。

種子は毒性が強いが、油分に極めて富むことから、古くから利用が行われている。栽培しなくとも 1 ヘクタールあたり 5 トン程度の種子が収穫できる。干魃に強く、播種や挿し木で増殖が可能であることから、古くから植物性の燃料資源として着目されている。かつては日本軍も着目し、インドネシアにおいて栽培計画も存在した。

1990年代以降は地球温暖化対策の切り札として、アブラヤシと並んで植物性バイオディーゼル燃料の材料としても脚光を浴びている。特にバイオマスエタノールなど、自動車用バイオ燃料の生産が本格化した21世紀以降、毒性があるため食用とはならず、食料の供給を圧迫しないというメリットが注目されている。(出典:Wikipedia)
 

図解バイオエタノール最前線
大聖 泰弘,三井物産株式会社
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図解 バイオディーゼル最前線

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消えゆく世界遺産「シンゲッティ」温暖化が「砂漠化」を加速する?

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砂漠化とは?
2008年7月5日に放映されたテレビ朝日「地球危機2008」は示唆に富んだ素晴らしい番組である。今日はそのテーマの一つ「サハラ砂漠〜消えゆく世界遺産の町」で語られた「砂漠化」について調べてみたい。

砂漠化とは何だろうか?

乾燥地域や半乾燥地域において、気候上の変動や人為的な要因により、土地がやせて、植物が育たなくなって、最後には砂漠になってしまうことをいう。

砂漠化の多くは、人類の活動によって引き起こされたものである。例えば、牛や羊などの家畜の餌のために放牧し草を食べ尽くしたり、農耕地の拡大による森林伐採焼き畑農業による開墾などは砂漠化を助長している。現在、アマゾンの熱帯雨林を伐採し、農地を拡大していることが問題になっている。

ところが、ここで注目されているのは、地球温暖化による砂漠化である。

地球温暖化で砂漠化が加速する?
地球温暖化は、一部の地域には多量の雨を降らすが、一方、他の地域では、雨の降らない干ばつも同時に引き起こす。日本では今年ゲリラ豪雨など、一ヶ所に集中した雨が降ったのは記憶に新しい。ところが世界のある地域では降水量が減り、干ばつが起きている。

西アフリカ、モーリタニアの世界遺産の町「シンゲッティ」は、サハラ砂漠の真ん中にあるオアシスの町。かつてはイスラム教のメッカ巡礼者の中継地として栄えていた。1960年代には100〜150ミリ程度の年間降水量があった。ところが現在は0〜50ミリ。

かつて幅50メートルの川が流れ、沢山の樹木が生い茂っていたが、1970年代に降水量が減り始めると、川は干上がり、瞬く間に砂漠化が進んだ。以前、はるか彼方にあった砂丘が、いまや津波のように町を襲い始めている。

なぜこのように、極端な降水量の差ができるのだろう?

湿潤断熱減率と乾燥断熱減率
地球上で、一番太陽エネルギーを受けるのは赤道付近である。このため、赤道付近には絶えず上昇気流が発生、水蒸気を含んだ空気は上空で雲をつくり雨を降らせる。空気は上昇すると温度は下がるが、上空で水蒸気が水に変わるときに、温度が上昇する性質がある。

このため湿った空気が上昇して気温が下がる割合(湿潤断熱減率)と、乾燥した空気が上昇して気温が下がる割合(乾燥断熱減率)では湿った空気の方が小さくなる。

この結果、赤道付近で上昇した空気は雲をつくった後、乾燥して気温が上がる。その空気が北に循環し、サハラ砂漠上空で下降気流となる。空気は下降すると気温が上がるので、いつも熱風が吹き下ろすしくみになっている。現在、地球温暖化で赤道付近の上昇気流が活発化。サハラ砂漠がますます、高温乾燥化しているという。

フェーン現象と砂漠化
これと似たしくみは日本でも見られる。日本の冬に太平洋側で見られるフェーン現象がそれである。冬場シベリアからの季節風により、北よりの風が吹く。乾燥した北風は日本海で水蒸気をたっぷり吸収する。

この空気が日本アルプスを越えるときに、上昇して雲をつくり多量の雪を降らせる。ところが雲をつくるときに気温は上がる。この空気がアルプスを越えて、太平洋側に吹き降りてくると気温が上がり、乾燥した風が吹く。これがフェーン現象である。このため冬は日本海側はいつもどんよりした天気で、太平洋側は乾燥して、よく晴れた日が続く。 

気温減率とは?


気温減率(きおんげんりつ)とは、高度が上がるに従って大気の気温が下がっていく時の割合をいう。

空気の塊が上昇することを考えると、その空気の塊が外部との熱のやり取りがない場合(断熱変化という)、周りの気圧が下がるのに伴って空気塊は膨張し、その膨張にかかる仕事のエネルギー消費の分は内部エネルギーを使用するため空気塊の温度が下がる。

乾燥空気の場合にはこの割合が1km上昇するごとに9.8度下がる。これを「乾燥断熱減率」という。また水蒸気が飽和状態になると水蒸気が凝結し、放出される凝結熱によって空気塊が暖められるので気温が下がる割合は1km上昇するごとに5度ほどでこれを「湿潤断熱減率」という。(出典:Wikipedia)

参考HP Wikipedia「砂漠化」・地球危機2008「サハラ砂漠〜消えゆく世界遺産の町」 → http://www.tv-asahi.co.jp/chikyu-kiki/corner.html

 

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死に向かう地球―加速する温暖化・砂漠化 最先端植林プロジェクト「スーパーポローニア」という選択
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日本に迫る!恐怖の現実「デング熱」とは何か?

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デング熱とは何か?
2008年7月5日に放映されたテレビ朝日「地球危機2008」は多くを学べる素晴らしい番組である。地球温暖化で起きることについてわかりやすく説明している。今日はその中の「感染症〜日本に迫る恐ろしい現実」で語られた「デング熱」について調べてみたい。

デング熱(dengue fever)は、デングウイルス(dengue virus)による感染症。ネッタイシマカ(Aedes aegypti)やヒトスジシマカ(Aedes albopictus)などの蚊によって媒介される。ヒトスジシマカは日本でもおなじみのヤブカのことである。蚊に刺されることによって蚊が運ぶ「デングウイルス」によって伝染する病気である。

デング熱唯一の予防法
潜伏期間は4日から7日。突然の発熱、頭痛、眼窩痛、筋肉痛、関節痛が現れる。食欲不振、腹痛、便秘を伴うこともある。発症後3〜4日後より胸部から非特異性の発疹が出現し、四肢、顔面へ広がる。四肢にかゆみを伴うことが多い。こういった症状は通常3〜7日程度で消失し、回復する。

しかし再感染してデング出血熱になると、口、目、鼻などの粘膜から大量に出血し、死に至ることもある。現在のところワクチンはない。予防は蚊に刺されるのを防ぐことが重要。蚊のなかまは小さな水たまりがあれば、なかまを殖やすことができる。予防には蚊の発生を防ぐ環境が必要である。

