科学大好き!アイラブサイエンス!最近気になる科学の疑問を、やさしく解説!毎日5分読むだけで、みるみる科学がわかる!


 夢のエネルギー採掘開始
 「燃える氷」ともいわれるメタンハイドレートがいよいよ採掘される。独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が、2月15日に愛知県渥美半島沖で世界初となる海底掘削を始めた。「メタンハイドレート」は、日本を囲む近海に豊富に埋蔵されている。

 これまで、日本は火山列島で地震大国であり、これまでは「資源小国」と言われてきた。しかし海洋に目を向けてみたら、経済的なさまざまな権益を持つ、日本の「排他的経済水域(EEZ)」の面積は国土の12倍もあり、世界でも第6位。ここには、さまざまな海底資源が眠っている。

 科学技術が発達し海底資源を低コストで取り出すことができれば、日本は一気に「資源大国」に変身できる。日本の未来を考えると、日本の生き筋は地球最後のフロンティア海洋開発にあるといっても過言ではないだろう。ただ、採掘技術が確立されていないうえ、大幅なコスト削減による採算性アップが不可欠だ。環境への影響も未知数で、乗り越えるべき課題は多い。

Methane hydrate

 一方、東シナ海に中国が設けた天然ガス田「樫(かし)」(中国名・天外天)の採掘施設で炎が上がっているのが2月1日、確認された。日本が中国との排他的経済水域(EEZ)の境界とする「日中中間線」近くの中国側。日本の抗議にもかかわらず、中国による独自開発が進んでいる模様だ。

 問題の尖閣諸島近海にも、天然ガスが埋蔵されている見通しがある。また、海底熱水鉱床にあるレアメタル、ウランなど、日本近海は「資源の宝庫」だ。これらを有効に取り出せる科学技術の確立こそ、日本が目指すべき方向である。

 原発停止、電力不足と、エネルギー政策の無策が続いていたが、久々に明るいニュースだ。今回の計画では、水深約1000メートルの海底を約260メートル掘って、3月時下旬まで試験を続ける。そして来年1~3月に世界初となる海用産出試験を実施、安定的に取り出すことに成功すれば、2018年度の商業化を目指すという。ぜひ頑張ってほしい。

 世界最高水準の能力誇る「ちきゅう」
 この海洋産出試験の事業主体は経済産業省。実際に実施主体となるのは経産省管轄の独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(略称JOGMEC)。オペレーターを務めるのは、石油資源開発(略称JAPEX)。井戸を掘る作業に使われるのは、独立行政法人地球深部探査センター(略称JAMSTEC)所有の地球探査船「ちきゅう」である。

 間近で見ると、「ちきゅう」はとにかく巨大な船だ。全長は210メートルと新幹線8両分。横幅は38メートルあり、これはフットサルコートなみ。船体中央にそびえ立つ、櫓状の建造物が採掘に使う掘削機器で、一番上のデッキの高さは実に海面120メートル。

 船底からの高さはトータル130メートルにもなる。30階建てのビルに相当し、イージス艦より高い。世界で唯一、地表から1万メートルの地中にある地球内マントルを掘れる能力を持ち、船内にはCTスキャン付きの研究室もあるので、掘り出した物質をCTで解析できる。探査船としては世界最高水準の船を我が国は持っているのである。

 今回掘るのは渥美半島沖70キロメートル地点。海底の深さ自体が1000メートルとかなり深い。2月12日に出発し、40日間で4本の井戸を掘る。

 最初に着手するのは、右から2本目の井戸。モニタリング用に掘る。メタンハイドレートが大量に埋まっている層を「濃集帯」と呼ぶのだが、この「濃集帯」は、海底面から概ね260~330メートルの地点にある。右から2本めの井戸はこの濃集帯の下まで貫通させ、海底面から370メートルくらい下まで到達する。

 次は一番右の井戸で、これが実際に試験生産するためのものだ。既に濃集帯のすぐ上のところまでは、昨年までに掘ってあるので、今回は濃集帯の中まで掘り下げる。あくまでメタンハイドレートを取り出すことが目的だから、濃集帯の下まで貫通させることはない。

