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  謎多き生物、超巨大な端脚類
 エサが乏しい深海溝では厳しい生存競争が繰り広げられており、端脚類はチャンスがあればとにかく腹に詰め込むという。 「彼らの消化器官は驚くほど拡張できる。海溝ではエサが限られているため、とんでもない量を一度に食べておく」と、調査チームの海洋生物学者アラン・ジェイミソン氏は説明する。「種によっては、1年間何も摂取せずに生きられる可能性もある」。

 同チームは世界中の深海溝で調査を行ってきたが、この巨大端脚類が確認されたのは今回のケルマデック海溝だけだという。「なぜこの海溝の端脚類だけが他の海溝と比べて極端に巨大化したのか、その要因は全くの謎だ」と調査を率いたジェイミソン氏は話す。不可解な点は、それだけではなかった。「調査の予備日に同じ現場を再び訪れたが、採取はおろかカメラでの撮影すらできなかった。これには首をかしげるほかない。調査初日には8時間で7匹も捕獲できたのに、完全に姿を消していた」。

 世界で最も深い海溝の一つから謎の“超巨大”端脚類(ヨコエビの仲間)が見つかり、2月2日に詳細が発表された。 調査チームはケルマデック海溝にわなを仕掛け、ピンクがかったエビのような生物7匹を捕獲した。ケルマデック海溝はニュージーランド北方沖の海底を走る亀裂で、最深部は水深1万メートルにも達する。

Super-giant-amphipods
 最大の個体は水深約7000メートルで捕獲され、体長28センチ。これまでの記録の3倍近いサイズだ。今回発見された7匹について、新種なのか単に巨大な既存種なのかはまだわかっていない。調査を率いたイギリス、アバディーン大学の海洋生物学者アラン・ジェイミソン氏によると、当初のターゲットは1950年代を最後に目撃されていないクサウオだった。

 ところが、巨大端脚類に衝撃を受ける結果になったという。 「端脚類は深海溝によく生息しているが、たいてい2、3センチほどのサイズだ。わなの餌を下ろすと、ほんの数分でハチの群れのように現れ、むさぼり尽くす」とジェイミソン氏は説明する。「ところが今回は、怪物のような端脚類がやって来た。中間サイズの個体はまだ見つかっていない」。(National Geographic News February 8, 2012)

 自然界の掃除屋
 端脚類(たんきゃくるい)は、節足動物門甲殻亜門軟甲綱フクロエビ上目(嚢蝦上目)の1グループである。分類階級端脚目とされる。ヨコエビ、タルマワシ、ワレカラなどが含まれる。

 1万種類以上が知られる大きなグループで、熱帯から極地まで世界中に分布する。陸と淡水でも見ることが多いが、その多様性は大部分が海で見られる。名称は、体の両端に脚がある、との意で、胸部の歩脚の他に、腹部後方と尾部の附属肢が歩脚状になることがあるためである。

 体長は数mmから数10cmまで、種類によって差があるが、概して小型の動物である。体は左右や上下に扁平な、やや細長いものが多いが、非常にひょろ長い体を持つ例もある。頭部は胸部の第一節ないし第二節まで癒合するが、背甲は発達しないので、ほとんど体全部の体節が背面から見える。

 複眼は柄が無くて体に対して小さく、深海や地下水にすむ種類では退化している。頭部には2対の触角があり、胸部の脚は2対の顎脚と5対の歩脚からなる。それらの胸脚は外肢を欠き、単純な歩脚の形を取る。腹部は三節からなる後体部と三節の尾部に分かれる。

 オスの顎脚はセミの幼虫の前脚のように太い。いっぽうメスの腹部には保育嚢(ほいくのう)という卵を抱える器官があり、ここで卵を保護する。生まれた子どもは小さいながらも親とほぼ同じ形をしている。

 ほとんどが海産で海底の土壌内によく生息している。一方で淡水域や湿った陸上にも生息域を広げており、地下水中までも進出している。個体数も多く、プランクトンやベントス、土壌動物として、かなりの割合を占めている。 深海溝に生息するものは体長2、3cm程度までの大きさが多いが、体長28cmのものも発見されている。

 食性は種類によって異なり、プランクトンや生物の死骸、デトリタスなどを食べるが、他の生物に寄生するものも多い。いっぽう、敵は刺胞動物や魚類、鳥類など多岐にわたる。

 食物連鎖の下位ながらも、生物の死骸や糞を食べる分解者として、また他の動物の餌として重要な位置を占める。人間にとって直接の利用価値はほとんどないが、自然界で果たす役割は大きい。

 巨大化する深海生物
 それにしても、深海では大王イカなど、巨大化する生物がいるが、今回の端脚類のように海の掃除屋として巨大化した生物がいる。それがダンゴムシ、フナムシのなかま「ダイオウグソクムシ」である。

 ダイオウグソクムシ (Bathynomus giganteus) は節足動物門等脚目のスナホリムシ科に属する海生甲殻類。等脚類としては世界最大であり、体長は20-40センチメートルで、最大50センチ近くにもなる巨大な種である。日本最大の等脚類であるオオグソクムシでさえ最大15cmほどなのに比べ、遙かに大型となり、体重は1キログラムを上回る。

 頭部の黒い複眼は約3500の個眼から形成されており、節足動物の複眼としては最大級のサイズである為に近くで見ると威圧感がある。触角は2対あり、等脚類の特徴である第一触角は、フナムシ程度の大きさでは肉眼でも判別しにくいほど小さいが、本種はその大きさから容易に第一触角を見つけることができる。口部分は二対の格子状の顎が重なっている。

 歩脚は等脚類の特徴である7対の符節からなり、脚の間には卵を抱く保育嚢があり、受精卵も節足動物としては最大級。尾部に棘が生えており、一番後ろの脚の後の末端部にはヒレ状に発達している遊泳肢があり、それを用いて、背面を海底に向けながら、体をくねらせて遊泳を行う。外敵や攻撃を受けると、不完全ながらダンゴムシのように体を丸めて、背甲で身を守るといわれる。

 本種は「海の掃除屋」と呼ばれ、深海底で餌となる動物の死骸が落ちてくるのを待っていて、餌を見つけたらそこへ寄って、食事にかかる。非常に貪欲で餌は大型魚類やクジラなどの各種動物の死骸や、弱った動物にヒトデなども食し、他の等脚類のように弱った仲間や死体を食べる共食いも行われている可能性もある。他の深海生物と共に餌を食い尽くし、深海の海底を砂泥地にしてしまう。そうした事で、深海底の安定を保っている。

 本種は巨体にも関わらず飢餓にも強く、8週間程度絶食させても平気だったとされる。餌の少ない深海の過酷な環境の中でこのような巨体になることは、ダイオウイカと並んで深海生物の巨大症(deep-sea gigantism)の例としてよく引用されるが、その巨大化のメカニズムについては未だに多くの部分で解明されておらず、謎に包まれている。(Wikipedia)

参考HP Wikipedia ダイオウグソクムシ National Geographic news 謎多き生物、超巨大な端脚類

ダンゴムシに心はあるのか (PHPサイエンス・ワールド新書)
クリエーター情報なし
PHP研究所
自然史の 1896 の海洋のエビの端脚類の寄生虫
クリエーター情報なし
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