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 6.16 汚染水浄化装置試運転

 福島第一原発にたまり続けた汚染水はどうすればよいだろう?東京電力は6月16日、福島第一原発の高濃度放射性汚染水を浄化するシステム全体の試運転を同日未明に始めたと発表した。放射性物質の除去装置(2種類)、油分離装置、淡水化装置の計4種類を組み合わせた最終的な試験。東電は「順調にいけば、17日午後にも汚染水の本格的な処理を始めたい」としている。

 同原発では、1~3号機の原子炉冷却に使った水が漏れ出すなどし、汚染水の量は10万立方メートルを超すとみられる。タービン建屋地下の汚染水を集中廃棄物処理施設内に移送しているが、容量が限界に近づいたため、16日、移送をいったん停止した。浄化システムの稼働が遅れれば、増え続けた汚染水が今月下旬にも地表や海に流出する恐れがある。

 浄化システム全体の試運転は、比較的低濃度の汚染水を使い、16日午前0時20分に始まった。30~40時間動かして問題がなければ本格稼働させ、集中廃棄物処理施設にある高濃度汚染水の浄化を始める。

Zeolite

 東電によると、15日に実施した仏アレバ社の除染装置の試運転の結果、放射性セシウムの量を1万7000~1万8000分の1に減らせたという。(毎日新聞 2011年6月16日)

 6.17 汚染水浄化装置水漏れ
 東京電力福島第一原子力発電所の汚染水の浄化設備は、6月17日午後8時ごろから高濃度の汚染水を処理する本格的な稼働を始めた。増え続ける汚染水への対策の鍵となりるが、16日夜は試運転の段階で作業ミスによるとみられる水漏れのトラブルが起きるなど、安定して稼働できるか課題を残した形だ。

 福島第一原発で高濃度の汚染水を浄化する設備では、16日夜、本格稼働に向けて試運転を行っていたところ、主に放射性のセシウムを除去するアメリカ製の装置で水漏れが起き、装置が自動的に停止した。装置には汚染水を通して浄化する容器が連なっていて、東京電力は、このうちの1つで作業ミスによって配管の弁が閉じていたため、水の行き場がなくなり、隣の容器の安全弁が破損して水が漏れたとみている。

 東京電力は、破損した安全弁を交換するなど復旧作業を進めた結果、午後4時すぎに試運転を再開し、問題なく動くことを確認したとしている。そして17日午後8時ごろから、高濃度の汚染水を処理する本格的な稼働を始めた。この浄化設備は、1日に500トンのペースで増え続けているとみられる高濃度の汚染水への対策の鍵となるほか、浄化した水を再び原子炉に入れることで安定的な冷却を目指すとされている。しかし、試運転の前や試運転の段階で不具合やトラブルが相次ぎ、安定して稼働できるか課題を残した。(2011年6月17日 NHK)

 6.18 汚染水浄化装置停止
 東京電力は6月18日、福島第一原子力発電所にたまっている高濃度の放射能汚染水を浄化する装置の運転を停止したと発表した。同日未明に放射性セシウムを吸着させる装置が、想定より早く基準の放射線量に達したためだという。17日夜の本格稼働からわずか5時間での停止。原因は不明で復旧のめどは立っていない。浄化した水を再び原子炉に戻し、燃料を安定冷却する「循環注水冷却」に18日に入る予定だったが、開始できなくなったという。

 この装置は、セシウムを吸着する鉱物のゼオライトを入れた円筒形のカートリッジ(直径90センチ、高さ2.3メートル)が並んでいる。この間をパイプでつなぎ汚染水を通していく仕組み。計測装置で基準の毎時4ミリシーベルトに放射線量が上がるとカートリッジを交換する予定にしていた。吸着装置は米キュリオン社製で、交換基準は作業員が高線量の被曝(ひばく)をしないために設けられている。

