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 「主権」意識のない日本人
 若い人に政治に関する無関心、国に関する無関心な人が増えている。ロシアとの北方領土問題中国、北朝鮮問題など、緊張した関係が続いているにもかかわらず、知ろうとしないし、国や社会に対して貢献しようという意識が少ないのが気になる。

 学校でも領土問題、隣国との緊張関係などについて、ほとんど話すことはない。ちょっと話すと人権問題にもなるからだという。誰であろうと基本的人権は当然あるが、ノーベル平和賞受賞者を投獄し、軍備費を増大し続ける中国政府や日本人を拉致し、核兵器を造り続ける北朝鮮指導者、国際的に根拠となる条約など存在しないのに、北方領土を不法占拠するロシア政府など、他人の人権を無視する人たちに対して黙っていることは、日本の主権が存在していないに等しい。

 だから、「きちんと人権を守ろう!」と、守っていない隣国に訴え続けることは当然の権利だと思う。そして、国民一人一人は国や社会集団のルールを守り、愛国心を持つことは何より大切であると思う。それが、国であり国民のふつうの姿であろう。

Ai_Ayumu

 人の祖先だとされる、チンパンジーや猿人たちに関する研究では、人に近い動物を観察することで、人間社会のあり方を考えさせられることが多い。彼らの方が、むしろ規則正しく、原理原則に則って生活している場合がある。

 チンパンジーは集団の利益を考える
 二足歩行を始めた猿人は、女が群れを離れて旅をし、男は生まれた場所を離れずにいたらしい。英米や南アフリカなど6カ国の研究チームが2日、英科学誌ネイチャーに発表した。

 チームは、歯に含まれるストロンチウムが、エナメル質ができる子どものころに育った土地の食べ物の影響を受けることに着目。南アの洞窟で見つかった180万年以上前の猿人、アウストラロピテクス・アフリカヌスとパラントロプス・ロブストスの計19体の歯を調べた。

 その結果、男とみられる歯の9割が発掘された洞窟周辺の特徴を持ち、女とみられる歯の半数以上に、離れた地域の特徴があった。ボス以外のオスが群れを離れる行動を取るゴリラよりは、メスが群れを離れるチンパンジーに近かった。(asahi.com 2011年6月3日)

 チンパンジーは、主に母子関係やオス間の同盟を元に構成される小さい集団(パーティ)に分かれて遊動する。 オスは主に産まれた群れに留まることが多く、性成熟したメスは産まれた群れを離れて隣接した群れに加わることが多い。チンパンジーのメスはなぜ群れを離れるのであろうか?こうした行動は、メスが群を出ることによって近親交配の回避をしていると考えられている。(Wikipedia)

 チンパンジーは他者の行動を理解する
 チンパンジーについては、知能の高いことが知られているが、京都大霊長類研究所などのグループが、「チンパンジーは、相手をまねるだけでなく、相手の行動の意味を理解して振る舞うことができる」ということを、コンピューターを使った課題でわかったと発表した。ドイツの動物認知学専門誌電子版で7月4日報告された。

 霊長研の松沢哲郎所長らは、雌のチンパンジー「アイ」(実験当時31歳)と息子の「アユム」(同8歳)をそれぞれ別のコンピューター前に座らせて、まず一方が画面に映る2種類の色の四角形のどちらかを選ぶと、続いてもう一方も同じ色を選ぶという課題をさせた。アイは約9割、アユムは約8割、相手をまねて同じ色を選んだ

 さらに、相手が選んだ色に合わせて、自分はその色を表す「赤」や「緑」などの漢字を選ぶ、といった難しい課題を与えた。アイは約7割正解したが、アユムはできなかった。それぞれの漢字の意味自体は、どちらも知っているという。(asahi.com 2011年7月5日)

 チンパンジーは他者の行為を単純に真似するだけでなく、他者の行為の意味までを深く読み取って、正しくふるまえることがわかった。なぜなら、一方は色を選んでいるのに、他方はそれが意味する文字を選んでいるからだ。チンパンジーが、他者の行為を理解したり、赤や緑という漢字の意味を理解しているとは驚いた。

 集団帰属意識がなく、他者理解力もなく、ルールを守らないのはむしろ人の方かもしれない。チンパンジーに学ぶことは多い。

 
参考HP 京都大学 チンパンジーによる、同種他個体の行動を手がかりとした見合わせ課題 

人間はどこまでチンパンジーか?―人類進化の栄光と翳り
クリエーター情報なし
新曜社
アイとアユム―チンパンジーの子育てと母子関係 (講談社プラスアルファ文庫)
クリエーター情報なし
講談社

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