科学大好き!アイラブサイエンス!最近気になる科学情報を、くわしく調べやさしく解説!毎日5分!読むだけで、みるみる科学がわかる!


中古車買取実績No.1 テレビショッピング・はぴねすくらぶ ホットマーケット 開運を呼ぶ護符・霊符販売

 「タイタン」の大気の謎解明 
 太陽系の惑星の衛星に大気を持つものはいくつかあるが、タイタンほどハッキリとしたものはなく、なぜタイタンにぶ厚い大気があるのかは謎とされてきた。タイタンには地球と同様、窒素が主成分の大気がある。地球の窒素は、高温だった地球の熱がアンモニアを分解してできたが、タイタンの地表はマイナス180度と低温なため、形成過程がわからなかった。

 東京大学の関根康人助教(惑星科学)らは、大気が生じたのは40億年前に巨大な隕石が衝突したためだという研究成果をまとめた。タイタンにだけ大気があるのは、隕石衝突によって地表のアンモニアを含む氷が解けて窒素ができたと想定、レーザーによる実験とコンピューターシミュレーションで、この想定の合理性を確かめた。5月8日付の英科学誌「ネイチャージオサイエンス」電子版に論文が掲載された。

Saturn-Titan

 地球では、星の形成時の高温で、アンモニアから窒素が生成したとされる。ところがタイタンは過去に高温になっておらず、アンモニアがあっても同じ仕組みでは窒素は生じない。一方これまでの研究で、月の地表の分析から、40億年前に太陽系内で多数の巨大隕石が生じ、惑星や衛星に何度も衝突した可能性が高いことが分かっている。このため関根助教は、隕石衝突時に窒素が生じたのではないかと考えた。

 実証のため、タイタンの地表に似せたアンモニアを含む氷に、レーザーを使って金の合金をぶつける実験装置を開発。隕石の衝突速度に近いと考えられる秒速10キロでぶつけると、ほぼ100%のアンモニアが窒素に変わった。関根助教は「タイタンでは、地球とは異なる仕組みで大気が生じ、他の星より(窒素が気体として存在できる)温度の条件が整っていたので大気の状態で残ったのだろう」と話している。(毎日新聞 2011年5月9日)

 土星最大の衛星「タイタン」
 タイタン(Titan)は土星の衛星の一つで、1655年3月25日にクリスティアーン・ホイヘンスによって発見された。地球の月、木星の4つのガリレオ衛星に次いで、6番目に発見された衛星である。

 土星最大の衛星で、その直径は約5150km。惑星である水星よりも大きい。かつては太陽系内にある衛星の中で一番大きい、とされてきたが、最近では木星の衛星であるガニメデに次ぐ大きさであると考えられている。

 タイタンの特徴は衛星を包む濃い大気と雲であり、表面気圧は地球の1.5倍、大気の主成分は窒素 (97%) とメタン (2%) であることが計測されている。重力が大きく低温(分子の運動エネルギーが小さい)のため重力で大気(窒素分子)を引きとめておくことができていると考えられる。タイタンの表面重力は、1.35 m/s2と地球より小さいため、表面気圧は地球の1.5倍であるが、単位表面積あたりの大気量は地球の10倍に相当する。

 太陽系内の衛星で大気を持つものには木星の衛星イオや海王星の衛星トリトンなどが存在するが、タイタンほどに厚い大気を持つものはない。また、タイタンには地球によく似た地形や気象現象があるとされている。

 また、タイタンには液体メタンの雨が降り、メタンおよびエタンの川や湖が存在すると考えられていたが、このことは、近年のカッシーニ探査により確認された。

 「タイタン」探査の歴史
 2003年1月5日、チャンドラX線観測衛星は土星によるかに星雲の食を利用し、タイタンがかに星雲から放出されているX線を遮る現象を観測した。観測結果によると大気の厚さは約880kmで、1980年のボイジャー1号の電波などによる観測結果より10 - 15%厚いため、大気が膨張した可能性が示唆された。

 2004年6月30日に土星軌道に投入されたカッシーニ探査機は、7月1日からタイタンの撮影を開始した。レーダー測定、可視光と赤外線マッピング分光計による擬似カラー画像が撮影され、初めて分厚い大気の下の地形の画像が得られた。その結果、タイタンの地表にはほとんどクレーターが無く、レーダーに黒く映る海らしきものが発見された。しかも、メタンが大気中にあるにもかかわらず、撮影された雲の中にはメタンはほとんど見つかっていない。

 2004年12月24日、カッシーニは小型探査機ホイヘンス・プローブをタイタンに投下した。翌2005年1月14日にタイタン上空に到達、パラシュートを使って表面へ着陸。着陸作業中に写真撮影を行い、データを送信した。この画像には液体メタンによるものと思われる海や川、陸地・デルタ状の「河口」が写っていた。また大気成分や温度、気圧、地形など科学データを集め、カッシーニ経由で地球へ送られ、その中にはタイタンの地表を吹き渡る風の音を捉えた音声データも含まれていた。なお、ホイヘンスの着陸点は「ぬかるみ」のような場所であったという。着陸時の衝撃が弱かったことや、カメラに泥のようなものが付着しているのが理由としている。

 その後、小型探査機ホイヘンスによる観測で得られたデータ(気温、気圧、大気中のメタン濃度など)を分析した結果、タイタンの上空には目視が困難なほどの薄い雲が二層存在し、その内下層の雲からはメタンの霧雨が降っている事が明らかになった。

 ホイヘンスから撮影されたタイタンの地表の映像なお、2009年8月からタイタンは春分に入り、北半球に光が差し込むようになったため、北半球の本格的な観測が始まっている。

 太陽系内の衛星で大気を持つものには木星の衛星イオや海王星の衛星トリトンなどが存在するが、タイタンほどに厚い大気を持つものはない。また、タイタンには地球によく似た地形や気象現象があるとされている。

参考HP Wikipedia タイタン

NATIONAL GEOGRAPHIC (ナショナル ジオグラフィック) 日本版 2006年 12月号 [雑誌]
クリエーター情報なし
日経BP出版センター
ナショナルジオグラフィック傑作写真集 宇宙探査の50年 SPACE スプートニクからカッシーニまで
クリエーター情報なし
日経ナショナルジオグラフィック社

ブログランキング・にほんブログ村へ 人気ブログランキングへ   ←One Click please