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 地球は大きな磁石
 地球は大きな磁石である。方位磁石を使うと、N極が向く方角が北で、S極を向くのが南と決まっている。NとSは引き合うから、北極は磁石のS極、南極は磁石のN極になっている。つまり、地球全体が一つの大きな磁石なのだ。

 では、どうして地球が磁石になるのだろう? それは、地球の内部にある外核という部分が溶けているから。この外核には金属の鉄などがあって、この鉄が流れると、電気ができて、磁石を引きつける性質が生まれる。電磁石のようなもの。

 例えば、鉄に導線を巻いて電気を流すと、その時だけ磁石になる。こうした仕組みが「電磁石」と呼ばれる。自転車のライトの発電機にも磁石が入っている。この場合は、芯がぐるぐる回ると、今度は逆に、電気が起きる。これは発電機の原理「電磁誘導」だ。

Moon-Mars

 では、月や他の惑星も同じように磁石になっているのだろうか? 地球と違って、月や火星、金星には天体全体を覆うような磁場はない。しかし、月や火星の表面に部分的には磁性を備えた場所がある。これはなぜだろうか。

 パリ地球物理研究所の研究ディレクターであるマーク・ウィツォレク(Mark Wieczorek)氏は、これらの例外的な磁気ポケットは、何十億年も昔、月が磁場を持っていた頃に小惑星が月に衝突したことに起因するという新しいモデルを提示している。

 一般論として、金属を含む岩石を加熱して、その後冷却すると磁性を持つようになる。地球の岩石が磁性を備えているのも、このプロセスによるものが一般的だ。

「地上で確認できる隕石の多くは、金属鉄を豊富に含んでいる。これらは月面上で見られる典型的な岩石と比べて、ざっと100倍は磁気が強い」と、今回の論文の共著者の1人であるウィツォレク氏は説明する。

 月面上で「このような(衝突によって加熱された)小惑星由来の物質が、特定の地域に一定量存在すれば、(月面上の他の地域より)100倍も磁気の強い例外(的地域)が生じるだろう」。

 月や火星に磁場がない理由
 ウィツォレク氏らのチームは、磁性物質が特に多いのは月の南極エイトケン盆地の北側のへりの部分だということも、今回新しく発見している。南極エイトケン盆地は月面上最大のクレーターであり、太陽系全体で見ても最大級のクレーターの1つだ。

 今回の新モデルでは「手始めに、直径200キロの球体を高速で月にぶつけてみる。もちろんコンピュータ上でのことだ。衝突速度と角度によるが、この衝突でできる盆地のへりの部分に、大量の物質が堆積するのを確認できた」。

 具体的には、直径200キロの小惑星が、秒速15キロ、45度の角度で月に衝突した場合に、月の土壌を掘り返して直径1200キロのクレーターができるという結果が得られた。

 このとき磁気を帯びた小惑星の破片が、クレーターのへりの部分一帯の土壌深くに堆積したのではないかとウィツォレク氏らは見ている。

 太陽系の他の惑星に見られる局所的な磁気異常についても、今回の研究成果によって説明できる可能性があるとウィツォレク氏は付け加えた。

例えば、「現在の火星には単一の(惑星全体にまたがる)磁場は存在しない。(しかし)月と同様に、火星の表面にはこうした強い磁場が点在している」。

 火星の北半球の大部分は、比較的新しくできた低地帯であり、より大規模な小惑星衝突の残骸を含んでいる可能性があるとウィツォレク氏は言う。それを裏付けるかのように、「これらの磁気異常は、この盆地を取り囲んで存在することが分かった」。

 その一方で、水星には惑星全体をおおう磁場が存在するが、水星が多数の小惑星の衝突を受けてきたことを示す痕跡も見られる。水星の表面にも同じような磁気異常が見つかったとしても驚くには当たらないとウィツォレク氏は言う。

 今回の月の磁場に関する研究は、「Science」誌3月9日号に掲載された。(National Geographic News March 13, 2012)