 その次に左から2本目、最後に一番左の井戸を掘る。この2本はモニタリング用だ。この2本を含む、3本のモニタリング用の井戸を使い、温度、圧力、音波速度などを測定する。

 ここでの検証結果をもとに、実際の生産に挑むのは来年の1月からになる。やはり最大の課題はコストだ。現在の日本の液化天然ガスの輸入価格は100万BTUあたり16ドル。BTUというのは液化天然ガスのエネルギー量を表現する際、国際標準で使用されている単位で、1BTUが大体252~253カロリーである。今後、この液化天然ガスの価格は上昇が見込まれるのは間違いない。

 とは言え、数年前にベストのシナリオを前提にして試算した、国産のメタンハイドレートの生産コストは、100万BTUあたりおよそ40ドルにもなり、まだ差は開いている。

 また、井戸からのパイプラインをどうするかも課題の1つ。この近辺には静岡ガス、中部ガス、中部電力が東海地区にパイプラインを持っており、陸上はこれらを活用することができる見込みだ。ただし、近隣には、焼津港をはじめとする漁港がある。沖合の井戸から岸までは70キロメートルなので、パイプラインを新設することが考えられるが、実際に敷設するためには漁業関係者との調整は不可欠だ。

 JAPEXは1990年以降、新潟県の磐舟で、新潟港まで海底から1メートル下に埋める形でパイプラインを引いている。このように海底埋設にするにしても漁業関係者との調整が必要となる。

 メタンハイドレートとは何か?
 メタン(methane) は最も単純な構造の炭化水素で、1個の炭素原子に4個の水素原子が結合した分子である。化学式は CH4。分子は炭素が中心に位置する正四面体構造をとる。常温、常圧で無色、無臭の気体。人に対する毒性はない。融点は −183 ℃、沸点は −162 ℃。

 メタンは強力な温室効果ガスでもあり、同量の二酸化炭素の21倍の温室効果をもたらすと言われている。メタンハイドレートとは、メタンを中心にして周囲を水分子が囲んだ形になっている物質である。大量の有機物を含んだ土砂が低温・高圧の状態におかれ結晶化している。

 見た目は氷に似ているが、火をつけると燃えるために「燃える氷」と言われることもある。ほとんどが海底に存在するが、地上の永久凍土などで発見される場合もある。

 日本近海は世界最大のメタンハイドレート埋蔵量を誇ると言われ、このため日本のエネルギー問題を解決する物質として考えられているが、メタンハイドレートは固体であるため液体である石油とは違い、(石油が枯渇していない現状とも相まって)採掘にかかるコストが販売による利益を上回ってしまう。

 そのため現段階では商売として成立せず、研究用以外の目的では採掘されていない。ただし地球上から石油が枯渇した場合、日本は世界最大のエネルギー資源大国になると言われている。なお、日本政府は2016年までにこれらのメタンハイドレートの商業化に必要な技術を完成させる計画を行うとしている。(Wikipedia)

 経済産業省によると、東部南海海域のメタンハイドレートの埋蔵量は、国内の天然ガス使用量の十数年分にあたる約1兆立方メートル。北海道周辺や新潟沖も合わせると、日本近海の総埋蔵量はガス使用量の約100年分に相当する計7.4兆立方メートルに上ると推計されており、日本の新たなエネルギー源として「大きな可能性を持つ」(枝野幸男経産相)と期待されている。

 日本は石油資源には恵まれなかったが、メタンハイドレートに関しては、日本近海は世界有数の埋蔵地域だ。この東部南海トラフのうち、全体の6分の1にあたる調査対象海域だけでも約1.1兆立方メートルのメタンガスに相当するメタンハイドレートが埋まっていることが分かっている。この量は2005年時点での日本の年間ガス消費量の約13.5年分に相当する。

参考HP Wikipedia メタンハイドレート 日経ビジネス 原発不稼働の危機にメタンハイドレートは救世主になりうるか?

メタンハイドレート (ムー・スーパーミステリー・ブックス)
クリエーター情報なし
学研パブリッシング
王道の日本、覇道の中国、火道の米国
クリエーター情報なし
PHP研究所

ブログランキング・にほんブログ村へ 人気ブログランキングへ ←One Click please