過去のデング熱大流行
人口密度が世界第2位のシンガポールでは、2005年にデング熱が大流行した。感染者が1万5000人を超えた。シンガポールではその人口密度のため、ひとたび発症すると瞬く間に被害が拡大する。現在国では年間55億円を投じ、蚊の対策に取り組んでいる。具体的には保健所の人が各家庭を訪問し、蚊の発生する水たまりがないかどうかをチェックする。テレビではCMが流れ、公共交通機関には大きな広告で、繰り返し、蚊を発生させないように呼びかけている。

台湾・高雄では3年前、5000人を超える感染爆発に見舞われた。蚊は100円玉ほどの水溜りさえあれば、そこに卵を産み付ける。毎年、梅雨が明けるころ、市は殺虫剤を散布。散布時は人には害はないというが悪臭が立ちこめる。感染の広がりを抑えるために、ひたすら消毒する。これを拒否すれば最大120万円の罰金が科せられる。聞くと台湾には20年前までデング熱はなかったという。

日本でも流行は時間の問題?
日本でも第二次世界大戦中、戦地から持ち帰られたデングウイルスが、日本にも生息するヒトスジシマカによって媒介され、長崎市、佐世保市、広島市、神戸市、大阪市など西日本で流行し20万人が発病したことがある。

その後、日本国内での流行は無いが、海外からの輸入症例(海外で感染してデング熱を発症する症例)は、毎年数十例(2005年は73症例)報告されている。

シンガポールでワクチンを研究している日本人研究者は、日本への感染症拡大はもはや時間の問題だと言っている。熱帯感染症はこれだけではない。国連では10月17日、西ナイルウィルスクリミア・コンゴ出血熱が温帯を含める世界各地に拡大していることを警告している。

関連するニュース
国連警告:熱帯感染症が温帯へ拡大


イタリア、ローマ発−国連食糧農業機関(FAO)は10月8日、西ナイルウィルスやクリミア・コンゴ出血熱など、元来は熱帯で発生していた動物疾病が欧州、米国、オーストラリアなどの温帯を含める世界各地に拡大しており、監視対策への投資を増やさざるを得ないだろうと警告。

感染症拡大の原因としては、グローバリゼーション、人と物の移動、観光産業、都市化、そして気候変動との関連性も指摘されている。FAOのジョゼフ・ドメネク獣医局長は「動物疾病について心配する必要がない国はない」と述べながら、動物の保健への強力な政治支援と資金援助、獣医サービスの充実が必要だと訴えている。
(国連より 2007年10月17日)

参考HP Wikipedia「デング熱」・地球危機2008「感染症〜日本に迫る恐ろしい現実」 → http://www.tv-asahi.co.jp/chikyu-kiki/corner.html
 

感染症―広がり方と防ぎ方 (中公新書)
井上 栄
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新熱帯感染症学
竹田 美文
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国内混入?中国製冷凍インゲンに農薬「ジクロルボス」検出

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今度は中国製冷凍「いんげん」
10月15日また中国製冷凍食品に農薬「ジクロルボス」が検出された。1月末に発覚した中国製冷凍ギョーザ事件も解決しない間に、またしても起きた今回の事件、今回農薬が検出されたのは「いんげん」の入った冷凍食品であった。

その後の警視庁科学捜査研究所の懸命の調査で意外なことが分かってきた、前回は回収した他の冷凍食品からも農薬が検出されたが、今回、回収した59袋の「インゲン」からは検出されなかったのだ。

また、警視庁が肉眼で袋を調べた際には通気口以外の穴や傷は見当たらなかったが、科学捜査研究所で詳細に調べた結果、約1ミリの穴が見つかった。この穴から注射器で農薬を注入することは可能だという。

我が国は食料自給率40%
こういった状況を考えると、どこで混入したか特定するのは難しい。舛添要一厚生労働相は17日の会見で「これ以上に検査方法があるかというと、非常に難しい」と述べ、検疫など現在の体制で、人為的な毒物混入を未然に防ぐのは困難な見方を示した。

舛添厚労相は「日本に来てもジクロルボスを混入させることは可能。そういう場合はわからない」と話し、製造者や小売店、消費者が「みんなで注意する」ことが防御策になるとした。「加工品を一つ一つ調べていると、(商品が)使い物にならなくなる。非常に悩ましいところ。カロリーベースで6割を海外からの輸入に頼っている。輸入が途絶えると私たちの生活が成り立たないジレンマもある」と述べた。私たちの国の食糧自給率は約40%しかないのも問題だ。

実際にこのような食品にあたってしまったらどうすればよいのだろう?

石油のようなにおいに注意
新聞によると、インゲンを食べて体調不良を訴えた東京都八王子市の主婦(56)の証言を載せている。「味見のため5センチぐらい口に入れて、インゲンを2、3回かんだらむかむかして息苦しかった」「オエッという感じがして、吐き出した。口の周りがしびれたような感じだった」という。袋の中は「石油のようなにおい」がしたという。

警視庁の調査の結果、販売したニチレイフーズ輸入の中国製冷凍食品「いんげん」(250g)から、有機リン系殺虫剤「ジクロルボス」国の基準0.2ppmの3万4500倍にあたる6900ppm検出された。この濃度はほぼ原液の高濃度であり、とても残留農薬とはいえない。当面は各家庭では、調理するときに石油のような臭いに気をつけるしかなさそうだ。

関連するニュース
【中国製インゲン】イトーヨーカドーの59袋から殺虫剤検出されず


中国製冷凍インゲンから高濃度の有機リン系殺虫剤ジクロルボスが検出された問題で、被害が出たイトーヨーカドー南大沢店(東京都八王子市)から回収した同一製品の59袋からはジクロルボスが検出されなかったことが20日、警視庁捜査1課の調べで分かった。警視庁は全国のイトーヨーカドーや系列店から同時期に製造された製品を回収し、順次成分鑑定を進め、混入経路の特定を急ぐ。

問題のインゲンは、警視庁の鑑定でも国の基準値の2万3000倍以上にあたる4600ppm以上のジクロルボスを検出。ジクロルボスを含む殺虫剤が日本国内で広く市販されていることから、詳細に成分鑑定を行い、市販品の成分と一致しないかも調べる。

警視庁はジクロルボスが人為的に混入された疑いが強いとみて捜査。袋の通気口付近に約1ミリの穴が開いていたことから、この穴から混入された可能性もあるとみて調べている。(2008.10.20 産経ニュース)

参考HP Wikipedia「ジクロルボス」・アイラブサイエンス「中国ギョーザからジクロルボス検出」 → http://blog.goo.ne.jp/liberty7jp/e/473ccbe9a3ea22d950fab1dd88a5c851
 

イラスト版 これでわかる輸入食品の話―ここが問題!食品検疫と食料自給率
小倉 正行
合同出版

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中国食品動乱―食の中国依存にどう対処すべきか
小森 正彦
東洋経済新報社

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発光する毒キノコ「ツキヨタケ」に注意!色や裂け方、香りは迷信

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毒キノコの確実な見分け方?
10月18日北海道日高町の会社宿舎の従業員16人が、同管内新冠町の山林で採取したキノコを食べ、男女12人がおう吐や下痢など食中毒症状を訴えた。静内保健所はシイタケに似た毒キノコ「ツキヨタケ」を食べたことが原因と断定。12人はほぼ回復している。ツキヨタケはシイタケやムキタケと似ているため誤って食たようだ。キノコ狩りシーズンを迎えていることから、注意が必要だ。

