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 生物の種類はどのくらいあるのだろう?
 現在、地球上にすむ、生物の種類は、約300万種から1億種の幅があり、最良の推定値は1000万種であるといわれている。こうしている今も、世界各地で、新しい種が発見されたり、発見される前に絶滅しており、発見されても何の種かはっきり分類できていないものも多い。ようするに生物の種類は正確にはわかっていないのが実情だ。

 最新の研究では、数世紀にわたる懸命な努力にも関わらず、地球上の生物種のおよそ86%はいまだに発見されていないか名前が無いことがわかった。最新の推計によると、地球には総計870万種の生物が生息しているという。つまり、分類済みの種は15%に届かず、現在の絶滅速度からすれば多くが記録されずに姿を消してしまうと予測されている。

 どのように、生物種は「870万種」と推定されたのだろう?

Phanerozoic_Biodiversity

 地球上の生物は86%が未知種?
 スウェーデンの植物学者カール・リンネが、生物の多様性を理解するために体系的な分類法を考案してから250年。哺乳類や鳥類など一部のグループについては、そのカタログがほとんど完成した。しかし、残りのグループは依然として“スカスカ”の状態だ。

 例えば、キノコや酵母菌が属する菌類の場合、正式な学名が付いているのは推定種数のわずか7%にすぎない。世界の海洋生物も学術的に特定されているのは10%未満だ。「目立つとか比較的大きいとか、要するに“見つけやすい”生物が優先された」とワーム氏は語る。

 正確な答えを手に入れるため、研究チームは、あらゆる種をグループ化するための分類カテゴリーに注目した。生物学では、似ている種をグループ化して「属」カテゴリーにまとめ、似た属はさらに大きい「科」にまとめる。その上にもいくつかのカテゴリーが続き、最上位には「界」が位置する。

 「界」には、「動物界」、「植物界」、「菌界」、珪藻(けいそう)などの単細胞植物が属する「クロミスタ界」、動物的な単細胞生物が属する「原生動物界」の5つがある。

 ワーム氏の研究チームは、それぞれの界に含まれる属、科、目、綱、門の総数を推定した。各カテゴリーの増加数はこの数十年間安定しているため、比較的簡単な作業だという。これに対し、「種」の単位では新発見の数が急増し続けている。

 研究チームは、属や科などの数を利用して複雑な統計分析を行い、870万という数字をはじき出した。

 生物種の特定が困難な理由
 だがこうして、出した生物種「870万種」の数も「大きくはずれることもありうる」という研究者もいる。その理由として、分類作業の困難さと、自然破壊による生物絶滅速度の加速があげられる。

 研究チームのワーム氏は、「一般的に、新しい種を正式に分類する作業は、新種の発見よりもはるかに大変だ」と述べる。発見した生物を博物館の標本と比較し、DNAを解析し、大量の書類を完成させなければならない。「とても長い道のりだ。よほど幸運な研究者でも、一生の間に数十の新種に正式な学名を与えるのが限界だろう」。

 そして残念なことに、生物種の絶滅速度は自然な水準の10~100倍にまで加速している。「新種の発見で手に入る情報は、大自然という図書館に並ぶ蔵書に喩えられる。人類はまだ最初の10冊程度を解読し始めたにすぎない。しかし、私たちはいま、膨大な数の本を読みもせずに捨て去ろうとしている」。

 今回の研究成果は、オンラインジャーナル「PLoS Biology」に8月23日付けで掲載されている。(Traci Watson
for National Geographic News August 25, 2011)

 生物を守る取り組み
 生物学者の中には、人による環境破壊によって、現在多くの生物種の絶滅が起きていると考えており、これを完新世大量絶滅と呼ぶ者もいる。20世紀の期間中、生物多様性の衰退が観察され続けてきた。2006年には、多くの科学者が、正式に認知されていない数百万以上の種が危機にさらされていると見積もっている。

 このような状況に対し、生物の多様性を「生態系」、「種」、「遺伝子」の3つのレベルで捉え、生物多様性の保全、その構成要素の持続可能な利用、遺伝資源の利用から生ずる利益の公正な配分を目的とした「生物多様性条約」が定められており、締約国に対し、その能力に応じ、保全、持続可能な利用の措置をとることを求めるとともに、各国の自然資源に対する主権を認め、資源提供国と利用国との間での利益の公正かつ公平な配分をすることが決められている。

 生物多様性という言葉は、単に多種の生物がいるという意味(種多様性)にとどまらず、ある1種の中での遺伝子の多様性、同じ種の中での個体間の違いと、個体群間の違いがある(遺伝的多様性)…ということや、より高次の水準、すなわち生態系(遺伝子が究極的に寄与する、異なった諸過程の豊富さ)における多様性(生態系の多様性)…を含んでいる。 (Wikipedia)

 現在わかっている生物種
 「日本大百科全書」によると、現在地球上には100万~150万種もの動物が生存。今後さらに探究され続ければ、少なくとも100万種の動物が新たに発見されるであろうといわれている。「ブリタニカ国際大百科事典」でも、現生の既知の全動物の種類は約 140万種といわれ,約 20ほどの門に分けられる…と書いてある。

 動物の中でも、セキツイ動物は鳥類が9000種、魚類は2万3000種、ほ乳類が5000種、両生類が2000種、は虫類が5000種となる。これらを全部合わせると4万4000種。無セキツイ動物はさらに多い。節足動物80万種、軟体動物11万種、原生動物3万種、腔腸動物1万種など、ものすごくたくさんの種類がある。

 生物には動物以外にも、植物、細菌、菌類などがある。植物の30万種を含むと合計500万種以上になると考えられている。(学研サイエンスキッズ)

参考HP Wikipedia 生物多様性 学研サイエンスキッズ 動物は何種類くらいいるの?
National Geographic news 地球上の生物は86%が未知種?

生物多様性とは何か (岩波新書)
クリエーター情報なし
岩波書店
生物多様性―地球の未来を考えるための重要ワード (ニュートンムック Newton別冊)
クリエーター情報なし
ニュートンプレス

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