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 蚊は優れた化学者?
 蚊はどうやって人の居場所を知り、血管の場所を知り、血を吸うのであろうか?

 蚊が持っている仕掛けを最初にすべてばらしてしまうと次の通りである。蚊は、人間を見つけるのに 3種ものセンサーを持ち、さらに血管の位置を探る超音波センサーと血液成分を検出する化学センサーを用意している。その上、ヒスタミンを注入して吸った血が固まらない手当てまでしている。これだけの装置を人間が作ろうとすれば、巨大な装置になることは間違いない。蚊という虫は、化学の天才ではないだろうか。

Mosquito

 今回、蚊の持っている 3つのセンサーのうち、熱感知センサーがわかった。蚊が人や動物を刺す際に使う注射針のような口が、獲物の熱を感知するアンテナの役目をはたしていることを、帯広畜産大などの研究でつきとめた。新たな蚊の駆除法などの開発につながる可能性がある。日本分子生物学会で発表された。

 蚊は触角やひげでにおいや二酸化炭素を感知して獲物を探す。温度を探る器官もあるとされているが、それがどこなのか分からなかった。

 帯広畜産大の嘉糠洋陸(かぬか・ひろたか)教授(医動物学)らは、マラリアを媒介するハマダラカを使い、触角、ひげ、口を切断して35度の熱源や二酸化炭素に反応するかどうかを調べた。その結果、口を切断した蚊だけが熱源に反応しなかった。

 さらに調べると、口全体に「TRPA1」というたんぱく質が働いていた。このたんぱく質の機能をまひさせるような化学物質をかけると、蚊は熱源に反応せず、通常に戻すと30分以内にまた熱源を追うようになった。

 嘉糠さんは「セミやチョウと違い、蚊が口を突き出して飛んでいるのは、獲物を探すためだとわかった。もともと、火などを避けるために全身にあった熱を感知するたんぱく質を、口の熱アンテナとして使っている可能性がある」と話す。(蚊の口は熱感知センサー 帯広畜産大など解明asahi.com 2010年12月20日)

 蚊とは何か?
 カ(Culicidae)は、ハエ目(双翅目)・糸角亜目・カ科に属する昆虫である。ハマダラカ属、イエカ属、ヤブカ属、ナガハシカ属など35属、約2,500種が存在する。ヒトなどから吸血し、種類によっては各種の病気を媒介する衛生害虫である。

 成虫はハエと同様、2枚の翅を持ち、後翅は退化して平均棍になっている。細長い体型で、頭は丸く、足は長い。大きさはさまざまだが、ほとんどは15mm以下である。飛行能力は低く、エアコン、扇風機といったわずかな風によって飛行障害を起こしてしまう(そのため、エアコン、扇風機といったものの前にいれば刺されにくい)が、人間の叩く等の攻撃行為などには機敏に反応し、高い回避能力も有する。

 重量はわずか2-2.5mg、飛行速度は約1.5-2.5km/hほどであり、通常でも1秒間に520回以上羽ばたくが、吸血後は体が重くなるため大幅に羽ばたく回数が増え、それに伴い飛行速度は落ちる。カの飛翔距離やそれに起因する行動圏の広さは種によって様々である。長崎県における調査によるとコガタアカイエカの通常の1日の行動範囲は1km程度であるが、中には1日で5.1kmの距離を飛ぶ個体もある。蚊の最も古い化石は1億7千万年前の中生代ジュラ紀の地層から発見されている。

 全てのカはオスもメスも長い口吻を持つ。この口吻は円筒状に巻いた上唇が食物を吸収する管となり、その下面には唾液を送り込む管となっている下咽頭、左右には針状の大顎、小顎が添えられている。そしてその全体を樋状になった下唇が鞘となって保護している。吸血に際しては下唇以外の部分が、小顎先端の鋸歯で切り開かれた傷に侵入していき、毛細血管を探り当てる。通常の餌は植物の蜜や果汁などの糖分を含む液体だが、メスは卵を発達させるために必要なタンパク質を得るために吸血する。吸血の対象はヒトを含む哺乳類や鳥類だが、爬虫類・両生類・魚類から吸血する種類もある。オスはメスと違い、血を吸うことはない。またオオカ亜科の場合、メスであっても吸血を行わない。

