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ニキビの細菌に皮膚がん抑える効果
驚くべき研究結果が報告された。がん細胞の増殖を抑える細菌が発見された!それは、誰にもある身近な細菌であった。
三重大学のグループが、ニキビの原因となる細菌「アクネ菌」に、皮膚がんの一種である「悪性黒色腫」のがん細胞の増殖を抑える働きのあることを発見した。マウスを使った実験で解明、治療が難しい皮膚がんの新薬の開発につながる成果として期待されている。
この実験は、三重大学大学院医学研究科の山中恵一講師の研究グループが行った。研究グループは、ニキビの原因となる「アクネ菌」が、白血球の働きを高める点に着目し、皮膚がんの一種の「悪性黒色腫」に菌を直接、注射するマウスを使った実験を行った。
実験した同大大学院医学系研究科の山中恵一講師のグループによると、アクネ菌に抵抗するため、白血球が腫瘍に集中し、その際、がん細胞も食べて破壊するという。白血球はアクネ菌を消化するまでに時間を要するため長時間、腫瘍に群がるらしい。
国内では年に約2000人が悪性黒色腫にかかるといい、末期のステージ4まで進行した場合、10年後の生存率は約10%とされる。山中講師は「人への治療では菌を直接注射できないが、今後、アクネ菌の細胞のどの部分が、がん細胞減少に最も効果を発揮するのか解明できれば、効果的な治療法の確立につながる」と話している。(毎日新聞 2011年12月23日)
ニキビとは何か?
アクネ菌が原因とされる、ニキビとはそもそも何だろう?ニキビ(面皰、英: acne, spots, zits)とは、皮膚の炎症性疾患。痤瘡(ざそう)とも言う。ニキビという語は一般的に青年のものに限って使われ、成人のニキビは吹き出物とも呼ばれることが多い。ニキビの語源は諸説ある。
顔・胸・背に見られるものは、医学的に「尋常性痤瘡」として知られていて、そのうち顔面に発生するものを世間でニキビとよぶ。
ニキビは、毛穴(毛包)がホルモンと細菌と皮脂の相互作用によって炎症を起こすことでできる。従って、皮脂が多く分泌される部位にできやすい。ニキビは、皮脂を分泌する毛穴が詰まるところから始まる。詰まった毛穴の中に乾いた皮脂や角質(死んだ細胞)がたまり、この状態が黒ニキビ(毛穴が開いて中身が見えている状態)または白ニキビ(毛穴が閉じている状態)と呼ばれるものである。
黒ニキビ、白ニキビの状態から赤いニキビを作り出すのは、ブドウ球菌と同様に皮膚に非常に多く存在する皮膚常在菌のアクネ菌(P.acnes)である。アクネ菌は、嫌気性の細菌のため酸素のない脂腺の奥に生息する。また、皮脂を好むため、詰まった毛穴の中で皮脂を栄養として過剰に増殖し、脂肪分解酵素のリパーゼを分泌し、皮脂を遊離脂肪酸にしてコメドとなる。
また紫外線や空気中の酸素が皮脂を過酸化脂質に変化させる。このように皮脂が遊離脂肪酸へ変化し酸化され過酸化脂質へと酸化された結果、炎症が起きて赤くなったり、膿がたまって黄色い部分ができるという症状が出る。また、さらに進行すると、毛穴が破れて中身が流れ出し炎症が広がることもある。その場合は皮膚の深い部分を傷つけてしまうため、炎症が治っても痕(瘢痕・あばた)が残る場合が多い。なお、ニキビのできるメカニズムは完全には解明されていない。
化粧品の使用は毛穴を詰まらせ、にきびを悪化させる場合がある。チョコレートなど特定の食品や性行動が原因とする噂があるが、科学的根拠は存在しない。思春期に発生するものはテストステロンの分泌量移行に対する反応であることが多い。ほとんどの人では、その反応は時間がたつにつれて減少する。その結果、20代前半までにはにきびは改善するか少なくともその数を減じる。またホルモン分泌の乱れや、睡眠不足やストレスや食生活などの不摂生な生活によっても皮脂分泌が多くなる。
一般的なにきび治療は、にきびができた部位を、日に1~2回低刺激性のせっけんで洗うのが望ましい。抗菌せっけんやスクラブ入りせっけんの使用は、有用な皮膚常在菌を過剰に洗い流し、且つ皮膚を刺激し悪化させる恐れがある。
アクネ菌とは何か?
