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 「脱原発」70%賛成だが
 菅首相が 「脱原発」を表明した後、共同通信が7月23、24両日に全国電話世論調査を実施した。それによると、菅直人首相が表明した「脱原発」方針に対し、「賛成」は31.6%、「どちらかといえば賛成」が38.7%で計70.3%を占めた。

 内閣支持率は17.1%と6月末の前回調査23.2%より下落し、発足以来最低となった。社会保障と税の一体改革で2010年代半ばまでに消費税率を10%に上げると決めたことに関しては、反対派が52.2%、賛成派は45.0%だった。所得制限を導入する子ども手当見直し案については「賛成」が61.0%、「どちらかといえば賛成」は15.9%で、計76.9%を占めた。(2011/07/24  共同通信)

 このニュースを聞いて、脱原発に賛成が多いのには驚いた。本当に原発なしで、日本の産業はやっていけるのだろうか?だが、次の菅首相支持者が17.1%というのを聞いて理解した。菅首相が「脱原発」と言ったから、脱原発の方針なのではなく、原発事故の影響が今も続いていて、原発に嫌気がさしているのだ。

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 菅首相が「脱原発」と言ったのは国民の大多数の気持ちを代弁していただけだ。それにしても、やめることが決まっている政治家が、公の電波を使って私的な見解を述べていいのだろうか?政治家であるならば、具体的な道筋を示すべきなのではないか?

 多くの国民の感情はわかる。心情的には「脱原発」私も同じである。しかし、日本の経済発展を考えたときにこれでいいのかという思いが強い。そこで、ここではなぜ原発をやめない方がよいか述べてみたい。

 真実がわからないマスコミ報道
 みんな、マスコミのニュースにごまかされていないだろうか。これは、放射線、放射線と毎日のように報道するマスコミに問題があると思う。現在、放射線で死んだ人は誰一人もいない。そして、これからもいないであろう。なぜなら、危険な量の放射線を誰も浴びていないから。

 テレビでも冷静に専門家の話を聞くと多くは、「放射線は○○シーベルトで、一年間浴びても問題はありません。」という見解であるのに、では、「乳幼児ではどうでしょうか?」と誰かが聞くと「それはデータにないから、できるだけ浴びない方がいいでしょう」言う話になって、最初の話はどこかへすっ飛んでしまい。「やっぱり、誰でもなるべく浴びない方がいいにきまっている…」という話になっていく。

 そんな繰り返しをここ何ヶ月も、毎日報道している。本当にマスコミは専門家の言うことが理解できているのだろうか?放射線量を報道するのは国民も知りたいだろうから報道してよいが、何で不安を煽るのかさっぱりわからない。そんなことより、中国が南沙諸島、西沙諸島に進出し、次は尖閣諸島に進出しようとしているのは、100%確実なのにそのことを毎日でも報道してほしい。

 6月8日に8隻、同じく9日に3隻の計11隻の中国海軍艦艇が、西太平洋で軍事演習を行うために、日本の排他的経済水域(EEZ)である、沖縄本島と宮古島の間を通過したが、政府は公海上だからと言い訳して抗議ひとつしなかった。公共電波を使えばただで抗議できるのに…。このこともマスコミはほとんど取り上げなかった。ありもしない放射線問題をでっち上げ、将来確実に起こるであろう中国との領土問題を取り上げない日本のマスコミは、真の意味でマスコミでない。

 戦時中の軍事統制下のようなマスコミである。報道が極端に偏っている…国民はそれに気づいているだろうか?

 セシウム牛のひどい風評報道
 セシウム牛の問題でも、汚染された牛肉を食べた場合どうなるのか?…放射線医学総合研究所の資料を基に、放射能の強さを表す単位のベクレルを、人体への影響を表すシーベルトに換算してみる。例えば、南相馬市から出荷された1キロあたり4350ベクレルの牛肉に含まれる放射性物質の場合、すべてセシウム137(換算係数0.000013)と仮定すると、毎日100グラム食べ続けたとすれば、1カ月で摂取する放射線量は約0.17ミリシーベルトにある。国際放射線防護委員会が示す人工被ばく限度は年間 1ミリシーベルトなので、365日食べ続ければ約 2ミリシーベルトになる計算である。

 したがって、何度か食べた程度では心配はなく、放射線の影響に詳しい東工大の松本義久准教授(放射線生物学)も「今の値ではほとんど影響はない」と話している。ただし、乳幼児は放射性物質の影響を受けやすいので、流通経路の確認をしっかり行い、なるべく内部被ばくのリスクを避けた方がよい。(毎日新聞2011年7月16日)

 厚生労働省でも、放射性セシウムの基準値を超えた肉を数回程度食べても健康に影響はないと説明している。この基準値は、その数値の放射性物質を含む食品を 1年間毎日、平均的な量を食べ続けたとしても影響が出ないとする目安であり、現実には基準値を超えた肉を毎日食べ続けるわけはなくいので安全である。しかも、チェルノブイリの事故においても、放射性セシウムによる健康被害は報告されていない。

 しかし、連日、新聞や週刊誌が大見出しで「セシウム牛」を取り上げており、牛肉、外食業界にも「風評被害」「報道被害」が広がっている。国産牛肉全体が敬遠され、既に値崩れが起こっている。東京都中央卸売市場では、福島県産の黒毛和牛の市場価格は市場平均価格の4~6割相当まで値崩れした。

 7月19日のHNKの全国ニュースでも、新たに新潟県などでも肉牛に与えた稲わらから放射性セシウムが検出された旨を報道していたが、その稲わらがどこで生産されたものかは言わなかった。同じNHKの新潟県版のニュースでは、その稲わらは宮城県から購入したものである旨を報道したのだが、その事実を知らない全国の視聴者は、放射性セシウムの危険性が煽られている状況下では、新潟県の稲わらも汚染されているのではと考えてしまう可能性がある。

 新潟県では、農業は基幹産業である。農産物に対する「風評被害」や「報道被害」は、農家の死活問題につながる。私たちも正しい知識に基づいた冷静な対応が必要だが、報道する側にも当然そうしたことに配慮が求められる。(関谷たけしのブログ)

参考HP 関谷たけしの熱血ブログ セシウム牛は報道被害

風評被害 そのメカニズムを考える (光文社新書)
クリエーター情報なし
光文社
正しいリスクの伝え方―放射能、風評被害、水、魚、お茶から牛肉まで
クリエーター情報なし
エネルギーフォーラム

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