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 COP17閉幕!ダーバン・プラットホーム採択
 南アフリカのダーバンで開催されていた気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)が終わった。予定の会期を2日間も延長して11日朝、やっと合意にこぎ着けた。

 京都議定書が定める温室効果ガス削減義務を2013年以降も継続することになった。さらに、2020年には中国と米国を含むすべての国が参加する新たな法的枠組みを始めるとした合意を採択し、閉幕した。

 二酸化炭素(CO2)の排出量が1、2位で、世界の約4割を占める両国が法的枠組みに加わることに同意したのは、地球温暖化対策として大きな成果だ。京都議定書に代わる、新たな枠組みでの温暖化対策については作業部会を創設して協議。2015年までに決定し、2020年の発効を目指す「ダーバン・プラットホーム」を採択した。

COP17_CMP7

 一方日本は、2013年以降、削減は自主的に取り組むことになった。延長される京都議定書の削減義務は、カナダなどと一緒に拒否した。米国や中国、インドが参加しなかったというのがその理由だ。今回は、すべての排出国が集う新たな枠組みをつくることが目標だった。

 米中の決断の背景には国際情勢の変化もあろう。欧州からアジアに軸足を移したアメリカ外交。そこでのリーダーシップを握りたい中国。両国の綱引きの結果が、妥協を引き出した一因だろう。

 欧州連合(EU)の要請もあった。京都議定書の約束期間が切れた後も、EUはCO2の削減に努力するとし、強いメッセージを放った。温暖化に苦しむアフリカ諸国や、海面上昇で国土を奪われそうな小島しょ国の訴えも強かった。

 ただ、京都議定書の継続期間は決まっていない。2020年からの新枠組みも、削減目標の設定など具体策は今後の交渉に委ねられる。地球温暖化阻止の「理念」を各国が共有し続けることが必要だ。(2011/12/13付 西日本新聞)

 地球環境問題は改善されず
 COP17は終わったが、地球温暖化は進んでいる。米中など主要排出国が加わる新たな枠組みによる本格的な削減の実現が2020年以降に遠のいた。地球環境問題は改善されず、理想からは遠い結果である。果たしてこれで間に合うのだろうか?

 国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」によると、この100年間で地球の平均気温は約0.74度上昇した。原因の一つが二酸化炭素など温室効果ガス排出量の増加だ。二酸化炭素は人類が日常生活や産業活動に必要なエネルギーを得るため化石燃料を消費することで生じる。

 IPCCは21世紀末までの100年間で1.1~6.4度上昇すると予測している。それに伴い、南極やグリーンランドの氷床が融解するなどして、海面は18~59センチ上昇し、浸水域の拡大が予想されている。

 また、熱波、干ばつや豪雨の頻度も増えることが懸念され、絶妙のバランスで成り立ってきた生態系が維持できなくなる。こうした現象で、世界各地の食料生産や水供給に深刻な影響が及び、地域間の紛争を激化させる恐れがある。

 日本では100年間で地球平均を上回って気温が1.1度上昇した。環境省などによると、21世紀末までに2~4度上昇する。その結果、ミカンなどの果実の品質が低下する。サケ類は日本周辺での生息域が減ると考えられている。このほか、熱中症や感染症の増加、高潮被害の深刻化も指摘されている。

 日本は、京都議定書離脱
 新たな枠組みの早期確立を目指す日本は、会議を通じて京都議定書体制の継続論に反対したが、数でまさる新興国や途上国に押し切られた形になった。

 日本は、延長された13年以降の京都議定書体制には参加せず、独自の削減努力を続ける方針を会議で表明済みだ。現実を直視した妥当な判断である。

 カナダとロシアも賛同しており、日本と歩調を合わせる見通しだ。この数年間、膠着(こうちゃく)状態に陥っていた温暖化問題の打開に可能性の光がさし込んだといえよう。

 日本は省エネ技術で世界のトップランナーである。産業界は独自の自主行動計画で温室効果ガスの削減を不言実行で進めてきた。

 COP17での決断を機に13年以降を火力発電所の改修など日本主導で途上国の省エネを推進する期間としたい。先進国と途上国間で個別に支援と排出削減を効率的に行う2国間取引の普及である。

 日本は王道を進むわけだが、「温暖化問題に後ろ向き」との誤解を受けないよう、世界に向けた積極的アピールが欠かせない。

 また、もうひとつ必要なことがある。「鳩山公約」の撤回だ。2009年に当時の鳩山由紀夫首相が「2020年までに1990年比で25%削減を目指す」と国連で演説したことに伴う目標値だ。

 これは東日本大震災と原発の停止によって非現実化している。世界に揚げ足を取られることのないよう、今の日本の身の丈に合った目標値への是正が急がれる。(産経news 2011.12.13)

 「新枠組み」に方向転換した中国
 それにしても、CO2削減をかたくなに拒んできた中国が方針転換したのが強く印象に残った。

 中国政府は12月3日、「法的枠組みの議論を除外しない。交渉次第だ」と表明し、将来の温室効果ガスの排出削減義務受け入れを示唆した。欧州連合(EU)は、2012年末で先進国の削減義務期間が終わる議定書を延長する代わりに、2020年までの新枠組み発効に向けた交渉日程を提案。米国も2020年以降、中国などの参加を条件に、新しい法的枠組み受け入れを表明した。

 12月4日、中国で温暖化交渉団トップを務める解振華・国家発展改革委員会副主任(閣僚級)が、国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)会場内で記者団の取材に応じた。解氏は、2020年以降と想定される京都議定書以降の温暖化対策の新枠組み(ポスト京都)について「議論に同意する」と述べ、交渉に応じる姿勢を鮮明にした。中国はこれまで、将来の温室効果ガス削減義務につながる議論を強硬に拒んでおり、明確に方針転換した格好だ。

 一方で解氏は、現行の議定書の有効性などの検証が必要で、これまでの議論の延長で交渉すべきだと指摘。新枠組みに関して日本や米国、欧州連合(EU)などは新しい作業部会を設置し、議論の仕切り直しを求めており、今後は具体的な交渉手順などで条件闘争に臨むとみられる。解氏は「国内に2020年以降の新枠組みについて協議する専門機関を設置した」と明らかにした。(毎日新聞 2011年12月5日)

 

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