高速な泳ぎ、新種シーラカンスを発見
 シーラカンス(英名:Coelacanth)は肉鰭綱シーラカンス亜綱シーラカンス目に属する魚類の総称。またはシーラカンス目ラティメリア科ラティメリア属の現生種で最初に発見された Latimeria chalumnae の和名。

 現生種としては Latimeria chalumnae とLatimeria menadoensis の2種が知られる。 体長1〜2m。深度150〜700mに生息する深海魚である。水温・水圧の変化に弱い。 古生代と中生代のシーラカンスは、浅い海や淡水域に広く分布していたらしい。体型、体長もさまざまなものが知られ、現生のシーラカンスに近い体型のものから、タイのように体高が高く、扁平な体をしたものもいた。また、復元された全長が3mに達する巨大な種も知られている。

 今回、新種のシーラカンス「レベラトリクス(Rebellatrix)」の化石が発見された。最も大きな個体の標本で、体長は90センチ以上あったと推測される。シーラカンスには最大で1メートル50センチまで成長する種があり、このサイズは珍しくないという。

New-species-Coelacanthiformes

 レベラトリクスが最初に誕生したのは2億5000万年前ごろと推測されている。この時期は、ペルム紀(二畳紀)末の大量絶滅の直後に相当する。原因は未解明だが、地球上の90%の種が死に絶えたという。 かつては絶滅したと考えられていたシーラカンスだが、1938年、アフリカ沖で生きた個体が確認された。 既知の現生種と絶滅種は、いずれも幅の広い尾が特徴である。しかし、最近化石で発見された新種「レベラトリクス(Rebellatrix)」はマグロのように分岐した力強い尾を持っているという。 Photograph by Laurent Ballesta, National Geographic

 研究チームのリーダーでカナダ、アルバータ大学の生物学者アンドリュー・ウェンドラフ氏は、「大量絶滅により、海中で高速移動する捕食動物がいなくなった。その隙間を埋めるように、レベラトリクスが進化していったのだろう」と話す。(National Geographic News May 4, 2012)

 謎多きシーラカンス、寿命は百年以上?
 シーラカンスは種として見た場合に世界最古の魚類の1つだが、個体レベルで見ても長生きであるらしい。この原始の魚は100歳かそれ以上まで生きられるとする最新の研究が発表された。

 1938年にアフリカ沖で1匹のシーラカンスが発見されるまで、専門家の間ではこの魚は、他の有史以前のさまざまな魚類と同様に、6500万年前に絶滅したものと考えられていた。  

 ひとたび再発見された後は、インド洋西部と太平洋西部の一部の海域で、まとまった数のシーラカンスが確認された。この2つの海域の個体群に相互の関係があるかどうかは謎とされてきた。

「この魚の捕獲は続けられたが、生息数がどのくらいかとか、もしかしたらこれらの種は別の海域から流れ着いたものではないかとかいった、個体群全体に関することは何も分からなかった」と、今回の研究を率いたハンス・フリッケ氏は言う。フリッケ氏は動物行動学の専門家で、以前はドイツのブレーメンにあるマックス・プランク研究所に所属していた。

 信頼に足るデータがなかったために、フリッケ氏らのチームは21年にもわたる調査を始めることになった。調査対象は、セーシェルとマダガスカルに挟まれた島国コモロの近海で発見されたシーラカンスの個体群だ。

 シーラカンスは水深約160~200メートルのところに生息するため、ダイバーによる観察という選択肢はなかった。そこでチームは、潜水艇を使って写真と動画を撮影し、この魚を研究した。シーラカンスの体側には個体ごとに特有の白い斑点があるので、数百回にも及ぶ潜水艇調査の中でチームは140匹以上の個体を識別できた。

 ところが300~400匹の個体群の中で、未成熟の個体は1匹も見つからなかった。加えて、この魚がどのようにして生まれるかもほとんどわからなかったとフリッケ氏は話す。

「1匹の妊娠したメスにピンガー(追跡装置の一種)を付けて、この個体がさらに深くへ降下していくのを追跡した。それで、母親は出産のために非常に深くまで行くのではないかと考えている」とフリッケ氏は推察する。