毒キノコの確実な見分け方はあるのだろうか?調べてみると「縦に割けるキノコは食べられる」「毒キノコは色が派手で地味な色で匂いの良いキノコは食べられる」「虫が食べているキノコは人間も食べられる」といった見分け方は何の根拠もない迷信であり、絶対にそれらの基準で判断してはいけないそうだ。

「地味な色で匂いの良いキノコは食べられる」は迷信
例えば、猛毒であるコレラタケ、ドクササコなどは縦に割け、地味な色である。これらのよく知られた俗説が全国区に広まった理由は、明治初期の官報に、この俗説を事実であると誤認し、掲載してしまったためであるといわれている。 食用か毒かを判断するには、そのキノコの種、さらにはどの地域個体群に属するかまでの同定結果に基づくべきである。

私は、昔キャンプしたときにキノコを採って、「これは図鑑のキノコに似ている」「これは香りがよいから食べられるに違いない」と確信して、キノコ汁にしたことがあった。おいしく食べたが、なかまは食べなかった。今思うと、単に運がよかっただけなのかもしれない。

ツキヨタケのもう一つの特徴
さて、今回問題になった「ツキヨタケ」有毒成分は「イルジンS(Illudin)」などの物質。もう一つの特徴としては、発光物質を持ち、暗闇で白色のひだが青白く発光する。発光物質は「ランプテロフラビン」であることが分かったが、発光のしくみはよく分かっていない。

ノーベル化学賞を取った下村脩氏の研究は、「オワンクラゲの発光の解明」であった。実は光る生物は「ホタル」など多数いるが、発光のしくみが分かっているのは「ホタル」や「ウミホタル」「オワンクラゲ」など10種類に満たない。この「ツキヨタケ」など「発光キノコ」の光るしくみは解明されておらず、これから有望な研究分野である。

発光キノコにはどんなものがあるか?
光るキノコで有名な「ツキヨタケ」よりはるかに強く発光するのが「ヤコウタケ」明るい所で見ると傘の直径が2cm 程の真っ白なキノコ。八丈島などでよく見られるため熱帯性のものとされてきたが、最近、東北地方でも確認されている。

また「シイノトモシビタケ」は「ヤコウタケ」よりやや弱いがそれでもかなりの光を放つ。明るい所で見ると傘の直径が1 〜 2cm 程の薄茶色のキノコ。「エナシラッシタケ」はとても小さく、傘裏面のヒダが円形で蜂の巣のような形をしている。光はそれほど強くないが群生するため遠くからでもよく分かる。

ツキヨタケとは


ツキヨタケは、ハラタケ目キシメジ科ツキヨタケ属に属するキノコの一種。現在の学名はOmphalotus guepiniformis。

夏から秋にかけてブナやナラ等の広葉樹の枯れ木に群生する。標高がやや高い場所では多く見られるキノコである。

紫褐色または黄褐色のかさで、柄は短く、つば状の突起がある。新鮮なものはツキヨタケ中に含まれる成分であるランプテロフラビンの効果によって、暗闇で白色のひだが青白く発光するが、熟成が進むと発光しない場合もある。

柄を裂くと、紫褐色のシミがあるので他の食用キノコと見分けられるが、まれにシミのないものもあるので注意が必要である。色が地味で肉厚なためおいしそうに見えるが、いわゆる毒キノコである。食用キノコと間違い誤食し中毒に至ることが多い。日本での毒キノコ中毒例の半数以上がツキヨタケによるものといわれるほどである。

ツキヨタケと間違われやすいムキタケ。これは2cm。幼菌はシイタケに、成菌はムキタケ、ヒラタケに類似し、特にムキタケとは同一場所に生える場合もあり、間違えることも多い。(出典:Wikipedia)

関連するニュース
食中毒:毒キノコ食べ12人おう吐や下痢 北海道・日高


北海道は18日、同日高町の会社宿舎の従業員16人が同管内新冠町の山林で採取したキノコを食べ、20〜70代の男女12人がおう吐や下痢など食中毒症状を訴えたと発表した。静内保健所はシイタケに似た毒キノコ「ツキヨタケ」を食べたことが原因と断定。12人はほぼ回復している。

 静内保健所によると、同社従業員が16日にキノコを採取し、宿舎の調理人が17日の朝食でみそ汁にした。従業員は「シイタケだと思った」と話しているという。ツキヨタケはシイタケやムキタケと誤って食べるケースが多く、死亡例もある。

 道内では今年、9月に北広島市の70代男性が毒キノコ「テングタケ」を食べ、一時意識不明になるなど毒キノコによる食中毒が4件発生している。キノコ狩りシーズンを迎えていることから、道は注意を呼びかけている。(毎日新聞 2008年10月18日)
 

詳細図鑑 きのこの見分け方
大海 秀典,酒井 修一,大海 勝子
講談社

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バイオ・ケミルミネセンスハンドブック
今井 一洋,近江谷 克裕
丸善

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オリンパス「カプセル内視鏡」販売! 検査後、回収、再利用?

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オリンパスの光学機器
オリンパスからカプセル内視鏡が販売された。オリンパスは、カメラのイメージがあるが、大正8年(1919年)の創立当時は国産初の顕微鏡開発を目指してスタートした会社である。

現在、医療用の光学機器や顕微鏡では世界のトップシェアを誇り、特に内視鏡は世界シェア75%以上を占める。 また、余り知られていないがICレコーダーのトップメーカーでもあり、海外では70%以上、国内でも50%近いシェアを占めている。

カプセル型内視鏡
今回、販売された内視鏡であるが、口から肛門まで消化管のすべてを撮影可能にしたところがすごい。小腸は暗黒大陸といわれるほど、その臓器の場所ゆえに小腸粘膜を直接観察することが難しい臓器であった。そのような中で、患者様に全く苦痛がなく、小腸粘膜を直接観察可能なカプセル型内視鏡はまさに画期的なアイテムである。

主な特長は、まず大きさは外径11mm、長さ26mm。画像は通常内視鏡に匹敵する高画質、世界初のリアルタイム観察を実現した。 消化管の蠕動運動によって移動しながら1秒間に2枚、約8時間かけて合計約6万枚撮影する。税込み89250円。

小型カメラや照明を内蔵した錠剤大のカプセルを飲むと、撮影画像は、カプセル本体から無線で患者さんが身に着けたアンテナに送信され、順次受信装置に蓄えられるしくみである。

検査の方法
患者さんは検査の8時間以上前から絶飲食を行う。少量の水は可。患者に受信装置およびアンテナユニットを取り付ける。カプセル内視鏡の滅菌包装を開封し電源を投入する。カプセル内視鏡をアンテナユニットに近づけ、ビュワーに画像が表示されていることを確認する。

患者さんは水とともにカプセル内視鏡を飲み込む。ビュワーに消化管の画像が表示されていることを確認する。 カプセル内視鏡が胃に到達したことを確認する。カプセルを飲み込んでから1〜2時間後には病院を出て通常の生活に戻れる。カプセル内視鏡投与から4時間後まで、患者さんは食事が摂れない。

