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 ペルセウス座流星群がピーク
 三大流星群の1つ、ペルセウス座流星群の出現が12~15日にピークとなる。今年はあいにく満月に近い月の明かりが一晩中輝き、例年よりは観察しにくい。

 ペルセウス座流星群は、毎年今の時期に、多くの流星がペルセウス座γ星の近くから放射状に飛んでくるように見えることからその名前が付いた。1月の「しぶんぎ座流星群」、12月の「ふたご座流星群」と並ぶ三大流星群の1つで、十分に暗い夜空で晴天に恵まれれば、例年ならば1時間に30個を超える流星を見ることができるという。(サイエンスポータル 2011年8月12日)

 ところで、2007年以降初めて、地球上空で新しい流星群が観測された。今回、ピークを迎えるペルセウス座流星群ほどの輝きはないが、未知の彗星を発見する手掛かりになるかもしれない。

Meteor shower

 2011年2月4日夜、NASAの全天流星観測カメラ(CAMS:Cameras for All-sky Meteor Surveillance)プロジェクトで、微光を放つ流星が少数確認された。

 「時速約12万9000キロで移動する6個の流星を7時間撮影して確かめたら、すべて同じ方角からだったのでびっくりした」と、調査を指揮するピーター・ジェニスケンス氏は話す。同氏は、カリフォルニア州マウンテンビューにある地球外知的生命体探査(SETI)研究所およびNASAエイムズ研究センターの天文学者である。

 未知の流星群発見!
  「6個は互いに関連しており、未知の流星群に違いないとすぐに理解した」。流星群が発見されると、放射点があるとみられる星座にあやかって命名される。今回は、北天の星座であるりゅう座の恒星、りゅう座イータ星付近だった。

 しかし、4月にピークに達する「りゅう座流星群」が既に存在するため、「2月りゅう座流星群(February Eta Draconids)」と命名されている。

 流星群のほとんどは、太陽系を周回中の彗星や小惑星がまき散らしたちりの帯(ダストトレイル)が、地球の大気へ突入するときに発生する。ダストトレイルを追跡していくと、流星群の母天体を突きとめられる。

 新たなダストトレイルの軌道を計算したところ、(4月の)りゅう座流星群の母天体とは一致しなかった。現時点では2月の母天体が特定できず、今後どの程度まで地球に接近するか不明だという。

 「計算上は、母天体である彗星が地球の軌道と交差するのは間違いない。衝突の危険性を詳しく調べる必要がある」とジェニスケンス氏は述べる。

 流星群の母天体は超長期彗星か?
 新たな流星群の母天体は、どんな彗星なのだろうか?

 一方で、「母天体の軌道はまだわからないが慌てる必要はない」と語るのは、シカゴにあるアドラープラネタリウムの天文学者ゲザ・ギュク氏だ。「地球の歴史上、衝突は非常にまれなイベントだ。2月りゅう座流星群は、危険性を秘めた母天体へと導いてくれる案内人であるととらえたい」。

 母天体の解明の困難さはギュク氏も認めている。冥王星から太陽までの距離の数百倍もある長楕円軌道を持つ、長周期彗星と予想されるからだ。

 この距離だと、母天体が軌道を1周するには数千年もかかる可能性がある。「長周期彗星がやって来るのは極めてまれだ。内太陽系に戻り、地球に接近するタイミングを予測するのは難しい」とギュク氏は述べる。

 しかし、この不確実性こそが、研究リーダーのジェニスケンス氏をさらなる調査へと駆り立てる。「危険性は低いが、これらの流星物質は生みの親を特定する重要な手掛かりだ。彗星は既に地球を通り過ぎたのか、接近途中なのか早く知りたいね」。

 2月りゅう座流星群の研究は、国際流星機構(IMO)の機関紙に今後掲載される予定。(Andrew Fazekas for National Geographic News August 11, 2011)

 流星の正体
 流星(「流れ星」とも言う)とは、宇宙空間にある直径1ミリメートルから数センチメートル程度のチリの粒が地球の大気に飛び込んできて、大気と激しく摩擦を起こし、高温になると同時に光って見える現象である。

 このようなチリの粒を軌道上に放出しているのは彗星で、チリの粒の集団は、それを放出した彗星の軌道上に密集している。彗星の軌道と地球の軌道が交差しているところでは、チリの粒がまとめて地球の大気に飛び込んでくる。地球が彗星の軌道を横切る日時は毎年ほぼ決まっているので、特定の時期に特定の流星群が出現するわけだ。

 このとき、地球に飛び込んでくるチリの粒は同じ方向からやってくる。それぞれのチリの粒はほぼ平行に地球の大気に飛び込んでくるが、それを地上から見ると、その流星群に属している流星は、星空のある一点から放射状に飛び出すように見える。流星が飛び出す中心となる点を「放射点」と呼び、一般には、放射点のある星座の名前をとって「○○座流星群」と呼ぶ。ふたご座流星群の放射点は、ふたご座α星(カストル)の近くにある。

 流星の出現数ですが、流星群の放射点が地平線付近にあるときには、チリが大気にななめから飛び込んでくるためにチリの数は少なく、流星はほとんど出現しない。流星群の活動の活発さが変わらないと仮定すると、放射点の高度が高くなるにしたがって流星の出現数は多くなる。

 なお、ふたご座流星群の母天体は、長い間わからなかった。しかし、最近の研究で、母天体が小惑星ファエトンである可能性があることがわかってきた。この小惑星ファエトンは、元々は彗星だったものが、チリを出し尽くしてしまった天体なのではないかと考えられている。(国立天文台)

参考HP 国立天文台 夏の夜、流れ星を数えよう 8月12日~15日
アストロアーツ 2011年ペルセウス座流星群
National Geographic news 新しい流星群が示す未知なる彗星

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