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 1万1500年前という時代
 旧石器時代とは、人類が日本列島へ移住してきた時に始まり、1万6000年前頃までの時代。無土器時代、先土器時代ともいう。日本列島が大陸と陸続きだった数十万年前に渡ってきたゾウやマンモスなどの化石が発見されていることから、人類の足跡もその頃にさかのぼるといわれる。

 今のところ日本列島で見つかっている最も古い遺跡は、今から約3万5千年ほど前のもの。縄文時代の始まりを告げる土器の出現は約1万4000年ほど前と考えられているので、日本列島の旧石器時代は約2万数千年以上続いたことになる。

 縄文時代は、年代でいうと今から約1万6,500年前(紀元前145世紀)から約3,000年前(紀元前10世紀)、地質年代では更新世末期から完新世にかけて日本列島で発展した時代であり、世界史では中石器時代ないし新石器時代に相当する時代である。旧石器時代と縄文時代の違いは、土器の出現や竪穴住居の普及、貝塚の形式などがあげられる。

Peking-man

 縄文時代の終わりについては、地域差が大きいものの、定型的な水田耕作を特徴とする弥生文化の登場を契機とするが、その年代については紀元前数世紀から紀元前10世紀頃までで、多くの議論がある。

 弥生時代は、およそ紀元前3世紀中頃(ただしこの年代には異論もある)から紀元後3世紀中頃までにあたる時代の名称である。具体的には、稲作技術導入によって日本での水稲耕作が開始された時代である。その後、古墳時代、飛鳥時代、奈良時代、平安時代…と歴史や大河ドラマなどで、お馴染みの時代が続く。

 ネットで話題に?馬鹿洞人
 日本では縄文時代にあたる1万1500年前(世界では新石器時代)、中国南部で「未知の人類の骨が見つかった」と、議論を呼んでいる。最新研究によると、この人類は突出したアゴと眉弓を持ち、シカの肉を食べ、洞穴に暮らしていたという。

 この「謎の人類化石」は、3万年前に絶滅したネアンデルタール人のように、近年、現生人類と共存していた、まったく新しい種の可能性もあると、中国とオーストラリアの研究チームは主張している。

 今回の研究は主に、中国雲南省の馬鹿洞(Maludong)で1989年に見つかった少なくとも3人分の骨の分析結果に基づいている。中国では北京市房山県周口店竜骨山の森林で、1929年に発見された北京原人が有名であるが、北京原人は約78万年前の人類であり、時代が違う。

 今回の新人類は、「馬鹿洞人」といい、「バカな人」が発見されたとネットでいち早く話題になった。実際は「マルドン人」。以前、「中国のチンポー族が1000人で剣の舞を行い世界記録樹立」というネタでも、ネットで話題になったことがある。ちなみに、中国では「馬鹿」という言葉が「頭が悪い人」を意味することはない。

 馬鹿洞人の特徴
 研究チームによると、馬鹿洞で見つかったヒトは、平たい顔、幅広の鼻、おとがい(下アゴ)の小さい突き出たアゴ、大きな臼歯、丸い頭蓋、飛び出た眉弓(目の上の骨の隆起)、分厚い頭蓋骨という、通常と異なる特徴を備えていたという。

 一見すると原始的な特徴を備えているにもかかわらず、放射性炭素年代測定法を用いて化石の年代を調べたところ、この“馬鹿洞人”はわずか1万4500~1万1500年前に存在した可能性が示唆されたという。ネアンデルタール人など、他のヒト属の種はすべて絶滅したと考えられている時代だ。

 これが事実なら、馬鹿洞人は、インドネシアのフローレス島で見つかった有名なホモ・フローレシエンシスよりさらに新しい時代に生きていたことになる。ホモ・フローレシエンシスもまた、ヒト属の新種の可能性が議論されている生物だが、2003年に発見されたこの“ホビット”が生きていた時代は、少なくとも1万3000年以上前だ。

 「われわれが発見した先史人類の新たな個体群は、まるで数十万年前の人類の祖先のように、原始的特徴をいくつも備えた頭蓋骨が通常とは異なっている」とオーストラリア、ニューサウスウェールズ大学の進化生物学者ダレン・クルノー(Darren Curnoe)氏は電子メールで述べている。「要するに、ヒトの進化系統に属する中でも、解剖学的に特異な存在ということだ」。

 ヒト族の新種?
 研究チームは今のところ、自分たちの発見を“ヒト属の新種”と呼ぶことに慎重な姿勢を見せている。

「人類進化の研究者たちが抱いている大きな疑問の1つは、われわれの種、ホモ・サピエンスの生物学的定義がいまだ満足に定まっていないということだ」とクルノー氏は言う。「それが大きな理由の1つとなって、馬鹿洞人を現時点で分類することには慎重になっている」。

 それでも「今回得られた証拠は、馬鹿洞人が新たな進化系統であるという可能性のほうにやや傾いている」とクルノー氏は考えている。「これらの頭蓋骨は解剖学的に特異だ。現在の人類から15万年前のアフリカに生きていたヒトまで、あらゆる現生人類と大きく異なっている」。

 しかし別の可能性として、彼らが東アジアに生きていた石器時代人の一部だったとも考えられ、それが事実なら、アフリカを出て他の地域へ分散した現生人類として、これまで知られていなかった初期の例だと研究チームは述べている。「彼らは限られた交流しか持たず、おそらく現在の東アジア人の起源とは何の関係もない」とクルノー氏は言う。

 謎の人類に「特別なところはない」
 馬鹿洞人は進化的に特異な存在だとする研究チームの見解は、他の研究者からは懐疑的に受け止められている。

 ミズーリ州セントルイスにあるワシントン大学の自然人類学者、エリック・トリンカウス(Erik Trinkaus)氏は今回の発見について次のように述べている。「頑健なつくりの初期現生人類を、不運にも過大に誤って解釈したものであり、おそらくは現在のメラネシア人に近い存在だろう」。メラネシア人は、パプアニューギニアからフィジーにかけての太平洋の島々に住む民族だ。今回発表された化石人類に「特別なところは何もない」とトリンカウス氏は言う。

 ドイツのマックス・プランク進化人類学研究所に所属する自然人類学者フィリップ・ガンツ(Philipp Gunz)氏も、馬鹿洞人の“普通でない”外見的特徴はおそらく「現生人類が多様性に富んだ種であることを示すものにすぎない」と述べている。

 ガンツ氏は、この中国の化石は、アフリカから他地域への移住が、現生人類の異なる個体群によって何度も行われたことを裏付けるものかもしれないと考えている。

 馬鹿洞人に関する今回の研究成果は、3月14日付で「PLoS ONE」誌オンライン版に掲載された。(James Owen for National Geographic News March 15, 2012)

参考HP Wikipedia 縄文時代 National Geographic news 中国で発見の化石、未知の人類か?

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