 東電によると、18日午前0時54分ごろ、稼働させた2系統のうちの1系統で、油などを除去する入り口側の部分で、放射線量の計測値が毎時4.7ミリシーベルトになった。残りの系統も3.9ミリシーベルトを示したという。この部分の交換は、1カ月に1回の想定で、これほど短時間で基準を超えることは考えにくいという。

 東電福島事務所は「原因が判断できないので止めた」と説明している。現時点で水漏れなど異常は見られないが、原因を突き止めないと、運転再開はできないという。(asahi.com 2011年6月18日)

 政府、工程表の遅れ認める
 東京電力は「いきなり最初から完璧に起動するほど容易なものではないと思っている」といっているが、政府が17日、1カ月前にまとめた原発事故被災者支援の工程表の実施状況を発表したところ、「おおむね予定通り」と評価したのは、原発から半径20キロ圏外で放射線量が高い「計画的避難区域」の住民避難と仮設住宅確保の2項目のみ。「7月中旬までに1巡」としていた警戒区域(原発から20キロ圏内)への一時帰宅などについては、遅れを認めている。

 「さまざまな事情で、必ずしも当初の計画通りに進んでいないのは事実だ」。枝野幸男官房長官はこの日の記者会見で、工程表通りに被災者支援が進んでいないとの見方を示した。前提となる原発事故収束への道のりが依然、険しいためだ。 (毎日新聞 2011年6月17日)

 鍵を握るのが、汚染水除去装置で、すべての装置が順調に動けば、1日1,200トンの高濃度汚染水を流して浄化、放射線物質の濃度を1000分の1から1万分の1まで下げられるという。6月末~7月初めには原子炉の冷却水として再利用する「循環注水冷却」を始める予定だ。

 高濃度汚染水はタービン建屋などに10万トン以上たまっており、日々増え続けている。来年3月末までに計25万トンを処理する計画。費用は年末までに合計で531億円となる。

 汚染処理装置の仕組み
 はやく汚染水浄化装置の運転再開を望むところだが、汚染除去装置はどんな仕組みで放射線物質を除去するのだろう?

1.油分離装置 (東芝) 滞留水に含まれる油分及びスラッジを自然浮上分離により除去する。
2.セシウム吸着塔 (米 Kurion社) 3種類の吸着剤を装填した吸着塔で放射性セシウムやヨウ素を除去する。

 Kurionが独占権を持つ無機吸着媒体 "Ion Specific Media"によって水から放射性物質を取り除き、ガラス固化により容量を減らして永久的に固定化する。これは、スリーマイル島原子力発電所における汚染水除去の手法を改良したもの。

 他の基材の場合は海水ではうまく機能しないが、これは、pH、海水、表面活性剤に対してほとんど問題なく利用できるという。

 Kurion社は3月29日にこの媒体の供給が可能なことを発表、東電が交渉して決定した。決定後、わずか5週間で主要機器と媒体が到着した。Kurion社は2008年創業で、名前は Marie Curie からのKur と Ion を合わせた造語。
 Kurion発表 http://www.businesswire.com/news/home/20110606005809/ja/

3.除染装置 (仏 Areva社) 汚染水を攪拌しながら特殊な薬剤を注入、沈殿を生成させて浄化された上澄みを抜き取る。セシウムのほかストロンチウムなどを砂に吸着させる。

4.淡水化装置 海水の塩分を除去(①逆浸透膜、②蒸発濃縮) ②は8月及び10月に稼働の予定。

 東電ではこの処理で発生する汚泥の1cm3あたり1億ベクレルという高濃度の放射性廃棄物が2000m3(ドラム缶1万本)発生するとみている。そこに含まれる放射性物質は20京ベクレルに達する。

 この高濃度放射性廃棄物は、一時的に敷地内に保管する計画は示されているが、最終処分までの道筋は未定となっている。現行の原子炉等規制法では今回の廃棄物を処理するための規定がなく、保安院は専門家の意見を聞きながら基準作りを進める。(2011年6月16日 化学業界の話題

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