重力レンズで見た“天の川”に100億の地球型惑星
 太陽系外惑星(Extrasolar planet)とは、太陽系にとっての系外惑星、つまり、太陽系の外にある惑星である。多くは(太陽以外の)恒星の周りを公転するが、白色矮星や中性子星(パルサー)、褐色矮星などを回るものも見つかっており、他にもさまざまな星を回るものが想定される。自由浮遊惑星(いかなる天体も回らない惑星大の天体)を惑星に含めるかどうかは議論がある。1990年代以降、多くの系外惑星が実際に発見されている。

 最近の研究では、天の川銀河の恒星は惑星を従えているのが普通のようだという。1995年に設立された共同プロジェクト「PLANET(Probing Lensing Anomalies NETwork)」は、南半球にある5基の望遠鏡を使い、2005年から6年間に渡って重力マイクロレンズ現象を捉える観測によって数百万の恒星を調査した。

 その結果、恒星周辺の惑星には例外よりも規則性が多いと結論づけた。観測対象となった恒星は、平均して1つ以上の惑星を保持していた。これは、地球からわずか50光年の範囲内に1500以上の惑星が存在する可能性を示している。

Planets

 また研究では、巨大化した木星サイズの惑星よりも、地球サイズの惑星がはるかに多く存在すると結論づけている。われわれの銀河の全域では、100億もの地球型惑星が存在することを示唆することになるという。

 研究の成果は、「Nature」誌の2012年1月12日号に掲載された。(National Geographic News April 27, 2012)

 トランジット法で見た“天の川”に太陽系がいっぱい
 また、別の方法でも次々に系外惑星は見つかっている。2012年1月26日、NASAのケプラー宇宙望遠鏡チームは11の惑星系で新たに26個の太陽系外惑星を確認したと発表した。複数の天体が恒星の手前をトランジット(通過)する惑星系は、これで確認数が3倍に増えた。

 ケプラーのデータに基づく新たな研究成果によると、今後は多惑星系の発見が増加するという。惑星が1つしかない系より、はるかに誤検出の可能性が低いからだ。

 「1つの系に複数の惑星候補があれば、すべて本物と見てまず間違いない」とアメリカ、マサチューセッツ州ケンブリッジにあるハーバード・スミソニアン天体物理学センター(CfA)の天文学者で研究を共著したエリザベス・アダムズ(Elisabeth Adams)氏は言う。「惑星候補を複数持つ系はケプラーのデータで170個発見されている。惑星の数は408個だが、“はずれ”は1つか2つだろう」。

 今回の研究では、天の川銀河に多惑星系が多数存在する証拠が積み上げられた。しかし、マサチューセッツ工科大学(MIT)で系外惑星を研究するサラ・シーガー(Sara Seager)氏は発表に対し、「肝心の太陽系型惑星系の数については何もわかっていない」と指摘している。

 惑星候補が多いほど信憑性が高い
 ケプラーは宇宙の一領域を対象に、天体のトランジットで引き起こされる恒星の明るさのわずかな減少を検出し、系外惑星候補を発見する。

 ただし、トランジットを観測するだけでは惑星の存在を証明できない。小型の恒星がはるかに大きな近隣の恒星を横切るなど、その他の現象でも主星の明るさが定期的に減少する可能性がある。「ケプラーでは、連星の食現象と惑星のトランジットの区別がつかない」とアダムズ氏は述べる。

 従来、発見された系外惑星候補の真偽は、質量を測定する方法で検証されてきた。しかしケプラーが発見した候補数は数千に上るため、この方法では時間がかかりすぎる。

 今回、アダムズ氏のチームは統計分析を実施し、1つの惑星系で複数の誤検出が起こる可能性は極めて低いと確認。惑星系に複数の惑星候補がある場合、真偽の検証は基本的に不要だと主張する。

 アダムズ氏は、「惑星は多様なプロセスで形成される。1つあれば、他にも存在する可能性が極めて高い」とも語る。1つの系に惑星候補が多いほど、すべてが本物である可能性が高くなる。「同じ惑星系で誤検出が3つも4つも起こる確率は、すべてが本物である確率よりはるかに低い」。

 共鳴関係も有力な証拠
 
「多惑星系発見の確証は、公転周期の比が“2:1”、“3:2”、“4:3”ならさらに高くなる」と、カリフォルニア州にあるNASAエイムズ研究センターの天文学者で研究主任を務めたジャック・リッサウアー(Jack Lissauer)氏は話す。

 いずれかの周期比なら軌道共鳴の状態と考えられるからだ。太陽系の海王星と冥王星にも見られる現象で、主星を公転する2つの天体が周期的に重力を及ぼし合う。

「共鳴関係にある惑星同士は、予測可能なパターンで互いに摂動を与える場合が多い。それによって公転周期が変化すれば、トランジットのタイミングもずれる」とリッサウアー氏は説明する。惑星が主星の手前を定期的に横切る際、わずかな加速や減速があれば、ケプラーで検出が可能だ。

