科学大好き!アイラブサイエンス!最近気になる科学情報を、くわしく調べやさしく解説!毎日5分!読むだけで、みるみる科学がわかる!
プレミアムな結婚相談所 安心・快適な住まい 家選びネット エステ総合ポータルサイト

 コンクリートを軽視した民主党
 今回の震災で明らかになったのは、民主党政権で掲げられた「コンクリートから人へ」という考え方の誤りである。端的に言って、防波堤の高さが20メートルあれば、10メートルの大津波が来ても、今回のような被害は防げた可能性があった。

 また、大津波の被災地では木造家屋は見る影もなく消え去り、鉄筋コンクリートの建物のみが残存して、これが事実上の津波避難所となり多くの人々の命を救った。コンクリートに象徴される堅固な建造物には、人の命を守る機能がある。

 津波避難ビルは、津波に耐えられる高さと強度のあるビルを指定する制度。住民は津波の襲来時に待機し、波が引いた後に公共施設の避難所へ移る。2004年のインドネシア・スマトラ沖大地震の津波被害を教訓に2005年、国の防災基本計画に避難ビルの整備が盛り込まれた。

 したがって、国民の生命・安全・財産を守るためには、防災への投資が欠かせない。この震災を機に、政府は徹底的に防災投資を行うべきである。

TunamiHinanbiru

 三陸の防災対策
 三陸地方には「津波てんでんこ」という言い伝えがある。「津波の時には、家族にも構わず(てんでばらばらに)逃げろ」という意味だ。8歳で昭和三陸地震の津波に遭い、体験を語り継いできた田老地区の田畑ヨシさん(86)。今回の大津波で自宅を流されたが、高台にある妹(81)方に避難し無事だった。「堤防だけに頼るのは危ない。地震が来たらすぐ逃げる」とかみしめるように話す。

 地元の防災教育を受けてきた釜石東中と隣接する鵜住居小。子供たちは訓練通り、地震発生後すぐに中学生が小学生の手を引いて約1キロ先の高台へ駆け上がり、全員無事だった。防災教育を担当した先生は「彼らのような意識が住民全体に広がれば、想定外の災害でも被害を軽減できる可能性を示してくれた」と語った。

 ハード面の対策への過信が被害を大きくした地域もある。岩手県宮古市の田老地区は、明治三陸地震津波などを受け、住宅地を囲む大防潮堤が造られた。海面から高さ10メートル、総延長2433メートル。「万里の長城」と呼ばれていたが、大津波で破壊されて約1600戸が流された。

 自宅から逃げなかった花輪節子さん(68)は夫征夫さん(70)が亡くなり、「お父さんと逃げていれば良かった」と悔やむ。地震発生後、家の外で誰かが「津波の高さは3ートル」と口にした。10メートルには余裕があると思った。その数十分後、大津波が自宅2階のガラス窓を突き破った。「大丈夫だと過信があった」とうなだれた。

 一方、今回の東日本大震災、今回の大津波は、膨大な予算を投じて営々と築いてきた津波堤防をいとも簡単に突破し、ハード面の対策の限界も見せつけた。

 今回の大津波は、膨大な予算を投じて営々と築いてきた津波堤防をいとも簡単に突破し、ハード面の対策の限界も見せつけた。

 釜石市の湾口防波堤
 釜石湾の入り口にある「湾口防波堤」。ケーソンと呼ばれる鉄筋コンクリート製の巨大な箱(重量1万6000トン)を並べて造られ、ハの字形に北(長さ990メートル)と南(同670メートル)の二つの防波堤が配置されている。1978年度に着工、約1200億円をかけて約30年後の2009年3月に完成。開口部(幅300メートル)の水深は63メートルあり、世界で最も深いとして2010年にはギネス認定された。

 国土交通省東北地方整備局の遠藤正義・港湾空港環境対策官は「津波は海面から海底までの海水全体が陸に向かって動いてくる。それを湾の入り口でせき止めようとの考えで造られた」と説明する。同省港湾局などによると、今回の大津波では沿岸に達した津波の高さを13.7メートルから8メートルに下げ、陸上での最高到達点の高さも20.2メートルから10メートルに軽減し、津波が防潮堤を越えて市街地に流れ込む時間を6分間遅らせたと推定されるという。

