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 世界各地で、大規模な「オーロラ」
 1月25日~26日にかけて、世界の各地で大規模なオーロラが観測された。オーロラの原因は大規模な太陽活動により、太陽から飛来する電気を帯びた粒子。

 太陽で1月23日昼過ぎ、比較的大規模の爆発があり、放出された電気を帯びた高エネルギー粒子が地球に到達した。米気象衛星は2003年以来の規模の放射線を観測した。名古屋大の上出洋介名誉教授は「地球の磁気が大きく乱される大磁気嵐になりそうだ」と話す。条件が整えば25~26日に北海道でもオーロラが見えるという。

 太陽はここ数日、爆発現象が相次ぎ、カナダなどでオーロラが活発化していた。米海洋大気局(NOAA)の衛星は1月25日未明、粒子のかたまりが地球の近くに到達し始めたのを観測した。影響は数日続くという。過去には人工衛星がダメージを受けたり、カナダで大規模な停電が起こったりしたこともある。

SDO

 鹿児島高専の篠原学教授らによると、今回放出された粒子はエネルギーが高い。計器の一部に不具合が生じて観測できなくなっている衛星もあるという。(asahi.com 2012年1月25日)

 英天文協会によると、中部各地で1月25日、夜空に広がる緑色のオーロラが目撃された。オーロラは、太陽の爆発現象「太陽フレア」などで発生した電気を帯びた粒子が、地球の大気中の粒子と衝突して発光する。同現象が活発化し観測可能地域がノルウェー北部など北極圏周辺から南に広がったとみられる。(毎日新聞 2012年1月26日)

 2003年10月以来の「磁気嵐」
 1月23日午後1時ごろ(日本時間)に太陽表面で観測されたM8.7レベルのフレアからのコロナ質量放出(CME)が25日未明ごろに地球の磁気圏に到達した。2003年10月以来の強い太陽放射線が観測されている。この2003年の磁気嵐を起こした太陽フレアは、小惑星探査機「はやぶさ」の太陽電池パネルの発電量低下を引き起こしたもので、その年に打ち上げられた「はやぶさ」にとって最初の災難と言えるものだった。

 磁気嵐(Magnetic-storm)とは、太陽風と地球磁気圏との相互作用で起きる。通常、中緯度・低緯度において全世界的に地磁気が減少する現象のことを指す。この時大規模なオーロラが観測される。

 典型的な磁気嵐では地磁気は数時間から1日程度の時間をかけて減少し、その後数日かけて徐々にもとの強さまで回復していくという過程をとる。このうち地磁気が減少し磁気嵐が発達する過程を主相、回復する過程を回復相と呼ぶ。磁気嵐にともなって変化する地上の磁場は通常時の1000分の1程度だが、大規模な磁気嵐のときは通常時の100分の1程度の変化が観測される場合もある。

 磁気嵐は人工衛星や短波長の電波通信に影響を与えることがあるが、人体に有害ではなく、また上空大気にプラズマ粒子がぶつかることで、極圏のオーロラのような美しい光景が見られる。光のカーテンは磁気嵐が強力であるほど低緯度にまで広がり、約10年前には北海道や長野でも観測された。今回は「日本でも低緯度オーロラが見えるのでは」と期待されたが、残念ながら見えなかったようだ。(Astro Arts 2012年1月25日)

 太陽嵐が極地フライトに影響
 だが強力な太陽嵐は、送電網や周回軌道衛星、GPS信号、無線通信の障害につながりかねない。航空機のフライトにも影響を与える可能性がある。

 アメリカ、コロラド州ボルダーにある米国海洋大気庁(NOAA)宇宙天気予報センターの上級予報官ビル・マータフ(Bill Murtagh)氏は、「最初の太陽フレアが非常に強力だったため、2003年10月以来の巨大な太陽放射が発生した」と話す。「放射は現在強力なレベルにあり、すべてが地球を通過するまで少なくとも1~2日間はかかる。現時点でも高緯度地域における散発的な無線通信障害が報告されている。その影響で一部の極地フライトのルート変更が行われた」。

