重量級のクモ、世界の珍種

 脚を広げると約30センチ、体重は約170グラム。南米のガイアナに生息するルブロンオオツチグモ、別名ゴライアスバードイーター(Goliath birdeater、学名:Theraphosa blondi)は、ヘビー級の世界チャンピオンだ。

 南米の熱帯雨林に暮らし、“バードイーター”という名前に似合わず、小さな無脊椎動物を主食としている。ただし、トカゲや毒ヘビなど体の大きい相手にも立ち向かうことが知られている。

 牙に仕込んだ毒はそれほど強くないが、噛まれるとかなりの怪我は避けられない。さらにトゲのような細かい刺激毛で全身を包み、危険を察知すると後脚で自らの腹部を蹴る。周囲に乱れ飛んだ刺激毛は、敵をひるませるに十分な武器となる。(National Geographic News April 21, 2011)

Spider

 

日本にも巨大グモがいる。ルブロンオオツチグモの30cmにはおよばないが、足まで入れた長さは約10cm~13cmで、足を広げた大きさはCD1枚分くらい。ときどき家の中で見つけて、大騒ぎするクモといえばこの「アシダカグモ」である。


 アシダカグモ

 網を張らない徘徊性のクモで、全世界の熱帯・亜熱帯中心に分布する。帰化種で、元来日本には生息していなかったが、輸入果物などに紛れ込んできた(別名をバナナグモとも言う)という説と、江戸時代にゴキブリ退治用として人為的に輸入したとの説もある。

 夜行性で薄暗い所を好む。日本では主に人家で見られ、日中は雨戸袋や天井裏、家具の隙間などに隠れていることが多い。また、この他公園など屋外のトイレに行くと、よく便器や壁などにへばりついていることがある。

 日本に生息する徘徊性のクモとしてはオオハシリグモ(南西諸島固有)に匹敵する最大級で、成体の体長は20mm~30mm、全長(足まで入れた長さ)は約100mm~130mmで、足を広げた大きさはCD1枚分くらい。オスはメスより少し体が小さく、触肢の先がふくらんでいる。肉食性で、成熟後は比較的大型の動物も捕食する。

 その大きさから毒グモと勘違いされることも多いが、人間に影響する毒は持たない。同じくゴキブリなどを捕食するムカデとは違い、人間に対しての咬害も起こらない。基本的に臆病で、人間が近寄ると素早く逃げようとする傾向が強く、近くの壁を叩くなどの振動にも敏感に反応する。ただし、素手で掴み上げるなどすると、防衛のため大きな牙で噛みつかれる場合がある。

 アシダカグモそのグロテスクな姿や、床や壁をガサガサと這い回る不気味さから忌み嫌われる場合も多。実際は、人家内外に住まうゴキブリやハエなどの衛生害虫や、小さなネズミなどを捕食してくれる益虫である。また、捕食中に他の獲物を見つけると、先の獲物をさし置いて新しい獲物を捕食しようとする習性があり、短時間に多数の害虫を捕らえる能力を持つ。昆虫学者安富和男の著書「ゴキブリ3億年のひみつ」によると、アシダカグモが2・3匹いる家では、そこに住むゴキブリは半年で全滅するという。


 科学者も驚くクモの“蘇生”能力

 実験で“溺死”したクモが数時間後に息を吹き返したことが確認された。まるでゾンビのようなこの能力に科学者たちも驚いたようだ。クモは昏睡状態に入ることで、水中でも長い時間生き続けることができるようだと新しい研究は伝えている。

 多くのクモや昆虫は溺死しにくいことが昔から知られており、研究チームはクモが水中で生き続けられる正確な時間を測定しようとしていたところ、その実験の過程でクモの蘇生能力が予期せず確認された。

 実験用として採集されたのは、塩性湿地に生息するコモリグモ2種と、森林に生息するコモリグモ1種である。フランスにあるレンヌ大学の研究チームは種類ごとに120匹のメスを海水に沈め、2時間おきにブラシで突き、反応の有無を確認した。

 結果は予想通りで、森林のコモリグモ(学名:Pardosa lugubris)は24時間後には全滅したように見えたが、塩性湿地の2種はその後も生き続けることができた。後者の2種について最終的に確認された生存時間は、それぞれ28時間(学名:Pardosa purbeckensis)と36時間(学名:Arctosa fulvolineata)だった。

 溺死後のクモは、後の体重測定を目的に乾燥の処置がとられたが、そのときから不思議なことが起こり始めた。溺死したはずクモが数時間後には少しずつ動き始め、すぐにその8本の足で歩くようになったのだ。

 「クモの生き残り術はまだ謎に包まれているが、それがどのようなものであってもクモだけの専売特許とは考えられない。まだ確認されていないだけで、ほかにも多くの種が同じ能力を備えている可能性がある」と、ペティヨン氏は解説する。

 この最新の研究結果は、4月22日発行の「Biology Letters」誌に掲載されている。 (National Geographic News April 27, 2009)


<参考HP Wikipediaアシダカグモ National Geographic 重量級のクモ、世界の珍種


図解 猛毒動物マニュアル―サソリ、毒グモからフグ、コブラまで
クリエーター情報なし
同文書院
おどろきのクモの世界―網をはる花にひそむ空をとぶ (子供の科学サイエンスブックス)
クリエーター情報なし
誠文堂新光社

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