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 京都議定書を離脱する日本
 12月9日まで、南アフリカ共和国で開かれている気候変動枠組み条約締約国会議(COP17)で、2012年末で期限切れとなる京都議定書の「延長」を求める途上国の声が強まる一方だ。190を超す批准国中、2013年以降は新たな温室効果ガスの削減義務を負わないと断言しているのは日本、カナダ、ロシアの3カ国。日本は苦しい立場に立たされている。

 会議冒頭で、コンゴの交渉官が「京都を殺すな」と繰り返すと、大きな拍手がわき起こった。「日本など、いくつかの先進国が延長を拒んでいる」ことに対して批判が渦巻いた。海面上昇の影響を受ける島国グループなども相次いで発言。削減義務を先進国に課す「京都体制」の延長を強く求めた。欧州連合(EU)が条件つきで延長を受け入れる姿勢を打ち出したことも途上国の期待を高めている。

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 米国は「ポスト20年」という表現で新枠組みは2020年以降と提案した。欧州は「2015年までに交渉を終え、2020年までに発効する」との立場を強調。すべての国が新枠組み交渉に参加することを条件に、議定書延長を受け入れる方針。日本は期限を明らかにしないが、新枠組みに賛成する見通しだ。

 世界最大の排出国の中国は、政府関係機関が「自国の排出量は2030年前後で減少に転じる。2020年以降は削減に責任を持つ必要に迫られる」との見方を示した。しかし、2013年から2020年まで、議定書延長に反対する日本に削減義務のない「空白期間」が生じる。途上国は「温暖化影響が現実化している」と訴えており反発は必至だ。 (毎日新聞 2011年12月3日)

 温暖化が止まらない
 一方11月29日、COP17の会議に先立って、国連の世界気象機関(WMO)が189カ国のデータに基づいてまとめた、2011年の気象状況が発表された。それによると、2011年は、暑かった年のトップ10入りする見通しであるという。

 報告書によると、記録が残されている1850年以降、平均気温が高かった上位15年のうち13年が1997年から2011年までに集中している。また、氷で覆われた海面の面積も、史上2番目の小ささとなった。いちばん小さかったのは2007年のことだ。

 2番目といっても、実態はもっと深刻なのかもしれない。というのは、海面の氷の多くが以前より薄くなっているからだ。WMOの科学者の試算によると、今年海面の氷の面積が最も小さくなった9月9日の北極海の氷の総体積は、これまでの最小記録だった2010年よりも8%少なかった。

 WMOの全球大気監視(GAW)計画からは、最近、別の報告も出されている。それによると、地球に熱を閉じ込める大気中の温室効果ガスの量は過去最大となり、さらに増え続けているという。

 洪水、干ばつ:極端な異常気象の年
 11月29日に発表された報告書は、今年が世界各地で極端な異常気象が見られた年でもあったと指摘する。いくつか例を挙げる。

・ ロシア北部では、春の平均気温が平年よりも摂氏で9度も高くなったところがある。
・ フィンランド、アメリカ、中央アメリカ、スペインでは記録的な猛暑。
・ 西ヨーロッパの多くの地域で春は記録的に降水量が少なく、その後一部地域では夏の降水量が史上最高を記録した。
・ アフリカ東部は深刻な干ばつに見舞われ、その後洪水に襲われた。
・ 東南アジア、ブラジル、オーストラリア、アフリカ南部、中央アメリカ、パキスタンでも深刻な洪水被害が発生し、犠牲者が出たところも多い。
・ 熱帯低気圧とハリケーンの活動は、2010年ほどではないが、異常に低かった(2010年の低気圧の発生数は、人工衛星で正確に数えられるようになって以来最低だった)。

・アメリカとカナダも異常気象だった。南部では干ばつと熱波、中西部では大雪、北東部では記録的な豪雨に襲われた。
・アメリカの竜巻発生数は1950年以降、2004年、2008年に次いで3番目に多かった。
・最も驚くべきはテキサス州の6~8月の平均気温で、平年より3度も高い摂氏30.4度を記録した。全米を通じて史上最高だという。

 ラニーニャ現象でも気温上昇
 また、2011年はラニーニャ現象の期間中としては史上最も暑かった年になりそうだという。ラニーニャとは、太平洋熱帯海域東部の海水温が周期的に低下する現象だ。

 モンタナ大学の生態学教授スティーブン・ラニング(Steven Running)氏は、一般にラニーニャの年には気温が比較的下がるものであり、それでも暑かったというのは悪い徴候だと話す。ラニング氏は今回の研究に参加していない。

 「こうなると、何があれば気温低下の周期に入るのかわからない。次に強力なエルニーニョ現象が発生したら、どうなるのだろう」とラニング氏は危惧する。エルニーニョは気温を上昇させる。

 人間の活動の影響
 ペンシルバニア州立大学の地球科学者、リチャード・アレイ(Richard Alley)氏は、異常気象のどの程度が気候変動によるもので、どの程度が通常の気象変化によるものかを厳密に区別するのは難しいと話す。だが、CO2などの温室効果ガスが異常気象をおこりやすくしているのは間違いがないという。

 「二酸化炭素など大気中の温室効果ガスが人間の活動によって増加しても、”気象”レベルの要因が消え去るわけではない。しかし温室効果ガスは、気象のランダムな変化に”重りをつけ”て、異常な高温を起こりやすくする」とアレイ氏は電子メールで述べている。

 「人間のせいで寒波が来なくなることはないし、最低気温の記録が作られることさえある。だが、データと、私たちの自然に関する理解とが一致して示すところからすると、人間の活動はなお、温暖化を強力に推し進めているのだ」。(Richard A. Lovett for National Geographic News December 1, 2011) 

参考HP Cop17  National Geographic news 暑さと異常気象、2011年気象総括

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