カプセル内視鏡投与約8時間後、患者さんから受信装置およびアンテナユニットを取り外す。撮影終了後、医師が受信装置から画像データをワークステーションにダウンロードして診断する。患者さんは、カプセル内視鏡が排便時に排泄されたことを確認し、回収する。担当医師は、数日後、患者さんにカプセル内視鏡の排泄確認を行う。

内視鏡は再利用?
一番気になるのは内視鏡カプセルは再利用するかどうかであるが、調べてみたところわからない。インターネットで検索すると、やっぱりそれが気になる人が多いのがおかしい。Wikipediaでは再利用しないと記入されているが、値段89250円を考えるともったいない。

患者さんが回収することになっているので、表向きは再利用しないといいながら、裏では、安い内視鏡として流通してもおかしくない。内視鏡というと内臓をイメージするが、最近は耳かき用の内視鏡が市販されているらしい。

それはともかく、「カプセル型内視鏡」は消化管の内部をリアルタイムで、直接観察できるすばらしい科学技術である。

参考HP Wikipedia「カプセル内視鏡」・オリンパス内視鏡 → http://www.olympus.co.jp/jp/news/2008b/nr081014capsulej.cfm

関連するニュース
オリンパス、「カプセル内視鏡」販売 検査後、排出


オリンパスは錠剤のように飲み込んで使うカプセル内視鏡を15日から国内販売する。長さ26mm、直径11mmで小型のカメラとバッテリーを内蔵。従来の内視鏡が届きにくい小腸の診断用で、腸の動きで移動しながら毎秒2コマずつ撮影し高画質画像を無線で送る。約8時間の検査後に便とともに排出される。税込み8万9250円。 (2008年10月14日 asahi.com) 

 

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今年も笑える「イグ・ノーベル賞」!受賞研究は「迷路を解く粘菌」

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昨年のイグ・ノーベル賞
去年のイグ・ノーベル賞は、牛の糞(ふん)からバニラの香りと味のする物質、バニリンを抽出した山本麻由・国立国際医療センター研究所元研究員に「化学賞」が贈られた。

イグ・ノーベル賞はノーベル賞のパロディーとして1991年に創設され、笑いを呼ぶというのが条件の一つになっている。たしかに牛の糞からつくられたアイスクリームを真剣に食べている研究者を思い浮かべると笑える。何も牛の糞からつくらなくても...と思う。しかし、これが科学的で合理的な方法なのだから、なおおかしい。

今年のイグ・ノーベル賞
今年も日本人がイグ・ノーベル賞を受賞した。受賞したのは中垣俊之・北海道大学大学院准教授、小林亮・広島大学大学院教授、石黒章夫・東北大学大学院教授、手老篤史・科学技術振興機構さきがけ研究者、山田裕康・名古屋大学客員研究員ら。

蒼々たるメンバーが研究したものは何かと思ったら、迷路を解く粘菌の研究である。神経を持たない粘菌が迷路を解けるわけがない。ところが、解いた。粘菌ならではの科学的、合理的な方法で!

受賞を受けた研究者は「粘菌はバカだと思ったらとんでもない!とっても賢いんです」会場は拍手に包まれた。この「まさか」が科学のもっともおもしろい瞬間。

迷路を解く「粘菌」
迷路を解くのにこんな方法もあったのかと驚く。方法はこうだ。1.まず粘菌を迷路いっぱいにばらまく。2.粘菌は迷路のすべてを埋め尽くす。3.つぎに迷路の入口・出口に餌を置く。4.すると、どんなに広がっても一個の細胞である粘菌は、体中を波のように躍動させながら、吸収した栄養を全身に流す。その姿はまるで動物のようだ。5.その結果、入口と出口を結ぶ最短距離に栄養分の流れができ、他の部分は枯れてしまう。

まさに、科学的・合理的な方法で「粘菌」が生きていることを発見した業績に対し、賞が贈られた。

それにしても「粘菌」とは何だろう?あまり聞いたことがない。動物なのだろうか、植物なのだろうか?

粘菌とは何か?
正解は動物と植物の両方の性質を持つ、不思議な生物である。「粘菌」は「変形菌」とも呼ばれ、「変形体」と呼ばれる栄養体が移動しつつ微生物などを摂食する、アメーバのような”動物的”性質を持ちながら、小型の子実体を形成し、胞子により繁殖するという、植物的(あるいは菌類的)性質を合わせ持つ、特異な生物である。

変形菌は世界で約400種が知られ、一般にはすべてを変形菌門変形菌綱に所属させる。昔は菌類の仲間に入れられたこともあったが、今では違うなかまであることが分かっている。変形菌の名前は、かつてはムラサキホコリカビなど、「カビ」を最後につけていたが、現在は「カビ」を落として、ムラサキホコリ、サビホコリなどとされている。

変形菌が他の生物と変わっているのは、菌類のように胞子をつくりながら、発芽するとアメーバのようにエサである細菌を求めて動き回る。細胞分裂はせず、核分裂を繰り返し、1つの変形体に多数の核を持つ。その内部では非常に速い原形質流動が見られ、しかもリズミカルに往復運動する。胞子をつくるときには、体がいくつにも分かれる。

では、変形菌はいったい何のなかまなのだろう?

粘菌の分類
生物の分類において、まずこれを動物と植物に分けるのはごく自然なものと考えられた。まず植物と動物の区別があり、その中での分類が進められた。藻類やキノコが植物にまとめられることには抵抗が少なかった。

問題が明らかになったのは、いわゆる微生物、単細胞生物に関する知見が集まり始めたころからである。例えばミドリムシが有名であるが、葉緑体を持ち、光合成を行うが運動性があるものは多くの例があり、中には有機物を取り入れるものまであり、それらは動物とも植物ともつかない。また、細菌や藍藻類のような原核細胞の位置付けも問題となる。

ホイッタカーは、1969年の論文で、新しい枠組みについて提唱した。原核生物、真核の単細胞生物、植物界、菌界、動物界の5つに分ける五界説である。五界説は新たな生物世界の分類体系として、広く認められた。2008年現在においても、高校理科生物ではこの説を基本としている。

ただし、現在においてこの説が認められているのは教育界くらいである。実際には古細菌の発見があり、またこの変形菌(粘菌)などの特異な生物の存在があり、現在は最大の区分であった、「界」より上の階級「ドメイン」が考えられている。

変形菌は真核生物(ドメイン)・アメーボゾア(門)・コノーサ(綱)・変形菌(亜綱)・変形菌である。

関連するニュース
粘菌も“学習”の研究成果で日本人にイグ・ノーベル賞


粘菌も餌にありつくための最短距離を見つける能力を持つことを確かめた日本人研究者たちに、2008年のイグ・ノーベル賞が贈られた。

イグ・ノーベル賞の「認知科学」分野で受賞したのは、中垣俊之・北海道大学大学院准教授、小林亮・広島大学大学院教授、石黒章夫・東北大学大学院教授、手老篤史・科学技術振興機構さきがけ研究者、山田裕康・名古屋大学客員研究員とハンガリーの研究者。中垣准教授らは、粘菌を入り口と出口だけに餌がある迷路に置くと、いったんアメーバのように迷路いっぱいに広がった粘菌が餌のない場所からは撤退し、餌のあるところだけを最短距離で結ぶ太い管状になることを確かめた。

