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 ベスタに到達
 NASAの無人探査機ドーンが約4年の旅を終えて、7月16日、ついに小惑星ベスタの周回軌道に入った。人類の探査機が、木星と火星の間にある小惑星帯(メインベルト)に到達したのは初めてのことである。

 宇宙予算の削減と人員不足、そして技術上の問題から、探査機ドーンによる小惑星探査計画は何度も中止されたり、延期されたりしながら、2007年9月27日にようやく打ち上げられた。この後、2011年~2012年にベスタ、2015年にケレスの探査を行う予定だ。将来は、小惑星への有人飛行も計画されている。

 直径約500キロのベスタは、既知の小惑星としては2番目に大きい。現在、ミッションマネージャーが遠隔操作で接近を試みており、米東部標準時16日午前1時頃(日本時間午後2時頃)に軌道へ投入された。

Asteroid_Belt

 ドーンは25億キロ以上の長旅の末、火星と木星の軌道の間にあるメインベルト(主小惑星帯)にようやくたどり着いた。「探査機が史上初めてメインベルト小惑星の周回軌道に入る。とにかくエキサイティングだ」とミッション主任研究員のクリス・ラッセル氏は語る。

 メインベルトの小惑星は、約46億年前の惑星の形成期、木星の強い重力によって惑星になりきれなかった微惑星の名残で「宇宙の化石」と考えられている。

 ドーンはまずベスタの上空約2700キロで周回、最初のクローズアップ画像を地球のチームに送り届ける。調査期間は1年間の予定で、約180キロまで接近する予定だ。装備したカメラと分光器で、地形図の作成、鉱物の組成や分布の調査、衛星の存在確認も行う。

 チームはベスタの岩だらけの地表を、1ピクセルあたり250メートルの解像度で撮影できると期待している。「ハッブル宇宙望遠鏡より150倍も鮮明だ。地に足がつかない気分だ」とラッセル氏は高揚している。

 次はセレスへ
 ドーンは2012年6月にベスタの調査を終え、2015年2月を目標に準惑星セレスへと向かう。直径約1000キロのセレスは、メインベルトで最大の天体である。

 共にメインベルトの小惑星だが、両者は地質学的に大きく異なるようだ。ベスタは岩だらけの乾燥した天体で、地球や月と同様に火山活動や溶岩流が影響したと見られる。一方、セレスの地表は原始的でかなり暗く、内部は水で満ちている可能性がある。

 「対照的な2つの天体を調査し、形成や進化の過程を比較するつもりだ。現在の惑星を形作った基本的な要素がどのような性質を持っているのか手掛かりになれば良い」とラッセル氏は語る。

 小惑星への有人ミッションも視野に入れるNASAでは、目的地の選定にドーンの観測データを利用しようと考えている。現在の主な候補地は、太陽から約1億9500万キロ以内を通過する「地球近傍小惑星」だ。

 しかしラッセル氏はベスタとセレスも有力候補と考えている。距離は非常に遠いが、人間が歩ける十分な重力を有しているからだ(地球の約3%)。「セレスでは水を現地調達できる可能性も高い。長期滞在する際には大きなアドバンテージになる」。(Andrew Fazekas for National Geographic News 2011年7月15日)

 ドーン探査機
 ドーン (Dawn)は、アメリカ航空宇宙局 (NASA) が2007年9月27日に打ち上げた準惑星ケレスおよび小惑星ベスタを目標とする無人探査機で、ディスカバリー計画のミッションの一つである。史上初の、小惑星帯に永久にとどまる人工物となる予定である。

 宇宙予算の削減と人員不足、そして技術上の問題から、探査機の打ち上げは度々延期された。2003年12月に計画は一度中止されていたが、2004年2月には復活した。2006年5月に打ち上げられる予定だったが、2005年11月に計画は「スタンドダウン(身を引く)」状態となった。

 2006年1月、NASAはドーン・ミッションの状態に関して何ら決定を下していなかったが、メディアは「スタンドダウン」状態とは「無期限延期」のことではないかと報道した。2006年3月2日、予算が当初の予定を大幅に上回る4億4600万ドルにかさんだことを理由にミッションの中止が発表された。

 この時点で探査機はオービタル・サイエンス社によって90%まで組みたてられていた。しかし、観測装置を提供していたヨーロッパの学者たちやJPLがこれに抗議。その後、技術上の問題が既に解決し、予算超過が当初より低く見積もられたことから2006年3月27日に復活が決定された。
 
 ドーン・ミッションの目的は、太陽系初期の状態を残していると考えられる、2つの大きな原始的天体を調べることで、太陽系誕生の謎に迫ることである。ケレスとベスタは太陽系の別々の場所で誕生したと考えられており、それによる対照的な違いがいくつも見られる。ケレスはその形成段階において地下水による「冷たく湿った」状態を経験しているとされている。一方ベスタはマントルや核といった内部構造を持ち、また表面にある火山活動の形跡などから「熱く乾いた」状態を経験していると考えられている。スペクトルもケレスがG型、ベスタがV型とまったく異なる。

2007年9月27日:打ち上げ
2008年6月:小惑星帯へ突入 
2009年2月17日:火星スイングバイ
2009年11月13日:再び小惑星帯へ入る
2011年5月3日:初めてベスタの画像を撮影
2011年7月15日:ベスタの周回軌道に入る
2012年3月:ベスタ出発
2015年2月:ケレス到着
2015年7月:ミッション終了、ただし延長ミッションとして他の小惑星を訪れることも考えられている。

 メインベルト(小惑星帯) 
 メインベルト(小惑星帯)の小惑星は主として火星軌道と木星軌道の中間に分布する。このほか、木星軌道上の太陽から見て木星に対して前後60度の位置にトロヤ群と呼ばれる小惑星の集まりが存在する。小惑星帯(asteroid belt)は、太陽系の中で火星と木星の間にある小惑星の軌道が集中している領域を指す言葉である。ほかの小惑星集中地域に対して、それらが小惑星帯と呼ばれるようになるかもしれないと考えられるようになったころから、区別のためにメインベルト (main belt) とも呼称されている。

 多くの天文学者によって同意される一般的な理論では、惑星は太陽系の歴史の最初の100万年の間に、微惑星の累積によって形成されたとされる。微惑星は度重なる衝突によって、我々にとってなじみ深い岩の多い惑星(地球型惑星)と、巨大ガス惑星(木星型惑星)や巨大氷惑星(天王星型惑星)のコアとなった。

 しかし、現在小惑星帯と呼ばれるこの地帯では、木星の強い重力によって惑星となる最終段階を阻まれ、微惑星は単一の惑星を形成することができずにそのまま太陽の周りを回り続けた。このことから、小惑星帯は原始の太陽系の名残であると考えることができるが、多くの観測では活発な変化がみられるため、小惑星自体は原始の状態を保っているわけではない。対して、エッジワース・カイパーベルトなどに属する太陽系外縁天体は、太陽系の構成以来ほとんど変化が無いと考えられている。

 小惑星帯の環境は、一般的なイメージとは違い、小惑星帯の大部分は空である。小惑星は、慎重に狙いをつけずに到達するのはほとんど不可能であるといえるほど広大な規模に散開している。

参考HP Wikipedia 探査機ドーン・小惑星帯
National Geographic news
探査機ドーン、小惑星ベスタに到着

小惑星探査機 はやぶさ物語 (生活人新書 330)
クリエーター情報なし
日本放送出版協会
小惑星探査機「はやぶさ」の超技術 (ブルーバックス)
クリエーター情報なし
講談社

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