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 ダイヤモンドダストが降る火星
 ダイヤモンドダストとは何だろう?ダイヤモンドダストは、大気中の水蒸気が昇華してできた、ごく小さな氷晶(氷の結晶)が降る現象である。

 よく晴れた朝など、気温が氷点下10℃以下の状態のときに発生しやすい。視程は1km以上である。日光で輝いて見えることから、ダイヤモンドダストと呼ばれる。人工的に作ることもできる。氷晶で光が反射、屈折することで、太陽や月の周囲に暈、幻日、太陽柱などの大気光学現象が現れることがある。

  最新の研究によると、火星の北極付近の気象を分析した結果、火星の夜は氷を含んだ霧に覆われ、地表に雪のような結晶がパラパラと降ることが判明したという。火星の霧を直接観察したデータが分析されたのは初めてで、地球とよく似た水循環がリアルタイムで存在している事実を示す新たな証拠となる。

Martian-sunset

火星についてはフェニックス計画で、火星に着陸した探査機、フェニックスが、2008年6月にロボット・アームで近くの土壌を掘削し、表土の下に氷が存在することを、すでに映像で発見している。 

 火星探査機フェニックス
 NASAの火星探査機、フェニックス(マーズ・フェニックス・ランダー)は2008年5月、晩夏を迎えた火星の北極付近に着陸。およそ5カ月間データを収集したが、極寒の冬の環境に耐えられず、現在は機能を停止している。

 フェニックスが撮影した画像には、火星地表の浅い土壌に氷が映っていた。ただし、この氷が古代からの残存物なのか、リアルタイムに形成されているのかは結論が出ていない。

 フェニックス・ミッション中盤、研究チームは4夜にわたり、搭載された緑色のレーザービームを大気中に放射し、観測結果を2台のカメラで記録した。記録データの最新分析から、1立方メートルあたり約1.7ミリグラムの氷が火星の霧に含まれていることがわかった。霧の大半は直径が数百分の1ミリにも満たない小さな粒子で構成されており、時折大きめの粒子が形成されると地表に降下する。

 研究チームの一員でアメリカにあるテキサスA&M大学の惑星科学者マーク・レモン氏は、「ほこりの多い夜や霧の夜に外に出て、レーザーポインターを真っすぐ上に向けると、火星の霧を観測した状況がよくわかる」と話す。「緑色のレーザービームの中で、たまに光の点がきらめく。浮遊する粒子が反射しているからだ」。

 観測が行われた4夜の間、仮にフェニックスに乗車していたとしたら、晩夏の見事な日没を楽しめただろう。しかし、青みを帯びた色が地平線から姿を消すと、すぐに様相が変わる。頭上わずか数メートルのところで、氷を含んだ霧が空を満たし始める。

 火星の大気とダイヤモンドダスト
 研究チームの一員でカナダにあるヨーク大学の惑星科学者ジョン・ムーアズ氏は、「火星では夜を越えて熱を閉じ込める大気が薄いため、地表面は急速に冷える」と説明する。

 大気熱は失われ地表から温度が下がり始める。そのうち大気中の水蒸気が氷の結晶へと凝縮し、霧の厚みが増していく。「霧は地表付近から形成され、時間とともに高さを増す。夜が更けるにしたがって、ますます厚く高くなっていく」。

 最終的に、氷を含んだ霧から、ごく少量の雪のような粒子が地表に降り始める。この現象は必ずしも「降雪」と呼べないかもしれないが、地球の北極地方で寒い夜に空から降り注ぐ「ダイヤモンドダスト(細氷)」と非常によく似ていると考えられている。

 太陽が昇り始めるころまでに、厚さ約2.5マイクロメートル(0.0025ミリメートル)の霜が火星の地表を覆う。この氷の層は、朝になると昇華(固体から気体に直接変化)する。

 水蒸気の一部は再び大気に戻るが、一部は土壌に浸透し、地下で氷を形成する可能性が高いと推測されている。火星でダイナミックな水循環プロセスが進行しているのだ。「大気中に水の“貯蔵庫”があり、日常的に地下の水と相互作用している」とムーアズ氏は述べた。

 今回の研究成果は、「Geophysical Research Letters」誌に2月25日付けで掲載されている。(National Geographic News
April 5, 2011)

 フェニックスの目的と成果
 フェニックス (Phoenix) は、アメリカ航空宇宙局 (NASA) の管理下で、アリゾナ大学の月惑星研究所 (Lunar and Planetary Laboratory, LPL) を中心にカナダ宇宙庁と航空宇宙業界も加わって共同開発された火星探査機である。

 2007年8月4日に打ち上げられ、2008年5月25日に火星の北極の、氷の豊富な地域に着陸。着陸後はロボット・アームで北極域の地表を掘り上げて過去の水に関する情報を探し、火星が微生物にとって適切な環境であるかどうかを調べた。

 火星の失われた水を追うということが NASA の長期火星探査計画マーズ・エクスプロレーション・プログラムの重要な柱のひとつである。2001マーズ・オデッセイなどによる軌道上からの調査によって火星の北極地域の地面のすぐ下には凍った氷の層が拡がっていると考えられており、この地域の調査は以前からの重要な目標であった。

Evaporating_ice_on_Mars

 フェニックスはこの土壌と氷の境界地域に着陸し、それまで周回機での み存在が確認されてきた「火星の地下の氷」を直接探査することによって、2つの目標、すなわちこの地域が、はたして生命に適した土壌をもっているのかということについて、そして極地の地質のたどった歴史、特に過去10万年の間に液体の水が存在したのかということについて探求した。

 2008年6月15日(米東部時間) ロボット・アームで地表を掘った跡を撮影した写真に白い塊が発見される。この塊は18日に撮影した写真では消えており、ほぼ確実に水の氷だったと見られる。

 2008年11月10日(日本時間 11日) 日照不足による太陽電池の電力低下のため活動停止したと発表される。最期の通信は11月2日。活動期間は当初想定された3ヶ月を超え5ヶ月以上に及んだ。

 フェニックスは火星の冬を乗り越えられるように設計されていなかったが、日照の回復により活動を再開できる可能性がわずかに存在したため、2010年1月から火星周回機マーズ・オデッセイを使用して断続的に交信が試みられていた。しかし、数十回に及ぶ機会の間にフェニックスの信号は受信されず、またマーズ・リコネッサンス・オービターが撮影した画像からフェニックスが塵に埋もれ破損したことも示唆されていた。これらの状況を踏まえ、2010年5月24日、フェニックスとの交信再開の試みを終了することが公式に発表された。(Wikipedia)
 

参考HP Wikipedia 火星探査機 フェニックス National Geographic news 火星のダイヤモンドダスト、詳細が判明

ローバー、火星を駆ける―僕らがスピリットとオポチュニティに託した夢
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30_探査機フェニックス、火星に水の痕跡を発見
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ALC

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