神経系を持たない単純な生物である粘菌が“迷路問題”を解くことを確かめた研究成果が、授賞対象になった。

イグ・ノーベル賞は、ノーベル賞のパロディーとして1991年に創設され、笑いを呼ぶというのが条件の一つになっている。昨年は、牛の糞(ふん)からバニラの香りと味のする物質、バニリンを抽出した山本麻由・国立国際医療センター研究所元研究員に「化学賞」が贈られている。(サイエンスポータル編集ニュース 2008年10月11日)

参考HP 変形菌の世界(国立科学博物館 植物研究部)
 

粘菌―驚くべき生命力の謎
松本 淳
誠文堂新光社

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めざせイグ・ノーベル賞 傾向と対策 「世間を笑わせ、考えさせた」人に与えられる、それがイグ・ノーベル賞。
久我羅内
阪急コミュニケーションズ

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来客を喜ぶ「キンモクセイ」悪鬼を払う「ヒイラギモクセイ」

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「キンモクセイ」の咲く季節
職場の正門の前で来客者に挨拶をしているとよい香りが漂ってきた。振り向くとそこにはキンモクセイの花が咲いていた。1時間ぐらい外にいたのだが、とても安らいだ気持ちになった。

調べてみると、職場の町の木は「モクセイ」であった。「キンモクセイ」はその変種だそうで、「キンモクセイ」に対し、「モクセイ」を「ギンモクセイ」という。キンモクセイはオレンジ色の小さな花を多数つける。それに対しギンモクセイは白い小さな花をつける。

花の香りは「キンモクセイ」が強い。香りがよいので中国では、花を白ワインに漬けたり(桂花陳酒)、茶に混ぜ花茶にしたりする。香りの主成分はβ-イオノン、リナロール、γ-デカラクトン、リナロールオキシド、cis-3-ヘキセノールなど。このうち、γ-デカラクトンなどはモンシロチョウなどへの忌避作用があることが判明している。

モクセイのなかまは、中国南部が原産で江戸時代に渡来した。中国では桂花と呼ばれる。モクセイのなかまは、秋なかばに香り高い星のような小さな花を無数に咲かせる。花弁は4枚。 雌雄異株であるが、日本には雄株しかない

「モクセイ」とはどんな植物であろうか?

「ヒイラギ」も「モクセイ」のなかま
ヒイラギ」が「モクセイ」のなかまと聞くとイメージがつかめるかもしれない。ヒイラギとモクセイが交雑してできたのが「ヒイラギモクセイ」である。ヒイラギというとあのトゲのある葉を思い出すが、トゲがあるのは幼少の時期だけで、大木になると葉は丸みを帯びる。トゲは生き残るための知恵なのだ。

モクセイ」は、モクセイ科モクセイ属に属する常緑小高木の総称。中国原産で、中国名は桂花。ギンモクセイ・キンモクセイ・ウスギモクセイの総称であるが、単に「木犀」と言う場合は、「ギンモクセイ」を指すことが多い。

「ヒイラギ」も「ヒイラギモクセイ」も、モクセイ科モクセイ属の常緑小高木。これらの植物の葉にはトゲがあるので、葉の棘(いばら)を利用した防犯機能として植木に使われる他、古くから悪い鬼の侵入を防ぐという言い伝えがあり、庭や北東の方角へ向けて植えられてきた。2月の節分には、大豆の枝にいわしの頭を突き刺した飾りに加えてヒイラギモクセイの枝と一緒に玄関先に飾り悪い鬼を払う風習がある。(参考:Wikipedia) 
 

サワデー つめ替 キンモクセイの香り

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トランジスタ型?超伝導材料発見!超伝導に新たな可能性

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超伝導とは何だろう?
超伝導状態とはある物質の温度を下げていくと、ある温度以下で電気抵抗がゼロになり、電気が永遠に流れ続ける状態をいう。初めて超伝導が発見されたのは水銀である。水銀が4.7K(−268.3℃)で突然電気抵抗がゼロになることで発見された。

現在、高温で超伝導を起こす物質を探している状態だ。最近注目されたのは鉄ヒ素系超伝導物質である。それまでは銅酸化物系超伝導物質やY系超伝導物質がさかんに研究されていた。

研究者達は日々努力して、様々な化合物をつくっている。しかし、なかなか高温で超伝導を示す物質は見つからない。こういった化学的手法以外で超伝導を示す物質を見つける方法はないのだろうか?

トランジスタとは何だろう?
例えばハイポーラトランジスタでは、N型半導体とP型半導体を交互に接合したものに、外部から電圧をかけることで、それまで電流を流さなかった半導体に大量の電流を流すことができる。これにより電流の増幅が可能となった。

今回、東北大学の川崎雅司教授と岩佐義宏教授は、トランジスタ半導体としてチタン酸ストロンチウムを使い、これに電圧をかけることで、伝導キャリアとなる電子を誘起させ、温度を下げていくと大量の電流を流す超伝導になることを発見した。

これまで、トランジスタを使って、超伝導を起こすしくみは1960年代から行われてきた。しかし、超伝導を引き起こすには電界効果トランジスタを動作させるよりも何倍も大きな電子(キャリア濃度)が必要であり、それに必要な電界に耐えうる絶縁膜が存在しないため、電界効果による超伝導発現は夢に終わっていた。

今回の研究では、電気二重層トランジスタという新しいデバイス構造を用いることで、完全な絶縁体から超伝導への制御を実現できた。画期的な研究成果である。

今回の場合チタン酸ストロンチウムを使い、超伝導が実現した温度は−272.85℃ということで、高温超伝導とはいえないが、材料をいろいろ変えて、高い超伝導転移温度を持つ新材料の実現が期待される。

関連するニュース
電圧かけると超電導になる材料発見


電圧をかける方法で電気を通さない物質を超電導体にすることに東北大学の研究グループが初めて成功した。

これまで新しい超電導材を探す試みは、電気を通さない物質に不純物を混ぜ合わせる化学的手法が主に試みられてきた。今回の成果は、超電導材料開発に全く新しい道を切り開く可能性を示したものとして注目されている。

川崎雅司・東北大学原子分子材料科学高等研究機構教授と岩佐義宏・同大学金属材料研究所教授は、パソコンや携帯機器で広く使われている絶縁性材料であるチタン酸ストロンチウムの単結晶を、ポリエチレンオキシドというプラスチックに過塩素酸カリウムを溶かした電解質に接触させた構造をしている。

これに電圧をかけたところ、本来、電気を通さないチタン酸ストロンチウム基板が電気を通すようになり、さらに温度を絶対温度0度に近い零下272.85℃(0.4K)まで下げると急激に電気抵抗が減少し、ゼロになる超電導状態が観察された。電圧をゼロに戻すと、再び電気を全く通さない絶縁体に戻った。

