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 恒星の色と温度
 太陽の表面は何度だろう?そう約6000℃だ。では「昴」のような青白い星では何度だろう?恒星の色は、温度の高い順に、青白、白、黄、オレンジ、赤などがある。温度は、青白い星で10,000度以上、赤い星で4,000度以下くらいだ。冬の空でいえば、青白いシリウスは温度が高く、黄色いカペラは中くらいの温度、そして赤いベテルギウスは温度が低いということになる。

 それでは、もっとも温度の低い恒星の温度は何度だろう?

 米・ハワイにあるケック天文台の「ケックII望遠鏡」で、これまで知られている中で最も低温の星が発見された。約75光年先にある褐色矮星で、その表面温度はたったの100度ほどだという。

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 ケックII望遠鏡がとらえた「CFBDSIR 1458+10」連星系は、太陽~地球の約3倍の距離を30年周期で回りあっている。夜空に光る星は、空間に漂うガスやダスト(塵)などの物質が集まり、中心部の温度が上昇して核融合を開始することで誕生する。膨大なエネルギーを放つ私たちの太陽も同様で、その表面温度は約6000度、これでも恒星としてはやや低いぐらいである。

 表面温度100℃の恒星
 だが、このたび発見されたのは、表面温度が100度という私たちの生活にも身近な温度の星だ。これは地球から約75光年の距離にある褐色矮星の連星系の1つで、「CFBDSIR 1458+10B」と呼ばれる。褐色矮星とは、質量が小さいために核融合ができず、恒星になりそこねてしまった星のことだ。

 この連星系が昨年発見された時には低温の単一の星と思われていたが、米・ハワイにあるケック天文台の「ケックII望遠鏡」により2つの星からなる連星であることが判明し、そのうち暗い方はさらに低温であることがわかった。

 研究チームのMichael Liu氏(米・ハワイ大学天文研究所)は「今回発見されたものぐらい低温だと、褐色矮星というよりむしろ巨大なガス惑星に近い性質を持っているかもしれません。大気に水の雲が存在する可能性もありえます」と語るが、ここまで来ると「小さく低温の恒星」なのか「大きく高温の惑星」なのか、境界があいまいになってくる。Liu氏らは今後もこの連星の軌道や質量などを調査し、研究を続けていくという。

 さらに低温の可能性がある星がNASAのスピッツァー赤外線天文衛星により2つ見つかっており、詳細を確認中とのことだ。(2011年3月25日 ヨーロッパ南天天文台)

 褐色矮星とは何か?
 恒星の色と温度に注目して分類したのが「ハーバード分類」だ。恒星が放つ光のスペクトルに応じて、青いO型(最高で5万度に対応)から順にB、F、G、Kと続き、最後は赤いM型(最低で2,200度)である。ところが、1980年代後半から、M型よりもさらに低温の星が見つかるようになり、2,200~1,100度に対応する「L型」と1,100~400度に対応する「T型」が分類に加わることになった。

 L型の一部やT型の星はあまりにも小さく温度が低いため、水素の核融合反応を持続させることができず、ふつうの星(恒星)のように輝くことができない。その境界は太陽質量の約7.5%であり、これより小さい星は「褐色矮星」と呼ばれる。恒星の周囲に誕生する惑星と違って、褐色矮星は単独あるいは似た質量の天体とともに星間物質の中から誕生する。太陽質量の約1.3%(木星の約13倍)以上の天体では一時期だけ特殊な核融合反応が起きるため、一般にこれが惑星と褐色矮星の境界とされている。

 このように恒星と惑星の中間的存在と言える褐色矮星だが、その性質は恒星や惑星について知る上でも重要な手がかりとなる。例えば、恒星のすぐ近くをまわる系外惑星の大気を観測するのは困難だが、褐色矮星は表面温度が近い上に、直接スペクトルを観測できる。つまり、低温の褐色矮星を観測することによって、系外惑星の大気について推定することが可能なのだ。

 しかし、褐色矮星は可視光で見るとひじょうに暗く、予想される存在数も少ないため、広い領域を深く探査しなければならない。

 常温核融合のヒント
 国立天文台の田村元秀准教授が率いる日英等の研究チームは、「UKIDSS/LAS-ユーキッズ・広域サーベイ」のデータの一部から褐色矮星の候補天体を探した。このサーベイは、英国の口径3.8メートル赤外線望遠鏡UKIRTを使い、4,000平方度という広い領域について従来より3等級も暗い赤外線天体を探査するものである。

 見つけ出した天体のスペクトルから大気温度を推定した結果、これまでに28個ものT型星を発見した。このうち5個の星の温度は、従来の最低記録をさらに下回るものだった。おとめ座の方向約30光年の距離にあるULAS1335は、推定温度がわずか280度。惑星以外の星としてはもっとも低いのはもちろん、太陽系の惑星である水星(昼側)や金星よりも冷たい。

 これまで知られていたT型星は約100個だったが、田村准教授らはUKIDSSの観測開始からわずか3年で28個も発見したことになる。さらに捜索範囲を広げることで、最終的に数百のT型星が見つかると期待されている。さらに冷たい星が見つかる可能性もありそうだ。今回見つかった星を含め、今後の研究の進展に熱い期待がかかる。(2008年9月11日 国立天文台)

 ご存じのように恒星は核融合によって光っている。核融合はまだ、人類はコントロールすることに成功していない技術。ひょっとしたら、この極低温恒星の研究で、夢の常温核融合のヒントを得られるかもしれない。


参考HP アストロアーツ
たったの100度星の低温記録を更新 ・国立天文台 恒星と惑星をつなぐもっとも低温の星を発見 

常温核融合2008―凝集核融合のメカニズム
クリエーター情報なし
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