 MITのシーガー氏は新たに提案された手法について、増え続ける惑星候補をふるいに掛ける便利な統計ツールと評価する。「候補を1つ1つ検証する時間はないし、質量の測定は技術的に難しいケースもある。この手法なら、多くの候補をまとめて検証可能で、誤認のリスクも少ない」。

 今回の研究成果は、「Astrophysical Journal」誌の次号に掲載された。(Brian Handwerk for National Geographic News February 1, 2012)

 太陽系外惑星の観測方法
 系外惑星の探査方法は、重力レンズによる空間の歪みを測定する方法や、トランジット法(食検出法)のように恒星の表面を、惑星が横切るときのわずかな光の減衰を捉える方法以外にも様々な方法がある。

 直接観測法: 直接惑星を観測する方法である。観測技術の向上により、驚いたことに望遠鏡で直接発見された惑星もある。例えばフォーマルハウトの惑星b。直接観測は、文字通り望遠鏡で系外惑星を直接観測することである。実際には中心となる恒星と惑星の距離が非常に近く、また恒星に比べ惑星が非常に暗いため、惑星からの光を恒星の光と分離することは非常に困難であった。しかし画像処理技術の進歩により、2008年には系外惑星の直接観測が可能になった。また、過去に撮影された画像から新たな惑星が見つかる可能性も高まっている。

 2008年11月にはハッブル宇宙望遠鏡がみなみのうお座の1等星フォーマルハウトで惑星の可視光撮影に成功と発表された。過去に撮影された画像を比較することで宙域を移動する光点がみつかり、軌道計算の結果、フォーマルハウトの周囲を公転する天体(フォーマルハウトb)と確認された。また恒星を取り巻くダストリングの分布などから天体の最高質量が木星の3倍以下であることも判明し、史上初めて名実ともに直接観測で確認された太陽系外惑星となった。 この惑星は主星から115AUの遠距離を872年かけて公転している。また惑星の反射が距離やフォーマルハウトの光度と比較して明るすぎるため、土星のような巨大な環によって光が拡散していると推定されている。
 
 位置天文学法: 位置天文学法 (Astrometry) は、木星のような巨大な惑星によって恒星がふらつく様子を位置天文学的手法により精密観測し、それによって惑星の存在を確かめる方法である。連星の不可視伴星の発見に用いられるのと同じ手法である。1943年以降の初期の系外惑星探査に用いられたが、当時はまだ観測精度が低かったため、大きな成果をあげることはなかった。
 
 2009年、太陽系から約20光年の距離にあるわし座の恒星「VB 10」に、位置天文学法によって初めての系外惑星が発見された。Pravdoらはパロマー山天文台の5mヘール望遠鏡で、12年間にわたり30個の恒星を断続的に観測し続けた。発見された惑星は木星質量の6倍もある巨大なガス惑星で、「VB 10b」と名付けられた。主星であるVB 10は太陽質量の12分の1ほどしかないM型赤色矮星で、VB 10bとの質量比は15倍ほどしかない。しかしながら、直径についてはほとんど同じだと考えられている。
 
 視線速度法: 視線速度法は、ドップラー偏移法とも呼ばれ、惑星によって恒星が視線方向にふらついた時に起こるドップラー効果によるスペクトル変化を調べることで系外惑星を探す方法である。基本的には分光連星を発見する手法と同じものである。ベレロフォン (51 Pegasi b) をはじめ、多くの惑星がこの方法によって発見されており、2009年の時点で、もっとも多くの系外惑星の検出に使用された観測方法である。
 
恒星のふらつきを捉える点では位置天文学法と同じだが、恒星の位置ではなく速度の変化を計測する点が異なる。このため惑星が恒星の近くを周回しているほど見つけやすいという特徴がある。また、恒星のふらつきのうち視線方向の成分のみを観測するため、惑星の下限質量しか分からないという特有の問題がある。惑星の真の質量を知るには他の観測方法や力学シミュレーションと組み合わせる必要がある。
  
 パルサー・タイミング法: パルサーとは、周期的にパルス状の電磁波を出す天体である。パルスの原因はパルサーの自転によるものと考えられている。パルサーに惑星が存在する場合、パルスに周期的なズレが観測される。このズレから惑星を間接的に観測する方法がパルサー・タイミング法である。公式な記録上、最初に発見された系外惑星であるPSR B1257+12の惑星系などは、この方法で発見された。(Wikipedia)

参考HP Wikipedia 太陽系外惑星 National Geographic news 天の川銀河に100億の地球型惑星

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