銀河の数、星の数
 銀河には、1000万(10の7乗) 程度の星で成り立つ矮小銀河から、100兆 (10の14乗) 個の星々を持つ巨大な銀河まである。これら星々は恒星系、星団などを作り、その間には希薄なガス状の星間物質や宇宙塵が集まる星間雲、宇宙線が満ちている。ほとんどの銀河では質量の約90%をダークマターが占める。

 観測結果によれば、すべてではなくともほとんどの銀河の中心には超大質量ブラックホールが存在すると示唆される。これは、いくつかの銀河で見つかる活動銀河の根源的な動力と考えられ、銀河系もこの一例に当たると思われる。
 
 銀河はその具体的な形状を元に分類される。一般的な形態は、楕円形の光の輪郭を持つ楕円銀河である。渦巻銀河は細かな粒が集まった、曲がった腕を持つ形状である。渦巻銀河には棒状の腕を持った棒渦巻銀河もある。レンズ状銀河は楕円銀河と渦巻銀河の中間のタイプ。不規則でまれな形状を持つ銀河は不規則銀河と呼ばれ、近くの銀河から引力の影響を受けて形を崩したものである。

 楕円銀河に対して、渦巻銀河・棒渦巻銀河・レンズ状銀河をまとめて円盤銀河とよぶ。観測可能な宇宙の範囲には、少なくとも1700億個の銀河が存在すると考えられる。


Sombrero Galaxy

 帽子のような形でおなじみの「ソンブレロ銀河(M104)」はおとめ座にある。この銀河は典型的な円盤銀河と考えられてきた。ところが、ハッブル宇宙望遠鏡による、赤外線観測で、実は大きな楕円銀河の中に円盤が収まった複雑な構造となっていることが明らかになった。

 このような形状となるには、90億年前におきたある出来事が原因だという。

 赤外線で明らかになったソンブレロ銀河の二重構造
 おとめ座の方向2800万光年かなたにあるソンブレロ銀河(M104)は、平らな円盤と中心部のバルジがまるでつばの広い帽子のように見えることからその名が付けられている(画像1枚目)。この円盤がリング状なのか渦巻き状なのかは不明だが、大まかな銀河の種別としては、楕円銀河ではなく円盤銀河であることは明らかなはずだった。

 だが実はこの銀河が、楕円銀河の中に円盤が収まった複雑な構造を持つことがNASAの赤外線天文衛星「スピッツァー」の観測で明らかになった。可視光で見た銀河の周りの明るいハロー(球状に取り囲んでいる部分)は比較的軽くて小さいと見られていたが、ダスト(塵)に隠れた古い星までとらえた「スピッツァー」の赤外線画像から、このハローが実は巨大な楕円銀河のものに相当するサイズと質量を持っていることが明らかになったのだ。2つのタイプの構造を併せ持つ、これまで見つかった中でも稀有な例である。

 この構造はどのようにして出来たのだろうか。巨大な楕円銀河が円盤銀河を飲み込んだと考えがちだが、このケースでは円盤の構造が崩れてしまうため可能性は低いという。

 1つ考えられるのは、90億年以上前、楕円銀河にガスが大量に供給されて作られたというシナリオだ。この頃の宇宙にはガス雲が網の目のように広がり、その一部は銀河の成長源となっていた。重力によって引き込まれたガスが銀河中心核の周囲を渦巻き、平らな円盤を形成する。そしてその円盤のガスを材料として星が形成されたというのである。

 「このシナリオには様々な疑問が残ります。大質量の楕円構造の中で大きな円盤がどうやって形成され、存続したのか。そしてこのような形成過程はどのくらい稀なものなのか、といったものです」(ヨーロッパ南天天文台のRubén Sánchez-Janssen氏)。

 これらの疑問は、銀河全般の進化を理解するヒントにもなる。ソンブレロ銀河と同様の例として「ケンタウルス座A」があるが、その円盤には星の数が少なく、ソンブレロ銀河のようになる手前の段階にあると推測されている。

 一方で、今回の研究で解消された疑問もある。通常、楕円銀河に多く見られ、渦巻き銀河などでは数百個程度しかない球状星団(古い星々が球状に集まった天体)が、なぜソンブレロ銀河には約2000個も存在するのか。巨大な楕円銀河の姿が明らかにされたことで、この謎が明らかになった。(2012年5月2日 NASA)

 ソンブレロ銀河(M104)とは?
 ソンブレロ銀河 (Sombrero Galaxy)は、M104、NGC4594などともよばれる。おとめ座にある“渦巻銀河”とされている。おとめ座のスピカの約 11° 西に位置する。

 この銀河は非常に大きなバルジを持ち、塵による顕著な暗黒帯がディスクに見られるのが特徴である。地球から見てちょうど銀河面を横から見る向きに位置しており(エッジオン銀河)、ソンブレロを横から見た姿に似ていることからこの名が付けられている。視直径は月の約 1/5 である。肉眼で見ることはできないが、小口径の望遠鏡では容易に見ることができる。

 M104 はおとめ座にあるが、おとめ座銀河団のメンバーではないと考えられている。この銀河の実直径は50,000光年から140,000光年まで文献によって様々な説がある。ハッブル宇宙望遠鏡によって M104の画像が撮影された際の解説によれば、直径約50,000光年で質量は約8,000億太陽質量とされている。