 吸血の際は皮膚を突き刺し、吸血を容易にする様々なタンパク質などの生理活性物質を含む唾液を注入(この唾液により血小板の凝固反応は妨げられる。作用がないと血液は体内で固まり、蚊自身が死んでしまう)した後に吸血に入る。この唾液が、人体にアレルギー反応を引き起こし、その結果として血管拡張などにより痒みを生ずる。

 どうして蚊は人の居場所がわかるのか?
 蚊の触角にある感覚器は、人間の出す油や汗、呼吸する時に出る二酸化炭素など様々な匂いや体温を感じて飛んでくる。そして、止まって血管のあるところを口の先で探り、血管を探し当てると、血が固まらないようにする液を唾液腺から入れ、それから血を吸う。刺されて痒くなるのは、血が固まらないようにする液のためだ。

 蚊はそのパイプ状の上顎を人間の皮膚に突き刺し血液を吸い上げるが、この時に血液が凝固すると血液を吸い上げることができない。そこで蚊はまず、最初に唾液を人間の皮下に注入する。その唾液が問題で、唾液に含まれるたんぱく質などがアレルギー反応を起こす物質となる。
 このため、蚊に刺された後はアレルギー性の炎症を起こし、強い「痒み」を感じる。「痒み」というのは、「痛み」と同一の感覚器官で感じとる。つまり、「痛み」の軽いのが「痒み」というわけである。

 蚊に刺された部分を掻くとある程度「痒み」が治まるのは、同じ感覚器官に対して「痒み」よりもより強い刺激を送って、「痒み」を覆い隠してしまい、神経に送る「痒み」の一定の信号パターンをかく乱するからである。さらに、血液が凝固しない工夫をしているものにヒルがいる。ヒルはヒルジンという物質を出して、血液凝固を抑え、悠々と人の血を吸う。

 一般に血は蚊の主食だと思われがちだが、実は、蚊は血を吸って生きているのではない。花の蜜や植物の汁を吸って生きている。だから藪の中でも人の血を吸うことに失敗しても、生きていける。雄の蚊は吸血はしない。血を吸うのは雌だけだ。では何のために血を吸うのか?それは、蚊の吸った血はお腹の中の卵を成熟させるためだけに使われる。つまり、卵が育つ時に、たんぱく質として動物の血が必要なのだ。例えば、人里離れた湿地帯でも、人間のほかにも血を吸うことができる鳥や獣が沢山いる。湿地の中には鳥は多いし、山から下りてきたイノシシだって沢山いる。

 蚊の羽音周波数は?
 学校で理科や物理の時間に音叉を見たことがありますか?音叉は音楽の演奏で、基準周波数を発生させる道具として長く使われてきた。音叉を最初に作ったのは英国宮廷の音楽隊でトランペットを吹いていたジョン・シェアで、彼が自分のリュートを調律するために、1771年に発明したと言われている。

 以後、音叉は便利なため、次第に各国に普及していった。昔の音叉を調べると、その時代の音楽演奏に採られた基準のピッチが分かる。モーツァルトが愛用していたピアノの中から音叉が発見されて、その周波数から当時の基準ピッチが推定されたりしている。1939年には440HzがThe New Philharmonic Pitch として、国際基準に認められ、今日に至っている。

  ここで、音叉の話がしたいわけではないので、また、蚊の話を続けよう。ピーター・ファーブによると、蚊の雄は雌を目で見つけるわけではなく、雌の羽音を聴いて雌の居場所を知るという。雌の翅から発せられる音波が雄の触覚にひびき、触覚内の感覚細胞を振動させて、脳にその刺激を送り、それにすぐ反応して、雌を捕まえ交尾するそうだ。

 ファーブは雌の蚊の代わりに音叉を使った実験でそれを証明している。音叉を使って実験すると、音叉を振動させた場合、蚊が音叉に引き寄せられていることが分かる。前に、蚊の羽音周波数は440Hzの近辺にあると述べましたが、蚊で人の血を吸うのは雌。つまり、我々の周りで「ワァ-ン・ワァ-ン」と鳴いている蚊は、雌の蚊で、440Hzの羽音振動数で鳴いているわけである。音叉は基本振動数が440Hzだから、蚊の雄は音叉の音を蚊の雌の羽音と聞き間違えて、寄ってくる。


 参考HP Wikipedia「蚊」・敦賀市の蝶「蚊について」 ・国立感染症センター「衛生昆虫写真館

蚊の科学 (おもしろサイエンス)
荒木 修
日刊工業新聞社
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