 極地を通るフライトを運行する航空会社は太陽嵐を特に気にかけている。CMEの粒子は地球の磁場の影響で極付近に集中するためだ。「極地の長距離フライトでは衛星通信を常時使えるとは限らないため、従来の無線通信に依存している。しかし、太陽嵐の際は長時間にわたって無線通信できない事態が頻発する。連邦航空規制では、飛行中は常時通信可能な状態を維持する必要があると定められているが、従うのが難しくなる」とマータフ氏は述べる。

 2013年にかけて太陽嵐が増加
 一方、メリーランド州にあるNASAゴダード宇宙飛行センターの宇宙気象科学者アンティ・プルキネン(Antti Pulkkinen)氏は、「今回の太陽嵐は実は中程度のレベルだ。地上や宇宙の設備に大きな障害は起きないだろう」と言う。

 コンピューターモデリングの進歩と太陽観測衛星のおかげで、宇宙気象の予報精度が高まり、太陽嵐の到達時間は数時間の幅で特定できるようになった。「今回のCMEに関して、我々のモデルは実際の到達時間から13分しか外れていなかった。驚くべき結果だ」とプルキネン氏は満足そうに話す。

 太陽は現在、2013年の極大期(11年周期の太陽活動のピーク)に向かっている。太陽嵐の規模や頻度が増加するため、モニタリングや予測がさらに重要になると考えられている。「2013年が近づくにつれ、太陽ではより強力な爆発が起きる。その一部が地球に向かってくるのは間違いない。今回のような現象は一層増えていくだろう」とプルキネン氏は述べている。(Ker Than for National Geographic News January 25, 2012)

 オーロラの“色”の正体
 オーロラ(aurora)とは極域近辺に見られる大気の発光現象。太陽に端を発する「太陽風」と呼ばれるプラズマ粒子の流れが地球磁場と相互作用し、複雑な浸入過程を経て地球磁気圏内の夜側に広がる「プラズマシート」と呼ばれる領域にたまる。プラズマシート中のプラズマ粒子が地球大気(電離層)に向かって高速で降下し、大気中の粒子と衝突すると、大気粒子が一旦励起状態になり、それが元の状態に戻るときに発光する。これがオーロラの光である(発光の原理自体は蛍光灯と同じ)。

 オーロラは肉眼では白くぼんやりとしか見えないことが多いが、それは発光自身が暗いためでいくつかの色をもっている。本が読めるほどの明るいオーロラだと、はっきりとその色を識別できる。

 肉眼で見られるオーロラの色はほとんどが電子の降り込みが原因で、発光が起こっている高度によって違う。上方の高度200 km以上では赤色(630nm)、200kmから100kmの低高度では緑色(557.7nm)、そして稀に100km以下の最下部にピンク色や紫色を見ることができる。

 赤と緑は酸素原子によるもので、ピンク色(連続光)は窒素分子、紫(427.8nm)は窒素分子イオン(N2+)による。通常見られるのは緑色のオーロラである。これは大気の主組成の高度変化と関連しており、100km以上では窒素分子に比べ酸素原子が卓越していることを示す。

 また赤と緑の境は酸素原子の密度変化が影響している。降り込む電子のエネルギーが高くなると、平均的なオーロラの発光高度は低くなる。太陽活動現象に伴う磁気嵐により、たまに日本のような低緯度地方でも赤いオーロラが観測されることがある。これは磁気嵐によって磁力線が低緯度側にゆれることや、赤いオーロラが高高度であるために地平線に沈みにくいことと関係がある。(Wikipedia)

参考HP Wikipedia オーロラ National Geographic news 太陽風、8年ぶりの規模で地球到達

太陽からの光と風 -意外と知らない?太陽と地球の関係 (知りたい!サイエンス)
秋岡 眞樹/他
技術評論社
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