 M104のハローには大規模な球状星団系が存在する。大きな望遠鏡では少なくとも数百個の球状星団を見ることができる。実際には2,000個以上の球状星団が銀河本体を取り巻いていると考えられている。これは我々の銀河系の球状星団の数よりもはるかに多い。また、最近撮影された高分解能の画像によって、M104のハローが非常に大きな領域に広がって存在していることが明らかになっている。これは楕円銀河の特徴に近い。

 1783年5月6日のフランスのピエール・メシャンの手紙にこの天体を発見したことが記されている。M104はメシエカタログの初版の発行後に追加された最初の天体である。シャルル・メシエ自身は 1781年5月11日に自分のカタログに手書きでこの天体のことを「非常に淡い星雲である」と追記している。1784年5月9日にはイギリスのウィリアム・ハーシェルが独立に発見している。彼は「微かな拡散した楕円の光芒。角を分ける間隔があり星雲の大部分はその上方にあるのが明瞭である」として暗黒帯の存在を初めて記録した。

 1912年にアメリカのヴェスト・スライファーが、M104の光が大きく赤方偏移していることを発見、この時の赤方偏移の量からM104は地球から約1,100km/sの速度で遠ざかっていることが明らかになった。この速度は銀河系の内部に属する他のどんな天体よりも速いものであった。この発見は、M104が銀河系内の星雲ではなく銀河系外の天体であること、また宇宙があらゆる方向に膨張していることを示す最初の手がかりとなった。(Wikipedia)

 楕円銀河とは?
 楕円銀河(elliptical galaxy)は銀河のハッブル分類における種類の一つ。以下のような特徴を持つ。 銀河全体の角運動量が非常に小さい。星間物質が非常に少ない、もしくは含まれない。若い星や散開星団が存在しない。 種族IIと呼ばれる古い星から構成されている。大きな楕円銀河は球状星団系を持っていることが多い。

 伝統的な楕円銀河の描像では、楕円銀河は銀河形成初期のスターバーストによって星間物質を失い、星形成が行われなくなった銀河であるとされている。従って、楕円銀河の内部では目に見えるような進化過程は起こっておらず、銀河を構成する星がただ年老いていくだけであると考えられてきた。

 しかし、近年の観測によって、いくつかの楕円銀河に若く青い星団が発見されるようになった。それとともに、銀河の衝突・合体過程によって説明されるような構造も楕円銀河の内部に見つかっている。これらの観測結果を受けて最近の新しい理論では、楕円銀河は様々なタイプの小さな銀河が長い時間をかけてより大きな銀河へと衝突・合体した結果作られたのではないか、というモデルも提唱されている。

 このような合体過程はごく最近または現在でも続いている可能性もあり、その場合には巨大楕円銀河の形成過程に限らず、楕円銀河の起源を広く説明するものかもしれないと考えられている。例として我々の銀河系も、大マゼラン銀河・小マゼラン銀河という2つの小さな銀河を呑み込みつつあることが知られている。(Wikipedia)

 円盤銀河とは?
 円盤銀河(disk galaxy)とは、ディスク構造を持つ銀河の総称。渦巻銀河・棒渦巻銀河・レンズ状銀河を含む。これらの銀河を楕円銀河と対照させて呼ぶ場合の呼称として使われることが多い。

 渦巻銀河: 渦巻銀河はディスク内に明るい渦状腕を持っているためにその名が付いている。渦状腕はバルジから外側に向かって螺旋を描くように伸びており、腕に沿ってダーク・レーンと呼ばれる暗い筋状の構造やHII領域などの星形成の盛んな領域が見られる。渦巻銀河の中には flocculent spiral galaxies と呼ばれる、あまり明瞭でない切れ切れの渦状腕を持つような銀河もあるが、この渦状腕の存在によって渦巻銀河とレンズ状銀河(S0銀河)は区別される。

 棒渦巻銀河: 渦巻銀河と全く同じ特徴(バルジ即ち中心核部分は老齢の赤っぽい星が多い。腕の部分は青い若い星が多く見られ、星間物質を豊富に含む、等)を持つが、銀河中心のバルジを貫くような配置の棒状構造をディスク(中心核と腕を含む銀河円盤)内に持ち、渦状腕がこの棒構造の両端から伸びている点が通常の渦巻銀河と異なる。

 レンズ状銀河: 一見、扁平率の大きな楕円銀河にも似ているが、その表面輝度分布が銀河ディスクに特徴的な指数関数的分布をしているために楕円銀河とは区別される。このため、ハッブル分類では楕円銀河と渦巻銀河の中間に位置する銀河とされている。 ガスが非常に少なく若い星が見られないことから、渦巻銀河が何らかの理由でガス成分を失い、新たな星形成が行われなくなった銀河ではないかと考える説もある。 また、銀河の数が少ない領域にはレンズ状銀河はほとんど見られず、銀河団内部など、銀河の密度が高い領域に相対的に多く見られるという特徴もあり、レンズ状銀河の成因と関係があるのではないかと考えられている。(Wikipedia)

参考HP Wikipedia 銀河 ソンブレロ銀河 アストロアーツ 赤外線で明らかになったソンブレロ星雲の二重構造

銀河―宇宙に浮かぶ不思議な天体 ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた驚きの宇宙
沼澤 茂美,脇屋 奈々代
誠文堂新光社
ハッブル望遠鏡宇宙大展望―厳選された80の最新観測 (ニュートンムック Newton別冊)
クリエーター情報なし
ニュートンプレス

ブログランキング・にほんブログ村へ 人気ブログランキングへ ←One Click please