54個の生命に適した惑星を発見!

 2010年9月に発表された、太陽系外の惑星「グリーゼ581g」は衝撃的だった。それは、これまで発見された系外惑星の中で、最も地球に似た惑星であり、初めて人類が移住できそうな惑星が発見されたからだった。この惑星はNASAが2009年3月6日に打ち上げられたケプラー宇宙望遠鏡による発見である。

 今回、ケプラー宇宙望遠鏡による新しい発見があった。2011年2月1日、NASAは新たに54個も、生命に適した環境を持つ惑星を発表した。 ケプラーは銀河系の400分の1をカバーしているに過ぎず、地球のように生命を宿せる惑星は予想以上に数多く存在する可能性が高まった。NASAエイムズ研究所のウィリアム・ボルーキ研究員は記者会見で「宇宙では生命はありふれたものだろう」と話した。


Kepler11

 NASAは2009年にケプラーを打ち上げ、惑星が前を横切ることによる恒星の光の微妙な変化を観測。1235個の惑星候補を特定し、うち54個は熱すぎず冷たすぎず、液体の水が存在して生命に適していると推定した。特に5個は地球に近い大きさだという。(2011年2月3日  読売新聞)

 最多6個の惑星系「ケプラー11」を発見!
 NASAの系外惑星探査ミッション「ケプラー」で、これまでで最多タイとなる6つの惑星を持った惑星系「ケプラー11」が発見された。太陽と同タイプ・質量の中心星にも関わらず、はるかに内側に惑星が密集しているという点も興味深い。

 2月1日、NASAの宇宙望遠鏡による系外惑星探査ミッション「ケプラー」の成果報告が行われ、恒星「ケプラー11」の周りに6つの惑星を確認したことが発表された。これは「HD 10180」と並ぶ史上最多のものだ。

 ケプラー11は、はくちょう座の方向2,000光年の距離にある、太陽に近い質量・タイプの恒星だ。6つの惑星はいずれも地球より大きく、最大のものは海王星や天王星サイズという。内側を回るケプラー11bからケプラー11fまでの5つが、太陽から水星までの距離よりも近いところを10~47日周期で公転している。最も遠いgでも金星よりも近く、公転周期は116日だ。

 内側の5つの惑星は岩石とガスの混合体で、水を含む可能性もあるという。またこのうち、d、e、fはほとんど軽いガスからできているとみられており、惑星系のごく初期のうちに、中心星の周りに存在していた原始惑星系円盤のガスをいち早く集めて形成されたものと考えられている。

 この発見は、2009年5月~9月の観測データに基づいたものだ。この惑星系の観測は今後も継続されるため、7番目の惑星が発見されるかも知れない。

 今回の発表ではこの他に、数百の惑星候補の発見についても報告されている。そのうちの5つが「ハビタブルゾーン」(中心星からの距離がちょうどよく、生命に適した範囲)に存在する地球サイズのものだ。「ケプラー」ミッションでこれまでに見つかった惑星候補は1235個にのぼり、そのうち地球サイズのものが288個、地球より大きいものが288個、海王星サイズのものが662個、木星サイズが165個、それ以上のものが19個となっている。(アストロアーツ 2011年2月3日)

 ケプラー宇宙望遠鏡とは?
 ケプラーは、2009年3月6日にフロリダ州ケープカナベラル空軍基地からデルタ-IIロケットによって打ち上げられた、宇宙望遠鏡。ケプラーの目的は、惑星系の構造と多様性を探ることにある。具体的には、多数の星の明るさを測定することによって以下の点について明らかにすることである。

 1.さまざまなスペクトル型の星について、ハビタブルゾーン内に地球型惑星やより大きな惑星がどれくらい存在するのか探査する。2.太陽系外惑星の軌道の大きさや形を決定する。連星系に惑星がどれくらいあるのかを推定する。3.公転周期の短い巨大惑星(ホットジュピター)について、その軌道、光度、惑星の大きさ、質量、密度に関する知見を得る。4.既に惑星が発見されている恒星について、さらなる惑星の発見を行う。5.惑星系を持つ恒星の性質について研究を行う。

 惑星の軌道が中心の星と視線上偶然重なり食を起こす確率は、恒星の視直径を惑星の公転軌道の直径で割った値に比例する。太陽のような星の周囲を軌道半径1天文単位で地球型惑星がまわっていた場合、食を起こす確率は0.47%、1/210である。もし軌道半径が0.72天文単位(金星の公転軌道と同じ)場合、その確率は0.65%とやや大きくなる。惑星が複数存在する系の場合、それらの惑星は同じ軌道面を取ることが多いため食を起こす確率はより大きくなる。例えば、宇宙人がケプラーのような宇宙望遠鏡で地球による食を観測できたとすると、12%の確率で金星が起こす食も観測できることになる。

 現在の技術では、ケプラーは地球型惑星を発見する可能性が最も高いミッションである。ケプラーは10万個の星を一度に観測することができるため、惑星による食を検出できる可能性もその分大きい。さらに、1/210の確率で地球型惑星の食を観測できるということは、すべての星が地球型惑星を持っていると仮定した場合、ケプラーは480個の地球型惑星を発見できる計算になる。これと実際に検出される地球型惑星の数を比較することで、地球型惑星が存在する確率を推定することができる。(Wikipedia)

参考HP Wikipedia「ケプラー宇宙望遠鏡」・アストロアーツ「最多6個の惑星系“ケプラー11”発見!

太陽系外惑星に生命を探せ (光文社新書)
観山 正見
光文社
宇宙は「地球」であふれている -見えてきた系外惑星の素顔- (知りたい!サイエンス)
井田 茂/佐藤 文衛/田村元秀 須藤 靖
技術評論社

ブログランキング・にほんブログ村へ 人気ブログランキングへ   ←One Click please