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 地球をかすめた小惑星2011 MD
 2011年6月28日2時14分(米国東部夏時間6月27日13時14分)頃、スクールバスほどの大きさの小惑星が地球をのすぐそばを通過した。

 この小惑星は、2011 MDといい、地表から約1万2000キロ上空を通過した。月までの距離の約30分の1の近さだ。この小惑星は、6月22日にマサチューセッツ工科大学(MIT)のリンカーン地球近傍小惑星探査(LINEAR)計画の研究者により発見された。大きさは幅約6~14メートルと見積もられた。計測によると、最高速度は時速約10万1000キロだった。

 2011 MDは小惑星の基準からすると比較的小さいものだが、地球に十分に近づいたため、普通の天体望遠鏡で見ることができた。もし真っ直ぐに地球に向かうコースをとっていたなら、この岩の大きさと速度からすれば、地表に到達し爆発が起こり、そこにクレーターができていたと予測される。

2011MD

 この程度の大きさの小惑星は、5~10年に1度はこの程度まで地球に接近してくる。そして、約50年に1度は地球に衝突するという。どちらにしても、もっと大きなものが地球に衝突する可能性はある。今回の小惑星は、地球によく似た軌道を持っていることから、アポロ型小惑星の1つと考えられる。ただし公転周期は地球より長く、軌道はより楕円形だ。(2011年6月28日 Dave Mosher for National Geographic News)

 米国版「はやぶさ」
 地球に小惑星が衝突する可能性は当然ある。最近では2010年9月8日から9日にかけて、大きさ10メートルほど二つの小惑星が、相次いで地球に接近した。いずれも月より近いところを通過したが、地球に衝突しなかった。最接近の際は望遠鏡でも観測できたという。 (asahi.com 2010年9月8日)

 こうなってくると、次はいつ頃、地球環境に影響を及ぼすほどの小惑星が衝突するかが心配だ。2009年7月下旬に「2182年に地球に衝突する可能性がある」と話題になった小惑星がある。小惑星の名は「1999RQ36」で、これが地上に落下すると、直径がおよそ10kmのクレーターができるという。

 米航空宇宙局(NASA)はこの対策として5月25日、探査機「オシリス・レックス」を2016年に打ち上げることを発表した。小惑星衝突の予測精度向上や回避手段の発見のため、RQ36のサンプルを持ち帰る計画だ。(asahi.com 2011年5月26日)

 このニュースは米国版「はやぶさ」として、日本の新聞では紹介されたが、実際に衝突の危険性がある小惑星として、調査する目的があるとは私は知らなかった。

 発表によると、探査機は20年に「1999RQ36」と呼ばれる小惑星に到着して試料を採取。小惑星の表面に金属球をぶつけて微粒子を舞い上がらせて採取する設計だった「はやぶさ」と異なり、ロボットアームを伸ばして50グラム以上を採取する予定だ。試料はカプセルに入れ、2023年に米ユタ州の砂漠に投下させる。

 今回の探査は、太陽からの光の影響で小惑星の軌道が変わる現象「ヤルコフスキー効果」を調べ、地球に衝突する恐れのある小惑星の軌道の正確な予測にも役立たせる。

 ヤルコフスキー効果
 さて、小惑星の軌道を変える「ヤルコフスキー効果」とは何だろう?ヤルコフスキー効果(Yarkovsky effect)は天体からの熱放射の不均一が生じることにより、天体にモーメントが生じ、小天体の軌道が影響を受ける効果である。通常その影響が問題になるのは径が10cmから10kmまでの比較的小さい隕石や小惑星といった天体についてである。

 ヤルコフスキー効果は、小天体の表面が太陽によって暖められてから、熱線を放射して冷却するまでに時間が必要であることから生じる。自転する小惑星の、小惑星の「1日」の夜明けを迎える場所と、夕暮れを迎える部分を比較すると、夕暮れを迎える部分のほうが、すでに太陽によって暖められてきたので熱放射量が大きい。この熱放射の差が夜明けの部分の方向に微小な力を発生し、軌道を変化させる。自転と公転の方向が順行である場合、この力は軌道長半径を増加させる方向に働く。

 太陽のまわりを、自転せずに公転のみする小天体のモデルではこの効果は公転速度を遅くする向きに働くことになる。(Wikipedia)

 地上からヤルコフスキー効果を計測しようとしても、現在の観測技術ではまず不可能だ。小惑星表面の不均一さは識別不可能で、自転や揺らぎの動きも一定していないためだ。したがって、現在数多く出ている衝突予測でも、軌道計算にこの効果は加味されていない。

 オシリス・レックス計画が実現すれば、探査機は2019年にRQ36へ到達し、可視波長域から遠赤外線波長域までのマッピングを実施、着陸してサンプルを採取後、2023年に地球に戻ってくる。

 同時にヤルコフスキー効果が初めて正確に計測され、小惑星の解明が進むと期待されている。このミッションから得られる情報は、RQ36などの小惑星衝突から地球を守る上で極めて重要になるという。(2010年8月9日 National Geographic)

 2029年に接近する「アポフィス」
 小惑星というと火星と木星の間にある小惑星帯が有名だが、実は地球の軌道に近いものも多い。地球に近いということは、それだけ地球と衝突する可能性も高いわけで、1999RQ36、2011 MDの他にも接近する可能性のある小惑星がある。

 アポフィス (99942 Apophis) は、アテン群に属する地球近傍小惑星の一つ。2004年6月に発見され、地球軌道のすぐ外側から金星軌道付近までの楕円軌道を323日かけて公転している。

 2004年12月、まだ2004 MN4という仮符号で呼ばれていたこの小惑星が2029年に地球と衝突するかもしれないと報道され、一時話題になった。NASAの評価によると、仮にこの小惑星が衝突した場合のエネルギーは、TNT換算510メガトン相当とされた。

 その後、少なくとも2029年の接近では衝突しないことが判明している。2029年4月13日には、アポフィスは地表からおよそ32,500 km離れたところを通過すると予測されている。これは静止軌道 (35,786 km) とほぼ同じ距離である。これによって視等級は3.3となり、ヨーロッパ、アフリカ、西アジアにおいては肉眼でも容易に観測できるようになる。

 この接近でアポフィスの軌道が変わってアテン群ではなくなり、アポロ群になるだろうと考えられており、それ以降、2036年から2103年の間にわずかながら衝突の可能性がある接近が6回ほど起きると推定されている(2010年現在)が、2029年以後の軌道に関する正確な予測は困難である。

 そのため、小惑星が地球に接近した機会を狙って発信機を取り付け、軌道を詳細に追跡すべきだと主張する天文学者もいる。(Wikipedia)

参考HP Wikipedia ヤルコフスキー効果
National Geographic news 地球をかすめた2011 MD

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