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 冥王星に4番目の衛星発見!
 ハッブル宇宙望遠鏡によって、冥王星に4つ目の衛星が発見された。これは直径わずか13kmから34km程度という冥王星の衛星の中では非常に小さなものであり、現在冥王星に向かっている探査機「ニューホライズンズ」の観測対象となる可能性がある。

 写真は冥王星と4つの衛星たち。緑の丸で囲まれた天体が新発見のP4。左が6月28日、右が7月3日の画像だが、各衛星の位置が移動しているのがわかる。2015年に冥王星に到着予定のNASAの探査機「ニューホライズンズ」のサポート観測を行っていたハッブル宇宙望遠鏡が、冥王星に新しい衛星を発見した。この衛星は仮符号としてP4という名前で呼ばれている。

 これまで冥王星にはカロン、ヒドラ、ニクスという3つの衛星が既に発見されていた。P4の直径は13~34kmであり、最も大きいカロン(直径1200km)や、直径が32kmから113kmに収まると考えられているヒドラやニクスと比較すると、最も小さい衛星と言えそうだ。また、P4は冥王星の周りを約31日の周期で回っており、その軌道はニクスとヒドラの間にあることもわかった。

New_Horizons

 「50億kmかなたにある、わずか30km程度の天体を見つけられるハッブル宇宙望遠鏡の性能には驚かされる」とこの観測を主導したMark Showalter氏は語っている。

 このような準惑星の衛星系は、太陽系初期の頃に母星(この場合冥王星)に同等のサイズの天体が衝突し、その破片が衛星となったと考えられている。冥王星の衛星に小さな隕石のようなものが衝突すると、その破片などによって冥王星の周りに環を形成するかもしれないと言われているが、今のところそのようなものは発見されていない。

 新しい衛星の発見によって、「ニューホライズンズ」が冥王星をフライバイする際の観測対象の候補がまた1つ増えたことになり、「ニューホライズンズ」による観測計画が多少変更される可能性もある。(2011年7月21日 HubbleSite)

 冥王星探査機ニュー・ホライズンズ
 ニュー・ホライズンズは2006年1月19日14時00分 (EST) に冥王星へ打ち上げられた。冥王星は質量が小さく地球からの距離が非常に遠いため、探査機を送るのは非常に難しい。ボイジャー1号は冥王星を訪れることもできたが、制御チームは代わりに土星の衛星タイタンへの接近飛行を選んだため、冥王星への接近飛行はできない軌道になった。ボイジャー2号は元々冥王星に接近するような軌道ではなかった。その後NASAはプルート・カイパー・エクスプレス (Pluto Kuiper Express) ミッションを計画していたが、経費の増大や打ち上げロケットの開発の遅れなどのため、2000年に中止された。

 初めて冥王星を訪れる探査機は、2006年1月19日に打ち上げられたNASAのニュー・ホライズンズである。探査機は木星の重力によりスイングバイを行い、2015年7月14日に冥王星に最接近する。冥王星の観測は最接近の5ヶ月前から始まり、冥王星とすれ違い通り過ぎてからも少なくとも1ヵ月間は続く予定である。

 ニュー・ホライズンズは、冥王星とその衛星カロンの全体的な地質と地形の特徴を明らかにし、表面の組成の地図を作成し、冥王星の薄い大気とそれが流出する割合を明らかにするための、画像撮影装置と無線科学調査ツール、さらに分光器とその他の実験装置を含んだ遠隔操作パッケージを使用する予定である。ニュー・ホライズンズは冥王星とカロンの表面の写真撮影も行う。

 ニクスとヒドラという2つの衛星が発見されたことにより、探査機にとっては予定外の難題が生まれるかもしれない。ニクスとヒドラの脱出速度が比較的小さいため、外縁天体との衝突で薄い塵の環が生じている可能性がある。もしニュー・ホライズンズが飛行中にこのような環の中を通過すれば、探査機に損傷を与えたり機能停止させるような微小隕石によるダメージを受ける可能性が高まる。

 一酸化炭素の大気が存在
 2011年4月、ハワイにあるジェームズ・クラーク・マクスウェル望遠鏡の観測データに基づく研究で、冥王星に有害な一酸化炭素を含む大気で覆われていることが確認された。しかも10年前より30倍も増えているという。イギリス、セント・アンドリューズ大学の天文学者ジェーン・グリーブス氏は、「地球でそんな(大気成分が何倍にもなる)ことが10年の間に起こるかどうか考えてみて欲しい」と話す。地球でそのような変動が自然に生じるとはとうてい考えられない。

 冥王星の大気はとても薄く、大気圧は地球の100万分の1程度だが、大気層は比較的厚い。冥王星自体の直径は2300キロ程度しかない。そして今回の研究により、冥王星の大気層の厚みが、この10年間で100キロから3000キロに増えたことが分かった。実に最大の衛星カロンまでの距離の4分の1に及ぶ。天文学者らは大気の膨張について、冥王星の過酷な季節変化によるものではないかと考えている。

 冥王星の公転周期は248年で、楕円軌道を描いているため、太陽との距離が大きく変化する。1989年に近日点を通過し、太陽との距離は44億キロ以内にまで近づいた。「おそらく(太陽から受け取った熱量の)多くが、冥王星の大地に吸収された」とグリーブス氏は語る。冥王星の表面は氷に覆われているため、表層物質の一部が昇華(固体から直接気化)して、薄い大気を膨張させたと思われる。

 冥王星の大気に関する今回の研究は、ウェールズで開催中の王立天文学会の会合で4月19日に発表された。(Rachel Kaufman for National Geographic News April 20, 2011)

参考HP アストロアーツ 冥王星に4番目の衛星発見
HubbleSite 
Hubbles Discovers Another Moon Around Plute

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Newton (ニュートン) 2006年 11月号 [雑誌]
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