科学大好き!アイラブサイエンス!最近気になる科学の疑問を、やさしく解説!毎日3分読むだけで、みるみる科学がわかる!
 恒星最後の輝き
 超新星(supernova)は大質量の恒星がその一生を終えるときに起こす大規模な爆発現象である。夜空に明るい星が突如輝き出し、まるで星が新しく生まれたように見えるものを新星というが、新星よりも更に明るくなる天体で、いわば恒星の「最後の輝き」である。爆発によって星の本体は四散するが、爆発後に中心部に中性子星やブラックホールが残る場合もある。

 今回、国際宇宙ステーション(ISS)にある日本の実験棟「きぼう」と米国の衛星が、地球から39億光年離れた、巨大ブラックホールに恒星が吸い込まれるときの、「最後の輝き」を世界で初めてとらえた。ただし、その光は目に見えないX線だ。8月25日の英科学誌ネイチャーに論文が発表された。

Swift_xray

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)によると、今年3月28日、きぼうのX線観測装置「MAXI(マキシ)」と、米国の衛星スウィフトが、X線を出していなかった場所から、突然強いX線が約10分間ほど放射されたのをほぼ同時に検出。それが数回観測された。

 観測結果を分析すると、星が巨大ブラックホールに破壊されながら吸い込まれる際、ブラックホールの周囲に渦ができ、垂直方向に強いジェット(ガス噴流)が出ていることがわかった。強いX線を出すジェットが、地球の方向を向いていたため、検出できたらしい。(2011年8月25日11時28分  読売新聞)

 X線は光と同じ電磁波であるが、波長が短く私たちの目で認識することはできない。これまでの観察で、X線を発生する天体は宇宙で多数発見されており、その原因の1つが、ブラックホールが他の天体を飲み込むときに、発生するものであることがわかっている。

 謎のX線の正体
 国際宇宙ステーション(ISS)に搭載されている日本の全天X線監視装置(MAXI)チームの河合誠之氏(東京工業大学教授)、根來均氏(日本大学准教授)らが知らせを受けて同装置のデータを調べたところ、今回の活動が始まるまでX線源は存在しておらず、「スウィフト」による発見の数時間前からX線が検出されていたことがわかった。その後、この天体は「Swift J1644+57」と名付けられた。

 当初、これはガンマ線バースト天体で、すぐに暗くなると思われた。しかしなかなか暗くならず、多くの天文学者が探し求めていた現象、「銀河中心にあるブラックホールに恒星が飲み込まれた」ことによって発生したX線を見ていると考えられるようになった。アメリカの電波望遠鏡群で観測したところ、暗いながらもX線源と同じ位置に銀河が見つかり、このX線の正体と銀河の存在が結びついた。地球からこの銀河までの距離はおよそ39億光年である。

 ブラックホールに恒星が近づくと、その強い重力によって星がばらばらになり、ブラックホールへと落ち込んで行く。このとき、ブラックホールの周りに円盤を形成し、円盤の極方向にジェットを形成することが知られている。今回のX線もこのジェットからのものだろう。電波はジェットが星間空間に出る時に発生するのに対し、X線はブラックホールのすぐそば、ジェットの発生元から出ていると考えられている。

 電波望遠鏡の観測結果によると、電波を発している領域は光速の半分の速度で広がっている。このようすを追えば、X線の発生源だけでなく、ブラックホールから外側に向かってどのような流れが存在するかを確認することができるかもしれない。(2011年8月25日 NASA/JAXA)

 エックス線とガンマ線
 エックス線は、可視光(目に見える普通の光)や電波と同様に電磁波の一種。波長が可視光の約千分の一と短く、粒子としての性質を強く持っている。可視光が太陽の表面など温度数千度の物体から放射されるのに対し、数百万度以上の高温のガスや、高いエネルギーをもつ電子などから放射されるので、ブラックホールなど、高いエネルギーの天体現象を観測するのに適している。しかし、宇宙からのエックス線は大気で吸収されて地表に届かないため、人工衛星などを用いて宇宙空間で観測する必要がある。

 ガンマ線も電磁波の一種で、エックス線よりもさらに波長が短く、粒子的な性質を強くもっている。原子核反応や、エネルギーの高い素粒子同士、あるいはエネルギーの高い素粒子と電磁波や電磁場との相互作用によって発生する。 

 ガンマ線バーストという現象では、ガンマ線が数秒から数時間にわたって閃光のように放出され、その後でX線の残光が数日間見られる。この現象は全宇宙で、一日に数回という頻度で起きている。 ガンマ線バーストを起こす原因は、極超新星と関連しているという説が最も有力である。

 超大質量の恒星が一生を終える時に極超新星となって爆発し、これによってブラックホールが形成され、バーストが起こるとされる。 (Wikipedia)

参考HP アストロアーツ 39億光年の彼方から届いたブラックホールの輝き
Wikipedia
ガンマ線バースト

ゼロからわかるブラックホール (ブルーバックス)
クリエーター情報なし
講談社
ブラックホールと超新星―恒星の大爆発が謎の天体を生みだす (ニュートンムック Newton別冊)
クリエーター情報なし
ニュートンプレス

ブログランキング・にほんブログ村へ 人気ブログランキングへ   ←One Click please