 さらに奇妙なのは、毎年3~4匹の個体しか死んでいないようと見られることだ。しかも、この死んだ3~4匹が個体群の中で占めていた位置は、どこからともなく現れた3~4匹の若い成体によって引き継がれる。

 この個体群では毎年約4.4%しか死んでいないということになるが、この数値は魚類の死亡率としては、記録されている中では最も低いレベルだ。そのためフリッケ氏は、シーラカンスの寿命を約103年と試算した。魚類ではほかに、深海に住むメバル属の仲間も同様の死亡率で、寿命は約100年だ。

 長寿であるにも関わらず、シーラカンスには年月による衰えがほとんど見られない。そのため、個体の年齢を特定するのはきわめて困難だ。

 しかも、魚の年齢測定に通常使われる、ウロコの年輪を測定するなどの方法は、シーラカンスには適用できない。というのも、シーラカンスのウロコはほかの魚と違って経年変化しないようだ、とフリッケ氏は言う。「1989年にコロニーに到達した何匹かの成体の写真を撮影したが、まったく成長しなかった。シーラカンスは一目見て年齢を当てるというわけにいかない」。(Matt Kaplan for National Geographic News June 10, 2011) 

 シーラカンスの発見
 1938年12月22日、南アフリカのイーストロンドンの博物館員であるマージョリー・コートニー=ラティマー(Marjorie Courtenay-Latimer、女性)が、南アフリカ南東部のインド洋のカルムナ川河口付近で漁をしていた漁船の獲物の山の中に、見慣れない魚を見つけた。

 どの文献に当たってもその魚の正体が判らなかったラティマーは、知り合いの魚類学者ジェームズ・レナード・ブライアリー・スミス(James Leonard Brierley Smith)にその魚のスケッチを送り、助言を求めた。そのスケッチは簡単に描かれた物であったにもかかわらず、白亜紀末に恐竜とともに絶滅したはずのシーラカンスの特徴がはっきりと描き込まれていた。

 最初の標本は腐敗のため、頭と剥製用の皮膚しか保存することができなかったので、スミスたちは100ポンドの懸賞金を掛けた手配書を配って第2の標本を探し求めた。しかし次の標本が発見されたのは14年後であった。しかも発見されたのは最初の発見地から3,000km近く離れたコモロ諸島のアンジュアン島であった。

 一刻も早く現地に飛ぶため、南アフリカ首相D・F・マランに特別機を仕立ててもらったスミスは、今回は軟組織も保存された現生のシーラカンスに出会えた。その標本には第1背鰭が無かったのでスミスは Latimeria 属とは別属と考え、特別機を出してくれた首相に献名して Malania anjounae と名付けた。

 しかし、後に Malania anjounae の第1背鰭は幼魚時代に事故で失われた物だとわかり、コモロ諸島のシーラカンスも Latimeria chalumnae であるとされた。その後、コモロ諸島周辺で200尾以上が捕獲されているが、南アフリカ沿岸ではほとんど採取されないため、最初の標本はたまたま南アフリカ近海に迷い込んだ物と見られている。

 1997年、インドネシアのスラウェシ島において同じラティメリア属の別種が発見され Latimeria menadoensis と命名された。L. chalumnae と L. menadoensis の形態的差異は鱗表面の色彩のみとされている。最新のDNA分析では、2種の分岐が3千万から4千万年前まで遡ることが示唆されている(Inoue et al. 2005)。

 2006年5月30日(現地時間8:39)には、インドネシアのスラウェシ島沖において、福島県いわき市にあるアクアマリンふくしまのシーラカンス調査隊が生きたインドネシアシーラカンスの撮影に成功している。(出典:Wikipedia)

参考HP Wikipedia:シーラカンス National geographic news:高速な泳ぎ新種シーラカンス

ゴンベッサよ永遠に―幻の化石魚シーラカンス物語
クリエーター情報なし
小学館
立体図鑑ミュージアムモデル インドネシアシーラカンス フィギュア
クリエーター情報なし
カロラータ株式会社

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