今回の研究は、チタン酸ストロンチウムという手に入りやすい材料で行われたが、この手法をいろいろな物質に試みることで、より高温で超電導になる新しい材料を探す新たな道が開けた、と研究者たちは言っている。

この研究成果は、科学技術振興機構の戦略的創造研究推進事業・CRESTの一環として得られた。(サイエンスポータル編集ニュース 2008年10月14日)

電界効果、電界効果トランジスタとは?
電界効果とは電場(電界)によって材料表面に電荷が集まる効果です。絶縁体を二つの電極ではさんで電圧をかけると、正の電圧がかかった電極にはプラスの電荷が、負の電圧がかかった電極にはマイナスの電荷が蓄積します。この電極の片方を半導体で置き換えると、蓄積した電荷は半導体の中を自由に動き回る伝導キャリアとして振る舞います。このようにして伝導キャリアを集める手法を電界効果と呼び、電圧によって半導体の伝導性を制御するトランジスタとして広く使われています。

伝導キャリアとは?
伝導キャリアには正の符号を持つ正孔(ホール)と負の符号を持つ電子があります。原子に束縛されず、結晶の中を自由に動き回ることができるために電気を流すことができます。

電気二重層とは?
電気二重層とは電気化学の用語で、電解質と電極の界面に出来るイオンの集まった部分のことです。液体の中にイオンが溶け込んだ電解質を二つの電極ではさんで電圧をかけると、電解液の中の陽イオンは負の電圧のかかった電極のほうへ移動します。電極表面まで動いてきた陽イオンはそれ以上動けないので、電極の直上にぎっしりと詰まった状態になります。一方、電極の中では陽イオンの量に対応した数のマイナスの電荷が集まり、全体として電荷中性の状態を保ちます。この陽イオンの層を電気二重層と呼び、非常に大きな電荷を蓄積できることからコンデンサー(電気二重層キャパシタ、スーパーキャパシタ)として使われています。 (出典:JTS)

参考HP JST「透明な絶縁体を電界効果で超伝導に」
 →
 http://www.jst.go.jp/pr/announce/20081013/index.html#1

超伝導の謎を解く (図解でウンチク)
村上 雅人
シーアンドアール研究所

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高温超伝導の科学

裳華房

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2008年版レッドリスト発表!「タスマニアデビル」など622種増加

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IUCN2008年版レッドリスト発表
IUCNとは国際自然保護連合(International Union for Conservation of Nature and Natural Resources)のことで、1948年に創設された、国際的な自然保護団体である。国家、政府機関、NGOなどを会員とする。本部はスイスのグランにある。日本は1978年に環境庁が日本の政府機関として初めて加盟、1995年に国家会員として加盟した。また、日本国内の18団体(NGOなど)が加盟している。

スペインで開催されている、IUCN主催の世界自然保護会議において、2008年版のIUCNのレッドリスト「絶滅のおそれのある野生生物種」が発表された。この最新版のレッドリストには、絶滅のおそれの高い種として記載された世界の動植物などは、1万6,928種にものぼる。この数は前回の2007年度版よりも、622種増加している。

哺乳類の絶滅危惧種
今回、そのうちの哺乳類について重点的に調査したところ、世界の陸や海に生息する哺乳類の4分の1が絶滅の危機にあることがわかった。

調査には国際環境NGOコンサベーション・インターナショナルなど130カ国、1800人以上の研究者が参加した。世界にいるとされる5487種の哺乳類のうち、調査データ不足の836種を除く4651種を分析した。

1500年からこれまでに76種が絶滅し、シロオリックスなど2種が野生で生息が確認されていない。絶滅の危機にあるのは1141種に上り、このうち特に188種が絶滅寸前だった。スペインとポルトガルの高地で百数十頭しか確認されていないイベリアオオヤマネコや、中国・長江などに生息するヨウスコウカワイルカなど29種はもはや手遅れの状態だという。

絶滅の原因と保護活動
絶滅する主な原因は各地の森林伐採や地域開発により、野生動物が生息できる環境が減少していること、乱獲、混獲などで数が減っていること、環境汚染の影響を受けていることなどがあげられる。この結果は、10日付の米科学誌サイエンスに論文が掲載される。

今回、新たに個体数の減少が確認され絶滅危惧種に指定された動物は何だろうか?

タスマニアデビル、スナドリネコ、カスピカイアザラシがEN(絶滅危惧種=絶滅危惧1B類)に指定、キューバワニがCR(近絶滅種=絶滅危惧1A類)に指定されたのが、その一例である。

一方保護活動の成功した例としては、日本のアホウドリトキ、コウノトリなどがある。世界では、北米の大平原に生息していたクロアシイタチ、モンゴルの家畜ウマの原種モウコノウマ、アフリカのアフリカゾウなどは増加している。しかし、楽観は許されない状況だ。

タスマニアデビル


タスマニアデビル(Sarcophilus harrisii)は、哺乳綱フクロネコ目フクロネコ科タスマニアデビル属に分類される現生で世界最大の肉食有袋類。別名、フクロアナグマとも。

現在はタスマニア島のみに生息するが、古くはオーストラリア大陸にも生息していたことが化石により判明しており、同大陸ではヨーロッパ人到達以前の14世紀終わり頃に絶滅した。 オーストラリア大陸での絶滅はフクロオオカミと同様に、人類がもたらしたイヌが野生化したディンゴの影響があると思われる。

スナドリネコ


スナドリネコ(漁猫、学名:Prionailurus viverrinus、英語名:Fishing cat)は、食肉目(ネコ目)- ネコ亜目- ネコ科- ベンガルヤマネコ属(genus Prionailurus)中の1種に分類される比較的小型の哺乳類。あるいは異説でネコ属(genus Felis)中の1種ともされ、その場合の学名は Felis viverrina である。

ネコ科動物にあって特筆すべき魚食動物である。指にはわずかながら水掻きがあり、若干の水生への適応が認められる。泳ぎが上手く、カエルやザリガニ、魚類、貝などを捕って食べる。 また、陸上でもネズミ類を捕食する。汚染、干拓、人間の移住などによってスナドリネコの住処となる沼沢地が減るにしたがって、個体数が減少している。

カスピカイアザラシ


カスピカイアザラシ(Caspian Seal)はネコ目(食肉目)アシカ亜目(鰭脚亜目) アザラシ科で、カスピ海だけに住むアザラシの仲間。

陸地に囲まれた塩水のカスピ海でどうしてアザラシが孤立したのか?という研究も行われている。体長は大体1.5m程度、オスがメスよりも大きい。妊娠期間は11ヶ月、5kg程度の子供が生まれ、性的成熟はメスが5年、オスが6〜7年。神経質なため飼育が難しく、国内では鴨川シーワールドだけが飼育している。

キューバワニ


キューバワニ(Crocodylus rhombifer)はワニ目、クロコダイル科、キューバの一部の沼と島に棲息する。

かつてはカリブ海全域でみられたとされるが現在はキューバの一部でのみ確認される絶滅危惧種。比較的小型のワニで通常2mを少し超える程度。尾の力で飛び上がり水辺の枝にいる小動物を獲る事が知られている。小動物、小魚、甲殻類、昆虫類、貝類を食べる。

