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 出っ歯の悪霊「ダエモノサウルス・カウリオドゥス」
 恐竜の大部分は約6550万年前の白亜紀に、メキシコ・ユカタン半島で起きた地球外天体の衝突(巨大隕石の落下)が原因で絶滅したとされる。では恐竜が出現したのはいつごろだろうか?

 恐竜の祖先である主竜類が出現したのは、現在から約2億5000万年前の三畳紀である。アルゼンチンの世界遺産「イスチグアラスト州立公園とタランパヤ国立公園」では、初期の恐竜化石が次々と見つかり“恐竜誕生の地”ではないかと、注目されている。発掘の中心はサン・ファン自然科学博物館。ここでは、三畳紀後期(約2億3200万~約2億2900万年前)の地層から、小型の新種恐竜の化石「エオドロマエウス」が発見され、1月14日の米科学誌に発表されている。

 今回、ニューメキシコ州ゴーストランチで、約2億500万年前の地層から、最初期の肉食恐竜類とティラノサウルス・レックスのような進化した恐竜との間のミッシングリンクを埋める新たな恐竜が発見された。この原始的な恐竜の体高は大型犬ほどで、頭骨の形が非常に変わっていると、論文の共著者でワシントンD.C.にある国立自然史博物館の古脊椎動物学者ハンス・ディーター・スーズ氏は説明する。


Daemonosaurus chauliodus

「前頭部は厚みがあって短かく、大きな前歯がある。このような頭骨の肉食恐竜がこれほど古い時代に出てくるとは、まったく予想していなかった」。これらの特徴から、発見された恐竜にはギリシャ語で「出っ歯の悪霊」を意味するダエモノサウルス・カウリオドゥス(Daemonosaurus chauliodus)という学名が付けられた。

 進化の空白を埋める新種の肉食恐竜
 これまで、知られている最古の恐竜類は、2億3000万年ほど前の三畳紀に現在の南アメリカに生息していた。その中には、獣脚類と呼ばれる二足歩行の肉食恐竜の初期種も含まれていた。しかし、この時期の直後から化石記録に大きな空白の期間があり、多くの専門家は初期の獣脚類は単純に絶滅したのではないかと考えてきた。
 スーズ氏はこう説明する。「この考え方は、早い時期に恐竜は多くの種に分かれていたが、やがて絶滅し、三畳紀後期になって、より進んだ肉食恐竜が取って代わり、さらに三畳紀からジュラ紀への移行期に多様な種に進化したというものだった。この時期に肉食恐竜が非常に多くの種に分かれ、巨大化していったことは分かっている」。

 ダエモノサウルスの発見は、前後2つの恐竜群をつなぐものとなる。「今回発見された恐竜と、同じ場所から数年前に見つかった恐竜は、これらの最古の恐竜類の中に獣脚類の祖先がすでに含まれていて、それが三畳紀の終わり頃まで生き延びたことを示している」。

 現在のところ、ダエモノサウルスの化石で見つかっているのは頭骨と頸椎だけだ。しかしその化石から、最初期の恐竜と、進化して登場する次の肉食恐竜群である新獣脚類(neotheropods)との間の進化上の空白を埋める特徴がいくつか分かっている。例えば、脊椎内に呼吸器系とつながった空洞があることなどだ。

 もう1つ、この恐竜がニューメキシコ州で見つかった点も興味深いとスーズ氏は言う。「最初期の恐竜が、まだ超大陸のパンゲアが存在し、陸上を歩いて移動できた時代に北半球に広がったということは、漠然と考えられてきた。しかし、化石記録が見つかるのは南アメリカに限られていた。今回の発見で、恐竜の最初の放散がもっと広範囲に及んでいたという証拠が1つ積み重なった。化石がアルゼンチンとブラジルでしか見つかっていないのは、発掘が不十分だったからなのだ」とスーズ氏は述べた。

 新発見の恐竜については、4月13日発行の「Proceedings of the Royal Society B」誌に掲載されている。(Brian Handwerk for National Geographic News April 14, 2011)
 
 気嚢を持つ獣脚類の最古の化石
 これ以前、アルゼンチンなどの研究チームが、同国の三畳紀後期(約2億3200万~約2億2900万年前)の地層から、小型の新種恐竜「エオドロマエウス」の化石を発見し、1月14日の米科学誌に発表している。
 三畳紀後期は恐竜が誕生した時期にあたる。この「エオドロマエウス」は、イヌほどの大きさだが非常に凶暴だったようだ。恐竜がほかの爬虫類を制圧し哺乳類を上回る繁栄を謳歌した時代は、約2億年前から始まる。今回の発見により、その前の時代について新たな手掛かりが得られると期待されている。

 発掘チームの一員でシカゴ大学の古生物学者ポール・セレノ氏は次のように話す。「最初期の捕食性恐竜を完全な形で示す化石は初めてだ。小さいが非常にたちが悪い。足が速いのだ」。「エオドロマエウス」は最も古い時代に属する恐竜で、全長は約1.3メートル、高さは大人の人間のひざにかろうじて届く程度だ。この小兵が、ティラノサウルス・レックスや“恐ろしい鉤ツメ”を持つデイノニクスなど獣脚類の起源となるのである。

 凶暴な子孫たちと同様、エオドロマエウスは長くて硬い尾を持ち、骨盤の形が独特で、首の骨の中に気嚢(きのう)がある。おそらく呼吸器の一部と考えられ、獣脚類が最終的に現在の鳥類へと進化した証拠となる。

 今回の研究には直接関わっていないが、メリーランド大学の古生物学者トーマス・ホルツ氏も獣脚類の祖先種だと考えている。「裏付ける証拠は揃っている。さまざまな特徴から判断して、獣脚類の中でもかなり原始的な種のようだ」。
 

National Geographic News 「最初期の肉食恐竜」 「進化の空白を埋める新種の肉食恐竜 


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