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 インクジェットで薄型化
 先日産総研などが、インクジェット方式の印刷で、有機薄型半導体デバイス(有機TFT)を作成する技術を開発したが、インクジェット技術がプリンタ以外の用途に広がり始めている。しかも、回路基板の配線、液晶パネルのカラー・フィルタ、有機EL素子、面発光レーザー用マイクロレンズ、有機TFT素子など多様である。

 三菱化学は2012年夏をめどにインクジェット方式で印刷できる、次世代太陽電池を商品化することを、4月3日にすでに発表している。この太陽電池、重さは現在主流の太陽電池の10分の1でシート状にして折り曲げることも可能。自動車に印刷すれば車体が太陽電池になるほか、発電する屋根や外壁、ロールカーテンなども実現できる。今後、自動車メーカーなどと共同開発を進める。

 次世代太陽電池は原料にシリコンではなく炭素や窒素を使う。「有機薄膜太陽電池」と呼ばれ、厚さは数百ナノ(ナノは10億分の1)メートル。インクジェット方式で曲面にも印刷できる。 東京大学との共同研究で光を電気に変える変換効率が9.2%とこの方式の電池では世界最高水準を達成。15年には現在主流のシリコン系太陽電池並みの15%まで高める。

   
Inkjet Printer
 自動車では電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド(PHV)車の充電装置への利用を見込む。車体に印刷すれば晴天時に2時間で10キロ走行できる電力が得られるという。  
   
 三菱化学は国内工場で年3~5メガ(メガは100万)ワット分の生産を始める。EVに出力500ワットの太陽電池を印刷すると6千~1万台分にあたる。2015年には年30メガワット規模の量産を目指す。  
   
 「有機薄膜太陽電池」は炭素など安価な材料を使うため、シリコンを原料とする現在の太陽電池と比べ将来の製造コストが10分の1になるとみられる。三菱化学は15年度に太陽電池 関連事業で200億円の売上高を目指す。 (2011年4月3日、日経1面) 

 そもそもインクジェットとは何か?
 それにしても、プリンターの印刷技術であるインクジェットが、精密電子デバイスに利用されるとは、思ってもみなかった人も多いだろう。インクジェットというのはいったいどんな仕組みでインクを放出しているのだろうか?

 インクジェットプリンター(inkjet printer)とは、インクを微滴化し、被印字媒体に対し直接に吹き付ける方式を用いた印刷機である。インクを直接吐出する方式であるため他の方式の印刷機のように印刷媒体が平坦であることは求められず、媒体搬送手段に依存するが例えば紙以外にも印刷を可能としたものもある。

 一方で同一原稿を大量に印刷する用途には適していない。また色当たりのコストも他の印刷方法と比べて低く抑えることができる。このため6色や7色、さらに10色を超える多色刷りの実現も比較的容易である。

 インクジェットプリンターの方式は、コンティニュアス型とオンデマンド型に分類できる。現在実用されているものの中でも小型プリンター用として主流となっているのはオンデマンド型で、ピエゾ方式とサーマル方式の2つがある。

 コンティニュアス型
 コンティニュアス型は、インクジェット装置ポンプによってノズルから連続的に押し出されたインクは超音波発振器によって微小な液滴になる。インク滴は電極によって電荷が加えられ、印字の必要に応じて偏向電極で軌道を曲げられて紙面の印字面に到達する。偏向電極で曲げられなかったインクはガターと呼ばれる回収口に吸い込まれ、インクタンクに戻り再利用される。

 印刷していないときもインクは常に連続的に噴射されているのでコンティニュアス型または連続吐出型と呼ばれる。 ポンプによる高い圧力でインクを押し出すので高粘度のインクが使用でき、また連続的にインクを押し出すことから速乾性のインクも使用できるなどインクの選択幅が広い。さらに超音波振動で作られるインク滴は毎秒100滴以上で生成することが可能であり高速であるが構造が大がかりで小型化が難しく、マルチヘッド化も困難であるなどの欠点から家庭用のプリンターとしては使用されておらず工業用のマーカー(生産ラインで部品に製造番号などを記入する)として利用されている。

 オンデマンド型
 印字時に必要なときに必要な量のインク滴を吐出する方式である。吐出後のインク供給には毛管現象を利用しているため高粘度のインキは使用できないこと、インキ滴の生成速度が毎秒10滴程度であるなどの欠点があるが構造が簡単で小型化やマルチヘッド化がしやすいなどの長所がある。家庭用のインクジェットプリンターは、ほぼすべてオンデマンド型である。オンデマンド型では、ピエゾ方式とサーマル方式の2つがある。

 ピエゾ方式: オンデマンド型インクジェット装置ピエゾ方式とは、電圧を加えると変形するピエゾ素子(圧電素子)を用いた方式である。

 ピエゾ素子をインクの詰まった微細管に取り付け、このピエゾ素子に電圧を加えて変形させることでインクを管外へと吐出させる。前述のように1960年代から研究がなされていたが、短所の克服に時間がかかったため、本格的な商品化は1980年代になってからであった。

 1990年代にセイコーエプソンがピエゾ素子を複数に重ねて使用した「マッハジェット」を開発。カラー高画質化にいち早く成功し、マーケットでの地位も確保した。ブラザー工業もピエゾ方式でインクジェットプリンターを製品化しているほか、CADや大判用プリンターとしてはローランドなどでも採用されている。また、サーマル方式では難しい高粘度・速乾燥性のインクを使用できるメリットを生かしてリコー(GELJET)でも採用されている。

 サーマル方式: オンデマンド型インクジェット装置サーマル方式とは、加熱により管内のインクに気泡を発生させてインクを噴射する方式である。

 サーマル方式ではインクの詰まった微細管の一部にヒーターを取り付け、これを瞬時に加熱することでインク内に気泡を発生させてインクを噴出させる。加熱に使用するヒーターは抵抗加熱、誘導加熱などが考えられる。その基本原理は1970年代半ばにキヤノンの中央研究所で偶然見つかった現象に由来する。この時、液体の詰まった注射針に半田ごてが触れたとき針先から液体が飛び出した。

 キヤノンではこの現象を解析、これをヒントに各社で研究開発が進められ、1984年にヒューレット・パッカードが世界で初めてサーマル方式のインクジェットプリンターを発売した。翌1985年にはキヤノンも自社開発のサーマル方式を「バブルジェット」と命名しBJ-80を発売した。富士ゼロックス、レックスマークなどでもサーマル方式のインクジェットプリンターの開発および販売が行われている。(Wikipedia)

 

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