関連するニュース
絶滅の恐れある野生生物新たに622種


絶滅の恐れのある野生生物種が1年間で新たに622種増えたことが、バルセロナで開かれている国際自然保護連合(IUCN)の総会「世界自然保護会議」で報告された。

IUCNの2008年版レッドリスト「絶滅のおそれのある野生生物種」によると、絶滅の恐れが高い順からCR(近絶滅種=絶滅危惧1A類)、EN(絶滅危惧種=絶滅危惧1B類)、VU(危急種=絶滅危惧2類)に含まれた野生生物は、合計で1万6,928種。前回の2007年度版よりも、622種増加している。

オーストラリアのタスマニア島にのみ生息する有袋類タスマニアデビルは、VUよりも危険度が低いLR(準危急種)だったのが、VUを飛び越してEN(絶滅危惧種=絶滅危惧1B類)に入れられた。手厚い保護活動によって絶滅を免れてきたものの、顔に悪性腫瘍(しゅよう)ができる伝染病によって、個体数がこの10年で6割も減少したと見られている。

東南アジアの沿岸部や大河にすむイラワジイルカも、ダム開発や森林伐採、漁獲や混獲などの深刻な被害により、今回初めてVU(危急種=絶滅危惧2類)に掲載された。

このほか、熱帯アジアの沼沢地や森にすむスナドリネコや、カスピ海に生息するカスピカイアザラシなどが、それぞれVUからEN(絶滅危惧種=絶滅危惧1B類)に、乱獲によって減少したキューバワニもENから絶滅寸前のCR(近絶滅種=絶滅危惧1A類)にランクが上がった。

一方、いったん絶滅した(EW=野生絶滅種)と判定されたものの、保護活動の効果で、再び復活した例も報告された。米国の大平原に生息していたクロアシイタチは、米政府の20年に及ぶ人工繁殖活動と、綿密な再導入計画の結果、EWからCR(近絶滅種=絶滅危惧1A類)となり、野生種として再びリストアップされることになった。クロアシイタチは、獲物であるプレーリードッグが牧草地の害獣として駆除されたため、一度は野生から姿を消していた。

また、家畜ウマの原種といわれるモウコノウマも、保護回復活動の結果、野生復帰を果たしたとみなされ、クロアシイタチと同様、EWからCRに変わった。

主にアフリカ南部の国々で近年個体数が増加しているアフリカゾウも絶滅危機種から外れ、より危機の低いランクの「LR(準絶滅危惧種)」とされた。(サイエンスポータル編集ニュース 2008年10月7日)

参考HP WWFジャパン → http://www.wwf.or.jp/index.htm 
IUCN →  http://www.iucn.org/news_events/events/congress/index.cfm

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北極海の「海氷面積」 今年は観測史上2番目まで縮小!

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去年(2007年)の北極海の海氷面積は最小となり、2005年の最小記録を塗り替えた。今年はどうだったのだろうか?

今年は2007年ほどではないが、9月16日に観測史上2番目の小ささにまで減少した。この結果は氷が回復したのではなく、予想以上に地球温暖化が進んでいることを示している。

2007年にそれまでの海氷面積の記録をつくったのは、融解を促進する特別な気象条件もそろっていた。2007年の夏は大気循環のパターンが異常で、シベリア東部の北に暖かい南風が吹き込み、それが融解を促した。

そのような特別な事情のない2008年にもこれほどの融解が起きたことは、実際の記録以上に衝撃的な事態としてとらえられている。米コロラド大によると、数年かけて形成された分厚い多年氷が減り、薄い1年氷が増えたため、体積では観測史上最小だった可能性があるという。
 
北極海の海氷の減少は、単なる地球温暖化の一現象にとどまらない。海氷はその白さで太陽光線を反射するため、地球を冷却する効果がある。海氷が減少すればその分だけ海洋があらわになり、暗い色合いの海洋は太陽の熱を吸収する。その結果、ますます地球温暖化を加速することになる。

北極の海氷が異常に少ない状況は、日本など周辺諸国の天候に影響することが懸念される。一方、今夏はノルウェー海からシベリア北方を経てベーリング海に至る北極海(北東)航路と、反対側のカナダ北方を経由する北西航路が、初めて同時に数週間開通した。毎年夏の間は、欧州から日中韓などへの海上輸送が便利になる可能性がある。

関連するニュース
北極海の海氷量、過去最小か=衛星観測で9月半ばに記録


北極海の海氷面積が今年9月半ば、衛星観測が始まった1979年以来、2番目に小さくなってから、秋の始まりとともに増加に転じたことが、日米欧の研究機関の観測で確認された。米コロラド大によると、数年かけて形成された分厚い多年氷が減り、薄い1年氷が増えたため、体積では観測史上最小だった可能性があるという。

二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの増加による気温と海水温の上昇が原因と考えられる。海氷が異常に少ない状況が来夏以降も続き、日本など周辺諸国の天候に影響することが懸念される。

一方、欧州宇宙機関(ESA)によると、今夏はノルウェー海からシベリア北方を経てベーリング海に至る北極海(北東)航路と、反対側のカナダ北方を経由する北西航路が、初めて同時に数週間開通した。毎年夏に安定して開通するようになると、欧州から日中韓などへの海上輸送が便利になる可能性がある。(2008/10/04 時事通信社)

参考HP 北極海海氷モニターweb
 →
 http://www.ijis.iarc.uaf.edu/cgi-bin/seaice-monitor.cgi?lang=j
ナショナルジオグラフィックニュース「北極の氷、史上2番目の融解」
 →
 http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=59287556
海洋開発機構 →  http://www.jamstec.go.jp/

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超高圧!水深7700mに棲息する魚発見!その生存条件とは?

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水深7700mに棲む「シンカイクサウオ」発見
生物はどのくらい深い海の中で生きていけるのだろう?先日、東京大学海洋研究所など日英の研究チームが7700mもの深海で泳ぐ魚の映像撮影に成功した。これまでの記録を700m更新した。

魚の名は「シンカイクサウオ」。カサゴのなかまだという。この魚は深海でも一番深い所に棲息する魚類として知られている。

深海は圧力も高く、エサも少ないのであまり活発に動く魚はいないと考えられていたが、今回の発見はその常識を覆すものだった。

深海魚の生存条件とは?
それにしても深い海の底でどうして生きていけるのだろう?生物に必要な条件をあげてみよう。

温度、酸素、光、栄養分(有機物)、無機物、適度な圧力...などが考えられる。

まず、深海の温度であるが、水深3,000m以深では水温は1.5℃程度で一定になる。

酸素は水深600〜1,000m付近に溶存酸素量が極端に少ない酸素極小層がある。これは上層から降下してくる有機物を細菌が分解する時に、水中の溶存酸素を使うためである。酸素極小層ではさすがに生物の姿もまばらになるが、ここを過ぎると溶存酸素量がわずかながら増え、生物の密度もわずかに上がるという。

深海でも溶存酸素が0にならないのは、深層流という、秒速数cmの海水の流れが深海にあるからだ。しかし、この流れ一度海中に沈むと、再び海上に上がるまでに2000年もかかるという。

