科学大好き!アイラブサイエンス!最近気になる科学情報を、くわしく調べやさしく解説!毎日5分!読むだけで、みるみる科学がわかる!
ヘアメディカル・スカルプD ロリポップ!レンタルサーバー レンタルサーバーヘテムル 

 ボイジャー1号、太陽風の行き止まり点を通過
 太陽系の果てを航行中の探査機「ボイジャー1号」が、太陽風の速度がゼロとなる境界点を通過した。数年後には太陽圏を飛び出し、恒星間空間に達する見込みだ。

 NASAは13日、太陽圏の外を目指して航行中の探査機「ボイジャー1号」が、太陽風の速度がゼロとなる境界点を通過したと発表した。現在この探査機は太陽から約173億km(太陽~地球の距離の約116倍)離れたところを飛び続けており、地球からもっとも遠くにある人工物となっている。

Voyager

 太陽系をとりまく「太陽圏」の中では、太陽が放出するプラズマの風「太陽風」が外向きに吹いている。ボイジャー1号が送ってきた現在位置のデータによると、その太陽風の外向きの速度が、太陽圏外から吹き込む「恒星間風」に押されてゼロになっているというのだ。

 1977年9月に打ち上げられたボイジャー1号は、1979年に木星、1980年に土星を接近観測してから太陽圏の外に向かって飛行を続け、2004年には「末端衝撃波面」を通過した。末端衝撃波面とは、恒星間風と出会った太陽風の速度がガクンと落ちる境界のことで、その外にある「ヘリオシース」ではさらに太陽風が劣勢となり弱まっていく。

 ボイジャー1号の現在位置における太陽風の絶対速度は、ヘリオシースの中を航行する探査機のスピードと、太陽風のプラズマ粒子が機体にぶつかるスピードから推定される。2007年8月に秒速60kmだった太陽風は、ボイジャーが太陽から離れて1年進むごとに20kmずつ遅くなり、今年6月にとうとうゼロになってしまった。その後4か月間の測定でもこの値が安定して変わらないことが確認され、今回の発表となった。おおよその見積もりではあるが、4年後には太陽圏の最果てに到達し、人工物として初の恒星間航行を開始すると見られている。(2010年12月16日 NASA)

 ボイジャーとは何か?
 ボイジャー1号は1977年9月5日に打ち上げられ、木星と土星とその衛星を観測した。ボイジャー2号は1977年8月20日に打ち上げられ、1号が訪れた惑星に加えて天王星と海王星とその衛星を観測した。結果、各惑星で新しい衛星を発見したり、木星、天王星及び海王星に環があることが明らかとなった。また、トリトンにおける大気の発見の他、イオの火山についても明らかとなった。

 1号の方が2号よりも後に打ち上げられているが、これは本来同日に打ち上げる予定であったが1号がシステム不良のため16日延期されたためである。また、当初のグランドツアー計画ではボイジャー1号を2号より数年早い時期に打ち上げる構想が存在したという経緯もある。当時は冥王星が天王星や海王星より後方に位置していたため、木星が後方に位置する早い時期に打ち上げることで木星から冥王星へ向かうことが視野に入れられていた。しかし最終的に軌道計画が見直されて1号も土星を経由することになり、2号と同時期に打ち上げられることになった。

 ボイジャー1号・2号がいずれも1977年に打ち上げられたのには理由がある。1970年代後半から1980年代にかけて木星、土星、天王星、海王星(および当時は冥王星も惑星だった)といった外惑星が同じような方向に並ぶため、スイングバイ航法を用いてより遠くまで到達するのに最適の年だったのである(スイングバイ航法を用いなかった場合、ボイジャーが地球を出発した時の速度では木星あたりまでしか到達出来ない)。ちなみに、この機会を逃した場合、次に並ぶのは175年後まで待たねばならなかった。

 現在も、1号・2号ともに稼働している。ボイジャー1号は2010年6月10日現在で太陽から約170億6000万km離れたところを太陽との相対速度・秒速約17.07kmで飛行中であり、地球から最も遠くにある人工物体となっている。一方のボイジャー2号は2010年6月10日現在で太陽から約138億5900万km離れたところを太陽との相対速度・秒速約15.48kmで飛行中であり、ボイジャー1号とパイオニア10号に次いで地球から遠いところを飛行している。

 ヘリオポーズとは何か?
 ヘリオポーズとボイジャー1号・2号の位置(2006年6月)(イラスト)ヘリオポーズ (Heliopause) とは、太陽から放出された太陽風が星間物質や銀河系の磁場と衝突して完全に混ざり合う境界面のこと。太陽風の届く範囲を太陽圏(たいようけん)、または太陽系圏(たいようけいけん)、ヘリオスフィア (Heliosphere) などと呼ぶが、その宇宙空間との境目を表す用語である。

 太陽系の外縁部に達した超音速の太陽風は、まず星間物質や星間磁場によって亜音速にまで急減速されて末端衝撃波面 (Termination Shock) を形成し、低速度の太陽風と星間物質とが混ざり合うヘリオシース (Heliosheath) という領域を経て、ヘリオポーズで完全に星間物質に溶け込んでいる、とされている。更に、太陽系は銀河系の中を公転しているため、ヘリオポーズ外側の公転の進行方向には、公転による星間物質とヘリオポーズとの衝突で生じるバウショック (Bow Shock) と呼ばれる衝撃波面が形成されていると考えられている。

 ヘリオポーズまでの距離は、学説によりばらつきがあるが、概ね太陽から50 - 160天文単位(太陽から冥王星までの距離のおよそ1.2 - 4倍)の位置にあると推定されている。そもそも太陽圏の形や大きさは、太陽活動の変化や太陽が通過する星間空間の物質密度などによって常に変化していて、銀河磁場の影響で進行方向の反対側に流されて広がった、ちょうど巨大な彗星のようないびつな形をしていると考えられるため、ヘリオポーズの位置や太陽からの距離を厳密に特定するのは難しい。

 エッジワース・カイパーベルトの分布範囲は、概ねヘリオポーズの内側にあるが、このベルトに属する一部の天体はヘリオポーズを出入りしたり、その外側に位置する場合もあると考えられる。現在発見されている太陽系天体で最大の軌道長半径を持つセドナは、近日点付近以外の大部分の期間、ヘリオポーズの外側にいるとも考えられるが、太陽圏の形が不明確であるため、定かではない。2008年に神戸大学のパトリック・リカフィカ、向井正らが発表した惑星Xの予想軌道も、その一部または全部がヘリオポーズの外側に位置している可能性がある。オールトの雲は完全にヘリオポーズの外側にある。

 2005年5月24日、ボイジャー1号が人工物として初めて、太陽からおよそ90天文単位の位置で末端衝撃波面を通過し、ヘリオシースに到達した最初の宇宙探査機となり、ボイジャー2号の観測と併せて、ヘリオポーズが宇宙の磁場の影響を受けて歪んでいることを突き止めた。

 

参考HP Wikipedia「ボイジャー計画」「ヘリオポーズ」・ アストロアーツ「ボイジャー1号、太陽風の行き止まり点を通過

ここまでわかった新・太陽系 太陽も地球も月も同じときにできてるの?銀河系に地球型惑星はどれだけあるの? (サイエンス・アイ新書)
井田 茂,中本 泰史
ソフトバンククリエイティブ
星の地図館 太陽系大地図 (STAR ATLAS 21 星の地図館)
渡部 潤一,布施 哲治,矢野 創,石橋 之宏,片山真人
小学館

 ブログランキング・にほんブログ村へ 人気ブログランキングへ   ←One Click please