アクネ菌とは、ブドウ球菌と同じように一番多く皮膚に存在する菌。皮膚にとってアクネ菌は、いつもいる菌、だということになる。アクネ菌は皮脂を栄養にしていて、増殖し過ぎるとにきび(ニキビ)の原因となる。アクネ菌を抑えるには、正しい洗顔を心がけるのが一番の対処法になる。
正しい洗顔は、ごしごしこする、という事はなく、優しく洗うことにつながっていく。しかし、アクネ菌は無駄に皮膚に常在しているわけではなく、皮膚の酸性度を調整し、弱酸性にたもって、他の病原菌の進入や繁殖をおさえる働きもしている。アクネ菌は、にきび(ニキビ)の原因にはなるが、皮膚にとっては、ある程度なくてはならない存在だ。
アクネ菌の対策法としては、肌を清潔に保つ方がよいが、洗顔のやりすぎは皮膚の乾燥などのダメージにつながることもある。
正しい洗顔がアクネ菌の対処法になるが、洗顔の数を増やす、というのは正しい洗顔には入らず、逆に肌にダメージを与えてしまう結果になる。洗顔は1日2~3回が望ましいといわれている。
アクネ菌の性質としては、酸素を嫌い皮脂を栄養に増殖する 、という性質があるので、酸素が少なく、皮脂がたくさんある皮脂腺がアクネ菌の住みやすい場所となる。アクネ菌は、毛穴がつまって酸素が行き届かなくなった毛穴に付着し、繁殖する。
毛穴がつまって、嫌いな酸素がない毛穴はアクネ菌が繁殖するには、最もよい場所になってくる。アクネ菌をケアするということは、固まった皮脂、コメドを赤にきび(ニキビ)や黄にきび(ニキビ)に悪化させるのをふせぐ効果がある。これも、正しい洗顔を見につけることで可能になる。
美容液:銀イオン使ったニキビに効く「銀の雫」
ニキビを防ぐにはアクネ菌を退治することであるが、あまり強すぎると、皮膚を傷めてしまう問題があった。そこで考え出された商品が、銀イオンを使った。ニキビ薬「銀の雫」。
福島大(福島市)の学生らが、ニキビの予防や治療に効果がある高濃度の銀イオン水を使った美容液「銀の雫(しずく)」を商品化した。殺菌にアルコール類を使わないため、従来の美容液と比べて肌に優しいという。年内に受注販売を始めるほか、大手化粧品メーカーへOEM(相手先ブランドによる受託生産)で供給することも検討している。
開発したのは、共生システム理工学類の八代勉教授のゼミ。県立医大(福島市)の協力で実験したところ、水の銀イオン濃度が30~40ppm でニキビの原因となる黄色ブドウ球菌とアクネ菌がほぼ死滅することが判明。保湿効果のあるスクワラン、トレハロースを混ぜて美容液に仕上げた。銀イオンは刺激が少なく、アルコールや油などを使った製品と比べて安全性も高いという。これまでも銀イオンを使用した商品はあったが、低濃度で実際の効果は薄いものが大半だったという。
製造は化学メーカー「テルフ」(群馬県太田市)が担い、パッケージや名称は学生たちが決めた。30ミリリットル入り約800円、60ミリリットル入り約1500円で販売する予定。
ゼミ生の渡部深智(みちる)さん(22)は「できるだけ添加物を減らし、刺激も少なく、使いやすい製品になった。ぜひ手にとってほしい」と話した。問い合わせは、販売元の松井商事048・958・1118。(毎日新聞 2011年12月8日)
参考HP にきび治療 Web アクネ菌 Wikipedia ニキビ
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