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 テラヘルツ波とは何だろう?
 テラヘルツ波(テラヘルツは)とは電磁波の一分類である。周波数1T(テラ)Hz前後の周波数の電磁波を指す。具体的には、0.1テラ~10テラヘルツの周波数帯の電磁波。3ミリ~30マイクロメートル(マイクロは100万分の1)の波長に対応し、波の性質が強い電波と光の性質が強い赤外線の境界領域にある。サブミリ波をほぼ含み長波長側はミリメートル波、広義のマイクロ波と重なり短波長側は遠赤外線と重なる。

 何といっても注目されているのはその性質で、安全に、中身をはっきり透視できる。X線は放射線で、人体に有害であるが、テラヘルツ波は、低エネルギーで人体に害はない。テラヘルツ波での金属探知は、テロ対策も含めてもっとも需要が見込めそうだ。テラヘルツ波なら金属の形がはっきり見えるため、空港などでわざわざ金属類を外す必要もなくなる。

 今回、新しい使い方が発表された。それは、火災の際に発生する有毒な「シアン化水素ガス」の発生を、テラヘルツ波を利用してキャッチする「ガス検出器」としての使用法である。この方法を利用すれば、さまざまな有毒ガスにテラヘルツ波を当てるだけで、その成分を同定することができるという。

Terahertz

 遠隔分光センシングシステム 
 NTTは、産業技術総合研究所、有限会社スペクトルデザインとともに、テラヘルツ波を用いた遠隔分光センシングシステムのプロトタイプを開発した。

 東京理科大学の火災科学研究センターにおいて本システムの評価実験を行った結果、火災現場などで発生する危険ガスの一種とされる、シアン化水素ガスの遠隔検知に有効であることが検証された。本システムにより、火災現場に足を踏み入れることなく危険ガスを検知できるようになることから、火災現場で救助活動にあたる消防士の二次災害リスクを大幅に軽減できることが期待される。

 電波と光の間に位置するテラヘルツ波は、赤外線や可視光に比べると波長が長いため、粉塵や煙、炎を伝播しても、散乱されて減衰することがほとんどない、という性質を持っている。

 また、多くの物質は、それぞれ異なる周波数のテラヘルツ波を吸収する性質を持っていることから、テラヘルツ波の吸収パターンを測定することで、有毒ガスなどの危険物質を識別することが可能であることが知られていた。

 しかし、テラヘルツ波にはこのような有用性がある一方で、発生・検出の技術が未成熟で、産業的な応用が難しいという課題があった。NTTでは、2006年よりテラヘルツ波の有用性を災害現場に適用すべく、課題であった発生・検出技術の研究を進め、従来、二次災害の危険を冒しながら災害現場に足を踏み入れてサンプリング調査しなければ検知できなかった危険ガスを、遠隔でリアルタイムに検知するシステムの実現を目指してきた。

 今回、要素技術として高出力・広帯域テラヘルツ波発生器、低雑音・広帯域ミキサ、スペクトル解析技術を開発し、これらをシステム統合することにより、遠隔分光センシングシステムのプロトタイプを実現し、危険ガスの一種であるシアン化水素ガスの模擬火災環境下での遠隔リアルタイム検知に成功した。

 ガスの成分がテラヘルツ波を吸収する
 6畳間を模して造られた構造物(ルームコーナー試験機と呼ばれる)内部で、ウレタンブロックを燃焼させ、内部に煙を充満させる。この状態で、試験機入り口から5mほど離れたところに設置した、テラヘルツ帯遠隔分光センシングシステムからテラヘルツ波を照射、反射して戻ってきたテラヘルツ波のスペクトルから試験機内部に存在するガスを調べた。

 模擬火災実験で得られたスペクトルを見ると。燃焼開始70秒から160秒にかけて、265と355、444GHzに、周波数が上がるにつれて強度が強くなる吸収ピークが観測されている。これは、シアン化水素ガスのスペクトルの特徴によく一致している。

 また、この実験では同時に、燃焼中のルームコーナー試験機内の気体をサンプリングし、別途化学分析によりシアン化水素ガスの濃度を調べたが、これにより得たシアン化水素ガスの濃度が、スペクトル分析により得たシアン化水素ガスの濃度とほぼ一致した。このことから、テラヘルツ帯遠隔分光センシングシステムにより、模擬火災によりで発生したシアン化水素ガスを遠隔から検知することに成功したことが分かった。

 今後の展開
 テラヘルツ波のミリ波から赤外光までの領域はこれまで、産業利用されていなかったのが実情。発生と検出がともに難しかったからだ。「ポテンシャルは大きいが、検出器に限界がある」と理研の緑川さんも指摘する。テラヘルツ波は可視光に比べエネルギーが小さく、室温の熱エネルギーの影響がデータに及ぶ。そのため、測定器を液体ヘリウムなどで冷やす必要がある。さらに、産業用に使うには、研究室用のレーザーでは大きすぎるという難題もある。

 それに対し、研究者の間ではテラヘルツ波の発振には半導体レーザーが有望との見方も広がる。たとえば情通機構のQCLならレーザーを小型化でき、コストを抑えられる見通し。情通機構新世代ネットワーク研究センターグループリーダーの寳迫(ほさこ)巌さんは、「常温での半導体レーザーが開発できれば、テラヘルツ波があらゆる分野に広がっていくだろう」と展望している。

 今回開発した、遠隔分光センシングシステムは装置がまだまだ大きい。現場のニーズなどを収集するとともに、分析可能なガス種類を拡大し、現場に持ち運びやすいサイズまで小型化するなど、実用化に向けた研究開発が必要だ。


参考HP Wikipedia J-Net21 
テラヘルツ波 産業技術総合研究所 テラヘルツ波による危険ガスの遠隔検知偽に成功 

テラヘルツ技術
クリエーター情報なし
オーム社
テラヘルツ波の基礎と応用
クリエーター情報なし
工業調査会

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