化学合成生態系の発見
食糧となる有機物はこれまで、浅海の生物の遺骸や排泄物が、マリンスノーなどのように深海に雪のように降ってくるものを栄養供給源とするものと考えられていたが、近年、各国で進められている深海探査により、浅海の生産物に頼らない独立した生態系が存在することが明らかになった。この生態系を化学合成生態系という。

海嶺や海底火山の周囲にある熱水噴出孔では、300℃以上もの熱水が噴き出している。その周囲には熱水中に含まれる硫化水素をエネルギー源にして生存する化学合成細菌が繁殖している。これらを体内に共生させるチューブワーム(ハオリムシ)やシロウリガイ、細菌を餌にするカイレイツノナシオハラエビ、さらにそれらの生物を餌にするイソギンチャク、シンカイコシオリエビ、ユノハナガニ、ゲンゲなどが世界各地の熱水噴出孔で次々と発見されている。

光は水深1000mまではわずかに光が届くが、それ以深は漆黒の世界である。当然光合成をする植物はいない。しかし、多くの生物が生きており、光は生物の生存に必要な条件ではない。

湧昇が豊かな海をつくる
窒素・リン酸・カリなどの無機化合物は、浅海では光合成が行われ、盛んに消費され、慢性的に不足気味である。

他方、深海では生産者が存在しないため、消費者・分解者共に密度が低いとはいえ、窒素・リン酸・カリなどの無機化合物は作られる一方である。

深海の成分が上昇することを湧昇というが、こういった場所では植物プランクトンが増え、それを食べる消費者が食物連鎖をつくり、豊かな生物層をつくる。

圧力についてはどこまでが限界なのか今のところ分からない。 (参考:Wikipedia「深海」)

関連するニュース
最深7700mに魚住んでた!日英研究チーム撮影に成功


深さ7700メートルの海底で泳ぐ魚の撮影に東京大学海洋研究所など日英の研究チームが成功し、10日に映像を公開した。

従来の記録より700メートル深い世界最深部で魚の生息を確認したことになる。

研究チームは、茨城県沖の日本海溝で、船からステンレスの耐圧壁と強化ガラスで覆われたカメラを下ろし、海底生物を調査。9月30日深夜から10月1日未明にかけ、エサのサバに群がるエビを食べている17匹のカサゴの仲間「シンカイクサウオ」を撮影した。深海魚は全長10〜30センチで、色は薄いピンクだった。

海洋研の松本亜沙子特任研究員は「エサが少ない深海で暮らす魚はあまり動かないと考えられていたが、活発に動いていた」と話している。(2008年10月11日 読売新聞)
 

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10月の天体観測 今どこでどんな星が見えるのか?

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いよいよ秋らしく...。地球に四季があるのはなぜ?
涼しくて過ごしやすい季節になった。8日寒露を過ぎると知らぬ間に秋の虫の声も鳴き止んだ。体育祭や文化祭、スポーツや文化・芸術の秋。秋というのは幅が広く9月では残暑厳しく、夏の趣がある。11月は晩秋。平地にも紅葉が広がり、木々が美しく色づく。日本では豊かな四季がありそれぞれの季節を楽しむことができる。

ところで地球に四季があるのはなぜだろう?それは地球の運動に関係がある。

正解は地球の地軸が公転面に対して、23.4°傾きながら太陽のまわりを公転しているからである。夜空を見上げると秋の空は乾燥して澄み切っていて星がよく見える。10月の空にはどんな天体が見えるのだろうか?

国立天文台の「ほしぞら情報」のページを見て調べてみた。

10月によく見える天体


日没後の空南に木星・西に金星
今の時期、空が暗くなってきた頃、南の空にとても明るく輝く星があることに気づく。それは太陽系最大の惑星「木星」。しかし、10月の中旬を過ぎると、西の低空にも目を向けてみると、明るく輝く惑星「金星」が「宵の明星」として見え始めている。11月、12月に向けてさらに高度が高くなり見つけやすくなるので、これからが宵の明星「金星」の観察のチャンス。

金星はとっても明るい
金星は、肉眼で見える天体の中で3番目に明るい天体。(1番目は太陽、2番目は月)金星がとても明るく見えるのは、地球から近いこと、大きいこと(地球とほとんど同じ大きさ)、太陽の光をよく反射すること、が主な理由。

ハレー彗星の残塵・オリオン座流星群を見よう!
流星群の放射点が、オリオン座の方向にあるため、オリオン座流星群とよばれているが、この流星群の母天体は、有名なハレー彗星。この彗星がまき散らした塵の帯の中を、毎年10月中旬から下旬ころに地球が通過するので、流星群を見ることができる。

オリオン座流星群は、毎年10月中旬から下旬ころに見られる流星群で、今年は、10月20〜23日ごろに極大を迎えると予想されている。放射点があるオリオン座が、地平線の上へのぼってくるのは、深夜。この時間月も出ているので観測はしにくくなる。

オリオン座流星群は、極大のときでも、見られる流星の数が1時間に10個程度と地味な流星群である。月明かりにも負けないくらいの、明るい流星が出現すると、数個ほど見られるかもしれない。お天気が良かったら、気長に観察をしてみよう。

10月のこよみとほしぞら


7日 上弦、水星が内合
上弦の月とはちょうど半月になった月のこと。月は新月から満月へと満ち欠けをしているが、上旬に上弦となる。内合とは内惑星が太陽と地球の間にはいること。この日太陽、水星、地球の順にまっすぐ並ぶ。
8日 寒露(太陽黄経195度)
寒露(かんろ)とは24節季の一つ。露が冷気によって凍りそうになるころ。このころ秋の虫の声が鳴き止む。 
13日 体育の日
15日 満月・水星が留
 
満月は月がちょうど太陽と反対側になること。留とは水星の見かけの動きが止まる時期。
20〜23日 この頃オリオン座流星群が極大
21日 下弦
下弦の月とは上弦とは逆の半月のこと。月は満月から新月へと満ち欠けをしているが、下旬に下弦となる。
22日 水星が西方最大離角
水星が太陽から西側に最も離れること。実際には夜明けの東の空高く(10°)に見える。
23日 霜降(太陽黄経210度)
霜降(そうこう)とは24節季の一つ。露が冷気によって霜となって降り始めるころ。 これ以降、立冬までに吹く最初の北風を木枯らしという。
29日 新月 
新月は月がちょうど太陽と同じ方向にくること。見ることはできない。

惑星の位置と見え方
水星
7日に内合となり、その後次第に明け方の空で見えるようになる。
22日には西方最大離角となり、その前後数日間は、日の出の30分前の東南東の低空10度ほどの高さで見えている。
金星 日の入後の南西の空に見えている。中旬を過ぎると10度を越える高さに見えるようになり、その後が観察のチャンス。
火星 見かけの位置が太陽に近く、観察は難しい。
木星 18時頃には南の方角に、マイナス2等級の明るさで輝き大変目立っている。21時過ぎには西南西の方角に沈む。
土星 明け方の東の空で1等級ほどの明るさで見えている。 

参考HP 国立天文台「ほしぞら情報」 →
 http://www.nao.ac.jp/hoshizora/index.html

 

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