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 A(アデニン)とG(グアニン)が宇宙に存在?
 地球上の生物の設計図、DNAを構成する分子が、地球外にも存在することを示す初の証拠が見つかった。生命が地球外の物質に由来するとする説を支持する結果で、8月11日付の米科学アカデミー紀要(電子版)に論文が掲載された。

 米航空宇宙局(NASA)などのチームは、南極などで見つかった炭素を多く含む隕石12個を分析。DNAの遺伝暗号の文字に当たる分子4つのうち、A(アデニン)とG(グアニン)を見つけた。

 隕石からこの種の分子が見つかったことはこれまでもあるが、地球上の生物に由来するものが付着した可能性が残り、断定的なことは言えなかった。

Panspermie

 ところがチームは今回、地球上の生物のDNAを構成しない別の分子も同時に発見。それらが、隕石が見つかった地域の氷などには全く含まれていなかったことなどから、アデニンとグアニンは地球外から飛来したと判断した。

 また今回のアデニンとグアニンは、非生物学的な反応でできたものであることもわかった。これは、隕石の古里と考えられる小惑星など、生物がすめない過酷な環境でもこれらが合成される可能性を示している。(asahi.com 2011年8月12日)

 DNAとは何か?
 DNAは遺伝子を構成する物質で、デオキシリボース(五炭糖)とリン酸、塩基 から構成される核酸である。DNAは、デオキシリボース(五炭糖)とリン酸、塩基が結びついたヌクレオチドをモノマーとして、これが直鎖状に多数接続してできたポリマーである。このポリマーであるDNA鎖が二本、らせんを形成する(DNA二重らせん)。 

 ヌクレオチドにある塩基(プリン塩基またはピリミジン塩基)には、A(アデニン)、G(グアニン)、C(シトシン)、T(チミン)の4種類あり、それぞれ A, G, C, Tと略す。塩基は生物の遺伝情報を担う主要因子であると考えられている。全ての生物はDNAを媒体として、遺伝情報のすべてが、その塩基配列にコードされており、これが遺伝子の本質である。

 DNAの塩基配列から、まず、mRNAという別の核酸が読みとられる(転写)。これが、細胞の核の外に出て、RNA中の塩基配列に対応する蛋白質が、次々に集まり結びついていく。具体的にはmRNAのヌクレオチドの塩基3個の配列に対して、アミノ酸1個が対応しする(コドン)。例えばGAAという塩基配列があれば、グルタミン酸というアミノ酸を意味する。

 このように、実際のタンパク質の設計図として機能するのはmRNAであるが、その中に存在しているヌクレオチドの塩基は、A(アデニン)、G(グアニン)、C(シトシン)、U(ウラシル)の4種類になる。DNAではT(チミン)だった塩基が、mRNAではU(ウラシル)という塩基に置き換わるのに注意が必要だ。

 DNAなど核酸の塩基配列を調べることは、遺伝情報の解析の上で非常に基本的な作業である。ゲノムプロジェクトはある生物のゲノムの全塩基配列の読み取りを目標としている。

 地球生命は宇宙から飛来した?
 今回の発見は、DNAの材料である、塩基のA(アデニン)とG(グアニン)が、宇宙から飛来したということを発見したに過ぎず、残念ながら、DNAそのものが飛来した、あるいは、生物そのものが飛来したという発見ではなかった。

 生物そのものが宇宙から飛来したという考え、つまり、地球外生命が存在し、DNAそのものが飛来して来たという説を「パンスペルミア説」というが、地球外生命体はUFOも含め、幅広く議論が続けられている。

 今年の3月4日、NASA科学者だったリチャード・フーバー(Richard Hoover)氏は、隕石にミミズのような形をした生命体の化石が含まれているとして、学術専門誌「ジャーナル・オブ・コスモロジー(Journal of Cosmology)」に論文を発表している。

 その隕石は、スペイン南部グラサレマ(Grazalema)そばで観測された隕石。フーバー氏は、数種類の「炭素質コンドライト」と呼ばれる水や有機物などが比較的多く含まれている隕石の断片を高性能の顕微鏡で観察したところ、バクテリア様の生命体を発見したとしている。

 論文は「(フーバー氏は)これらのバクテリアの化石は、地球で混入したものではなく、この隕石の母体で生存していた有機生命体だと結論づけた。隕石の母体は、たとえば彗星(すいせい)や月、その他の天体の可能性がある」としている。

 だが、NASA宇宙生物学研究所のCarl Pilcher所長や科学ミッション部門のPaul Hertz氏は、フーバー氏の主張を裏付ける科学的根拠はないとする見解を示した。(AFPnews 2011年03月07日 ワシントンD.C./米国)

 パンスペルミア説
 宇宙からの微生物が隕石に含まれているとの主張は、これ以外にも、宇宙空間で生命体がどのようにして生きられるかや、宇宙のどこでどのように生命が誕生したかなどをめぐり、大議論を巻き起こしてきた。

 1996年8月、NASAの研究チームによって、火星から飛来した隕石から、「生命の化石」が発見されたという、衝撃的なニュースが発表された。

 生命の痕跡が発見された隕石は、アメリカ科学財団の調査隊が1984年に南極で採取したものだった。その大きさはほぼ「メロン大」で、重さ1.9キロ、発見場所のアランヒルズにちなんで、「ALH84001」と命名された。

 1986年8月、NASAのデビッド・マッケイ博士らはこの隕石から次のような物質を発見した。水と温暖な環境下ででき、生物由来と考えられる36億年前の「炭酸塩」、地球の細菌がつくるものに似た「磁鉄鉱」、生物の化石化過程でできる「多環式芳香族炭化水素(PAH)」、微生物の化石を思わせる長さ、1万分の1ミリ程度の構造物の確認。

 全部を総合して考えれば、かつて火星に生物が存在していた有力な証拠となる」とマッケイ博士は述べた。しかし、この発見も証拠不足とされており、現在ほとんど話題にならない。

参考HP WikipediaDNA 塩基配列 
AFP BBnews 
地球外生命体の化石を発見、NASA科学者Journal of Cosmology

NHKサイエンスZERO 地球外生命体を探せ (NHKサイエンスZERO)
クリエーター情報なし
NHK出版
生命の起源を宇宙に求めて―パンスペルミアの方舟 (DOJIN選書36)
クリエーター情報なし
化学同人

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