科学大好き!アイラブサイエンス!最近気になる科学の疑問を、やさしく解説!毎日3分読むだけで、みるみる科学がわかる!


 川をまたぐ蜘蛛の巣
 世界最大の蜘蛛の巣はどのくらいあるだろう?プエルト・リコ大学の動物学者インギ・アグナルソン(Ingi Agnarsson)氏率いる調査チームは、ダーウィンズ・バーク・スパイダーの幅25メートルに及ぶ網を複数発見した。大型バス約2台分に相当する長さだ。

 マダガスカル島にある「アンダシベ・マンタディア(Andasibe-Mantadia)国立公園のパークレンジャーたちは以前からその存在を知っていて、旅行者に見せていたらしい」とアグナルソン氏は話す。だが、ダーウィンズ・バーク・スパイダーとその記録的な大きさの網は、同氏のチームが調査するまで科学的研究の対象にはなっていなかった。

 新種のクモ「ダーウィンズ・バーク・スパイダー(英名:Darwin's bark spider、学名:Caerostris darwini)」の巣は、生物学的に最強と考えられる素材でできており、クモ一匹の網としては世界最大だという。今回の発見は「Journal of Arachnology」誌2010年第2号と「PLoS ONE」誌の最新号に掲載されている。

Darwin's bark spider

 ナショナル ジオグラフィック協会研究・探検委員会(CRE)からの支援を受け調査を続ける動物学者インギ・アグナルソン(Ingi Agnarsson)氏によると、網を張るのはほとんどがメスだという。若い頃はオスも糸を引く習性があるが、成長すると生殖活動に注力するようになる。 

 まだらで不均一な体の模様は生存に役立つ。木に同化して敵の目を欺くのだ。チャールズ・ダーウィンにあやかって名付けられたこの新種は現在、アフリカ大陸南東のマダガスカル島にだけ生息している。

 このクモの生態は、発見者インギ・アグナルソン(Ingi Agnarsson)氏らの調査によって徐々に明らかになってきた。その中で特に注目されたのは、川をまたぐような網をどうやって張るのかという点だ。

 「ターザンのように糸にぶら下がったままスイングして移動するのを見た」というレンジャーの目撃情報もあったようだが、アグナルソン氏によれば、「何度も確認を試みたが、結局は作り話であることがわかった」という。このトリックについてはその後、調査チームのマチャズ・グレゴリッチ(Matjaz Gregoric)氏が解明に成功した。近く論文にまとめて発表する予定だという。(National Geographic News September 21, 2010)

 ダーウィンズ・バーク・スパイダー
 ダーウィンズ・バーク・スパイダー(英語:Darwin's bark spider、学名:Caerostris darwini)とは、コガネグモ科に分類されるクモである。イギリスの自然科学者チャールズ・ダーウィンの著書、『種の起源』出版から150周年目に発見されたことに因んでこの名がつけられた。

 2010年にマダガスカル東部のトアマシナにあるアンダシベ・マンタディア国立公園(英語)で発見された。それ以前からも公園のパークレンジャーたちには存在が知られていたが、この発見まで科学的研究の対象とはならなかった。

 ダーウィンズ・バーク・スパイダーは性別によって極端に大きさが異なる(性的二形)。メスがおよそ18ミリ程度であるのに対してオスは6ミリ程度である。体はまだらで不均一な模様をしていて、まわりの木に同化して天敵の目を欺くという。

 川を横切り張られた巣。巣を造るのに用いられる糸は、これまでに知られている生物が生成する物質の中では最も頑丈で、同じサイズのケブラーの約10倍の強度である。その強度は1立方メートル当たりおよそ350メガジュールから520メガジュールにまで達し、これは通常のクモの巣の2倍の強度である。

 強度だけでなくその大きさも特徴的で、網の幅はおよそ25メートル、面積は2.8平方メートルにおよぶ。これはクモ一匹が造る網としては世界最大である。プエルトリコ大学(英語)の動物学者インギ・アグナルソンによると、川や池を横切るような形で巣を造り、他のクモでは到達できないような環境で生活し獲物を捕獲することも可能であるという。32匹のカゲロウを同時に捕獲した巣も確認されている。

 巣の大きさと網の強度は、このような生活のために同時に進化したと考えられている。現在どのようにして川などを越えてこれほど広範囲に巣を張っているのか調査が進められている。網を張るのはほとんどがメスで、若い頃はオスも糸を引く習性があるが、成長すると生殖活動に注力する。一部のハエなどは、ダーウィンズ・バーク・スパイダーと寄生的略奪(英語)(他の動物から餌を奪い取ること)の関係にあると考えられていて、餌を糸で包む前に餌にハエが寄り付くとそれを追い払っている様子も確認されている。(Wikipedia)

 重量級のクモ、世界の珍種
 世界一大きな蜘蛛は何だろう?これは残念ながら、ダーウィンズ・バーク・スパイダーではない。もし巣も最大、体も最大の蜘蛛がいたら、恐ろしいことになる。最大の蜘蛛は、脚を広げると約30センチ、体重は約170グラム。南米のガイアナに生息するルブロンオオツチグモ、別名ゴライアスバードイーター(Goliath birdeater、学名:Theraphosa blondi)が、ヘビー級の世界チャンピオンだ。

 南米の熱帯雨林に暮らし、“バードイーター”という名前に似合わず、小さな無脊椎動物を主食としている。ただし、トカゲや毒ヘビなど体の大きい相手にも立ち向かうことが知られている。

 牙に仕込んだ毒はそれほど強くないが、噛まれるとかなりの怪我は避けられない。さらにトゲのような細かい刺激毛で全身を包み、危険を察知すると後脚で自らの腹部を蹴る。周囲に乱れ飛んだ刺激毛は、敵をひるませるに十分な武器となる。(National Geographic News April 21, 2011)

 日本にも巨大グモがいる。ルブロンオオツチグモの30cmにはおよばないが、足まで入れた長さは約10cm~13cmで、足を広げた大きさはCD1枚分くらい。ときどき家の中で見つけて、大騒ぎするクモといえばこの「アシダカグモ」である。

参考HP Wikipedia ダーウィンズ・バーク・スパイダー ・National Geographic news 世界最大の蜘蛛の巣:幅25m
アイラブサイエンス 世界一大きな蜘蛛は?日本の巨大蜘蛛アシダカモ 

クモ学―摩訶不思議な八本足の世界
クリエーター情報なし
東海大学出版会
おどろきのクモの世界―網をはる花にひそむ空をとぶ (子供の科学サイエンスブックス)
クリエーター情報なし
誠文堂新光社

 ブログランキング・にほんブログ村へ 人気ブログランキングへ   ←One Click please