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 「脱・原発依存」会見
 菅直人首相が7月13日夕の記者会見で、「将来的に原発に依存しない社会を目指す」と明言し、日本のエネルギー政策を大転換させる考えを打ち出した。

 朝日が「首相の方針を歓迎し、支持する」と賛意を明確にしたのは、これまで同紙が大々的に「脱原発論」を展開してきたことから予想されたにしても、「首相が交代した後も、この流れが変わらぬような道筋をつけてほしい」「与野党を問わず、政治全体として脱原発という大目標を共有して、具体化へ走り出そう」と、「脱原発」の問題点にはほとんど触れないまま、“歓迎ムード”に浮かれたような論調に終始した。

 対して産経、日経、読売、東京の4紙は、菅首相の発言を強く批判した。産経は「中長期的に再生エネルギーを強化してゆくことも、方向性としては妥当」としながらも、「基幹エネルギーの転換をどう円滑に進めるかだ。首相はこの点を全く説明しておらず、無責任以外の何物でもない」「エネルギーの安定供給という政府の責任を放棄した」と断じた。

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 日経も同様に「国民生活などへの影響の大きさを考えれば、首相の発言は無責任」と論じる。読売は「代替電力の展望もないまま原発からの脱却ばかりを強調するのは、あまりにも非現実的」とし、「安全確保を徹底しつつ、原発利用を続けることが、経済の衰退を防ぐためには欠かせない」と原発の有用性をも訴えた。(産経 2011.7.18)

 実験政治を続ける日本
 ようやく、新聞各社も菅首相をはじめとする、民主党の無責任さを指摘しだした。菅首相は7月13日夕の記者会見で、「将来的に原発に依存しない社会を目指す」と明言したが、2009年9月、前鳩山首相は、就任7日目に「2020年には温室効果ガスを1990年度比で25%削減する」と明言した。

 果たして、原子力発電を廃止しながら、温室効果ガスを削減できるのだろうか? EDMC/エネルギー・経済統計要覧(2010年版)によると、2008年度の発電電力量の電源別割合は「水力7%、火力70%、原子力23%」となっている。現在、太陽光、風力などの再生可能エネルギーは1%にも満たない。水力も再生可能なエネルギーに入れれば少し増えるが、民主党は、新しいダム建設計画をすべて廃止にした。温室効果ガス25%削減は、当然、原子力発電の発電量を見越した上での発言であったはず。

 2010年3月に鳩山内閣で閣議決定した、地球温暖化対策法案では「原子力は国民の理解と信頼を得て、推進する」と決められた。計画では2020年までに原発を9基、新増設する予定だった。今回、これを取り消そうとしている。言っていることと、やっていることがメチャクチャだ。菅首相はこれについて「CO2削減目標との整合性は、もう少し時間がかかる」と述べている。

 民主党は、単に反自民党で集まった、寄せ集め政党なので、バラバラで見通しのない発言を続けるのだろう。民主党の鳩山さんも菅さんも、明確なビジョンもなく、思いつきで発言しているだけだ。マスコミも同様で、自民党政権を変えて、反対のことをしたらどうなるかという、政治実験を容認してきた。

 お隣の中国や北朝鮮は自由を制限したらどうなるかという、政治実験を続けているが、日本も同様の国だと思えば腹も立たない。だが、日本はもっと発展的で自由な国だと思いたい。今、原発を止めたら、発展を止めることになるのはあきらかだ。しっかりとした安全技術を開発し、原発は続けるべきだ。そのための「ストレステスト」ではなかったか?

 再生可能エネルギーのエネルギーコスト
 もちろん、再生可能エネルギーは増やしていくのが望ましい。だが、計画的に導入していくことが必要だ。これだけ、昔から再生可能エネルギーの導入が叫ばれながら、普及が進んでない原因は、エネルギーコストの高さに原因がある。政府の調査によると、エネルギーコストの一番低いのが原子力で、1kWhの電力量を得るのに5~6円ですむ。少ない予算で、たくさんの発電をするので、コストパフォーマンスは高い。

 エネルギーコストの一番高いのが太陽光発電で、48円もかかる。太陽光発電以外の風力、水力、地熱の発電コストは10円~20円程度。火力発電は7~8円で、やはり効率がよい。日本は世界から原材料を輸入し、高い技術力で付加価値の高い製品を生み出して、ここまで発展してきた。それには効率が良く、安定したエネルギーは欠かせない。

 太陽光発電については、今後技術革新や需要拡大によりコストが下がる見込みがあり、産業政策の観点からも重要であるため、大幅な電力買取制度の導入を計画している。それが、再生可能エネルギー特措法案で、太陽光発電や風力発電など自然エネルギーによる電力を、電力会社に国が定めた固定価格で買い取るよう義務づける。発電事業者の新規投資を促すのがねらいだ。

 電力会社は買取にかかった費用を回収するため、使用電力量に比例した賦課金(サーチャージ)を電力料金に上乗せできるしくみだ。この全量固定価格買い取り制度は、3月11日午前に閣議決定され、4月5日には国会に提出されている。

参考HP Wikipedia 再生可能エネルギー 池田信夫blog  脱原発は生命を奪う
経済産業省シゲンエネルギー庁 
エネルギー白書2010年

NEDO再生可能エネルギー技術白書―新たなエネルギー社会の実現に向けて
クリエーター情報なし
エネルギーフォーラム
脱原発、再生可能エネルギー中心の社会へ―福島原発事故を踏まえて日本の未来を考える
クリエーター情報なし
あけび書房

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