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 福島第1原発「見えぬ敵との戦い」
 福島第1原発の事故、3号機への放水作業を東京消防庁のハイパーレスキュー隊が行った。その結果、発生する放射線量が低下した。今後も放水し冷却すれば、放射能の拡散は抑えられることが確認できた。問題は津波により使えなくなった電源で、電源が復旧し、冷却装置がはたらけば、放水作業の必要もなくなる。そうすれば、現場で働く人たちは放射線を浴びる危険性もない。現在、外部電源による復旧作業が懸命に続けられている。

 東京消防庁の佐藤総隊長は、隊員が受けた最大の放射線量が27ミリシーベルトだったと説明し「幸い隊員139人の安全を確保し、連続的で大量の水を注入するミッションを達成できた」と安堵の表情を見せた。

Kawamatatyou

 現地では放水用の屈折放水塔車を、3号機の壁まで約2メートル、核燃料プールまで約50メートルの場所に止めて作業したという。

 特殊災害対策車で周辺の放射線量を測定し部隊の展開も考えたとされる。冨岡豊彦・総括隊長は「通常の訓練とは違うが、このメンバーであれば(任務を)クリアできると確信した。一番大変だったのは隊員です」と語った後、言葉をつまらせた。やや間を置き「隊員の家族に(心配をかけて)本当に申し訳ないとその場でおわびとお礼をいった」と語った。

 高山幸夫・総括隊長は原発敷地内で給水車と放水車の間約350メートルを、1本50メートル、重さ100キロのホース7本でつなぐ手作業を指揮した。「見えない敵との戦い。いかに隊員を短い時間に安全に(作業をさせる)、というのが大変だった」と振り返った。一番長く活動した隊員の作業時間は約1時間に及んだという。

 また、佐藤総隊長は石原慎太郎都知事から派遣命令があった直後、妻に「これから福島原発に出動する」とメールし、妻から「日本の救世主になってください」と返信があったことを明らかにし「(今は)ゆっくり寝たいです」と話した。(毎日新聞 2011年3月20日)

 牛乳・ホウレンソウなどから暫定基準値超える放射線量
 枝野幸男官房長官は19日の記者会見で、福島県内の原乳と茨城県内のホウレンソウ6検体から、食品衛生法の暫定基準値を超える放射性物質が検出されたと発表した。暫定基準値は放射性物質にさらされた食品の出荷制限などを検討するためのもので、東日本大震災に伴う福島第1原発の事故を受けて政府が設定した。政府は同日、福島県と茨城県に調査を依頼した。枝野氏は今回の検出と同量の放射性物質のホウレンソウと牛乳を1年間とった場合の被ばく線量に関し、牛乳がCTスキャン1回分、ホウレンソウが5分の1程度と説明。「ただちに皆さんの健康に影響を及ぼす数値ではない。冷静な対応をお願いしたい」と呼びかけた。

 基準値は、ヨウ素が原乳で1キログラムあたり300ベクレル、ホウレンソウなどの葉もの野菜で1キログラムあたり2000ベクレル。厚労省によると、福島県川俣町の1農家で16~18日に採取された原乳から、基準値の3~5倍にあたる1キログラムあたり932~1510ベクレルを検出。ホウレンソウは、茨城県高萩市、日立市、常陸太田市、大子町、東海村、ひたちなか市の各自治体の1検体ずつ計6検体から、基準値の3~7倍にあたる1キログラムあたり6100~1万5020ベクレルが検出された。震災後、福島県内の農家はほとんど出荷を実施しておらず、当該農家で生産された原乳は市場には出回っていない。(毎日新聞 2011年3月19日)

 原乳やホウレンソウで基準を超える放射性物質が検出されたことについて、東京電力の吉田薫広報部長は19日の会見で「大変なご心配をおかけし、心よりおわび申し上げる。お客様から損害賠償の申し入れがあれば、国とも協議した上で検討を進めたい」と述べた。(毎日新聞 2011年3月19日)

 水道水からは放射性ヨウ素、人体に影響はなし
 厚生労働省は19日、福島県川俣町内の水道水から、17日に基準値をやや上回る放射性ヨウ素が検出されたと発表した。国の要請を受けて県が調査した。18日には下回っており、同省は「現状では特別な措置は必要ない」としている。

