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 火星の地表近くに液体の水が存在?
 最新の研究によると、火星のわずか100メートルほどの地下に、現在でも液体の水がたまっている可能性があるという。将来、火星に到達した人類は、この水の恵みを利用できるかもしれない。

 火星の表面は極寒の環境で、水が液体の状態を保つことはない。しかし、多孔性の堆積層が保温用の“毛布”となって地下は比較的温かく、液体の水が貯蔵されている可能性がある。

 今回の新説は、クリュセ平原南部に数百キロにわたって広がる火星最大のアウトフローチャネル(水の流れた跡)の分析に基づいている。

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 数々のアウトフローチャネルは、古代の激しい水流によって刻まれた可能性が高く、いずれも北米大陸最長で知られるミシシッピ川の数百~数千倍の流域面積を持つ。巨大な川は地下の水源から噴き出たとされており、かつて地殻上部には地下水の貯留層が広く存在していたと考えられている。アウトフローチャネルの底にみられる崩落地形もこの証左となる。貯留層の一部が空になったため地盤沈下した地形と推定されている。

 保温効果で火星の地下は暖かい?
 過去に液体の水が存在したことは確からしいが、現在はどうなっているのだろうか。研究チームのリーダーで、アメリカのアリゾナ州ツーソンにある惑星科学研究所の、J・アレクシス・パルメロ・ロドリゲス氏は、「熱モデリングに基づく分析から、非常に興味深い可能性が導き出された」と言う。

  「細かい粒子でできた多孔性の堆積層が数十メートルも積み重なれば、保温効果が生まれる。地下の浅いところで氷が溶け、水が液体の状態を保つことができる」とロドリゲス氏は説明する。「火星内部から表面に向かう熱の流れは、およそ30億年前にアウトフローチャネルが形成された時代と比べて、現在は4分の1程度の水準になっている。したがって、必要となる堆積層の厚さは4倍となる。おそらく120メートルくらいだろう。それでもまだ十分に浅く、人類が利用可能な範囲だ」。

 研究チームの一員で、アメリカのアリゾナ州ツーソンにあるアリゾナ大学のジェフリー・カーゲル氏は、「火星の地下水が現在でも存在するならば、地球の永久凍土の地下に広がる帯水層と似たものと考えられる」と話す。

  したがって、地球の永久凍土帯で地下水を探す方法を活用すれば、火星の地下水も発見できるかもしれないという。また、火星の地下水は硬い岩石層の下ではなく、緩やかな構造の未固結堆積層の下にあるため、採掘は比較的容易かつ安価に実行できると考えられる。

 将来、火星の有人探査を行う際には貴重な資源となるはずだ。チームリーダーのロドリゲス氏は、「火星で人類が長期滞在するには水が欠かせない。また、水から水素を抽出すれば燃料として利用できる」と話す。

 火星に微生物の存在が可能
 今回の研究は、地球外生命体の探査にも関係する。火星の地下に水域環境が存在するなら、そこで微生物が発達している可能性がある。研究チームのメンバーで、アメリカのカリフォルニア州にあるNASAエイムズ研究センターのアルベルト・ファイレン氏は、「生物学的な観点からみると、火星での生命発達を左右する唯一の条件となるのが液体の水の存在だ。エネルギー源や放射線保護メカニズムについては、さまざまな形  態があり得る」と述べる。

 「例えば、火星の地下には太陽エネルギーが届かないが、細菌などの微生物は分子適応を通じて生存能力を獲得することができる。地球でも永久凍土の地下ではそのようにして繁殖している微生物がいる」。

 アメリカにあるコロラド鉱業大学の地球物理学者ジェフリー・アンドリュース・ハンナ氏は、今回の研究を受けて次のように話す。「火星に液体の水が存在するかどうかは、確実な証拠が得られるまで議論が続くだろう。また地下水が存在するとしても、その分布状況も論争の対象となる。“低緯度地方の地下水は気化しているはず”とする研究もあり、その場合、極地方やごく限られた地域の堆積層にしか水は存在しないことになる」。

 今回の研究成果は、2010年11月発行の「Icarus」誌に掲載されている。 National geographic news December 15, 2010

 そもそも火星とは何か?
 火星(かせい、Mars)は、太陽系の太陽に近い方から4番目の惑星である。地球型惑星に分類され、地球の外側の軌道を公転している。 火星が赤く見えるのは地表に酸化鉄(赤さび)が大量に含まれているためである。直径は地球の半分ほどで、表面の重力の強さは地球の40%ほどしかない。火星の表面積は地球の約 1/4、質量は地球の約 1/10 に過ぎないが、火星には海がないため、その表面積は地球の陸地の面積(1.5億平方km)とほぼ等しい。

 火星の自転周期は地球のそれと非常に近く、火星の1日(1火星太陽日、1 sol)は24時間39分35.244秒である。 大気 [編集]火星の大気は希薄である。地表での大気圧は約750Paで、地球での平均値の約0.75%に過ぎない。逆に大気の厚さを示すスケールハイトは約11kmに達し、およそ6kmである地球よりも高い。これらはいずれも重力の少なさに起因している。

 大気が希薄なために熱を保持する作用が弱く、表面温度は最高でも約20℃である。大気の組成は二酸化炭素が95%、窒素が3%、アルゴンが1.6%で、他に微量の酸素と水蒸気を含む。2003年、地球からの望遠鏡による観測で大気にメタンが含まれている可能性が浮上し、2004年3月のマーズ・エクスプレス探査機の調査によって大気の解析が行われ、事実上その存在が確認された。現在観測されているメタンの量の平均値は体積比で約11±4 ppb である。


参考HP Wikipedia 火星探査機フェニックス National Geographic 火星の地表近くに液体の水が存在?

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