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 ポリオの未承認ワクチン、取り扱い急増
 ポリオ(小児まひ)の予防接種で、国内で未承認のワクチンを海外から輸入して使う医療機関が急増している。国内で承認されているワクチンより安全性が高いためだ。未承認ワクチンを扱う医療機関は9月から1.5倍になり、薬販売業者の取扱量は昨年の4倍になっている。

 ポリオは、ポリオウイルスの感染で手足にまひが起こる感染症。国内で承認されている現行ワクチンは毒性を弱めたものだが、それでも約200万~450万回の接種(1人2回接種)に1人の頻度で副作用のまひが起こるとされる。先進国の多くで、毒性をなくした「不活化ワクチン」が開発され、導入されている。日本は他のワクチンとの混合型を開発中だが、導入まで数年はかかりそうだ。

Poliodrops

 このため、海外から未承認の不活化ワクチンを独自に輸入して使う医療機関が出始めた。今年、現行ワクチンで被害報告が複数あり、親のワクチンへの関心が高まるとともに、ネットを通じた医師同士の情報交換が盛んになった。患者団体「ポリオの会」会員の調べでは、9月に26施設だったのが、今月は39施設と13施設増えた。未承認薬の販売会社「RHC USA コーポレーション」日本支社によると、昨年の販売は899本(1本接種1回分)だったが、今年は10月で3658本と4倍以上になっている。

 不活化ワクチンの接種は、生後2カ月以降3~4回で費用は高い場合は計3万円。副作用が出た場合、国の補償制度は適用されない。それでも接種のために東北、東海地方から上京したり、すでに承認されている韓国に行ったりする人もいるという。

 「ポリオの会」は、下記のウェブサイトで、不活化ワクチンの問い合わせに応じている。「最近は1日1千件もの問い合わせメールが来る」と小山万里子代表。年明けから接種を予定している千葉県立佐原病院小児科の松山剛医師(46)は「親が選択できる環境をつくってあげたい」と話している。(asahi.com 2010年12月26日)

 ポリオとは何か?
 急性灰白髄炎(poliomyelitis)は、ポリオ (Polio) とも呼ばれ、ピコルナウイルス科、エンテロウイルス属のポリオウイルスによって発症する感染症のこと。ポリオは、Poliomyelitis(ポリオミエリィティス)の省略形。ポリオウイルスが経口感染して、脊髄神経の灰白質をおかすため、はじめの数日間は風邪を引いたような症状があらわれるが、その後急に足や腕がまひして動かなくなる病気。

 一般には脊髄性小児麻痺(略して小児麻痺)と呼ばれることが多いが、これは5歳以下の小児の罹患率が高かったことからで、大人が罹らないわけではない(第32代アメリカ大統領となったフランクリン・ルーズベルトは39歳でこの病気に罹ったと言われている)。

 季節的には夏から秋にかけて多く発生する。1961年から予防接種が実施されている。日本では、1980年に自然感染によるポリオが根絶され、現在ではポリオワクチンからの2次感染でしか発症していないが、海外ではまだ流行している地域がある。世界保健機関(WHO)は根絶を目指している。

 予防ワクチンと発症メカニズム
 急性灰白髄炎(ポリオ)の病原ウイルスに直接効く薬はない。予防が大切な病気である。予防は、経口ポリオ生ワクチン(3価又は1価)又は不活化ポリオワクチン(3価)の接種が有効であるとされる。 経口生ワクチンの場合、2型、1型、3型の順番に抗体がつくため、WHOで3回接種が推奨されているところ、2回のみ接種している日本人では前2者に対する抗体が産生される。現状の不活化ワクチンではまだ充分なポリオ免疫がつかない事例も多く、より確実なのは生ワクチンである。

 急性灰白髄炎は、生きたポリオウイルスが例えば灰白質を食べて増殖するから発症するのではなくポリオウイルスに対する生体の免疫過敏反応により炎症が起こるのが発症のメカニズムである。従って、不活化ワクチンであるから副作用で急性灰白髄炎が起こらないということはなく、生ワクチンでも不活性ポリオワクチンでも副作用による急性灰白髄炎は起こる可能性があり、実際副作用事例も報告されている。

 ポリオの根絶と二次感染
 日本では1960年に不活化ワクチンの本格製造が開始され、1961年から不活化ワクチンの定期接種が開始された。しかし、すぐに在庫不足になり、当時大流行していた九州において、未承認・未検定の経口ポリオ生ワクチンの総計35万人に及ぶ臨床試験(事実上の緊急接種といって支障ないと思われる)が行われ、更に1300万分の経口ポリオ生ワクチンの超法規的措置により旧ソ連及びカナダから緊急輸入が行われ、世界で最初の徹底したNID(WHOの病原体根絶戦略)が実施された。これにより患者数が激減(患者数 1960年:6500人→1963年:100人以下)し、1981年以後ポリオの発生が見られず2000年にWHOに対しポリオの根絶を報告した。

 日本では、野生株によるポリオ患者の発生は1980年を最後にみられないが、平成20年3月までに予防接種健康被害認定審査会においてワクチン接種後に急性灰白髄炎を発症したと認定された事例は、平成元年度以降80件である。 また、同審査会においてワクチンを接種された者からの二次感染と認定された事例は、平成16年度以降5件である。 

 世界ではWHOの根絶計画により、流行地域は非常に狭まっていて、2008年現在の常在国はナイジェリア、インド、パキスタン、アフガニスタンとなっている。しかし、渡航者などによる飛び火で、周辺国でも報告例が相次いでいるので、感染症情報には常に注意を要する。


参考HP Wikipedia「急性灰白髄炎(ポリオ)」 ・ポリオの会「http://www5b.biglobe.ne.jp/polio

ポリオ後症候群―その基礎と臨床
Lauro S.Halstead,Gunnar Grimby
医歯薬出版
VIRUS REPORT〈Vol.5 No.1 2008〉特集 ウイルスワクチン
クリエーター情報なし
医薬ジャーナル社

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