科学大好き!アイラブサイエンス!最近気になる科学の疑問を、やさしく解説!毎日3分読むだけで、みるみる科学がわかる!
 天然ウナギの卵、大量にとったどー
 天然のウナギの卵を大量にマリアナ諸島沖で採取することに、東京大や九州大などのチームが成功した。日本に持ち帰った卵を7月10日、東京都内で報道関係者に公開した。卵がとれた深さや日時から逆算すると、産卵は日没~夜11時に、水深150~200メートルで行われると推定できるという。

 ウナギの天然卵の採取は、世界初となった2009年5月に続き2回目。今年も高いウナギは、年々少なくなっており、完全養殖の実用化が期待されている。

 研究チームは学術研究船「白鳳丸」で大型プランクトンネットを引いてウナギの卵を探し、6月29日にニホンウナギの受精卵約150個を捕獲した。2009年に初採取した卵は31個だったが、今回、一度に100個を超す卵が得られたことで、遺伝情報の解析をより詳しく進められるという。

Unagi

 研究チームは卵が前回とれたときの条件をもとに、塩分の高い水塊と低い水塊とが接する「塩分フロント」のそばで産卵が行われると推定。塩分フロントが西マリアナ海嶺と交わる北緯13度、東経142度の海域に狙いを定めた。その結果、予測が的中した。ウナギは新月の2~4日前に、一晩だけでなく連日産卵するとみられる。

 天然ウナギの資源は激減している。産卵生態の解明は、飼育下で卵から育てる「完全養殖」の実用化に役立つと期待されている。(asahi.com 2011年7月10日)

 ウナギの産卵場所特定
 2011年6月28日から29日にかけて、独立行政法人海洋研究開発機構が運航する学術研究船「白鳳丸」によるウナギ産卵場調査航海(KH-11-6:主席研究員:塚本勝巳、次席研究員:望岡典隆)は、天然のニホンウナギ卵百数十個を採集することに成功した。

 今回のウナギ卵採集によって、世界で初めてテレビカメラの前に天然のニホンウナギ卵の実物がその姿をあらわすことになる(2009年の初発見時に採集したウナギ卵は、遺伝子解析のために船上ですべてすり潰してしまい、現存しない)。

 採集場所は2009年の成果から想定されていた西マリアナ海嶺と交差する塩分フロントの南側海域であった。また、採集された卵の発達段階とそれぞれの採集日時から逆算すると、ウナギは新月の4~2日前の毎晩、複数の異なる産卵集団を形成して産卵に至るものと考えられる。

 産卵場をピンポイントで予測し、卵や仔魚を確実に採集することが可能となった今、ウナギ産卵場研究は資源予測や人工種苗生産を視野に入れた新たな時代に突入したといえる。 さらに、今回の成果は2009年のウナギ卵採集(2011年2月報道)に続くものであるが、百個以上の卵が採集されたことにより、7粒のホルマリン固定標本を得ることができた。

 これら標本は、船上の研究者のみならず、多くの一般市民に天然のニホンウナギ卵を観察する機会を提供する。 7月16日(土)~10月16日(日)に、本郷の東京大学総合研究博物館において特別展示「鰻博覧会―この不可思議なるもの」を開催する(入場料無料)。この展覧会会場で、一般の方にもひろくこの天然のウナギ卵の標本を公開する予定である。 「鰻博覧会」ウェブページ:http://www.um.u-tokyo.ac.jp/exhibition/2011UNAGI.html (東京大学大気海洋研究所)

 ウナギの謎解明への道のり 
 従来、ウナギの産卵場所はフィリピン海溝付近の海域とされたが、外洋域の深海ということもあり長年にわたる謎であった。しかし、2006年2月、東京大学海洋研究所の教授・塚本勝巳をはじめとする研究チームが、ニホンウナギの産卵場所がグアム島やマリアナ諸島の西側沖のマリアナ海嶺のスルガ海山付近であることを、ほぼ突き止めた。これは孵化後2日目の仔魚を多数採集することに成功し、その遺伝子を調べニホンウナギであることが確認されている。冬に産卵するという従来の説は誤りとされ、現在は6-7月の新月の日に一斉に産卵するという説が有力である。

 2008年6月および8月には、水産庁と水産総合研究センターによる調査チームが、同じくマリアナ諸島沖の水深200-350メートルの範囲で、成熟したニホンウナギおよびオオウナギの捕獲に世界で初めて成功した。雄には成熟した精巣が、雌には産卵後と推定される収縮した卵巣が認められた。また、水深100-150メートルの範囲で、孵化後2-3日経過したと思われる仔魚(プレレプトケファルス)26匹も採集された。さらに、プレレプトケファルスが生息する層の水温が、摂氏26.5-28度であることを初めて確認した。この結果から、比較的浅いスルガ海山の山頂付近ではなく、もう少し深い中層を遊泳しながら産卵をしているという推定を得ることができた。

 この推定を基に、塚本らの研究チームが周辺海域をさらに調査したところ、2009年5月22日未明、マリアナ海嶺の南端近くの水深約160メートル、水温が摂氏約26度の海域で、直径約1.6ミリメートルの受精卵とみられるものを発見。遺伝子解析の結果、天然卵31個を確認した。天然卵の採集は世界初であった。同時に、卵は水深約200メートルで産まれ、約30時間かけてこの深さまで上がりながら孵化することも判明した。 さらに同チームでは、2011年6月29日学術研究船白鳳丸に搭載したプランクトンネットを用いて、産卵直後から2日程度経過した147個の受精卵の採取に成功した。新月の2-4日程度前の日没から23時の間、水深150-180メートルで産卵されたと推定される。

 次はウナギの産卵シーン
 東京大学海洋研究所の教授・塚本勝巳氏は、日本で本格的なウナギ産卵場調査が始まった1973年から、ほぼすべての研究航海に参加してきた。1991年には、マリアナ諸島西方沖で、10ミリ前後の仔魚の採集に成功した。

 しかし、その後14年間、成果のない苦しい時期が続いた。1回の航海は、燃料代だけで数千万円を要する。「科学ではなく、ばくち打ち」との批判もささやかれた。右腕だった青山潤・東京大特任准教授(43)が研究中止を進言した時、塚本さんは「批判があるのは当然。でも続けようよ」。その裏には「産卵場を知りたい」という科学者としての好奇心と、「先輩の研究を引き継ぎ、一度旗振り役になったからには、最後までやり遂げるのが責任」という強い思いがあった。

 卵の採集は「すごろくで言えば上がり」(塚本さん)。だが、研究は終わりではない。オスとメスがどのように出合うのか。なぜ新月間近に産卵するのか--。新たな疑問が山積している。「次は産卵シーンを撮影したい」。塚本さんは仲間とともに5月、再び研究航海に乗り出す。(毎日新聞 2011年2月2日) 

 次はいよいよ、誰も見たことがない「ウナギの産卵」をとらえる可能性が出てきた。そして最終的な目標であるに「ウナギの完全養殖」への道が近づいている。

参考HP Wikipedia ウナギ ・ 東京大学大気海洋研究所 ウナギ産卵場研究 急展開! 

ウナギ―地球環境を語る魚 (岩波新書)
クリエーター情報なし
岩波書店
うなぎを増やす (ベルソーブックス)
クリエーター情報なし
成山堂書店

ブログランキング・にほんブログ村へ 人気ブログランキングへ   ←One Click please