 基準値は1リットルあたり300ベクレルで、川俣町の水道水からは17日に308ベクレル、18日に155ベクレル、19日に123ベクレルが検出された。(毎日新聞 2011年3月20日)

 文部科学省は19日、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、新潟の6都県の1キログラム当たりの上水(蛇口)に含まれる放射性ヨウ素が0.27~77ベクレル、栃木、群馬県の放射性セシウムが0.22~1.6ベクレルだったと発表した。原子力安全委員会の基準によると、飲料水の放射性ヨウ素の摂取制限は1キログラム当たり300ベクレル、放射性セシウムは200ベクレルで、いずれの数値も健康に影響を及ぼすレベルではない。

 宮城、茨城県は地震災害や断水で調査できず、奈良県はデータ未回収、福島は県が独自に公表。他の道府県は検出されなかった。

 調査によると、上水に含まれる放射性物質は、栃木県(放射性ヨウ素77ベクレル、放射性セシウム1.6ベクレル)、群馬県(同2.5ベクレル、同0.22ベクレル)、埼玉県(放射性ヨウ素0.62ベクレル)、千葉県(同0.79ベクレル)、東京都(同1.5ベクレル)、新潟県(同0.27ベクレル)。文科省によると、77ベクレルの水を1年間飲み続けても、胃のレントゲンを3回受けたのと同じ放射性物質を摂取するレベルという。

 大気中の放射性物質、人体に影響なし
 また、文科省が都道府県に設置するモニタリングポスト(自動観測局、MP)は19日午後5時時点で、茨城(0.170マイクロシーベルト)、栃木(0.148マイクロシーベルト)、群馬(0.076マイクロシーベルト)の3県で大気中の1時間当たりの放射線量が通常値をやや上回った。1年間の線量限度は1000マイクロシーベルトとされ、3県の線量は健康には全く影響がないレベルという。

 3県は通常値を0.031~0.114マイクロシーベルト上回った。震災発生後の最高値は、茨城県1.504マイクロシーベルト=15日午前9時時点、栃木県1.318マイクロシーベルト=同、群馬県0.562マイクロシーベルト=15日午後2時時点--で、いずれも線量は下がり続けている。宮城県はMP施設に倒壊の恐れがあり、福島県は計測者の健康に配慮して測定していない。(毎日新聞 2011年3月19日)1マイクロ・シーベルトは胸のエックス線検査1回分の50分の1の放射線量。(2011年3月18日  読売新聞)

 ベクレルとシーベルトの違いは何か?
 暫定基準値とは、食品衛生法で、国民の健康保護のために、有害な放射性物質が含有、付着していることなどを理由として、販売や使用などを禁止する範囲を定める値。単位は「ベクレル(1キロ当たり)」。シーベルトが放射線の人体への影響を表すのに対し、ベクレルは放射性物質が放射線を出す能力の高さを示す。

 ベクレル(Bq)とは、放射能の量を表す単位。1秒間に1つの原子核が崩壊して放射線を放つ放射能の量が1ベクレルである。たとえば、370Bqの放射性セシウムは、毎秒ごとに370個の原子核が崩壊して放射線を発している。なお、放出する放射線の強さ(エネルギー)とは異なる。ベクレルという名称は、ウランの放射能を発見しノーベル物理学賞を受賞したフランスの物理学者アンリ・ベクレルに因む。

 シーベルト (Sv) は、生体への被曝の大きさの単位。記号はSv。呼称は、放射線防護の研究で功績のあったロルフ・マキシミリアン・シーベルトにちなむ。

 物質が放射線に照射されたとき、物質の吸収線量を示す単位にグレイ(Gy 定義J/kg)がある。生体(人体)が放射線を受けた場合の影響は、受けた放射線の種類(アルファ線、ガンマ線など)によって異なるので、吸収線量値(グレイ)に放射線の種類ごとに定められた放射線荷重係数を乗じて線量当量(シーベルト)を算出する。 すなわち Sv=放射線荷重係数×Gy である。

 参考HP Wikipedia「べクレル」「シーベルト」 

放射線利用の基礎知識 (ブルーバックス)
クリエーター情報なし
講談社
佐藤計量器 (SATO) 食品用放射線温度計 SK-8920
クリエーター情報なし
SATO

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