 木星の磁場は地球の2万倍
 地球の放射線帯が発見されたのちの1959年、フランク・ドレークは木星電波の各波長成分の相対強度の観測結果から、電波が木星の強い磁場に捕捉された電子から放射されているのではないかと結論した。その予言の通り、1973年にパイオニア10号が木星の近傍を通過した際に、非常に大きな惑星起源の磁場と強い放射線帯が発見された。

 もし地球と木星の磁場をそれぞれ惑星の中心に置いた棒磁石で表現するならば、木星の磁石は地球の磁石の2万倍もの強さになる。木星の磁軸は自転軸からは少しずれており、その点では地球と同じ。また、木星と地球では自転方向は同じですが、磁場の極性は逆になっている。

 木星の磁場がどのようにして作られているのかは、まだわかっていない。木星の核が何でできているのかは不明だが、広く受け入れられている理論によると、木星の核は木星の外側の層が作る大きな重量で圧縮されて金属化した水素でできているという説が有力。金属化した水素は、導電性を持つ。フランクリンとバークによって観測された不思議な電波信号は、木星の放射線帯から来たものであった。木星の放射線帯は太陽系内では最も強力で、パイオニア10号は一回の通過でいくらかの放射線ダメージを受けるほどだった。放射線帯のほかにも木星にはオーロラがあって、地球を周回するハッブル望遠鏡で見ることができる。

 他の惑星にも磁場
 ボイジャー2号は木星、土星、天王星、そして海王星の4つの巨大惑星すべてを訪れた(最初の二つはパイオニア10号、11号とボイジャー1号も訪れた。また、ユリシーズは木星をフライバイした。ガリレオは現在、木星周回軌道にある。これら4つの惑星は上で木星の場合について述べたような意味で、地球よりもかなり強い磁場をもっている。土星の磁軸は、観測精度の範囲内で、自転軸と正確に一致している。

 一方で、天王星と海王星の磁軸は自転軸に対しておよそ60度傾いている。惑星の磁気圏の形状と性質は、太陽風の方向(即ち太陽の方向)と磁軸の方向のなす角に依存している。これらの2つの惑星においては、その角度が常に激しく変化。結果として、粒子を何とか捕捉することはできるものの、それらの磁気圏は自転の間に大きな変動に見まわれる。4つの惑星の磁場の起源は不明。土星は核に金属水素を作るだけの大きさがありますが、天王星と海王星はそこまでの大きさを持たない。

 1974年、マリナー10号は水星に行く途中で金星を訪れました。金星には磁場は見つからなかった。太陽風は金星の高層大気すなわち金星電離圏で止められていて、むしろ彗星の尾のような、まったく違うタイプの磁気圏が作られていた。一方、大気を持たず月よりやや大きいだけのゆっくり自転する小さな水星は、予想外にも磁化していた。水星の磁場は弱く、おそらく多くの粒子を捕らえ得るほどには広がっていないものと考えられるが、マリナー10号が水星の夜側尾部を通過した際、明らかに粒子が加速される突変を観測した。これを解明するためにNASAは、水星を周回するメッセンジャー計画を実施している。

 火星と月の表面には、永久磁化した岩石帯が見つかっている。このことは、現在は存在しないものの、過去においてダイナモ磁場が存在していたことを示している。このことは、火星に見られる明らかに現在では活動を停止した巨大な火山の存在などと合わせて、かつてはその内部が高温であったことの強い証拠だ。

 マーズグローバルサーベイヤーによって初めて観測された火星表面の残留磁気は、帯状の構造をしていて大変興味深いもの。このことは、研究者にプレートテクトニクスのアイディアの元となった地球の海底で見られる磁気の縞模様を思い起こさせる。ただ、火星の磁場観測はまだ十分に詳細には行われておらず、確かな結論には至っていない。

参考HP 大いなる磁石、地球 惑星磁気学 National Geographic news 月の磁気異常原因は小惑星衝突? 火星の磁場消滅、原因は巨大な小惑星

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