 それでも、多数の死者・行方不明者が出ることは防げなかった。防波堤が完全な形で残ったのは4分の1で、半分は土台からケーソンが落下。遠藤対策官は「『歯抜け状態』。世界に誇る構造物だったのに非常に残念」。大船渡港にもあったが「古い(1967年度完成)こともあったのか、全壊した」という。

 湾口防波堤は、国の津波対策の切り札だった。既に全国6カ所に完成し、4カ所で建設が進む。国交省技術監理室の石橋洋信技術基準審査官は「高さだけでなく頑丈さも必要になるが、理論的にはあと5メートル高くすれば大津波を防げる可能性があった。ただし、最初から造るには従来の1.5倍以上の予算がかかる。再整備にも数百億円はかかる。どこまで整備するかは社会的な議論が必要だ」と話す。

 国交省海岸室は「堤防だけで全てを防げるわけではない。津波避難ビルやハザードマップなどのソフト面などと組み合わせて、津波防災を考える必要がある」と話している。(毎日新聞 2011年4月3日)

 津波避難ビルとは何か?
 岩手県釜石市の沿岸部にある「津波避難ビル」に周辺の住民が地震直後に逃げ込み、津波から守られていたことが日経コンストラクションの取材で分かった。周辺住民の防災意識が高く、津波が生じた際の避難場所として広く認識されていたとみられる。

 東日本大震災のとき、津波を避けようと県内沿岸部で病院やホテルへ避難した人がいた。市町村があらかじめ指定する「津波避難ビル」だ。付近に高台がない住民にとって貴重な避難所で、各自治体とも南海地震に備えてさらなる拡充を検討している。

 津波避難ビルは、津波に耐えられる高さと強度のあるビルを指定する制度。住民は津波の襲来時に待機し、波が引いた後に公共施設の避難所へ移る。2004年のインドネシア・スマトラ沖大地震の津波被害を教訓に2005年、国の防災基本計画に避難ビルの整備が盛り込まれた。

 津波避難ビルは、津波予想浸水区域の中にあるビルのうち、以下の基準を満たすものを選定する。
1.鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造の3階建て以上の耐震性のある建築物(予想浸水高が低ければ2階建てでも可)
2.日頃から鍵がかかっていない、常に警備員などがいる、屋上に通じる外階段があるなど、緊急時に利用できること
3.ビルから概ね半径200mの範囲を避難対象エリアとし、1人当たり概ね1㎡として避難可能人数を算定する。

 沿岸部の住宅地が危険予想地域になっている市町では、対象エリアの住民数にみあう面積を確保するため、公的な建物はもちろん、民間ビルなどの所有者と協定を交わすなどして、確保に努める。なお、ビルの使用範囲は建物によって異なりますが、屋上やベランダなどに限っているところもある。

 このほかにも、沿岸部に小高い丘を築いたり、裏山がほど近い地域では山に駆け上るための避難路や避難階段を整備して、津波に備えている市町もある。

 ただし、こうした津波避難施設は、あくまで突発地震発生時の緊急避難に用いるべきもの。「わが家は鉄筋コンクリート3階建てだから」とか「勤務所の建物が避難ビルに匹敵するから」といって、せっかく警戒宣言が出てもそこから避難しない、というのは間違い。

 津波の恐ろしさは水の力だけではない。漁船が打ち上げられてくるかもしれないし、引き波で陸上のものがことごとく流され、それが建物を破壊することもある。警戒宣言が出た時には、あらかじめ危険予想地域の外にある避難地に避難することが大切。


参考HP 天使の図書館 
「コンクリートから人へ」の誤り

津波から生き残る―その時までに知ってほしいこと
クリエーター情報なし
土木学会
日本を滅ぼす原発大災害―完全シミュレーション
クリエーター情報なし
風媒社

ブログランキング・にほんブログ村へ 人気ブログランキングへ   ←One Click please